「僕がここで働かせ頂いてから3年とちょっとになります。」
シンタロウの話し方は堂々としていた。真っ直ぐに周りの仲間を見つめている。
「働く前の僕は、人から何かを命令されたり、言われたことをただこなすっていうことが多かったのですが、
ここの職場では、僕のやりたいことを店長、チーフをはじめとした色んな方が、聞き入れてくれ、そしてそれが実現するという職場でした。
何か改善したいことがあるたびに僕は提案をしたんですが、多分、実現されなかったことはないんじゃないかっていうくらい僕の意見をしっかりと受け止めてくれる職場でした。
自分で何か変えるとか、改善しようと思ったものが形になるって、すごい自信につながったし何より、働いているっていう実感を持つことができたと思います。
本当にここの職場で働けて良かったです。
僕は就活が始まるので、辞めてしまいますが、ここで得た経験、知識、とあと自信を無駄にしないよう、精一杯生かして将来の仕事につなげていきたいと思います。」
ここで一旦言葉を区切る。
「で、僕がここで辞めても、別に皆さんとの関係が終わったとは思っていません。
またいつか違う形で皆さんと出会うかもしれないし、またここに僕が戻ってくるかもしれません。
その時に、こいつ成長してないな という風に思われない様に、これからも全力で、頑張っていきたいと思います。
本当に3年と4ヶ月の間お世話になりました。」
そう言ってシンタロウは挨拶を締めた。