ジョージと俺の親が話してくれたこと。あれは偶然板が割れて怪我したのではなく、板が壊されてたことで起きた事故という。会議で生徒が白状したことで明らかになった事も交え順を追って説明。
旅行1日目、俺が旅館で休んでた日だった。同じクラスのA、B、C、他クラスのD、E、F、Gの7人はよく一緒で、中でもGがボスっぽくて他の6人は取り巻きみたいな感じ。Gは4年目で辛うじて中級組にランクアップ。他の6人はそれまでGに合わせてヘタなふりして初級に留まってたらしいけど。Gが「上手いやつの板ならすぐ上級に上がれるんじゃね?」発言で、ABCが「同じクラスのカール、すっげ上手い」「確かカール、今日部屋で休んでるはず」「ちょっと試してみるだけだもん、すぐ返せば大丈夫」となり、DEFも俺の板引っ張り出す。Gは「かっこいいな。こういう板は俺みたいな人用にあるんだ。俺が使ってやらないと板が勿体ない」と勝手に使った。
ここで大きな間違い。当時、師匠とバックカントリーにも挑戦してたのもあって、そのときの俺の板ってパウダーに寄ってるのが特長のもの。ゲレンデだと上級の人でも扱いが難しく慣れが必要なくらいだ。ビンディングだって角度も個人差があるから調整せず使えるわけがない。当然やっと中級の人が即慣れるわけもないのは目に見えてる。予想通り
「全然使えないじゃん」「この板のせいで俺だけ初級に戻された」「こんなのカールが使うわけがない」「元から壊れてたんだ」「ゴミ板」「クズ板」と板を叩きつけたり踏んだり蹴飛ばしたりの八つ当たり。このとき亀裂でも入ったのだろう。ジョージはこの八つ当たりを目撃してた。2日目、俺は浮かれて板を点検確認という初歩を怠り怪我をした。俺が病院に運ばれ、先生に回収された板を見たとき「これ、Gの板じゃなかったの!?」と口にしたのがきっかけとなってそれぞれの親を交えて事情聞くために学校で会議。ABCは俺と同じクラスだけあって、意識不明って知って怖くなりすぐ自白。つられてDEFも自白。Gは最後まで「知らん」と言ってたらしいけど、2週間経っても意識不明と聞いて耐えきれなくなったんだろう、「板が悪いんだ」「こんなことになるとは思ってなかった」「板にムカついてやった」と白状。当初、俺の親は病院に付きっきりで会議には行ってなくて、運悪く怪我したのかと思ってたらしい。でも後に大事となり親も詳細を知る。