2つのパスタとハンバーグを仲良く半分こして
きいちゃんの笑顔を見ながら食べると
いつも美味しいサイゼの食事が
より一層美味しくなる。
買い物行って、ランチ食べて、この後ドライブ。
まさに王道ともいえるデートコース。
もっとも最初の買い物は、スーパーの買い出しという、あまりデートっぽくない買い物ではあるが。
霧「ドライブどこ行きたい?」
俺「え〜っと〜・・・どこが良いかな??」
霧「ん〜・・・。」
俺「あ、ならお台場は?レインボーブリッジ渡って。」
霧「ノッた!^^」
***
白のワゴンRを快調に走らせ、俺たちは徐々にお台場へと近づいた。
俺「次のとこ右だよ。」
霧「OK。距離的にはあとどれくらい?」
俺「もうほとんどお台場だよ。^^」
地図を見ながらナビをして、ようやくレインボーブリッジに差し掛かる。
グルリと回って、ブリッジの下層をゆりかもめと並走する。
ガードネットで外の景色は見にくかったけど、チラチラとフジテレビのはちたまが見えた。
お台場には一度だけ他の友人と遊びに来た事があったけど、それも大学1年の時だったし、かなり前になる。
もちろんきいちゃんとは初めてだ。
霧「そういやゆうとお台場来た事無かったな。」
俺「そうだよ。1年の時に誘ったけど、きいちゃんデートで一緒に行けなかったんだよな。」
霧「あ〜、ユキとなぁ。あいつ元気かな・・・?」
俺「気になる?」
霧「そりゃあな・・・一番長く続いた相手だし。全然連絡してねえけどな。」
俺「でもキャンパスでバッタリ会ったりしないの?」
霧「ん〜、運がいいのか悪いのか、全然。^^;」
俺「ふ〜ん。」
霧「ナニ、何か知ってんの?」
俺「あ、いや、冬休み前にな、高野(共通の友人)から聞いた話なんだけど・・・ユキちゃん新しい彼氏がいるらしいんだよね。」
霧「へぇ〜。^^」
俺「聞きたくなかった?」
霧「いや、逆だよ。ユキって意外とオクテなとこあるからさ。」
俺「あ〜、前にも言ってたよな。高2の時予備校で一目惚れして、3度告ってやっと付き合えたって。」
霧「ハハ^^ 懐かしいなぁ。」
俺「でも何で2度もダメだったんだっけ?」
霧「勉強に集中したいからって言ってたけど、後から聞いたら、人に告られたの初めてでパニクったんだって。前にも話したろ?」
俺「ゴメン、軽く忘れてた。^^;」
霧「でも俺ゼッテー諦めないって決めてたから。3回目に賭けて、やっとOKしてくれたんだ。」
俺「あっついなぁ^^; 何でそんなに入れ込めたんだよ。」
霧「え〜・・・一目惚れに何でもクソも無いだろ。^^; つかお前だって、俺のこと2年半諦めねえで耐えたんだろ〜よ^^」
俺「あ・・・ハハ・・・^^;」
霧「一度決めた相手に突っ込んでくって、俺もお前もメチャ男らしいよな。^^」
俺「そう・・・なるのかな・・・。」
霧「まあ、今“突っ込んでる”のは俺の方だけど(笑)」
俺「な、何言っちゃってんの^^;・・・そりゃそうだけど・・・*−_−*」
霧「あ、もうフジテレビの真下だぞ。」
久しぶりのお台場には、かなりの人出があった。まだ冬休みの高校生とか、家族連れが目立つ。
近くのコインパーキングに車を華麗に駐車し、俺たちはお台場へと繰り出した。
1月だからまだまだ寒いけど、日差しもあったから過ごしやすい。
バッグにデジカメを常備してた俺は、いっぱい写真を撮った。
フジテレビのはちたまから見える景色はやっぱり凄かった。
東京湾の先に見える高層ビル。
無機質な風景も、何か違って見える。
レインボーブリッジとのコラボ景色は圧巻だ。
霧「何かメチャデートっぽいな^^」
俺「同感^^」
霧「この後デックス行かね?」
俺「良いよ!」
フジテレビを後にして、デックスで色々物色。
特に欲しいものも無かったけど、良いなぁって思った服が結構あった。
きいちゃんは、セレクトショップに売ってた、トミーのシャツにべた惚れして、最終的には買っていった。
ブランドと語学に弱いきいちゃんだけど、トミーヒルフィガーは前から好きだって言ってたし、Tommy Hilfigerの横文字も難無く読んでた。
霧「あ〜・・・節約しねえとな^^;」
俺「良いじゃんたまには。メチャ似合ってたし。」
霧「ん〜・・・そうだな^目^ ゆうは何も買わねえの?」
俺「うん。特に欲しいもん無かった。^^」
霧「そ。^^ 他の店も見てく?」
俺「モチロン!^0^」
その後俺は、超カッコいい青いフレームのダテメガネを発見。
普段からメガネ好きな俺は、即決購入した。
霧「お前ダテメ好きだな〜^^」
俺「そ?^^ 似合ってるだろ?」
霧「う〜ん・・・どうかなぁ・・・。」
俺「え・・・!?ダメパターン??」
霧「ハハハハ〜!ジョーダン^目^ メチャ似合ってるよ。その青が良いな^^」
俺「良かった・・・!^^;」
霧「つかゆうってダテメするとメチャインテリに見えるよなぁ^^」
俺「見えるだけじゃなくって、実際インテリだっての!^^」
霧「え〜・・・そうかぁ?(笑)」
俺「つかカルビンクレインさんには言われたく無いですなぁ^^」
霧「ヘッ!・・・すんません^^;」
俺「ハハハハハ!(爆)」
その後もいろいろとデックスを物色してたら、もう夕方4時になってた。
マクドナルドに入って、一旦休憩。
外はだんだんと昼から夜に変わりつつあった。
俺「夜の運転平気?」
霧「うん^^ ダイジョーブ。」
俺「俺も免許持ってたら運転代われんのになぁ。」
霧「ゆうも就職前に取っといた方が良いぞ。時間無くなるから。」
俺「うん。卒業式前に合宿行くつもり。」
霧「合宿結構楽しいぜ。色んな人がいるし。場所によっちゃ飯もメチャウマいしな。^^」
俺「へぇ〜^^」
何だか今から免許合宿が楽しみになってきた。
霧「あ、そうだ、ゆう、話があったんだ。」
いつもみたいに、他愛のない会話に花を咲かせていると、急にきいちゃんが俺に向き直って切りだした。
俺「ん?ナニナニ改まって。」
霧「俺達さ、就職したら、会う時間とかメッチャ減ると思うんだ。」
俺「あ〜・・・うん。」
霧「もちろん自然消滅とかありえないとは思うけど、やっぱこうやってほとんど毎日会ってた分、寂しくなっちまうだろ?」
俺「そうだなぁ・・・確かに・・・。」
近くに住んでるとはいえ、毎日の仕事でお互い疲れるだろうし、多忙を極めてなかなか会う時間も取れなくなりそうなのは大体予想はついてた。
霧「でな・・・提案なんだけど。」
俺「うん。」
霧「一緒に住めたら良いなって思ってんだ。」
俺「え・・・!?」
霧「今のとこ引き払って、広めの部屋を2人で借りて、一緒に住まない?」
正直、思ってもみなかった。
あまりに突然で、一瞬きいちゃんの言葉が理解出来なかったけど、徐々に飲み込んだらやっと判ってきた。
俺「それって、同棲・・・?」
霧「うん。^^」
俺「本気?」
霧「こんなジョーダン言わねえよ。^^」
俺「俺と・・・一緒に住む・・・?」
霧「そう。^^」
俺の心は、ありえない嬉しさにグイグイ支配されていった。
嬉しくて今にも叫びそうになったけど、さすがにマックで叫び出したら明らかに不審者だ。
何とかリミッターをかけて、心の中に叫び声を閉じ込めた。
俺「うん・・・うん・・・!!!住む!!住みたい!!^0^」
霧「良かった^^」
俺「じゃあこれで、お互いのアパートに通う必要も無くなるってことだよな!!」
霧「そういう事だな^^」
俺「マジ嬉しい!つかいつからそんな事考えてたん?」
霧「就職決まってからかな。」
俺「マジかよぉ^^ もっと早く話してくれれば良かったのに^^」
霧「いやぁ、いつ言おうかって思ってたら今になっちってさ^^;」
俺「いやでも、いつ言われてもOKしてたぜ^^」
霧「ハハ^^ そんなに喜ぶって思わなかった^^」
俺「いやいやもしかしたら就職決まった時より嬉しいかも^目^」
霧「大袈裟^^; じゃあ、近いうちに部屋探そうな^^」
俺「うん!^^」
今でも半同棲状態だけど、これで完全に同棲だね。
俺「あ、でもご両親はなんて言ってんの?」
霧「大賛成だってよ^^ 俺の親お前の事メチャ気に入ってるし^^」
俺「マジぃ?^^ 照れんなぁ^^ つか俺の親も絶対賛成してくれるな。」
霧「え、俺もご両親に気に入って頂いてんの?^^」
俺「当たり前だろ^^ 母さんが言ってたぞ。あんなに律儀で優しい男の子は珍しいって^^」
霧「や、やめろよ・・・!*^^* そんなベタ褒めされちゃ・・・」
俺「あのフロレンチンだって、母さんがお前に食べて欲しいって、前もって買っておいたんだぜ^^」
霧「あ〜これ以上言うなぁ〜・・・!もうあっつい。」
俺「顔真っ赤っかだな^^ ジャケット脱げば?^目^」
互いの両親に気に入られてるってすごい事だな。
これが男女だったら縁談へまっしぐらだ。
あ、縁談っていえば・・・あの話・・・言わないとな。
卒業式の後にな。
霧「あ、もう5時半だ。」
俺「そろそろ戻った方が良い?」
霧「そうだなぁ。渋滞してそうだし。もう休憩良い?」
俺「つかきいちゃんは良いの?俺は助手席だから全然良いけど。」
霧「うん。ダイジョブ^^」
俺「じゃあ行こか^^」
<続く>