それからというもの、シフトがかぶる日(って言っても入れ替わるだけ)は、毎回話すようになった。学科に関しては教える事も出来たが、さすがに技術面で教える事はない。話す事と言えばバイクの話。
『どんなトコに行った』
やら、
『どんなトコに行きたい』
などなど…
話す内容に尽きる事はなかったが、いきなりこんな事を言われた。
龍『今度〇〇〇連れてって下さいよっ』
俺はまぁ適当な会話と受け取り、
俺『おぉ、行くかぁ!いつでもいいぞぉ』
などと返してしまった…
まぁ今思えば、あれがなけりゃ、龍大の事を意識しなかった…いや、もはやこの段階で意識し始めるのも時間の問題だった…
そんな会話があった翌日、授業中知らないアドレスからメールがきた。サイドボタンで確認しただけだから、メルマガだろうと思い、ほっといた。講義が終わり、友達と飯を買いに行きがてらメールの確認をした。
『いきなりスイマセン!龍大です!一也さんの彼女さんから聞いてメールしちゃいました!昨日の事覚えてますか?休みがあったら連絡して下さい』
!!…
??…
一番最初に思ったのが
『はぁっ!?』
それもそのはず。だって俺には彼女なんかいないからだ。
マジで意味がわからず、とりあえず返信だけした。
『おぅ、じゃぁまたな』
これだけ。この時点で龍大が嘘をついて俺にメールしてきている事は明白だった。
この日の俺はこの事で頭がいっぱいだった…