「あけましておめでとう だな。」
「だな。」
と言いながら乾杯をする。
今日はシュウとの飲み。新年も明けて3週間が経つ。
「で、どうよ?ルームシェアは。ってかお前シンタロウ君抱いたんだって?」
といきなりぶっこまれ、俺はむせる。
「ゴホッゴホッ っお前、聞いたの!?」
「あぁ笑 聞いたよ。年末シンタロウ君からいきなりメールが来て、なんか霊感の話とか
ほんとにタイプじゃないのかとか、そんな話、相談された。」
「くぁ〜やっぱ納得してねぇよなぁ。でもあれ、ほんと違うから!」
「わかってるわかってる笑 俺もちゃんとフォローしといたから。
でもな、シンタロウ君ちょっと動揺したみたいよ。気 をつけた方が良いぜ。」
「あぁ・・・、気をつける。これから当分映画鑑賞には参加しないようにするわ。」
まぁこの前のは不可避だったわけだが。
「てかお前は何、ほんとにシンタロウ君には何も感じないの?もう一緒に住んで3ヶ月近く経つけど。」
「あぁ、ないよ。どっちかつーと弟かな。お年玉あげようかと思ったくらい。」
「ふーん、弟ねえ。。抱いた感想はどうだったん?」
「だからお前その言い方!」
「ごめんごめんw ちょっと意地悪したw」
そう言いつつ、時々俺はあの朝のことを何回か思い出している日がある。
シンタロウは前の家で使っていたシャンプーを今も使っているからか、頭からはなんか知らない良い香りがして いた。
あの朝はそれどころじゃなかったが、ふさふさした髪の毛からした香りを思い出すと今でも若干ぼんやりする。
ただ、それはやっぱり性的などうこうじゃないと思う。
今までの俺のセックスからして、そんなソフトな趣味はないはずだ。
なんというか、もっとがっつり雄っぽいものにフェロモンみたいのを感じたりする。
「別に。普通に実家で飼ってた犬抱いてた感じだよ。哺乳類抱いてたって感覚。」
俺はわざときつめな言い方をする。
「哺乳類って、お前ひどいなぁ。」
シュウが苦笑する。
「てかさ、シンタロウとシュウはなんで知り合いなの?」
「ん、知人の紹介だよ。お互い一人ずつ連れて4人で飲んだ時に知り合った 。」
「そういうことか。年上好きなのか?」
「そういうわけじゃないと思う。こういう出会いは珍しいって言ってた。」
なるほど。ほんとじゃぁ慣れない男との共同生活で不安だった矢先にあんなことしちゃったのか。
ほんと悪いことをしたな。
そんなことを考えていると、
「あ、てかあれシンタロウ君じゃね?」
とシュウ。