マユミの話で変に意識してしまい、登校してから下校までライオンの視界に入らないように、それはもう普段じゃありえんくらいアグレッシブに逃げ回ること数日。
ジョージ「カール、今日もグッタリだな」
はい、放課後は野球部の部室に避難が恒例と化しております。ジョージは小学からずっと一緒。クラスも中学1年に離れただけで、他はずっと一緒。野球馬鹿でスポーツ万能、普段すっとぼけてズレまくりなくせ学力は中の上、顔は上の中(だと思う)とあって、女子からも人気が高い。なのに!!!
「いやいや、そんだけ好きなら野球部入ってくれてるだろ?」と、好きなら一緒に野球馬鹿になろう的な、残念な思想の残念な人なのだ。てか、ジョージ目当てに野球部マネージャーになった女子、既に3人いるんですけど!既に在籍してたマネージャーその1をプラスしてマネージャー4、絶対多いから!
俺「なあジョージ、なんでいつも元気なのさ?」
ジョージ「ん?そうでもないと思うけど、まあ体力だけはあるから、かな。」
俺「ジョージはさ、爺さんになっても野球やってそ」
ジョージ「なんだそれ。まあ爺さんになっても筋トレしてるかもな。」
俺「ついてけねー。まあついてきたくても無理だわ。」
ジョージ「高校生なのに何言ってんのさ。今から鍛えておけばカールだってマッチョ爺さんになれるぞ。」
俺「爺さんでマッチョってどーよ?まあ、元気でいたいけどさ。
ジョージ「そうそう、元気に長生きするの。で、限界きたらお互い介護しあって暮らしてくの。」
俺「はぁ?ジョージと一緒に暮らす?2人で介護しあって?」
ジョージ「おう!素敵な提案だと思わん?」
俺「ジョージ、1つ確認な?」
ジョージ「うん。」
俺「ジョージは運動は大好きなの知ってる」
ジョージ「うん」
俺「勉学の成績も平均以上なのも知ってる。でも1科目ダメダメでありえない成績なのも知ってる」
ジョージ「うん」
俺「だから、敢えて聞く」
ジョージ「なーにー?」
俺「ジョージ、家庭科全くダメだけど、それでも家事できると思ってる?」
ジョージ「・・・・・。まあ、なんだ、そこはカールに任せれば安心よ。」
俺「丸投げかよ!やっぱ介護しあうよか、福祉施設入った方が幸せになれるな。」
ジョージ「・・・かもな。」
俺「はははっ!ジョージは家事得意彼女、今から作っておけよ。」
ジョージ「うるせー。まあ、そのときが来たらそうするさ、多分な。」
俺「ジョージのおかげで元気出たし、そろそろ帰るわ。」
ジョージ「ああ、あの、さ、カール」
俺「ん?」
ジョージ「今度さ、キャッチボールだけでも、やらね?」
俺「・・・んー、考えとく。」
ジョージ「・・・ごめん。無理にとは言わないから。」
俺「わかってるって。今断るわけじゃないし。ただちょっと考える時間ほしい。」
ジョージ「ごめん、でもそんな深く考えないでな。」
俺「わかってるって。あと、もう俺に謝るな。気つかってくれてありがとうな、ジョージ。」
ジョージ「うん。じゃあ、オレも部活行く。」
俺「怪我すんじゃねーぞ。また明日な。」
ジョージ「サンキュー。また明日。」