その日、いつものように青年は闇夜を疾走していた・・・
通り過ぎる街灯や信号、車のライトがまるで銀河の中のようだった。
青年は某大学に通う大学二年生。名前は内野信之。周りからはノブと呼ばれている。
性格はいったって内向的でおとなしい。高校では特に目立つこともなく
特に彼女もいたわけでもないし、平凡な高校生活を送り
なんとなく大学に入り、何不自由なく育ってきた。
ノブはそんな自分が大嫌いだった、変えられない人生、
いつも守りになってしまう自分、刺激のない毎日、
普通の親、普通の友達。
ノブには普通という人生が付きまとっていた。
そんな悩みを忘れるためにノブは深夜走っていた。
走ると何も考えなくてすむし、何より一人で走っているといつも一番な自分が想像できた。そして今も走っている・・・
「最後のラストスパート・・・」
タタタタタ・・・
・・・・「はぁはぁはぁ」
ノブは両手を膝について荒い呼吸をおちつかせ少したってから歩きだした。
「どれくらい走っただろ・・随分遠くまできたな・・」
ノブはまだ整っていない呼吸をしながらつぶやく。
帰り途中に自動販売機で水を買い、水を飲みながら歩いていた。
いつもはここまで遠くまではこない。いつもなら精々3キロ〜5キロくらいだ。
しかしこの日は特別長いこと走った。家から10キロとはいわないがそのくらいだ。
いつもなら通学の時に通る□×駅。
「電車内で駅前しか見たことないな・・・」
ノブは自然と駅周辺に足が向いた。
終電もすぎ駅周辺は人が少なかった。
電気がついているのは電灯に少し賑わう居酒屋やスナック
ノブが何となく歩いていると目にとまった・・・
「○○湯・・・こんなのあったんだ」
看板にはリラクゼーションスパと書いてあってそれなりに大きい施設だ。
一階はフロント二階はフットケア、ボディーケア、三階浴室。
「銭湯か、最近行ってないな」
とおもむろにポケットに手をいれ小銭を確認する。
料金表に目がとまる。サウナコース(三時間)タオル付きが850円と書いてある。
「安いな・・・汗もかいたし」
というとノブは入り口に向かった。中はそこそこ綺麗で悪い印象などまったくなかった。
チケットは券売機で買うシステムらしい。
ノブはサウナコースチケットをフロントに出すと透明バックにタオルが入った物と
ロッカーの鍵が手渡された。
「確か風呂は三階だったな」マップを確認するとノブはエレベーターを使うことなく階段でいった。
三階に着くとすぐに脱衣所とビールやコーヒー牛乳などの自販機が置いてあった。
すぐに脱衣所に入ると2人のサラリーマン風の人達が着替えていただろうか。
風呂場にも3人くらいの人影がみえた・・・
手に握ってあったロッカーキーの番号を見る
「38か・・・38・・38・・・・あった。」
鍵を開け透明バックをロッカーに入れ着替えはじめる。
汗ばんだTシャツが肌にくっつき脱ぎずらい、ズボンを下ろして下着になった。
実はノブは小学生の修学旅行以来、人前で裸になることは一度もなかった。
ノブは中学高校と修学旅行にはいったものの風呂は個室についている風呂にはいった。
入ったというよりも入らされた感じだ。理由はイジメがあるかららしい。先生が言っていた。
ノブは久しぶりだったせいか少し恥ずかしいという気持ちもあり下着の上にタオルを巻いて下着を脱いだ。
ノブの体系は170センチで61キロ中肉中背な感じ体も普通だったが
一ついうならノブは仮性包茎だった。それはノブ自身わかっていた。
ちょうど脱ぎ終わると一人のサラリーマンが帰っていきもう一人もそろそろ帰る頃だった。
風呂場に入ると中には三つの風呂があった。古代湯と双股風呂と水風呂とサウナだ。
双股風呂だけ曇りガラスで仕切りがあって外からは見えなくなっていた。
やはり中には3人の人がいた。一人は太った30代くらいの人で
一人は40代のガテン系な感じ、もう一人は24,5位の若い人で身長は180近くはありそうで色が色白で筋肉質でとても綺麗な体つき、
もてそうな雰囲気を出していた。みんなタオルも巻かずにリラックスしていた。
ノブはそれで余計に恥ずかしくなりタオルは巻かず前に隠す程度にした。
早々に頭と体を洗いまずは古代湯に入った。さすがにタオルは取る。
肩までつかるとスッと力が抜けた。ノブはたまにはいいもんだなと思っていた
「はぁ・・・」
吐息が自然にでる。
と湯に浸かっていると太った30代の人が脱衣所に向かっていくガテン系の40代はまだサウナで一人で我慢大会をしている様子。
24、5の人は同じ風呂に浸かって目を閉じていた。ノブは少し熱くなったので温度が少し低い双股風呂にいった
扉を開けると当然誰もいなかった。双股風呂は10畳くらいの狭い風呂だったが
誰もいないし外から見られないため開放的になれたためノブはタオルをはずし浴室の周りを囲ってある少し大きい岩に座り
右足を湯に入れ左足だけ抱えこみ股を広げた状態でリラックスしていた。
しばらくすると扉がひらいた・・・