明らかに自分が横槍を入れる隙は無かった。
そもそも、既に完成している関係に対して何かをする、という気概は俺には存在しなかった。
だから、コータのことについては諦めるしかない、と思っていた。
その件から、自分の中で諦めはついたつもりだった。
相手には好きな人がいて、付き合いがある。だったら、俺はそれを応援する立場でいる必要があるはずだ。
そう思い、以降の生活をしてきた。
でも、どうしようもなかった。
その思考は、あくまで理性的なものだ。
自分が本当に諦めているのかどうかは、自分が一番知っていた。
全く、諦められていなかった。
三上とコータが付き合っていることを知ったのが、8月。
その半年後、翌年の2月に、俺はコータのところへ遊びに行くことになった。
俺自身コータの住んでいるところには行ったことがなかったし、観光に行くため、という目的もあった。
しかし、俺はやっぱり、単純にコータに会いたかったのだ。
そして、俺はその話を持ちかけた1月に、もう一つの話をコータにすることにした。
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今回は短いけどこのくらいで。
続きはまた後日で。
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