あいつのことは本気で好きだ。でも叶わないと知っている…「カイくん」彼のことをこう呼んでいる。
そんなある日、カイくん含め4人で飲んでいた。自分が女になったら誰と付き合いたいかという話になった。カイくんは「もっくん」と答えた。飲みには居なかったが職場仲間だ。理由はミステリアスで芸術肌。それにカッコいい。そんな理由だった。その時はもしかして男もいけるかもと期待した俺がいたわけだけど、例えばだからねとすぐ現実に戻された。
俺は「カイくん」って恥ずかしがらずに言ってみた。理由はクールぶって、カッコつけたがりだけど、こんなに人の心をわかる奴はいない。ギャップがすごい。みたいなことを言った気がする。正直面白いし、話も合って会話のキャッチボールがとても心地良い。とりあえずベタ褒めしたな。カイくんはクールぶって何も言わずスルーしやがった。それもまたいちいちカッコいいわけだ。くそ。
その後気まずくなった俺はもっくんも解る、あいつカッコいいもんね。とフォローを入れて続けた。確かに何考えてるかわからない。そこをみんなはミステリアスだという。ちょっと人と違う雰囲気。俺は正直最初もっくんのこと苦手だった。仕事に対して雑だったから。でも中身を知れば人間味があってとても良い奴だった。これはカイくんの人の良いとこを探すというのを学んで実践した結果。俺は苦手意識をなくし、もっくんとどんどん仲良くなっていったと思う。正直あんま話というかノリは合わないっちゃ合わないけどね(笑)ミステリアスだから仕方ない。ただ自分のことを聞いてもないのに包み隠さず教えてくれる。
しばらくしての勤務の時、もっくんとゲイ的な話になった…