庄司の事が気になり始めたのは、高校入学直後の席替えで隣りになった時からだ。切れ長の瞳、そこから覗く良いとは言えない目付き、整った顔、引き締まった身体、高校生とは思えないような深い声。正直言ってこの時点で俺は、既に気になるというレベルではなく庄司を好きになっていた。ともあれば行動あるのみだ。
喋りかけてみると、意外にもその無表情時の怖さからは考えが及ばないほど、庄司は笑った。その笑顔を見てまた庄司への好意が強くなった。
時は過ぎ、五月も半ばに差し掛かった頃、研修旅行があった。二泊三日で長崎へと旅立った俺達は、そこで大いに楽しみ、夜を迎えた。
俺の部屋はもちろん庄司と一緒だ。