遅くなりました。
続きです!
電車に揺られていると後悔が俺を襲いました。"やっぱりあのまま行った方が良かった。次の駅で引き返そうか、"今でもあの日の事は悔やみます。
ケータイがなりました。
ー着信ー
彼からだ。
俺「もしもし?」
彼「ホントに返ってしまうん?今どこ?」
俺「うん、今もう帰りの電車」
彼「なら戻ってこれるやん!」
"何言ってんのこいつ"
俺「…」
彼「まだ電車ならきたらえーやん!会お?」
"謝るのが先じゃねーの?"
俺「切るわ」
俺から電話を無理矢理切りました。
…するとまた着信。
彼「俺が原因なら謝るから。ごめん。」
"最初に言えっつーの"
俺「うん」
彼「どうやって都合付けてでも会いたかったから」
"はー…それでこの始末かよ、やっぱ逢いたい、やけど今更行く!なんて言いづらいしな、"
俺「そっか、」
彼「今日無理なら次会う日だけでも決めておこ?」
"もう一息押してくれたら今日行けるんやけどな、でももうこの流れなら…無理か、"
俺「おー、じゃあまたな」
きっと彼なりの最大限の愛情表現だったのだと思います。でもそれを俺は簡単に冷酷に一瞬の感情で踏みにじってしまったんです。
実際あの電話で彼の優しさは汲み取れてました。でもやっぱり素直になれずあんな態度になってました。その時は確かにヒートアップしてましたが行けないくらいではありませんでした。
家についてボーっとしてると彼からメールがきました。
「実は昨日親戚が急にこっちに来なあかんくなって、おまえを泊められへんよーになっしまってん。今日も親戚が帰るから空港まで送りに行かなあかへんし、その後も色々ばたばたしてるから遅れる形になってしまってん。ごめん。」
たまらなく自分の不甲斐なさに苛立ち、彼に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
すぐに電話をかけ直しました。
プルルル……
ずっと呼出し音だけが響きます。
"出ろよ、出ぇへんか、頼む、出てくれ!"
ガチャ
彼「…しもし」
彼は鼻をすすっていた
"泣いてた?すごいテンションが低い、当たり前か、ごめんな、"
俺「ホントごめんな。そんな状況やった事に俺気づけへんかった。」
彼「うん」
俺「ホントにごめん。」
彼「謝ってくれたからえーよ。」
"絶対手放したくない"
俺「ありがと。次会う日またじっくり決めよ?」
彼「うん。」
俺「じゃあ、切るね。…」
電話を切った後どうしようもないくらいの罪悪感と、自分へのくだらなさに落胆しました。
あの時もっと別の言い回しをしたり、素直になれていたら、この先に起こるあんな事にならなかったのかもしれません。
二日経っても三日経っても彼からあの日以来連絡がありません。俺からメールを送っても不通です。
耐え兼ねて彼に電話をしました。
プルルル…ガチャ、ツー、ツー、ツー、…
"あ、切れた。出たくねーんや"
そして三分くらい経って彼からメールがきました。
「ごめん、今電話出られへんねん。ってか縁切りしよ。」
"マジで?つい少し前までいい感じやったのに。"
「俺やっぱこっちの人と普通の友達関係にはなれへんみたいやから。やからごめん。」
辛かった。どうしようもないと思いました。どうしようもないっしょ、実際。
"俺はあいつの彼氏じゃないし、向こうに拒絶されたんなら聞き入れるしかないやん"
今度は思いを素直にぶつけました。
俺「正直お前と縁切るのはすげー嫌や。やけどお前がそう言うんなら仕方ないよな。
…ホントに縁切るんやなぁ、」
送信。
不安で仕方なかった。
胸が潰されそうなくらい
メールが来ました。
彼「縁切りってゆーか今までみたいにメールしたり電話したりする事はやめよって感じやな。」
"…完全に気持ちが離れたんや。"
俺「そっか。分かった!じゃあたまにまた連絡するわ!じゃあな」
少し強がりをして、そうしてメールを切りました。"ほんとはもっとお前とメールや電話してーよ。"
二、三日の間きっと考えていてくれたんだといます。もう彼が俺に気が全くない事もよく分かりました。
今まで当たり前にいた存在がいきなり消えるとやっぱり辛いです。
月日は経って
4月23日。
たまたま彼の住んでる近くに用事があったので、彼にメールをしました。
「久しぶり!何してる?空いてたら明日昼から遊ばへん?」
送信。
時間が経ってメールが返ってきました。
「2:30以降ならえーよ!」
久々なのに至って普通な感じにビックリしました。
ワクワクしながら当日を迎えました。
駅前で待ち合わせました。前の様な照れた顔は彼にありませんでした。
ロッテリアに入ってカラオケに行きました。
たわいもない話をしている時、彼のケータイが光りました。
彼「コイツめんどくさいねん」
それでもメールを返してる。
俺と遊んでる時もずっと彼はメールをしてました。
そんな時思い出しました。彼と知り合って間もない頃、
メール沢山し合ってた時期。
彼「今カラオケにおんねん」
俺「じゃあ悪いからメール切るわ!」
彼「そんな事気にせんでえーで!」
興味津々な時期だったからなのか、どこにいてもメールをくれました。
きっと今彼は俺の知らない相手に夢中になってるんだと思います。
カラオケも終わり、飯に行こうと誘おうとしました。すると、彼は
「もう帰らなあかんねん、ごめん。」
分かった!普通に隠さず言うと別れました。
その直後です。急に心に空洞が出来た様に感じました。
"あいつがおるから俺、元気でいられる。
あいつのお陰で俺、頑張れるんや。"
彼の事を本気で好きだと確信しました。
彼にもう一度逢いたいと言うと、今日は無理だと言われました。
どうしても伝えたかったので、しょうがなくメールでですか、感情を今までになく正直に素直に伝えました。
お前が大好き。今お前がいい感じの相手がおるのも分かるし、無理なんは分かってる。やけど、マジ伝えたくて仕方なくてさ!好きでもない奴に言われても嬉しくねーやろけど、今日確信した。会う前もドキドキしてた。お前とおると落ち着く。
お前が大好きや。
伝え切りました。なんだか気持ちが今までになくスッキリしました。
友達としてもだめになっても構わないと決めて送りました。
三時間後彼からメールが返ってきました。
結果は分かってます。
メールを見ると、結果は残念でしたが、それ以上に感動した事がありました。
長文で送ってくれたのですが、一部だけ抜粋。
"いつもはすぐに断んねんけど、いっぱい考えたわ。"
"友達として大好きやから"
なんか心がとても温かくなりました。
付き合うって事はできませんでした。
やっぱり振られた事はすごいショックでした。分かっていてもいざ直面すると、きますよね。
でも、こんなに心優しい照れ屋な彼と出会えた事に心から良かったと思えます。
俺に優しさをありがとう!俺はお前を応援してるから!世界に羽ばたく人間になれるように。
もう少し好きでいさせてな。
終わり
長々とすみませんでした。最後まで読んでくれた方々、お疲れ様でした。ありがとうございます。
オチも特にあるわけでもない話ですが、俺にとってホントにいい経験になったので書かせてもらいました。良かったらコメントいただけたら幸いです。
最後まで読んでくれた方々、ほんとに、ありがとうございます。