続きをUPします。
暗い内容で、ブルーにしてしまって申し訳ありませんが・・・。
<続き>
次の日になっても、状況は一切変わる気配を見せなかった。
俺はきいちゃんを避け、きいちゃんは俺を避ける。
「ただいま」も、「おかえり」も、「おはよう」も、「おやすみ」も、一切聞こえなくなった部屋の中。
きいちゃんは朝早く出かけ、夜は遅く帰ってくる。
俺はきいちゃんが逃げる様に出かけた後に出て、夜はきいちゃんが帰ってくる前にソファで寝込む。
まるでシフト化されたかの様に。
俺は全然寝付けなかった。
深い眠りに全然つけずに、夜中に何度も起きてしまう。
誰かに話を聞いてもらいたい・・・。
相談したいよ・・・。
俺は夜中にも拘わらず、コーヒーテーブルの上に置いてある自分のノートPCを立ち上げた。
きいちゃんと付き合う前・・・何度か覗いていたサイトがあるのを思い出した・・・。
ノンケに恋した自分の話を誰かに聞いて欲しくて・・・それでも結局何も出来ずにただ眺めてたサイト・・・。
サイトの名前はちゃんと覚えてた。
cool boysだったよな・・・。
サイトを立ち上げると、水色基調のトップが出る。
出会い掲示板・・・顔写真・・・体写真・・・。
昔はこの掲示板に足運んでは誰かにメールしようか悩んでばっかで何もしなかったんだよな・・・。
どうしよ・・・。
誰かにメールする・・・?
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結局昔みたいに勇気が出なくて掲示板から出てしまった俺・・・。
更にカーソルを下げると、「Hな話掲示板」とか「恋愛話掲示板」とかが目に入った。
そういやここで色んな話読んだりして、興奮したこともあったっけな・・・。
俺は「Hな話掲示板」をクリックして、色んな人の投稿を読んでみた。
・・・でも、読んでても全然何も感じない・・・。
感情が完全に死に絶えたかの様に、興奮も何もない。
・・・ダメだ・・・もう・・・俺・・・。
その日は自分が嫌になって、PC閉じて布団に潜り込んだ。
きいちゃんしか愛せなくなった男からきいちゃんを奪ったら、何も残らないのは当然・・・なんだろうけど・・・。
奪ってほしく無かったのに・・・。
奪われる心配しなくて良いんだよなってずっと思って来たのに・・・。
いざとなったらこんなに心が空っぽだよ・・・。
この時もまた泣いてしまった俺は、また枕を濡らして、いつの間にか眠りに落ちてしまったみたいだった。
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朝5時。
マックで1人、コーヒーを啜ってる。
もう直接ゆうの顔見れないのかな・・・。
携帯のフォルダには、前に撮ったゆうの写真がある。
ゆうがキッチンで夕飯作ってる姿を撮ったやつだ。
お玉片手に、可愛い笑顔を浮かべてる・・・。
昨日からずっとこの写真ばっか見てるよな・・・俺・・・。
見てると辛くなるだけなのに、辛くなればすぐに携帯閉じるのに、またすぐ開く俺。
何やってんだよ・・・!
今すぐゆうを抱きしめたいよ・・・でも・・・どの面提げてそんな事出来るんだ・・・?!
今の俺は最低だ・・・。
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素直になれない2人。心の中では今すぐにでも謝りたいのに、いざとなると尻ごみする。
幸せが少しずつだが確実に剥落していく。このまま家庭内別居が続くのか、それとも最悪、同棲解消にまで進んでしまうのか・・・。
そんなネガティブな考えだけが、悠太と霧斗の頭の中を何度もよぎるのだった。
<続きます・・・。>
<あとがき>
霧斗より
僕たちは実際かなりのチキンでした。
厳密に言うと、僕が悠太から逃げていました。
今思うと本当に情けないです。僕がもっと男らしく向き合って謝っていれば、こんな状態にはならなかったはずなのに。
悠太より
僕も心のどこかで、霧斗が自分から避けてくることに、安心というか、解放の気持ちを持っていたと思います。
僕も霧斗にどう顔向けすれば良いのかずっと分からなかったから。
口も利かずにソファで寝てる時点で、僕も霧斗から逃げ惑っていたんだと思います。