今までありがとうございました。
今日でひとまず完結致します。
今までたくさんの方にお読み頂きまして、ありがとうございました!
皆様のコメント、毎回読ませていただきまして、とても嬉しかったです。
最終回は長めになりましたので、4部投稿致します。
<続き>
6月28日。
6月最後の日曜日。
もう約4週間、悠太も霧斗もお互いを勘違いしたまま、心の中は冷たすぎる風が吹き荒れていた。
悠太は相変わらず、霧斗がもう自身を鬱陶しく思っていると信じ込み、話しかける事も出来ず、霧斗は霧斗で、悠太はもう許してはくれないと信じ込み、関係修復の余地がないと諦めていた。
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はぁ〜ぁ・・・もう帰ろうかな・・・。
毎日夜遅くまでほつき歩くのももう限界だ・・・。
来週末にでもホントに服とパソコン持って出てくか・・・。
俺はもう決心がついた・・・。ここ数日そればっかり考えたけど、どうしてもゆうとの関係修復を諦めきれなかった・・・。
でももうけじめつけよう・・・。
早く住むとこ探そう・・・。
午後7時半過ぎくらい。
駅近くのサイゼで食ってた残りのパスタをねじ込んで、俺は家へと足を向けた。
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家について、静かにドアを開ける。
ゆうの姿は無いが、トイレから物音がする。
ダイニングテーブルの上には、ゆうのPCがあった。
見るつもりはなかったが、ちらっと画面に目をやると、「恋愛話掲示板」っていう文字がはっきりと目に入ってきた。
恋愛話・・・掲示板・・・?
恋愛話・・・もしかしてゆう・・・何か書き込みしてんのか・・・?
その掲示板を読みたいという衝動にかられてきた。
ゆっくりとPCに近づいて画面を覗き込むと、「続・俺の彼氏は元ノンケ」というタイトルがいくつかあって、その隣に「悠太」という名前がある事に気づく。
悠太・・・ゆう・・・?
「俺の彼氏は元ノンケ」って・・・ノンケって確かストレート・・・え・・・もしかして・・・俺の事書いてんの・・・?!
その時、トイレのドアが音を立てて開き、ゆうが出て来る。俺は思わず振り返り、ぱったり目が合った。
悠「ぁ・・・」
俺がいつもより早めに帰って来てる事にびっくりしたのか、目を軽く見開いていた。
だが俺もゆうも、ちょっと見つめ合った後すぐに目を逸らす。
するとゆうは、開きっ放しのPCに気づき、俺がPCのすぐ近くに立ってるのを見て、大きめの目がまた開いた。
悠「見・・・た・・・?」
俺「へ・・・?」
久しぶりに聞くゆうの声は、とても弱弱しくて震えていた。かろうじて聞こえるくらい。
だがそれより、こんな状況とは言え、ゆうが俺に声を聞かせてくれたということに、かなりびっくりして、俺も変に裏返った声が出てしまった。
悠「見たの・・・?」
俺「・・・タイトル・・・だけ・・・。」
俺もゆうもぎこちない。
俺「ゆうが・・・書いたの・・・?」
俺の問いかけに、ゆうはコクリと頷いた。
俺「俺の・・・事・・・書いたの・・・?」
またゆうはコクリと頷く。
俺「何で・・・書いたの・・・?」
悠「・・・ずっと眠れなくて・・・気がまぎれるから・・・っ」
ゆうの声はすごく震えてる。涙声にも近い。
するとゆうは、PCをカタカタいじって、別の画面を見せてきた。
「Hな話掲示板」
んえ・・・?!Hな話・・・って・・・!
Hな話掲示板という大きめな文字の下を見ると、そこにもあのタイトルがあった。
「俺の彼氏は元ノンケ」
Hな話掲示板に・・・俺の話・・・?どういう・・・?!
悠「こっち・・・先に書いた・・・。」
俺「Hな話・・・って・・・」
悠「・・・。」
ゆうの目は虚ろだったけど、わざわざ見せてきたのは、読めって事・・・なのかな・・・?
俺は黙ってPCを持ち上げて、ソファに座って、コーヒーテーブルの上に置いて読む事にした。