携帯電話の同性愛サイトで知り合った家出中の16歳少年を自宅に9日間泊めて、わいせつな行為をしたとして、神奈川県警は30日、新宿区保健所保健予防課予防係主任・金井一洋容疑者(52)(同県藤沢市鵠沼桜が岡)を県青少年保護育成条例違反(わいせつな行為)容疑で逮捕した。
同性愛サイトは、少女への売買春の持ちかけを禁じた出会い系サイト規制法の対象外で、県警は少年の児童買春の温床になっているとみている。
県警幹部によると、金井容疑者は、同性愛向けでは国内最大級のサイトに「訳ありです。サポ(売買春)してくれませんか」と書き込んだ同県愛甲郡の少年(当時16歳)に返信し、昨年5月18〜26日、自宅に泊めてわいせつな行為をした疑い。金井容疑者は毎日3000円の小遣いを少年に渡していたという。
少年は「サイトで約100人と出会い、100万円くらい小遣いをもらった」と話しているという。このサイトはパソコンからも接続でき、都道府県別に出会い目的の掲示板がある。
金井容疑者は「子供を家に泊めたが、わいせつ行為はしていない」と容疑を否認している。保健所では、新型インフルエンザなどの感染症予防を担当している。
少年は中学3年の時に携帯電話で同性愛サイトを見つけて書き込むようになった。初日から返信が殺到、多い日は50件以上も届いたという。少年は「男でも援助交際できると知り、家出中の小遣い稼ぎのために書き込んだ」と話しているという。
同じサイトを巡り、県警は2〜4月、会社員ら3人を児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で逮捕した。
警察庁によると、出会い系サイト規制法は2003年6月の制定時、少年の児童買春が表面化しておらず、想定されていなかった。