下方で大きく膨らみ過ぎてたので、新スレ立ち上げます。
これからも最終回までヨロシクお願いします。
残り回数は未定です。
続き・・・
マックを出た時にはもう街灯が輝き、寒さも増した夜になってた。
俺「げ。地図見えねえな・・・。」
こんな暗い中じゃ、車の中で地図帳が見えない・・・。
霧「あ〜平気だぞ。来た道戻れば良いし。」
俺「でも覚えてんの?」
霧「ああ^^」
俺「スゲ・・・^^;」
やっぱり、頼れる男だな・・・。
暗くなって地図見えなくなるのを見越してたんだろうか。
俺「あ、駐車代とガソリン代割り勘しねえとな^^」
霧「おお、助かるよ^^」
***
車は再度レインボーブリッジの下層を快走し、そこまでひどい渋滞の無いまま、ややスムーズに駒を進める。
途中でセルフGSでガソリン補給。
その後の暗い中での運転にも一切狂いの無い、きいちゃんのドライビングテクニック。
夜のテクニックもハンパ無いけど、運転テクもマジハンパ無い。
にしても・・・
その余裕の残る横顔・・・惚れ直すくらいカッコ良すぎる。
霧「ん・・・?何見惚れてんだよ^^」
俺「え・・・!いや・・・*−−* 何言ってんだよ・・・」
霧「素直じゃねえなぁ^^;」
俺「べ、別に・・・てかまだ7時だから待ち合わせには早くね?」
霧「ん〜・・・意外と道空いてたからなぁ・・・でもアパート戻るにはビミョーだな。」
俺「あと30分位で着くんだろ?」
霧「うん。」
俺「それでも7時半か・・・路駐して時間潰す?」
霧「そうしよ。^^」
アクセルを踏み込み、車はグングンと賑やかな夜の街へと飲み込まれて行った。
***
俺「ほら、飲めよ^^」
霧「あ〜気が利くじゃん^^サンキュ!」
待ち合わせ場所近くのコンビニ前に車を停めたきいちゃんは、俺が買ってきたジョージアを美味しそうに飲む。
霧「はぁ〜・・・あったけえなぁ・・・」
俺「何コーヒーでしみじみしてんだよ^^;」
霧「ほっとけって^^ つか腹減らね?」
俺「そう・・・だなぁ〜・・・あ、でも我慢してて。」
霧「へ?どして?」
俺「今日は俺が作ってやるから。」
霧「マジぃ?じゃあ我慢する!で、で、何作ってくれんの?」
きいちゃんは、俺の作る飯が大のお気に入りらしい。
特に上手でも無いけど料理は昔から好きで、自炊も実際全然苦じゃない。
俺「何かリクエストある?」
霧「え〜メチャ迷う・・・」
俺「あ、簡単なものでな。時間的にも10時頃になりそうだから。」
霧「うん。あ、じゃあオムライスが良い^^」
俺「お前オムライス好きだなぁ^^;」
霧「だって俺自分じゃオムライス作れねえし・・・」
対してきいちゃんは、料理はビミョーに上手なのか下手っぴなのか分からない。
ただはっきりしてるのは、きいちゃんにオムライスを作らせるという事は、ある意味、自殺行為。
実は・・・俺たちが付き合い始める少し前・・・。
きいちゃんが人生で初めてオムライスに挑戦した時・・・。
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俺「・・・何・・・?これ・・・。−_−」
霧「オム・・・ライス・・・?^^;」
見た目からいって・・・俺の知ってるオムライスじゃない・・・
霧「ま・・・味は・・・良いんじゃね?」
俺「・・・だと良いけど・・・。」
恐る恐るスプーンですくって、思い切って口に運ぶ。
俺「んぐ・・・!!×=×」
霧「・・・どう・・・?」
俺「ゴメン・・・ティッシュ・・・!」
きいちゃんには申し訳ないけど、思わずティッシュに吐き出した。
霧「やっぱダメか・・・(泣)」
俺「あのさ・・・ケチャップどん位入れた?」
霧「えーっと・・・分かんない・・・。」
俺「入れ過ぎ・・・味エグ過ぎ・・・。味見した?」
霧「・・・してないです・・・。」
俺「・・・はぁ・・・つか卵が何でスクランブルエッグなん?−_−」
霧「ア・・・アハハ・・・^^;・・・はぁ・・・−_−」
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俺「オムライス以外はフツーなんだけどなぁ・・・^^;」
霧「あ、じゃあ今日オムライス教えながら作ってよ。」
俺「別に良いよ。やってみれば簡単なんだぜ。^^」
ちなみに、俺がオムライスを作ってやった時は・・・。
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霧「え〜!これお前作ったの??!!」
俺「そうだけど・・・?」
霧「まるで喫茶店じゃん!@0@」
俺「そんなこたねえよ^^;」
霧「いただきま〜す!」
スプーンですくって、口に運んでモグモグする。
霧「ウマ・・・!何だよこれ・・・!」
俺「そんなにウマいか・・・?^^;」
霧「マ〜ジ〜でウマい!!これホントヤバい!!マジで惚れ直すわ〜!^0^」
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かなりの絶賛だった。
昔から料理をかじってたおかげかな?
そんな会話をしてると、きいちゃんの携帯が鳴った。
霧「あ、篠塚だ。ちょっとゴメンね。」
俺「OK。」
霧「もしもし。お疲れ。今近くのコンビニの前。つかもう上がり?」
時計は8時ちょっと過ぎ。待ち合わせより1時間近く早い。
霧「うん。ああマジ?分かった。じゃあ。」
手短な会話で携帯を切る。
俺「何て?」
霧「もう上がったらしいから、ここまで来るって。あ・・・つかゆう気まずい?」
俺「え、いや、俺篠塚さんに直接謝りたいんだ・・・。」
実は昨日の事で、俺は篠塚さんに辛く当たったことを悔やんでた。
きいちゃんを誘惑した事に変わりはないけど、あんなに深々と詫びてくれたし・・・。
霧「そんな気にしなくてもダイジョブだぞ?」
俺「いや、けじめつけなきゃスッキリしないから・・・さ。」
霧「・・・そっか・・・。ゆうはホント真面目だよなぁ。^^」
俺「え・・・別にそんな事無いって。」
ふと前を見ると、近づく女性の影。
篠塚さんだ。
フロントガラス越しにこっちの顔を確認すると、篠塚さんはこっちに軽く会釈してきた。
霧「一旦降りよっか。」
俺「うん。」
俺たちは車を降り、篠塚さんに近づいた。
霧「お疲れ!」
篠「お疲れ様です。こんばんわ悠太さん。」
俺「こんばんわ。」
篠「今日はお出かけでもしたんですか?」
霧「ああ、お台場行ってきた。つか今日車ホントサンキュな。マジ助かった。」
篠「いえ、いつでも言って下さいね。この後先輩たちはどうするんですか?」
霧「このまま帰るけど。」
篠「え、じゃあ送りますよ。^^ 通り道ですし。」
霧「マジ?あ、じゃあその方が助かるかもな・・・。な、ゆう?」
俺「う、うん。あ、あの篠塚さん。」
篠「え、はい。」
俺「昨日は・・・その・・・すみませんでした・・・。」
篠「え?!いや・・・!悠太さんが何で謝るんですか・・・!?全然悪くないのに。」
俺が頭を下げるなんて予想だにしなかったのか、篠塚さんはびっくりしてる。
俺「いや、自分辛く当りすぎたって思ったんで・・・実際何も無かったわけだし・・・」
篠「そんな・・・とんでもないですよっ・・・!頭上げて下さいって・・・!私こそホントにゴメンなさい・・・!
夜の賑やかな路上で、互いに頭を下げる俺と篠塚さんの光景は、傍から見ると何が起きてるのか不思議がられたかもしれない。
霧「ゆうも篠塚も・・・もとはと言えば俺が全部悪いんだから・・・!ホントゴメン!」
ついにはきいちゃんまで頭を下げる。
俺「きいちゃんは良いって・・・!」
篠「先輩頭上げて下さいって・・・!」
俺と篠塚さんは、2人できいちゃんの肩を持ち上げて、首を垂れるきいちゃんの姿勢を正した。
霧「2人とも許してくれんの?」
俺「もう許してるよ!^^;」
篠「私だって・・・許す側じゃ無いですからっ。」
俺「俺はもう篠塚さんもきいちゃんも責めたりしねえし。な。」
霧「アリガト^^;」
俺「篠塚さんも、もう気にしないで下さい。」
篠「は、はい。ありがとうございます。」
全てにおいて、心に垂れこめた雲が消え去ったように思えた。
これで俺もきいちゃんも篠塚さんも、互いに貸し借り無しって事だな。
篠「じゃあ・・・帰りましょうか。乗って下さい。」
俺「助かります。さ、きいちゃん行くぞ。」
霧「うん。^^」
篠「お二人は後ろにのって下さい。」
俺「え、助手席空けたままじゃ篠崎さんに失礼じゃ・・・?」
篠「失礼なんて全然無いですって。悠太さんの隣は先輩って決まってるんですから^^」
俺「そ、そう・・・ですか・・・^^;」
霧「篠塚、ゆうが照れちゃってるぞ^^」
俺「んんなこた・・・ねえよ・・・*−_−*」
霧「ほら、帰ったらオムライス作ってくれんだろ?俺腹減って死にそ^^;」
俺「あ、ああ、はいはい^^; じゃあ、お願いします。」
篠「了解です^^」
俺ときいちゃんを後部座席に乗せ、篠塚さんが運転席に乗り込んだ。
乗り込むと同時に、イグニッションを回し、エンジンをかけ、ブウォンブウォンふかす。
すごいふかしてる・・・^^;
すると、きいちゃんが俺に耳打ちした。
霧「今からしばらく俺の手握っとけ・・・。」
俺「え・・・!?」
霧「篠塚の運転はチョーット怖いんだよね・・・。^^;」
篠「何ヒソヒソ話してんですかっ^^。」
霧「え、いや何でもねえよ・・・^^;」
篠「出発しますよ^^」
そう言うと篠塚さんは乱暴にギアを入れ、グイーンと急発進した。
俺「ひっ・・・!」
霧「ダイジョブ。俺昨日脇に乗ってもこうやって生きてるから^^;」
一瞬ひるむ俺に、きいちゃんは優しく耳元で囁いた。
その後、黄色信号を急加速で突っ切り、右折もまさに「キュイーン!」っていう効果音がぴったりと言うほど勢いよく、左側に座ってた俺は窓に張り付いた。
きいちゃんも必死に俺の手を握り、俺を気遣ってくれてるけど、何とか精一杯耐えていた。
霧「篠塚・・・!そんなに急がなくても良いぞ?^^;」
篠「え、良いんですか?」
霧「うん・・・!良い!急がなくて良いから生きて帰してくれ・・・!」
篠「すみません・・・!怖かったですか・・・!?」
霧「い、いや・・・ダイジョブだけど・・・まあゆっくりで良いから・・・な。」
篠「気をつけます。」
気をつけます・・・と言ってるけど・・・スピードはあまり落ちてない気もした・・・!
***
そして、篠塚さんの暴走で、あっという間にきいちゃんのアパート前に着いた。
篠「着きましたよ・・・あれ・・・?」
俺は、後部座席にへばりついて、きいちゃんの手をぎゅっと握ってた。
手には汗がびっしょり。
霧「ゆう、生きてる??」
俺「う・・・ん・・・生きてる・・・。」
霧「着いたよ。^^;」
俺「あ・・・良かった・・・!」
きいちゃんは先に降りると、俺に手をさしのべてくれた。
軽く足がふらついてる感覚がする。
篠「大丈夫ですか・・・?」
霧「あ、ダイジョブダイジョブ。すぐ治るから。送りありがとな。」
篠「いえいえ、忘れ物ないですか?」
霧「うん。ゆうは?」
俺「ダイジョブ・・・。」
篠「じゃあ、帰りますね。お疲れ様でしたー^^」
霧「気を付けて帰れよ。」
俺「ありがとう・・・ございました^^;」
篠「どういたしましてっ。じゃあおやすみなさい^^」
そう言うと篠塚さんは運転席に乗り込み、爆音に近いエンジン音を上げて、夜の住宅街を駆け抜けた。
霧「あれが無きゃ・・・フツーの女の子なんだけどなぁ。」
俺「きいちゃん・・・篠塚さんの運転って・・・いつもあんなに荒っぽいの?」
霧「多分な・・・昨日初めて乗せてもらったけど・・・あんな感じだった・・・。てか手汗びっちょりだぞ^^;」
俺「あ・・・ゴメン・・・キモイな・・・。」
霧「ハハ^^ つか早く部屋帰ろ!」
俺「うん。」
時計は8時20分ちょっと過ぎ。予定より1時間10分位早く帰宅できた。
篠塚さんの予定前倒しと、速度前のめりのおかげ・・・か。
<続きます。>