長くブランクが空いてしまいましたが、久しぶりにUPします。
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話は一気に1年飛んで、大学4年の冬。
俺もきいちゃんも無事大手銀行に内定が決まって更に時間が出来、相変わらず良い感じの恋人同士の関係を保ってた。
特に倦怠期っていうやつも迎えず、けんかもする訳もなく、平和な関係のまま。
ケンカするほど仲が良いとか言うけど、何だろう、きいちゃんはいっつも優しすぎるから・・・
ケンカしなくても変わらずに良好な関係が続くってあり得るんかな・・・
きいちゃんが初めての恋人だから、実際問題、恋愛関係ってのを詳しくは知らない。
付き合い始めてからの4ヶ月間は、嬉しさと不安がまだ同居してた。
セックスした後は必ず抱きしめてくれて、耳元で「大好きだよ。」って囁いてくれるし、普段だって原宿とか渋谷とかデートしたり、俺が普段着てるサロン系のゆるカジファッションを選んでくれって頼まれて、きいちゃんの服をコーディネートしたり。
傍から見れば仲の良い友人同士の買い物だけど、きいちゃんは俺が選んだ服を試着してメチャ喜んでくれる。
ホント何にも問題無い関係。
何も問題が無さ過ぎて、以前の俺のままなら不安になってたかもしれない。
でも、きいちゃんの本音を温泉で聞いて以来、俺はきいちゃんの気持ちを疑ったりすることも無くなった。
むしろ、元々ノンケだった男が今、同性との恋愛を受け入れるってホントに大きな決断だと思うし、俺は恵まれ過ぎてる数少ない人間の一人なんだって思える。
そんな大きな決断をして俺を愛してくれてる彼氏を不安がるなんてずるいから。
俺はきいちゃんを心底信じられる。
去年の温泉旅行以来、俺は不安定だった心の安定を完全に取り戻してたんだ。
そしてそのまま、1年と4ヶ月経った12月。
この12月。
世間は寒い冬を迎え、そして、俺ときいちゃんの関係も、一時の冬を迎えた。
俺ときいちゃんの間に、本当の試練が起きたんだ。何の前触れも無く。
俺達の関係を話していく上で、避け様のない事。
書くべきか、書かずにスルーして俺ときいちゃんのハッピーな話だけを羅列するか考えて
書く事にしました。
思い出すのに堪えられるか、堪えられずに粉飾するか、どうなるかは分からないけど
一見スムーズすぎる、俺ときいちゃんとの恋愛展開。
現実ってそんなに甘くはないんだ。
20年弱ノンケをしてきた男が、たったの1年弱でゲイになり切れるなんて、難しいんだ。
本能のどこかで、残ってるんだ。
2007年12月。
長かった大学卒業まであと3ヶ月。
そして、俺ときいちゃんの関係の上で、大きなターニングポイント。