どんどん読み進めていく。
そこには色んな事が書かれていた。
ゆうの辛い片想いの時期。
俺がフラれた時。
そして、あの引っ越しの日の突然のキスと告白。
如実に書きつづられていた。
それと共に、そこにはゆうの俺に対する気持ちや想いがたくさん綴られていた。
俺の事をいっつも考えてしまう事。
俺と元カノの不仲の責任を強く感じていたこと。
想いが溢れるのを止められなくて、勢いで告白した事。
俺の返事を待つ間の失墜の気持ち。
そして・・・俺のOKにびっくりした事。
初めてのセックスの事も全部、喘ぎ声までちゃんと書かれてる・・・。
そして・・・最後のまとめみたいな所・・・。
「今でも週2のペースで愛し合っています。」
ゆう・・・ウソまでついて・・・。
悠「続きある・・・。」
気づくとゆうは少し離れてソファに座っていた。
俺の目の前からPCを動かして、カタカタいじって、また目の前に戻した。
恋愛話掲示板。
「続・俺の彼氏は元ノンケ」
俺はすぐさまクリックして、続きを読んだ。
ちょうど温泉旅行に誘った時の話だ。
初めて2人きり行った、白浜の温泉旅行。
バスタブで提案して、ゆうはかなりはしゃいでたよな・・・。
でも俺が数日前に風邪引いちゃって・・・。
ゆうは献身的に介護してくれたんだよな・・・。
そのおかげで旅行初日には99%回復して・・・2人で白浜の浜辺で・・・夕日を見ながらキス・・・。
読めば読むほど、今までのゆうとの思い出がフラッシュバックする。
温泉旅行、俺の浮気未遂、お台場デート、ゆうが変質者に追いかけ回されて、俺に泣きながら電話してきた事、教習所の卒業日にサプライズで迎えに行って、2人で初めてラブホに足を踏み入れたこと、ゆうの提案で宇都宮で1泊した事・・・。
そして・・・いつもぴったりくっ付いてバスタブでゆっくりとくつろいで、ベッドで手を握って、おやすみのキスをして、世界で一番大切な存在のすぐ隣で、癒されながら眠りについて・・・。
ゆうと付き合い始めてから、本当に色んな事があったけど、全てを通して共通している事は、「嬉しさ」と「幸福」だった。
俺がゲイのゆうを受け入れて、肉体的にも精神的にも1つになって、とにかく毎日楽しかった・・・。
浮気未遂の時も、ずっと自分を責めたけど、篠塚に何も無かったって聞いた時には、重荷がかなり降りた気になったんだよな・・・。
あの時篠塚を連れて来て、ちゃんと話したから、ゆうと元通りに戻れて、その後より強くゆうの事を想える様になったんだよな・・・。
同棲始めて、大学卒業して、就職して、それでもゆうはいっつも笑顔でいて・・・。
その笑顔にいっつも癒されてたんだよな・・・俺・・・。
それを思い出せば思い出すほど、俺の心に、久しぶりにある感情が戻ってきた。
俺は・・・ゆうの事・・・愛してる・・・!
なのに・・・俺・・・それを捨てて・・・出て行こうなんて思ってたの・・・??
ホントにそれで良いの・・・??俺は・・・!!
そんな事許されると思ってんのか・・・?!
俺ゆうに何て言った・・・??
「一生お前の味方だから」って言ったんじゃ無いのか・・・?!
「100歳まで一緒に生きよう」って言ったんじゃ無いのか・・・?!
それは全部、こんな簡単に撤回出来るほど、軽い気持ちで言ったのか・・・?!
答えは明確だった。
俺は・・・やっぱり・・・ゆうの事が大好きなんだよ・・・!!!