「うん、確かにタイプじゃない。タイプじゃない。話したことないからわかんないけど。」
画面に写っていたのは、身長170センチ前後、体重はわからないが肩幅はそんなにない。
運動してそうな爽やかさはあるが、いわゆる「ショタ系」に分類される童顔の男の子がいた。
「だろ?カズは絶対こういうの関わりすらしないもんな。」
シュウは少し得意げに言う。相手の好みを当てた得意感だろうか。
そんなシュウの顔を見てから俺は
「でもよ、ほんとに 俺の言ってた条件全部クリアしてるのか?そこが一番重要なんだが。」
「してるしてる。」
そう言ってシュウはビールに口を付ける。
今は9月中旬。そろそろ夏のビールのうまさも陰りを見せてくる頃である。
「まず相手のプロフな。身長167センチ体重55キロ21歳 大学3年生。
ルームシェア希望理由は、就活による交通費の削減、と家庭の事情、により
今よりも都心に引っ越したいとのこと。家庭の事情は詳しくは話せないが、
迷惑がかかる事情ではないそうだ。シェア期限は就活で内定が貰えるまで。
大学院に進む予定はないから、まぁ内定が出るのを5、6月だとして今から9ヶ月とかそんなもんだな。」
シュウが一気にそこまで 言ったところで、頼んでいたつまみが来る。なんこつ、手羽先、田楽。
「で、だ。一番重要な所だが、向こうにもカズの写真を見せたが、向こうも全くタイプじゃないようだ。
これは、まぁ何人か共通の知人に聞いた話だが、今まで片想いしてた相手とか好みだと公言してる男からしても
カズのようなタイプは一人もいなかったらしい。」
「むん。なるほど。確かに、俺の望む相手そのまんまだな。」
「で、お前はどうなの?ほんとにタイプじゃない?」
「あぁ、全くと言っていいほどだな。一緒のベッドに寝ても間違いは起きないわw」
「まぁそうだろうな笑 じゃぁ俺からまた話つけとくよ。一回面会してみる?」
「どうすっかなー。シュウはその子のこ とどう思う?」
「いたって普通の子だよ。ノンケの世界いてもゲイって気づかないくらい。素直だし、むしろサークルとかの後輩にいたら可愛がったね。
内定ももしかしたら4月とかに決まるんじゃない?」
「じゃあ、この子にするわ!もう選んでらんないしな!」
「おし!決まり!・・・じゃあ今日は同棲・・・じゃねぇな笑」
「おいw」
「ルームシェアの相手が決まったことに祝杯だな!」
「おーう!紹介料として、今夜はおれのおごりなー。好きなだけのめのめ!」
そんな訳で、来月からの俺のルームシェアの相手が決まった。