風邪で休んでるうちに続けます。
相変わらずな生活をしとる俺。
学校の玄関でHと会うと
H『テルー、朝一から会えるなんて運命だなー。よし、おんぶしたげるからね』と朝からテンションが高い。まあおんぶしてもらうんだが。
H『おしっこもれる、早く付いて来て』
H『喉乾いた、自販機まで付いて来て』
何するにも呼ばれて…でも着いていく俺。しまいに
H『う○こもれるー、付いて来てー』…。着いて行き個室の前で待ってる間も
H『テルいるー?先帰っちゃだめだよ』
H『テルいるー?』何回も聞いてきて、トイレに入ってくる先輩やらなんやらに笑われる。そして、出てきたら
H『指の匂いかぐ?』
さすがに無理だからトイレから出ると手を洗って走ってくる。
H『じょうだーん、ごめんね』とキャッキャ言いながら腕を組んでくる、そんな日。
ずっとこのままでいいと思ってた。なにも進展しなくても。このまま一番仲良い友達でいれればよかった。
この頃から家族はもう崩壊していた。
昔から酒乱だった父の暴力が酷く、特に母親への暴力がすごかった。今まで黙って我慢していた母親だったが、包丁まで飛び出し命の危険を感じ、離婚を初めて口にした。父親は世間体の事だけを考え拒否をしていたが、俺が卒業したら離婚と決定した。
俺は新築の家にあまり家に帰らなくなった。友達んちを転々としたり、夜中に帰ったりしてた。
親もなにもいわなかった。むしろ家にいるかいないかわかってなかったんだと思う。その頃知り合った近所に住む違う高校の女の家に入り浸った。
学校から帰りその女んちに行き、飲んだくれて泊まる。そしてそこから学校いく
行かない事もあったり、遅刻したり、酒が残りながら学校に行ってた。
学校にそんなんで来る俺にHは態度は変わらなかったが、気にしてたっぽかった。口では何も言わないが。なにも
Hが近づいてきてウォークマンのイヤホンの片方を俺の耳につける。
H『この歌好きなんだよねー、テルの為にうたったげっからね。』
あの山の時と同じ様に歌っている。
けして上手くはない。でも嬉しかったんだ。