オーディションの第一審査は見事通過してた。ガッツポーズをするりゅうじをよそに俺は第二次審査の手続きをする。この時かなり手震えてた。春休みになって第二次審査は行われてたが、惜しくもここで敗れた。まあ仕方ないかってな感じで二人して笑った。俺は二人でいる時間が楽しくて仕方なかった。ずっとこのままでいたいって思った。だけど、破局はあっけなく訪れた。塾に通うようになって精神的にぼろぼろになった俺はりゅうじに明日会いたいとメールを送った。しばらくして返信が届く。
「いいよ、明日はてるにとって最高の一日にしてあげる」
そう書かれていた。この時は気付かなかったけど、その日は俺の誕生日だった。そして翌日。俺は約束の場所に向かった。この時、俺はかなり参ってて、少しでも早く安らぎがほしかった。
「おーーーーい」
声がした。りゅうじの声だ。俺は手を振って応える。りゅうじが走り出した。その時だった。横から走ってきた自動車にりゅうじは激突した。一瞬だった。俺はしばらく、その場に立ち尽くした。気付いたらりゅうじに駆け寄ってた。手が血だらけになってた。
「・・・りゅうじ?」
涙が出なかった。その代わり、目の前が真っ暗になった。
次が多分ラストかな