そして2学期。
俺は衝撃の事実を知ることになる。
担任「高木(和也)はお父さんの仕事の都合で転校しました。
短い間だったけどつらくなるから挨拶はしないで転校したいって言って手紙を預かってます。」
「教室の後ろの掲示板のところに貼っておくから各自読みなさい。」
そんな感じであっけなくアイツは俺の前からいなくなった。
和也がいなくなってからどこへ行ったのかもわからず
俺も和也も携帯持ってなかったから連絡の取りようがなかった。
この時すでに俺は和也のことを親友以上に思ってたんだなと思う。
それからの俺は和也と出会う前の俺からは想像がつかないほど変わったと思う。
人前でもちゃんと笑えるようになったし、なにより友達ができた。
それもみんな和也のおかげかななんて思う。
そして3年後あるPCサイトでアイツを見つける。
何気に登録した『この指とまれ』
そこに和也は「1年の1学期までしかいなかったけど覚えてる人いますか?」ってカキコしてた。
なつかしさとあの時どうして何も言わずに転校しちゃったのかどうしても聞きたくて俺は和也にメールした。
≪久しぶりです。耕平だけど覚えてるかな?俺は今○○大に通ってます。和也は今何してますか?
学生ですか?それとも社会人?俺、1年の2学期初日に学校行って話聞いてものすごくショックだった。
俺にとって和也はすっげー大事な存在だったから・・・どうしてあの時何も言わずいなくなった?
和也にとって俺はなんだったん?ごめん。責めるつもりじゃないんだけどどうしても気になって・・・
でも和也のおかげで俺変われたんだよ。友達もできたし卒業するまで寂しくなかった。和也には感謝してる。
あ、迷惑だったら返事はしなくていいから。和也の名前を見つけてあまりになつかしくってメールしただけだし・・
最後に一言だけ言わせて下さい。和也のこと好きでした。友達としてじゃなく・・・ありがとう、サヨナラ≫
こんな感じのメールをしてどうせもう会うこともないんだからと自分勝手にスッキリしたつもりだった。