守るものができた
初恋は10代
2つ上の水泳部の先輩
「おれ男興味ないや」
相手はノンケ
あえなく撃沈
二度と男に恋するもんかと
泣きながら
そう誓って生きて20代
年上のリーマン兄貴と
大恋愛
「幸せにするよ」
守られて幸せな日々
携帯電話をみて
浮気を発見する夏の夜
泣きながら終電の電車に乗って
思い出の画像を消したっけ
そんな僕にも
守るものができました
「ぐう…」
助手席でイビキをかいて
寝ている大学生の彼氏
渋滞につかまりつつも
ハンドルに体重をのせながら
横にいる幸せをみつめる僕
思い返せば
泣いてばかりの
恋愛だったけど
じぶんが泣いた分
じぶんはこうはならない
ぜったいに相手を
泣かせるような
男にはならないって
過去の経験があったから
いまのじぶんがいて
過去の恋愛があったから
いまの相手がいる
「ずずっ…」
鼻をこすりながら
涙を拭う
そんな30代の僕
泣き虫は直らないままだけど
いま
すごく幸せです