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こんなに近く [実話] 3
 mono  - 13/4/2(火) 15:56 -
結局、僕は彼と話すことも目をあわせることもなく、その日を終えた。
もしかしたら、また次の新歓で会えるのかも。そんな期待をしていたかどうか、今ではもう思い出せない。

けど、その日から彼は、確実に僕の記憶のなかに生きていた。
決して恋したわけじゃない、決して追いかけてたわけじゃない。

けど、その日からあいつを、僕は忘れることができなかった。


再会を果たしたのは、意外な場所だった。
きっと、あの風貌と体格からして、運動部に入ってしまったと思っていた。

そういう自分も、流れに気ままに身を任せていたら、気づいたら演劇サークルに所属していたわけで、
結局あの鬼のような新歓はなんだったのだろうと、ばかばかしくなってしまう。


いくつかある演劇サークルは、別々に活動するものの、公演の準備はみんなで一緒に行うのが慣例だ。

だから、他の演劇サークルの人とも、すぐに仲良くなれる。


彼を見つけたのは、初めて彼をみたときから、もうすぐ一年が過ぎようとしていた日のことだった。

「あ。」
「どした?」
「あの人って、お前んとこのひと?」
「ん?あ、川島?うん、そうだよ。同期。知り合いなん?」
「ああ、いや、去年の新歓ときにみかけてさ。なんか印象的で覚えてた。」
「まああんなだからな(笑)」

遠くで、そんな会話をしただけだった。役者をやっているらしい。


嬉しかった。心がほっこりした。

もう二度と会う事なんてないだろうと思ってたけど、同じ空間にいることが不思議だった。

「今度あいつが主役やで。」
「まじか。すげーな。まあ見た目インパクトあるしね」
「お前よか主役っぽいわなw」
「うるせーよ!」

僕も、前回公演で主役はっていた。意外な共通点に、親近感が増した。
今度話しかけてみよう、仲良くなりたい。
最初はそれしか思ってなかった。恋心?そんなものはまだなかった。

だって、イケメンと仲良くなっといて、損はないでしょ?(笑)


結局、彼とちゃんと話をしたのは、彼が主役だった公演が終わり、片付けをみんなでしている最中のことだった。


そのときには、もう君に恋してたのかな。
何を話したかも、どうして話せたのかも覚えてないけど、
その日から確実に、君の存在が少しずつ、僕のなかで大きくなった。


これはきっと、一目惚れだったんだ。

そう気づいたときには、僕はもう恋に落ちてた。


引用なし

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こんなに近く [実話] mono 13/4/2(火) 15:10
こんなに近く [実話] 2 mono 13/4/2(火) 15:37
こんなに近く [実話] 3 mono 13/4/2(火) 15:56



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