好きになってしまった。
ダメだダメだと思いながら、本格的にぼくはきみを恋しいと思ってしまう。
出会いは今年の9月。
ぼくはそんとき22歳、きみはまだ14歳。
8歳差なんて、まるで兄弟みたいだね。
大人になってからの8歳差なんてそうでもないかもしれんけど、若いときには天地の差ほども感じられるよね。
ぼくはカテキョ大学生。きみは高校入試を控えた中学生。
はじめは、先生と生徒。ただそれだけの間柄だった。
いや、正直かわいいなーぐらい思ってたかもしれないけどさ。
彼の机は対面式。ぼくらは、向かい合って授業時間を過ごすことになる。
出会ってから、1ヶ月ほど経ったある日、たまたま、きみの足がぼくの足に触れた。
足が弱いというか、足の触れ合いに弱いぼく。
偶然のタッチがぼくの心の中をかき回す。
ドキドキ…。なぜか離れないきみの足。
お互いに学習に集中していて、ことばは発しない。ただきみはぼくの足に触れ続ける。
ぼくは一歩、進んでみた。ぼくの足をきみの足にのせる。
ドキドキ…。拒否しないきみの足。
そんなことがずーーっと続いてるまま、もう12月になってしまった。
ぼくらの間には、何も起きてない。
ぼくはきみを抱きしめたい。
手を、指をからませたい。
できれば、キスもしたい。
先生と生徒。それでなくても、男と男。
禁断の2乗で、毎日毎日苦しいなー。
コクってくれないかなーーなんて、そんないいこと起きないよね。