安井の顔を思い出すたび、胸がキュンとしてじっとしてられなかった。
朝礼の10分前くらいに安井が汗かきながら教室に入ってきてはぁはぁ言いながら
安井「かずまぁ、急ごう」
って、手をひっぱられグラウンドで最後の練習をした。もちろんグラウンドにいた剛も一緒に
運動会は予想以上に盛り上がった。3年生は最後の運動会だからか勢いが違って、散々練習した二人三脚は2位と微妙なかたちで…
けど、すごく楽しくて安井と笑ってられることが幸せだった。
昼休み…
安井をご飯に誘うとして、クラスの席に戻ったら、安井はゆまと一緒にいた…
男が女に勝てるわけもない…
けど、悔しくて仕方なかった…安井から隠れるように初めて二人で昼食を食べた校舎の裏に一人で向かった。
一人で座っていたら、
「かぁ〜ずま!!何してんの?」
小学校から一緒の香だった。ニヤニヤ笑いながら隣に座って、お弁当を広げはじめた。
俺「何やってんの?」
か「何って?昼ご飯笑 安井くんゆまに取られちゃって、一人でしょ?一緒に食べてあげるよ笑」
俺「別にいいですよぉ」
香「いいから、いいから笑」
久しぶりに香と話して淋しさが少し取れた気がした。
香「まぁ…これから私が一緒に昼食べてあげるから、安心しなさい笑」
俺「結構です笑」
香「大丈夫、大丈夫!!」
昔からこんな奴だった、けど香には何度も助けてもらってる凄い安心感がある…安井を忘れさせてくれる。
今思えば軽い告白だったのかもしれない
『午後の部の障害物競争に出場する人は職員テントまで集まってください』
香「早く行くよぉ」
香に手をひっぱられながらグラウンドに向かった。
何だか照れ臭かった
きっとこの頃は誰か側にいてほしかったんだと思う。
安井が見ていたともしらずに…