俺らはそのまま飯を食べ、片付けをする。今日はシンが洗ってくれている。
直接聞く前にちょっと探りを入れてみよう。
シンの真上に戸棚がある。そこに色々収納している。
俺は探し物をするフリをしてシンの後ろから戸棚を開ける。
「うわっ、びっくりした。探し物?」
「あぁ、ちょっとな。」
結構密着してて、じゃっかん不自然だった。
「言ってくれれば俺探すのに。」
と言いながら俯いて食器を洗ってる。んー表情が見えない。
てか俺がたってきた。
「なかったわ。いきなりごめんな。」俺は席に戻る。
「んーん。大丈夫。」
シンが振り返る。若干緊張してるように見えなくもない。いつも通りにも見える。
思い切って言うことにする。
「あんさ、さっきの話だけど。」
「ん?」
「別に就活終わってもしばらくはこの家いていいんだぞ。」
シンは俺を見たまま黙っていた。もうちょっと言葉が欲しいのだろう。
「いや、その、シンが住まいのことばっか気にして就活に専念できなかったら嫌じゃん。」
「そっか。いいの?」
「うん。むしろそうしてくれ。」
「わかった、じゃあとりあえず、いきなり引越しとかは考えないようにする。」
内定もらえてから引越し考えるよ。」
「うん、それで良いよ。最初に変な条件つけてごめんな。」
「カズさんが謝ることじゃないよ。」
そう言ってシンは部屋に戻っていった。