次の日は昼近くに起きた。
俺は翔太からの手紙を読むことにした。
『平岡 陸へ
この手紙を陸が読んでる頃には、この世に俺はもういないな…きっと。
てか手紙書くの初めてだからなんか緊張するな(笑)
初めに謝っとく。
陸には明日退院するって言ったけど、本当はあと5日間ぐらいの命って言われた。
でも陸には心配かけたくなくてさ、黙っててゴメンな。
陸と出会ってからずっと幸せだったよ。
花火大会に行ったときに告ろうと思ってたんだけど、勇気なくてさ…。
だから卒業式に告っちまった。
もっと早くに告ってたら、もっと幸せになれたのかな。
俺はな、陸の笑った顔、怒った顔、泣いた顔、すねた顔、甘えたときの顔、眠ってるときの顔、あとはエッチしてるときの顔(笑)
すべてが大好きだった。
でももうそんな陸の顔が見れなくなると思うと寂しくなるな。
でもそんな寂しさなんてちっぽけなもので、幸せのほうが大きいな。
俺は陸に出会えたことに後悔はしてないよ。
だから陸…
おまえのことだから、きっと自分を責めてるだろ??
それはやめろよ!!
俺のことで、いろいろ引きずってうつむいてる顔なんて見たくねぇよ。
陸は俺よりももっと良い人を見つけな。
ただ俺のことは忘れないでいてほしい。
それが最後の願いだ。
長くなっちまったけど、これで最後にする。
おまえと出会えて本当によかった。
今までありがとな!!
中川 翔太より』
最後に、翔太と俺の相合い傘が書いてある。
俺は涙が止まらなかった。
この日俺は翔太に手紙を書いた。