帰り道。
駅から近いのが助けだった。夜道を歩くことになっていたら、確実に タクシーを使っていたと思う。
半端なく怖かった。周りの連中はとにかく面白がって見ていたが、幼少期のトラウマがある俺は笑いごとではなく
みんなに忠告してやりたい気分だった。
最後の方は俺だけテンション下がってて、体調悪いと適当に言って先に帰ったのだった。
てか、今日シンタロウいなかったらどうすんの俺。泊まれば良かったが、あのDVDがある部屋にはいたくなかった。
帰りに明日の朝飯を買って、家に着く。玄関を空けるとリビングの明かりがついてた。良かった。シンタロウ帰ってきてる。
「あ、早かったっすね。おかえりなさい。」
リビングのソファでパソコンをいじっていた。メガネをかけている。初めて見た。
「ただいま。 うん、ちょっとね。ってか、ビール飲んでんの?」
テーブルの上には缶ビールが置いてある。エントリーシートの草案、酒飲みながら作ってんのか。
「いや、これは書き終わったら飲むぞっ!っていう目標です笑 これ見て頑張ってます笑 明日は遊ぶ予定なんで!」
そゆこと。なんとなく、日常に戻ってこれたようで安心する。
今は夜の12時5分前。
「そか。そのまま寝て風邪ひかないようになー。」
「はーい。もうすぐ書き終わるんで♪」
俺はなんとなく安堵し、ご機嫌な感じで部屋に戻る。
今日は多分大丈夫。シンタロウがリビングで作業している内に風呂入ってこよう。