はじめて知り合ったのは
四年前の夏だったね
中学生のおれと
高校生のあなたは
お互いに受験生で、メールもたまにだったね
はじめて一緒に行ったのは
渋谷のカラオケで
歌が苦手っていうくせに、妙にかっこよくてさ
ばいばいする前にくれたのは
小指に付けてた
小さな指輪で
女々しいけど、ぴったり嵌まったのは、左手の薬指だけだった
おれのもの付けててほしい
夢なんじゃないかと思ったよ
それから
連絡が全く来なくなったね
次に会えたのは二年後だったかな
池袋のマンガ喫茶に泊まったね
あなたが、付き合ってくださいって言ってくれた
酔った勢いなのかな
地下鉄で見た、賃貸の貼紙とかさ
nが20になったらおれも社会人だから
一緒に家探そうか
柄にもなく、ドキドキしたよ
指輪や
何年後の約束や
好きって言葉とか
いまも覚えてるんだ
それからすぐに言われた
連絡取る気がしない、ってこと
けど
待ってて、って言ってくれたこと
信じて待ってるよ
二年経ったね
何の音沙汰もなくて
心配で
なにかあったんじゃないかと、本当に思って
けど、平気だったね
たまたま街中で見かけたあなたは
影が繋がって歩いてたから
安心したよ
でもごめんね
四年間の気持ちは、ずっと待ってるんだ
信じて、ばかみたいに待ってるんだ
小さな指輪は
大切に机にあるよ
どうしたらいいか分からないけど