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続きです。お待たせしました。
続き・・・
夏休みが終わろうとしていた。
今まで生きた中で一番幸せな夏休み。
浮気はしない、セフレもいない、俺だけを好いてくれるってきいちゃんが言ってくれて、それに関する不安は無くなった。
ただ、終わりに近づくにつれて、もう一つ、ある事が気にかかるんだ。
俺「きいちゃん、相談があんだけど。」
霧斗「ん?どうしたんだよ、そんな真剣な顔して。^^」
俺「いやさ、もうすぐ夏休み終わるだろ?」
霧斗「あ、そっかぁ〜、早ぇ〜×0×」
俺「んでな、俺達はどうすんのって話。」
霧斗「んん???どうすんのって??」
俺「俺は周囲には黙ってる方が良いと思ってんだ。」
俺がゲイだって事は周囲には知られてはいない。まあ意地で隠してるつもりもないんだけど、バレたりする機会もなかった。でも、色眼鏡にはやや敏感なのかも知れない。
それに、きいちゃんだって、彼女と別れてからは誰とも付き合ってなかったけど、ストレートって認識されてる。
その2人が夏休み明けたら相思相愛の関係になったって知れたら、絶対に好奇の目に晒されちゃう。
同性愛って、まだなかなか社会的地位を得られていない感じがする。ただ同じ性別の人間を好きになるだけなのに・・・。
変な目で見られるのに嫌気がさして、最悪は別離って可能性もあるし・・・。そんな別れ方では傷跡しか残らない。
俺「だから俺は、普段はフツーにつるんだりしてさ、2人の時は・・・その・・・カップルみたいに・・・さ。」
俺は俺の考える全てをきいちゃんに話した。きいちゃんは深く息を吸うと、そのままベッドに倒れ込んだ。
霧斗「そう・・・だなぁ・・・。」
俺「気にしない様に頑張ってもゼッテーどっかで爆発して・・・自然と距離置く様になって・・・気まずくなって・・・」
その状況を想像してしまった俺は、これ以上言葉を続ける事が出来ずに、ベッドの隅でうずくまった。
今の関係が壊れていく・・・最悪な方向で・・・そんな事が頭をグルグル回って・・・
霧斗「ゆう?」
俺「・・・ごめん・・・何だかスゲー悲しくなってきた・・・。」
霧斗「ダイジョブか・・・?」
俺「分かんない・・・スッゲー寒い・・・」
そんな俺を、きいちゃんは後ろからハグしてくれた。
付き合い始めてからというものの、こんな調子で落ち込んだりしやすくなってた俺は、いっつもいっつもきいちゃんにハグされちゃうんだ。
ただでさえリスク覚悟で告って、考えもしなかったOKもらって正式にカップルになったのに、最初は不安で押しつぶされそうになった。
でも、きいちゃんは変わらぬ笑顔と優しさで俺を受け入れて、唇重ねて、体重ねて、俺だけを大切にしたいと言ってくれた。
嬉しさと安心がフワっと心に溢れてたはずなのに、俺はまた別の事で勝手に不安になっちゃってるんだ・・・。
そんな不安ばっかりな俺に、きいちゃんは一切メンドくさそうな顔を見せずに、きいちゃんにしか出せない優しさで俺をふんわりと包んでくれる。
俺はその優しさにいっつも甘えてばっかり。だって、優しくハグしてくれると、不安がスーッっと抜けてくんだ。
霧斗「ゆうは心配しすぎだって。」
俺「ゴメン・・・」
霧斗「俺を信じろってこないだ言ったろ?」
俺「言った・・・。」
霧斗「まだ信じらんない?」
俺「そんな・・・!信じてるよ・・・!」
霧斗「じゃあ変な想像して落ち込むなよ。周りがどうこうでお前と別れるなんてゼッテーにねえから。」
俺「マジ・・・?」
霧斗「マジだよ。信じろよ。」
こんなにきいちゃんは俺の事思ってくれてんのに、俺、ズルイよな・・・。
いつの間にか一方通行・・・?俺から好きだって言ったのに・・・?
そんなの変・・・!
俺の心の奥底では、きっときいちゃんを信じてるんだ。ゼッテーそうだ。
信じる。信じたい。
俺は、きいちゃんを心の奥底からじゃなくって、心全部から信じてるんだ。
自分に言い聞かせてるんじゃなくて、自分と確認してるんだ。
だって、信じてないワケないってハナっから分かってるんだ。
俺「・・・うん。信じる。」
霧斗「よし。じゃあごほうび。こっち向いて。」
俺「え?」
振り返った俺に、きいちゃんはキスしてきたんだ。
不安も心配もぜーんぶ吸い出される気がした。
ただ唇を合わせるだけのシンプルなキス。すんごく落ち着く。
やっぱり、信じられる。きいちゃんなら。きいちゃんだから。
霧斗「落ち着いた?^^」
俺「うん。ありがとな。^^」
霧斗「よし、じゃあ風呂入ろーぜ〜♪」
俺「おう!背中流してやるよ!」
霧斗「ウム!苦しゅうない!(笑)」
俺「テメ〜!^^」
そんなこんなで、夏休みが終わりを告げた。
基本表面上には出さず、普段は軽く、2人きりの時にはその分まったりと付き合っていった。
周りに「付き合ってるみて〜だな〜」って言われても、俺たちは必ずこう返事するんだ。
「だったらど〜する〜?^目^」って。
肯定もしないけど・・・否定だけはしないんだ。
続きます!