俺「狭いけど…どうぞ!!」
翔太先輩「お邪魔しまぁす♪」
俺「邪魔するなら帰ってください(笑)」
俺はいつもの癖で、つい先輩に向かって言ってしまった。
翔太先輩「アハハハ(笑)
陸はやっぱ面白いね♪」
俺「いきなりすみません…。」
翔太先輩「別にいいって☆」
俺はふと、ケーキを取りに行ってないことに気がついた。
俺「あっ、忘れた。。」
翔太先輩「何が??」
俺「内緒です♪
15分くらい家で待っててください。」
翔太先輩「わかったよ!!
早く帰って来てね!!!!」
それから俺はまたもや孟スピードでチャリを漕いで、ケーキを取りに行ってきた。
俺「ただいまぁ。
翔太先輩寒いよー。」
翔太先輩「俺の横においで☆」
俺はケーキをテーブルの上に置き、ドキドキしながら翔太先輩の横に座った。
翔太先輩「冷たいなぁ…」
次の瞬間、ノリなのか俺に抱き着いてきた。
俺は何も言えず、ただただじっとしていた。
翔太先輩「暖かいか??」
俺「……うん。すごく。」
やっとが翔太先輩が離してくれた。
だけど心臓の音がまだ聞こえる。
翔太先輩「そういえば、それなに??」
俺「ケーキですよ♪♪」
翔太先輩「やったね☆
それよりこの飾り付けも陸がやったの??」
俺「そーですよ!!
全部、翔太先輩のためにやった☆
ケーキも翔太先輩のために買ってきたんですよ♪♪」
翔太先輩の“ために”と、ついつい言ってしまった。
翔太先輩「サンキューな♪♪
それより、俺のこと翔太って呼んでいいよ!!
それにタメ語で喋って!!」
俺「でも…」
翔太先輩「先輩からの命令だ(笑)」
俺「わかりましたよ、翔太せんぱ……じゃなくて翔太♪」
翔太「なんか照れるな」
俺「なんか翔太かわいい(笑)
それより腹減ったから食べよ♪」
翔太「うん☆」
俺は翔太にご飯を作ってあげた。
そしてご飯を食べ、ケーキも食べ、別々にお風呂に入った。
俺「翔太♪」
翔太「なぁに??」
俺「ただ呼んでみただけ☆」
そのあと翔太は照れ臭そうに微笑んだが、すぐに真面目な顔をした。
俺「しょう『陸!!!!』」
俺は翔太に自分のすべてを言おうと決意し、翔太の名前を呼ぼうと思ったら、逆に名前を呼ばれた。
翔太「あのな陸、真面目な話があるから聞いてほいし。
ただ……」
俺「ただ何ですか??」
翔太「ただ、俺のこと嫌いになるかもしれない…」
俺「そんなことないよ!!
翔太のことなら嫌いになったりしないから!!」
翔太「そっか、ありがと。」
少し沈黙が続いたあと、最後まで聞いてな。と告げ口をして、翔太が話を始めた。
翔太「俺さ、綾高入ってよかったなって思った。
綾高でいろんな奴と仲良くなって、陸とも仲良くなって…。」
翔太は深呼吸をしてから、もう1度話し始めた。
翔太「なんかよくわかんなくなってきた。
だからストレートに言うな!」
俺はまじで緊張した。
翔太「俺、陸のことが好き。
大好きだよ!!!!
実は俺ゲイなんだ…。」
俺はすごく嬉しくて、自分の気持ちを素直に言った。
俺「翔太……」
翔太「嫌いになったよな…??」
俺「最後までちゃんと聞いて!!!!
実は俺もゲイなんだ…。
初めて翔太と出会ったのは入学当初だったよね。
あの時から翔太のこと好きだった。
一目惚れだったんだよ。
大好きで大好きで、でも翔太はゲイだって思ってなかったから毎日がすごく苦しくて…。
でもそんなの表に出したら翔太に心配かけると思って元気にしてた。
翔太が卒業するまで楽しむぞって。
でもね、今翔太の気持ち聞いてすごく嬉しかった。
だから、翔太…
俺と付き合ってください。」
俺はいつの間にか泣いていたのか、翔太はそっと俺を包んでくれた。
そして耳元で囁いた。
翔太「俺も陸が大好き。
俺からも言わせて。
俺と付き合ってください。」
俺は返事をするかわりに、翔太を強く抱きしめた。
そして初めての夜を過ごした。
なんどもキスをしながら、俺らは1つになった。
すごく幸せだった。
―あんな悲劇が訪れようとも知らず。