その日を境にテツは少しずつ明るくなった。
きっと誰かに話して泣きたかったんだろう。おれもテツとは距離が縮まった気がした。
縮まった、というより、色んなことを共有できるような気がした。
多分、喧嘩もできるし仲直りもできる。
いまだに喧嘩はしたことないけど、一緒に暮らしていく以上、いつかそういう時が来ると思うが、そんな時でも大丈夫と思える。
正直、テツの境遇を知ってから、家族のことが気にかかっていたが、テツが頑張り続ける限り、おれも触れないことにした。
今徐々に良い方向に向かっているのは明らかだったから、余計なことはしない方が良い。
いつか、落ち着いたらテツの家族がどんな人たちだったのか聞いたみたい。
テツは結局ニ浪ということになってしまうが、大学へ行くことにしたらしい。務め先を辞めて、今は勉強中だ。
おれもやっぱりお金があるならば、行った方が良いと思う。
テツの経済状況は詳しく知らないけど、大学で四年間過ごしてみるのは悪くない。
何しろ、おれがいるから、もう引きこもる心配もない、とちょっとうぬぼれてみる。
テツが家にいる時間も、暇な時間も急に増えたから、“あいつ”も混ぜて、一緒に遊んだり、テツに勉強を教えたりしている。
テツはあいつにもたまにタメ語を使うようになり、あいつはその度に喜んでいる。
そしてあの夜以来、おれはたまにテツと一緒の布団で寝ている。
おれはあんな夢を見たから、もうアレなのかと勝手に思ってたけど、実はテツはこっちの経験がないのだ。
だからおれの部屋で勉強を教えている時に、おれがちょっかいを出しても、テツはあまり誘いに乗ってこない。
こんな可愛い顔して経験ないとか・・・。
おれは我慢できない時は後ろからがばっと抱きしめて、テツをくすぐったりいじったりしてテツに甘える。
テツが眠い時はそのまま一緒に寝てくれるのだ。
勉強がまだ残ってる時はすぐに勉強に戻っちゃうけど。
やっぱりテツは強くて、魅力的なルームメイト。
おれはホントにラッキーだと思う。
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ここまで駄文を読んでくれた方、ありがとうございます。読みにくいところもあったと思います。
何か感想を書いて頂けると嬉しいです。読みにくい、とかエロシーン全然興奮しない、とかでも大丈夫です。
一馬さん、まささん、ふみたかさん、書き込みありがとうございます。三人がいてくれなかったら、最後まで書ききることはできなかったと思います。