俺は中学すらまともに行ってないから
高校へはいかず、駅前のコンビニでバイトすることにした。
目的があってね
リュウは高校へ進学。
リュウの家はうちから比べると裕福な家庭だったから
ほしいものは手に入るって感じ。
俺はいつでもリュウと連絡取れるように
携帯電話がほしかったんだ
10年前って言えば
今みたいに携帯なんて普及してなかったから
料金も高かったし、カラー液晶なんて珍しかったし
俺の周りはほとんどポケベルだったよ笑
懐かしいな
で、一生懸命バイトして
念願の携帯を契約。
これでいつでもリュウと連絡取れるようになって
合う回数も増えて
一緒にご飯食べに行ったり、買い物できるようになったんだ
それから何ヶ月か経って
メールをするようになって
バイト中もメールしてて、店長に怒られたりね笑
そんな毎日だった
ある日リュウからの連絡が途絶えたんだ
リュウに電話してもメールしても返事なし。
連絡したらすぐ返事くれるのに俺は変な想像ばっかりしてた。
何かあったのかな?
それとも俺のこと嫌いになったのかな?
って
その日はバイトも暇だったし
店長も居たから早上がりさせてもらって
リュウの家に行ってみた
リュウの部屋の窓を叩いて呼んでみたけど
誰も居ないみたい・・・
帰ろうとした時、リュウのお母さんが出てきて
どうしてだろう?泣いてた
すっごい胸騒ぎ
何も聞かないで俺リュウの家に入った
人がたくさん
何が起こったのか理解するまで時間がかかった
ねぇママ?リュウどうした?
連絡なくてさぁ
唯一リュウのママは俺らの関係を知ってて
見守ってくれてる人だった
リュウの死を知ったのはそれからすぐの事だった
学校帰りに、暴走してきた乗用車にはねられたって
即死だったって・・・
リュウの体には痛々しくタイヤの跡がついて
顔はアザだらけになってた
俺涙出なかった
頂点を越えると人間って涙でなくなるんだね
ママは俺にしがみついたまま動かなかった
俺はママを抱きしめることしかできなくて
ただただ、ママが落ち着くのを待ってた