帰りと逆方向に、バスと電車を乗り継いで船橋駅に戻って電話したら、きいちゃんも丁度着いたところらしい。
改札を出たとこで待ち合わせ。
スイカを通して辺りを見回すと、何本かある柱にきいちゃんが寄り掛かって携帯をいじってた。
俺にはまだ気づいてないみたいだから、そっと回って近づいて、肩をポンと叩いた。
霧「どちらさんですか?」
俺「きいちゃんっ^^;」
霧「ヘヘッ^皿^ おかえり〜^^」
俺「ただいま〜^^」
いつもならキスとかしちゃうけど、まあまず人が大勢いるから無理・・・。
そのかわり、軽くハグだけした。
霧「(帰ったらキスしような^^)」
俺「(そうだな^^)」
お互いの耳元でそう囁いて、とりあえず俺たちは暇つぶしと称して、駅前のドトールでコーヒーを飲む事にした。
=====
霧「免許見っせて〜^^」
ドトールでコーヒーを啜りながら、話題は早速免許の事に。
俺「見たいの〜?^^」
霧「見たいよ〜^^」
俺「ん〜、はい。ど〜ぞ。」
霧「どれどれ〜・・・ん〜・・・何にもいじれない・・・^^;」
俺「なぁ〜?^^ フツーに撮れてんだろ?」
霧「フツー過ぎるよぉ^^; ゆうだけズルイっ」
俺「次の更新の時に変わんだから良いじゃん^^;」
霧「でもそれまでずっとあの写真のままだし−_−;」
俺「ん〜・・・でもあの写真も可愛いじゃん・・・ンククク^^」
霧「ゆう〜!」
俺「ゴメンゴメン、ついつい思い出しちゃって^^」
霧「今晩仕返ししてやる・・・!」
俺「え・・・何されんの・・・?」
大体予想はついてたけど・・・。
するときいちゃんが携帯をいじり始めた。
外で話す時に、あまり声に出しにくい事はいつも携帯のメール機能で打って見せるのがお決まり。
この時も例外じゃ無かったみたい。
きいちゃんはちゃちゃっと携帯で文章を打って、俺にさっと見せてきた。
【エッチの時にイジワルしてやる^皿^】
やっぱり!
俺「きいちゃんさぁ、毎回こうしてやるって言っても全然しないよな^^;」
霧「今夜はど〜かなぁ?^皿^」
俺「う〜コワ〜^^」
まあどうなるかはさておき・・・。
俺「ところで〜。」
霧「なぁに?」
俺「4月に仕事始まるだろ?」
霧「うん。」
俺「あと1ヶ月しかないじゃん?」
霧「だねぇ。」
俺「その間にきいちゃん実家帰ったりすんの?」
霧「う〜ん・・・たぶんしないかもな。」
それを聞いて安心。
早速、きいちゃんに提案する事にした。
俺「提案なんだけど。」
霧「ん、何何?^^」
俺「卒業旅行的なことしない?」
霧「する!」
俺「うわ即答^^;」
まるで俺が提案する事をあらかじめ知ってたみたいに、間髪入れずに賛成票。
霧「ンフ〜^^ 俺も実はそれ考えてたんだ♪」
俺「マジで!?^0^;」
霧「だってもう好きな時に旅行なんて出来なくなるじゃん?それにぃ・・・」
また携帯いじってる。
シークレットメッセージ第2弾ってとこかな。
それにぃ・・・何だろ・・・。
【ゆうとラブラブ旅行行きたいし^^】
俺「ンフ^^ そうだな^^ 俺も行きたい♪」
霧「じゃあ即決だな^0^」
あっさりと決まったなぁ・・・^^
俺「そういや2人で旅行行くの2回目だな^^」
霧「あ〜、そうだぁ。意外と旅行してないんだな俺達。あ、でもこないだの宇都宮は?」
俺「ん〜まぁあれもプチ旅行か^^」
霧「じゃあ今度行くのは3回目な。」
俺「うん。どこ行きたい?」
霧「俺?白浜^^」
俺「白浜?」
霧「俺達の初旅行記念の場所じゃん?」
俺「ん〜・・・そうだなぁ。思い出の場所にもう一回行くのも良いかもな^^」
霧「な?^^」
俺「うん^^ じゃあ前と同じとこに泊まる?」
霧「良いよ^^ あのホテル良かったもんな^^」
俺「うん^^ で・・・何泊する?」
霧「ん〜・・・2泊?」
俺「賛成^^」
思った以上にトントン拍子に話が進んで、3回目のラブラブ旅行の行先は白浜温泉に決まった。
1泊じゃ殆ど移動で時間取られるし、やっぱ2泊が良いよな。
=====
ドトールでコーヒーを飲んだ後、近くの魚民で久しぶりに乾杯。
早起きしてしゃかりきに頑張って疲れてるおかげで、1杯飲んだだけでかなりお酒が回って良い気分^^
霧「ゆう顔真っ赤^^;」
俺「ん〜・・・だってもう酔っちったもん〜・・・」
霧「こりゃあ帰り介抱決定だな^^;」
俺「え〜・・・ダイジョブだっとぅえ〜」
霧「ハハハハハハハッ^^ ほら、お前の好きな鶏皮食っちゃうぞ^^」
俺「あ〜だめ〜。」
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結局もう2杯飲んだ頃には完全に出来あがってたみたいで、気付いた時にはパジャマ代わりのTシャツとトランクスだけの恰好で、きいちゃんに寄り添って寝てたんだ。
微妙に覚えてない・・・どうやって帰ってきたんだっけ・・・
ベッドサイドの時計を見たら、もう夜中の2時。
何時に帰って来たのか思い出せない・・・。
でもはっきりしてる事は、無事に家に戻って来て、きいちゃんのそばでぐっすりと寝てたって事。
ちゃんときいちゃんが酔っ払った俺の面倒見てくれたんだ・・・。
きいちゃんの安らかな寝顔を見ながら、俺はきいちゃんにありがとうって心の中で囁いた。
−喉乾いたな・・・
俺はきいちゃんを起こさない様にそーっとベッドから降りて、冷蔵庫からお茶を出して、ダイニングテーブルの上に置いてあった源氏パイを食べながら、軽く残ってた酔いを醒ます事にした。
キッチンの小さな蛍光灯だけつけた部屋の中は、物音ひとつ聞こえず、サクサクしてるパイの音だけがよく聞こえる。
かすかに残ってる石鹸の香り。きいちゃんはシャワー浴びて寝たんだな・・・。
つか俺は浴びないで寝ちゃったのか・・・。
パイを1枚だけ食べて、そのままシャワーを浴びて寝る事にした。
<続きます。>