中学のとき一番仲良かったやつがいた。のりってやつで、バレー部の筋肉ばか。俺はゆうや、陸上部だったけど仲良しだったからいつもバレー部の練習にまざってた。
俺はのりが好きだった。でもガキだったから何もわからなくて、他のやつと仲良くしてるのみてヤキモチやいてはケンカして、結局卒業のときは話もできなくなってた。それから別の高校へ。
俺は今22歳。一週間後にはアメリカに行く。その前に久々に実家に帰ってきてた。俺は大好きな愛犬と散歩して、公園で休憩。ブランコで休んでると犬が誰かに気づいた。「ゆうや?ゆうやだろ?」のりだった。俺は言葉につまった。のりは昔のことは忘れてるのか気さくに話し掛けてきた。昔のままだ。俺も忘れてるふりした。
「アメリカか。すげーな。俺は今消防士やってんだ。」
「なんだよ、のりだってがんばってんじゃん。俺はまだこれからだしさ。」
少しの沈黙の後俺はずっといいたかったことを言った。
「ごめんな。」
「なにが?」
のりは優しかった。
「知らないふりすんなよ。お前に嫌な思いたくさんさせたろ、中学んとき。」
「ああ、そのことか。」
のりはわざとらしい。
「ずっと後悔してたからさ、謝れてすっきりしたわ。許してくんなくても。」
「‥‥家こいよ」
「は?なんだよ、急に」
のりは俺の腕をつかんだ。