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もどかしい１１

ゆう - 08/7/20(日) 13:43 -

先生の車に乗って病院に向かった。気を紛らわすためか先生は色々話してくれていた。

そのおかげかわからないけど、少しは不安も和らいだ。

病院に着いて、病室へ向かう。病室は変わっていて個室になっていた。

先生がノックする。母親が出てくる。挨拶。

心臓の音が聞こえるほどドクドク鳴っていた。不安、緊張。頭も痛くなってくる。

意を決して先生に続いて病室に入った。

そこに居たのは腕に管を入れて、頭からも管、酸素マスクをして目が虚ろな貴方の姿。

想像以上だった。言葉が出なかった。倒れそうになった。息をするのを忘れそうになる。

現実…？

ドラマでよく見る世界がそこにはあった。
不思議と、なぜか涙は出なかった。
苦しい？悲しい？それさえもわからない。

「耳は聞こえるみたいだから、話し掛けてあげて？」母親が言う。

その言葉で我に返った。そうだ、オレがしっかりしなきゃ…貴方のためにできること…

「尚哉？聞こえる？オレだけど…会いに来たよ！」

出来るだけ明るく、いつもみたいに話し掛けた。

もちろん声での反応はない。
本当に聞こえてるのかもわからなかった。