小さい頃からいつも孤独だった。
親に愛されるわけでもなく、友達がいるわけでもなく、恋人がいるわけでもなく…。
幼稚園の頃から、他の男子と違う事は自覚していた。
そんな自分が大嫌いだった。
成長するにつれ、生きて行く事に息苦しさを感じていた。
なぜ人より劣っているのか、なぜ人に好かれないのか、なぜゲイなのか…。
中学に入り、将来の事など考えず社会から逃げ出した。
色んな事が限界だった。
毎日家に引きこもり、誰とも会わない日々を過ごした。
そんな事をしても何も変わらなかった。
それどころか、益々自分の事が嫌いになった。
このままじゃいけないと思い、20歳を前にようやく働く事にした。
中卒である事、ずっと家に引きこもっていた事を承知で雇ってもらった。
最初は、当然仕事も出来なければ、会社に馴染む事も出来なかった。
でも、昔の自分には戻りたくなかったので毎日必死に頑張った。
それから数カ月が経ち、段々と仕事も出来る様になり周りにも打ち解ける様になった。
嬉しかった。
こんな僕にも居場所が出来た気がした。
そしていつの頃か、僕はある人に恋をした。