感想ありがとうございます。
今回は、いってみればリレーの様に書いてみました。
読んで頂ければ、多分「リレー」の意味がお分かり頂けると思います。
こういう書き方もアリかな・・・って、霧斗も言ってます。
<続き・・・>
ゆうが目の前にいる。
俺から少し離れて向き合ってる。
そして・・・泣いていた・・・。
俺が手を伸ばそうとしたけど・・・
見えない壁に遮られる。
「ゆう・・・!」
俺はその見えない壁を壊そうと立ち向かった・・・けど・・・何も変わらない。
ゆうは泣き続けてる・・・
「ゆう・・・!何で泣いてんだよ・・・!」
俺が叫んでも何も聞こえないのか・・・ゆうはただただ俺を見つめながら、涙をボロボロこぼしてた・・・。
そして・・・踵を返し、俺に背を向けて・・・どんどん遠くへ歩いて行った・・・。
「ゆう!どこ行くんだよ!!ゆう!!」
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「・・・!!」
気がつけば俺は・・・アームチェアの上でびっしょりと気持ち悪い汗をかいていた。
「夢・・・。」
普段なら夢を見ても、起きた途端に忘れてしまう俺が、今でも忘れる事の出来ない夢だった。
俺は一抹の不安を覚えざるを得なかった。
あの夢は何かの暗示・・・?
なぜゆうはあんなに泣いていたのか・・・。
そしてなぜ、俺とゆうの間には見えない壁が立ちふさがっていたのか・・・。
分からない・・・。
クソ・・・マジソワソワする・・・!
携帯を開くと、朝の6時ちょっと前。
崎田は平和な寝息を立てて爆睡してる。
ゆう・・・起きてるかな・・・。
いてもたってもいられなくなった俺は、トイレに入って、ゆうに電話をかけた。
***
昨日早く寝過ぎたのかな・・・。
俺は5時半ごろ目を覚ましていた。
そりゃあ起きるだろうな・・・寝たの夜9時だもん・・・まるで小学生みたい。
隣を見ると、ばあちゃんはすでに布団からいなくなってた。
キッチンから物音がしてる。
早いなぁ・・・。
もう少し寝ようかな・・・う〜ん・・・。
俺は携帯をいじりながら、とりあえず暖かな布団の中でヌクヌクしてた。
すると突然、電話の着信を知らせる画面表示。
表示は「きいちゃん」
え・・・!?きいちゃん?
俺はすかさず通話ボタンを押した。
俺「もしもし・・・?」
霧「あ・・・ゆう?起こしちゃった・・・?」
俺「ううん、さっきから起きてたよ。おはよ。」
霧「あ・・・おはよ。今家?」
俺「ばあちゃん家。」
霧「泊まったの?」
俺「うん。どうせ東京戻っても一人だしな。」
霧「そっか・・・。」
俺「つかどしたの?こんな朝早く・・・。」
霧「え・・・いや、お前の声が・・・聞きたくなってな。」
俺「ンフ・・・^^ 何言ってんだよ・・・。」
霧「いや・・・アハハ・・・^^」
俺「でも俺もきいちゃんの声聞いて安心してるよ。」
霧「・・・ありがと。」
俺「何だよ、よそよそしいな。」
霧「そんな事ねえけど・・・つか・・・その・・・」
何だかきいちゃんらしくないなぁ・・・。
俺「明日気を付けて帰って来いよ?俺んちで待ってるから。」
霧「あ・・・うん。分かってる。」
俺「後輩君犯しちゃダメだぞ?」
霧「バカ、するわけねえだろ。」
俺「ヘヘッ。冗談。」
霧「冗談キツイって・・・ハハ・・・^^」
俺「今日は何すんの?」
霧「う〜ん・・・今日はたぶん横浜散策。昨日は横須賀だったから。」
俺「そっか。楽しんで来いよ。」
霧「ありがと。ゆうは今日もおばあちゃんの家に泊んの?」
俺「え、いや、今日は夜に東京戻るんだ。」
霧「そっか。怪我とかすんなよ?」
俺「バーカ。俺動き俊敏なんだぞ?」
霧「分かってるけど、油断大敵だぜ?」
俺「まあそうだけど・・・。心配し過ぎだって。大丈夫。気い付けるから。」
霧「よし。^^ じゃあ・・・また明日。」
俺「うん。じゃあ。」
***
ゆうの声を聞いて、少し気分も落ち着いてきた。
あの夢の事は話せなかったけど・・・。
でも・・・きっと大丈夫だろうな・・・。
心配し過ぎだな、きっと。
もう俺、ゆうを絶対泣かせないって決めたんだ。
それに、泣かせる様な事をした奴は絶対に俺が許さない。
俺、ゆうにこないだ誓っただろ?
死ぬまでゆうの味方だって。
***
きいちゃん・・・突然の電話、嬉しかったよ。
まだ俺の「大好きという気持ち」の弓矢、しっかりと奥まで刺さってるみたいだね。
きいちゃんの声聞けたから、今日も良い日になりそうだ。
そうだ、明日きいちゃんが帰ってくる前に
カレー作っておこう。
きいちゃんの好きな、辛口のカレー。
具は、ナスとひき肉。
言ってただろ?ナスとひき肉の辛いカレーが好きだって。
カレーの上には「daisuki」って書く事は出来ないけど
中にたっぷり詰めておくからな。
<続きます。リレーのご感想お待ちしてます!^^>