どんどん続き書きますよ^^
最終回は・・・まだ先かもしれませんけど、頑張って書いていきます。
今回から、投稿者名に霧斗の名前を追加しました。
「名前入れて^^」って言うもんですから(笑)
今日のUPは、これで最後です。
また明日か明後日までお楽しみに^^
続き・・・
バイトに行って、デートに行って、アパートでまったり過ごしたり、時には激しく過ごしたりしているうちに冬休みも終わって大分経った。
大学の講義もごくたまに行けば良いし、バイトも講義も無い日はホントに暇だった。
暇な日が重なれば必ずきいちゃんは俺と過ごしたいって言ってくれたし、もちろんたまには大学の友人を誘って飯食ったりして、残り少ない大学生活を満喫。
もちろん、近々引っ越す先の、2人の同棲先をいろいろと探して、家賃と立地条件に一喜一憂しながら。
それにしてもきいちゃんは変わった。
酒の飲み過ぎで事件が起きて以来、自らお酒の量をしっかりとコントロールする様になった。
つまみを食べながらゆっくりペースで、今まで以上にお酒を楽しむという事を覚えてきた。
ホントはもっと前に覚えてて欲しかったんだけど・・・でもこの先安心かな・・・?
そして1月末に近づくある木曜日。
きいちゃんはこの日から、横須賀に越してきたという高校時代の後輩の家に泊まりに行くと言う事で、俺もその間を使って、埼玉のばあちゃん家に遊びに行く事にした。
きいちゃんがキャプテンを引退した後、後を継いで新キャプテンとなった、とても優秀な男らしい。
霧「じゃあ土曜日にまた^^」
俺「気を付けて行けよ。^^」
霧「ゆうもな^^」
俺「じゃ!」
新宿駅で別れ、俺は湘南新宿ラインで大宮へ。
多少の混雑はあったけど、特に問題も無くスムーズに大宮に着いた。
そこから私鉄に乗り換えれば、ばあちゃんの住む町まではもうすぐだ。
***
父婆「あらあらゆう君、早かったのねぇ。^^」
俺「うん。元気?」
父婆「おかげ様で変わりないわよ。麦茶飲む?」
俺「うん。ありがと。」
祖母宅に着き、じいちゃんの仏壇にお線香を上げ、まだしてなかった就職の報告をした。
父婆「おじいちゃんも喜んでるわよ。」
俺「そうだと良いね^^ あ、そうだ。」
俺は、持ってきた紙袋の中から、一つの箱を取り出した。
俺「これ、お祝いのお返しみたいなやつ。」
父婆「あらまあ、ありがとうねぇ。あらこのお茶高そうねぇ。」
俺「良いの。あんなに沢山お礼くれたんだから。」
ばあちゃんの好きな、舟和の芋ようかん。
あと、ちょっと高めの玉露。
これらと同じものを、既に母方のばあちゃんにも送ってある。
父婆「ゆう君も食べるでしょ?」
俺「あ、うん。一緒に食べよ^^」
ばあちゃんが芋ようかんを開けてるそばで、俺は早速ばあちゃんに玉露を淹れてあげた。
***
父婆「あぁ〜、このお茶もとっても美味しいよ。ありがとうねぇ。^^」
俺「こっちこそありがとう。^^」
父婆「良いのよ。これから頑張らないとねぇ。」
俺「うん。^^」
元気そうなばあちゃんを見て、俺も一安心した。
父婆「もう背広は誂えたのかい?」
俺「ううん、まだだよ。」
父婆「そう。ゆう君はスマートだから、黒の背広がすごく似合うからねぇ。^^」
俺「う〜ん、でもスーツってどうしても堅っ苦しくて^^;」
父婆「そうだねぇ。でもすぐ慣れるわよ。」
俺「そうだと良いけどね^^; 自分いっつもこんな感じのユルイ服が多いからなぁ。」
ちなみに今日は青いドレープのカットソーにジャケットを羽織って、ハットを被り、下はお得意のカーゴパンツ。
確かに、どこからどう見てもゆるカジ。
父婆「今はそういう襟元が大きいのが流行ってるの?」
俺「う〜ん、徐々にだけどね。自分はずっとこのスタイルだけど。」
父婆「そう。最近の服ってよく分からないからねぇ。」
この時はまだ、サロン系ファッションがTVに取り上げられるようになるってあんまり思ってなかったから、特に流行りも気にしなかったけど・・・
最近の男性ファッション誌見ると、結構サロン系流行ってるみたいだ。
前から好きなファッションが流行るのって、地味にうれしいもんだよね。
俺「ところでさ、何でばあちゃんは浜松に住まないの?」
父婆「そうねぇ・・・このお家だからかねぇ。」
俺「この家?」
父婆「そうだよ。おじいちゃんがね、ひいおじいちゃんの代からとーっても大事にしてきたお家なのよ。」
俺「そんなに昔からなの?!」
父婆「そうだよ。もうとっても古いけど、昔からおじいちゃんが手直ししてくれて、まだまだ住めるわ。」
俺「そうなんだぁ・・・でも・・・怒らないで聞いてね。」
父婆「なあに?」
俺「地震が来たら・・・ぺしゃんこになりそうな気がする・・・。」
父婆「アッハッハッハ!何を言ってるのよ^^ 昔の家ってね、とっても頑丈に出来てるんだよ。」
俺「そうなの?でも木造でしょ?」
父婆「この家はね、檜の大黒柱さんがしっかり入ってるし、造り方も頑丈だから、むしろ普通のお家より頑丈よ。」
俺「へぇ〜!」
更に聞くと、ばあちゃんの家はあの五重塔の造りに倣って建てられた上に、白アリ駆除も防腐もしっかりとしてるらしい。
だから、大きな地震が来ても、そう簡単には潰れたりはしないらしい。あの関東大震災にも耐えた様だから、ちょっと安心。
俺「でも一人で寂しくないの?」
父婆「全然^^ 近くにはお友達もたくさんいるし、よく遊びに来てくれるのよ。お茶しながらおしゃべりするのが楽しみなの。」
それを聞いて、さらに安心した。それよりも何だか嬉しくなった。
勝手に一人で寂しそうだなって思ってたけど、そんな事はない。
ばあちゃんは、じいちゃんが守ってきた家に最期まで住みたいって言ってるし、お友達にも恵まれてる。
大丈夫・・・だね。
俺「今日泊まってっても良い?」
父婆「あら、大丈夫なの?」
俺「うん。明日もバイト休みだし、もう授業も殆どないんだ。^^」
父婆「そう。何だか嬉しいねぇ。」
俺「そうだ。何か手伝いとか無い?」
父婆「お手伝いねぇ・・・じゃあ・・・お買いもの手伝ってくれる?」
俺「良いよ!荷物全部持ってあげる^^」
父婆「ホントにゆう君は優しい子だねぇ。ありがとう。」
***
醤油やみりんや料理酒などなど、普段はちょっと高くても酒屋さんにお願いしてたばあちゃん。
この日は俺が持ってあげられるからと、何本か買い置きを勧めて、他にも大きめなものを買い、ゆっくりと家路についた。
ついでに切れかかってた電球も交換したりと、俺が出来る事は全部やった。
父婆「ホントにありがとうねぇ。^^」
俺「どういたしまして^^」
その時。
ピンポ〜ン♪
玄関のチャイムが鳴った。
父婆「あら、信濃さんかしら。」
俺「お友達?」
父婆「そうよ。一番の親友なのよ。」
ばあちゃんは嬉しそうに話す。
親友・・・か。^^
父婆「さあさあ上がってちょうだい。今ちょうどお買いもの行ってきたのよ。」
信濃「あら、じゃあちょうど良い時間だったわね。あら、お客さん?」
俺「あ、こんにちは^^」
父婆「孫の悠太。」
信濃「あらまぁご立派なお孫さんです事^^」
俺「ありがとうございます^^ ばあちゃん、お茶淹れるね。」
父婆「ありがとうねぇ。じゃあお願いするわね。」
さっきの玉露を2人分淹れ、芋ようかんを1切れ出す。
信濃「お孫さん、とっても男前なのねぇ。」
俺「え、そんな事無いですよ*^^*」
信濃「あの人に似てるわね。えっと・・・あのほら・・・」
父婆「誰かしらねぇ・・・。」
信濃「ほら、野球の・・・あ、そうそう、浅尾っていう可愛いピッチャーさんがいるでしょ?」
俺「浅尾って、中日のですか?」
信濃「そう!中日のね。あのね、目もとと輪郭がそっくりなのよね。」
俺「そんな、自分あんなに良い顔してないですよ^^」
俺は特に野球に興味は無かったけど、浅尾選手だけは知ってた。
というかむしろ、結構タイプな顔だから、初見から気になってたアスリートだ。
その浅尾選手の目元と輪郭にそっくりって、思ってもなかった事だけに、結構うれしい。
父婆「いや、でも似てるかも知れないわねぇ。輪郭もねぇ。」
俺「ばあちゃん中日の浅尾選手知ってたの?」
父婆「信濃さんの影響よ。」
信濃「私ね、野球見るのとっても好きなのよ。」
俺「あ〜、それで^^」
父婆「親友が好きなことってね、案外似てきちゃうものなのよね^^」
信濃「そうねぇ。ンフフフ^^」
ばあちゃんと信濃さんを見てると、とっても仲が良くて、ばあちゃんもすごく楽しそうだ。
いつしか俺は、俺ときいちゃんがかつて親友だった頃の事を思い出していた。
きいちゃんがカラオケでよく歌ってる、福山雅治やサザンオールスターズ。
俺がカラオケでよく歌ってる、ミスチルやポルノグラフィティ。
きいちゃんはもともとあんまりミスチルに興味が無く、俺ももともとあんまり福山雅治に興味が無かったけど・・・。
いつしかお互いに、それぞれの歌を聞くようになって、好きになってたなぁ。
もちろん全てがそうじゃなかったけど、考えてみると、確かに好きな物事って似てくるのかな。
最近で言えば、きいちゃんは今flumpoolっていうバンドにハマってる。
俺もかなり好き。
最初はボーカルの山村さんがカッコいいなって思ったくらいだけど、きいちゃんが買ってきた、お尻丸出しの表紙が特徴のミニアルバムを聞いて、歌もかなり好きになってきた。
そしてきいちゃんは、いっつもiPodで「花になれ」とか聞きまくってるし、最近はもっぱら「星に願いを」とか、ムウの主題歌が大好きだ。
でもカラオケじゃキーが高くてきいちゃんには歌えないらしく、俺が歌うのを聞いてスンゴク嬉しそうにしてる。
やっぱり、親友とか恋人とかと長く一緒にいると、それまで知らなかった新しい物事を見聞き出来るし、それを今まで知らなかったり興味がなくても、いつの間にか好きになってたって事、あるんだよな。
***
きいちゃん、今何してんのかな?
立派な後輩さんと、久々の再会に喜んでるかな?楽しんでるかな?
土曜日に会えるのに、何だか待ち遠しくなってきちゃったな・・・。
<続きます。オヤスミなさい。^^/>