そして花火大会当日―。
お気に入りの服を来て、いつもより時間をかけて髪をセットして、家を出た。
10分前に待ち合わせ場所に着いたが、すごくドキドキしてた。
7時15分…。
なかなか先輩が来ないなぁと思っていたら、遠くのほうで先輩がチャリを必死に漕いでるのが見えた。
そして俺の前に来た。
翔太先輩「ゴメン陸!!バイトだったからちょい遅刻した!!」
息を切らし汗だくで喋っている先輩がかっこよく見え、汗も輝いて見えた。
俺「別にいいですよ♪」
そう行って俺は自分のチャリに乗った。
翔太先輩「なんで自分のチャリに乗るんだよぉ」
俺「なんでって、花火大会に行くため!!」
翔太先輩「俺の後ろに乗れよ♪♪
陸のチャリはそこに置いとけばいいし!!」
そう言われたので、翔太先輩の後ろに乗った。
しかしなかなか漕ごうとしない。
俺「どーしたんですか??翔太先輩!!」
翔太先輩「危ないから、ちゃんと俺の体に掴まれよ!!」
恥ずかしかったけど、すごく嬉しかったから、強く抱きしめた。
“ガッシャーーン!!!!”
自転車ごと俺らは倒れた。
俺「痛ぇ…」
翔太先輩「陸大丈夫かぁ??
ゴメンな。掴まれとは言ったけど、陸が抱き着いてきたからビックリして…」
俺「俺こそ、いきなり抱き着いてゴメンナサイ。
もう抱き着かないから。」
翔太先輩「うぅん。抱き着いていいよ☆
陸は甘えん坊だもんな(笑)」
そう言われて、もう一度チャリに乗り翔太先輩に抱き着いて、花火大会の場所まで行った。
8時からの花火を見て、そのあと屋台を巡っていろんなものを食べたり飲んだりした。
10時に帰って来て風呂に入り、俺はベッドの上で考え事をしていた。
もちろん翔太先輩の事。
なんで俺を誘ったのか…。
それはきっと、みんなに優しい先輩だから、今日は俺を誘ったけど他の子も誘ってると思う。
なんでチャリ乗ったとき抱き着いてもいいって言ったのか…。
それはきっと、俺が甘えん坊だと知ってるから。
なんで屋台を巡ってるときに俺の手を引いてくれたのか…。
それはきっと、俺が歩くのが遅いから。
なんで俺の食べかけのリンゴ飴を奪って食べたのか…。
それはきっと、先輩はノリがいいから。
そうやって、翔太先輩をこれ以上好きになっちゃダメだと、自分に言い聞かせてた。
そんな事考えてたらケータイが鳴った。
翔太先輩からのメールだ。
『今日はありがとな☆
楽しかったし、陸可愛かったよ(笑)
また遊ぼうな♪♪』
俺はすぐメールを返した。
『こちらこそありがとうございました♪♪
こんな俺でよければ、また遊んでください(●´∀`●)』
メールを送ったら俺はすぐに眠りについた。