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さよならの向こう側には1〜7 長編編集部φ(..) 07/6/22(金) 17:47
さよならの向こう側には8〜12 長編編集部φ(..) 07/6/22(金) 19:36
さよならの向こう側には12〜15 長編編集部φ(..) 07/6/22(金) 20:40
さよならの向こう側には15〜18 長編編集部φ(..) 07/6/22(金) 21:39
さよならの向こう側には19〜21 長編編集部φ(..) 07/6/22(金) 22:49
さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】1〜5 長編編集部φ(..) 07/6/23(土) 0:54
Re(1)【涙の受験編、前編】1〜5 ヨシ 07/6/23(土) 18:49
さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】5〜8 長編編集部φ(..) 07/6/23(土) 22:34
さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】9〜12 長編編集部φ(..) 07/6/24(日) 1:31
さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】13〜15 長編編集部φ(..) 07/6/25(月) 0:23
さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】15〜17 長編編集部φ(..) 07/6/25(月) 1:31
さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】18〜21 長編編集部φ(..) 07/6/25(月) 12:07
さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】22〜25 長編編集部φ(..) 07/6/25(月) 16:50
さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】26〜30 長編編集部φ(..) 07/6/25(月) 20:17
さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】30〜34 長編編集部φ(..) 07/6/25(月) 21:28
さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】35〜39 長編編集部φ(..) 07/6/25(月) 23:21
さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】40〜44 長編編集部φ(..) 07/6/26(火) 0:46
さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】44〜48 長編編集部φ(..) 07/6/26(火) 23:20
さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】48〜51 長編編集部φ(..) 07/6/27(水) 0:36
Re(1):さよならの向こう側には1〜7 f 07/6/23(土) 9:10
Re(2):さよならの向こう側には1〜7 カズ 07/6/23(土) 11:28
Re(1):さよならの向こう側には1〜7 はやと 07/6/23(土) 13:08

さよならの向こう側には1〜7
 長編編集部φ(..)  - 07/6/22(金) 17:47 -
俺は都内の大学に通う21歳4年生。ただし6年生大学なのでまだ就活ではないし、気分的には大学生活を楽しんでいる口かもしれない。
そんな俺もここまで来るまでに、いくつかの出会いや別れを繰り返してきた。寂しかった別れもあれば辛かったのもあった。
何度となく繰り返したさよならの後には、なにが残ったのかなって最近ふと思ったりして…。
なんとなく振り返りたくなったので、ゆっくり思い出してみようかなって思った…


俺が『男も好きかな』って思うようになったのは中学生半ばだったかな。
その頃の俺って、成績は常に良かったみたいだった。部活は特にやってなかったけど、夏だけ存在する陸上部は強制的にやらされてた。まぁほどほどって感じで。
しかも富士山と湖がある田舎町で、同級生ばかりか学校のほとんどの生徒がどんな家庭かってお互いわかっちゃってるくらいの田舎だし、真面目にしていないと親の顔に泥を塗る事になるから、ただただ大人しく真面目にしていたと思う。
だからかな、好きになるタイプは自分にないワルな感じで…苦笑。クラスの不良グループを遠巻きに見てるだけってな生活だった。みんなにも『真面目君』で通っていたと思う。
だから楽しみは体育の時の着替えと修学旅行の風呂くらい。覚えたオナニーもそんな時に見たを想像してやってたくらい…。ホントつまんない中学生活が過ぎて行った。
高校受験になって、その地域では歴史のある隣町の公立校を選んだ。
合格はしたものの一つ難関がある。二つの公立校が一緒に受験して、成績順にどちらかの学校に振り分けられるんだ。同じ学校からはたくさん合格したのに、いざ蓋を開けたら、同じ学校に進んだのが俺を含めて3人だけ。しかも残り二人は女子じゃん!友達できるかなーって先行き不安なまま高校に入学となった(ちなみに、俺には一つ上の兄と、三つ違いの妹がいるけど、三人とも同じ高校に!笑)

高校でクラスが決まったけど、俺にとっては転校生みたいな気分と同じ。クラスの誰も知らないんだからね。
でも俺には救われる事があった。同じ中学の奴がいないって事と隣町って事で、真面目にしてる必要がなくなった!すごく肩の荷が下りた感じがして、自分でも弾けちゃえーって思った。

いろんな学校から集まってきてるクラスだったけど、なんとなく仲の良い奴って徐々にできてくるもんで…。真面目な感じ、ワルぶった感じ、自然に色々なグループになっていった。
俺はと言えば、やっぱりワルな方に気が引かれていく。学ランもちょっとルーズに着たりしてたからかな、いつのまにかワルグループに取り込まれていく形になった。俺はグループの中で、見た目からか、結構みんなに可愛がられるって存在だったみたい。
学校は全部で一学年8クラス。4クラスずつ2棟に分かれていて、これは各学年一緒。他に実験棟とそれ以外の棟の全部で4棟。他に体育館と部室、グラウンドって感じ。自然に囲まれたきれいな学校だ。
一年の最初はクラス5人くらいのグループだったけど、夏休み、秋の学園祭などを過ぎて、段々と別クラスの友達も増えてグループも発展して行った。
そんな中で一人気になる奴がいた。別棟のクラスのアイツ、光(ヒカル)だ。
ヒカルは178cmくらい。173cmの俺よりちょいデカい。茶髪でミディアム。今思えばちょっと小栗旬みたい(誉めすぎかな笑)。別棟のクラスなんで、俺は秋までヒカルに会った事がなかった。

ある日クラスの仲間の仁(ヒトシ、あだ名はジン)と一緒に帰ろうとした時だった。
仁「もう一人別の奴が一緒に帰るよ。初めてだろうから紹介してやるぜ」
俺「どんな奴なん?」
仁「鋭い目つきの見た目通り、ありゃ学年一のワルだな〜」
紹介される前にそんな事を聞かされたから俺はちょっと緊張してた。そして玄関まで行ったところで…。
仁「お〜い、こっち〜!」
ジンに呼ばれ黙って俺達に近づいてくる奴。目の前に来てまっすぐに俺を見て向かいあった。ホント怖い目だ…。それに無表情でいる。
仁「お互い初めてだろ?こっちがヒカル。こっちは俺と同じクラスのシュウ」
ヒカルはなにも言わずじっと俺を見ていたが、いきなり右手を出してきたので一瞬殴られるかと思った。一瞬身構えたが、殴るんではなくて俺の左頬を軽く引っ張ってきただけだった。
光「可愛いじゃんか」
一言だけ無表情で言った。
俺「…グニっ…」
唐突な出来事に俺は意味不明な声を出す。
俺「手を離して!」
ようやくそれだけを絞り出した。
直ぐに手を離してくれたけどまだ無表情で俺を見ている。俺も頬の痛さに気づかず無表情で見返し、しばらく睨み合いが続いた。
仁「まぁまぁ帰ろうよ、なっ」
これがヒカルとの初対面だった。

その日は近くの駅まで3人で向かう。ジンが真ん中で、場を和ませようと話す。
仁「お互いに、前もって俺が話しといた事で間違いなかっただろ?笑」
光「まぁな」
そっけない表情だ。
俺「なんてヒカル君に伝えたの?」
仁「かわいい顔してるって」
ちょっと照れくさくなって俺は顔が熱くなった。そんな俺の顔を、ヒカルがチラッと見た様な気がした。
光「また頬をひっぱりたくなってきたな。俺の事は、なんてジンから聞いてた?」俺を見ずに、前を向きながら質問をしてくる。
俺がジンの顔を見ると、ジンは目配せをしてきた。
俺「怖そうだけど、ホントは優しい奴だって」
ジンの様子から判断して、そう即答した。
一瞬、俺にはヒカルの口元が緩んだように見えた。それを見てなんとなく盛り上げてみたくなる。
俺「でも女の子に対してはすごい遊び人だって言ってた」
笑ってそれを付け加えた。
ヒカルはジンの顔をいきなり睨みつけて、ケツに軽くケリを入れた。
ジンは明るい性格なんで、俺の冗談やヒカルのケリにも笑ってごまかしてるだけだった。
そんな感じで駅につき、ヒカルだけ別の方向だったんで別れる事になった。
その後ジンと二人で帰りながらヒカルの事を聞いてみた。
中学でバスケをやってた事、無表情はいつもの事、喧嘩早いって事、怒ってる風に見えても根は優しい奴だって事、かなり女の子にモテるけど怖いから近寄る人があまりいないって事、最近まで彼女がいたらしいって事…。
家に帰ってからその夜も、俺はベッドの中でヒカルの事を考えてた。
クールな性格、ちょっとキツいけどかっこいい顔立ち、長身で締まってるであろう身体。
『どれをとっても女の子が放っておくわけないだろなーまぁゲイでもバイでもないだろし、友達ってところか…』
そんなことを考えていて、その日はいつのまにか眠ってしまっていた。

その後冬休みから三月へと、寒い冬もあっという間に駆け抜けていった。
ヒカルとはたまに学校ですれ違う時に挨拶するくらいで、なにも進展しないまま春休みを迎え、二年生へと進級していく事となる。
進級前の春休みに、俺は初めてジンの家に遊びに行った。俺だけが隣町だから今まで知らなかったが、最近ジンの家に仲間で集まる事が多くなってるらしい。
メンバーは俺を入れて5人。俺とジンとヒカルに残り2人(この5人は、これから卒業するまでいつも一緒にいる仲間となる)。
この時に初めて聞いたが、俺とヒカル以外は進級とともに同じクラスになったらしい。しかも別棟でだ。
俺は元々進学クラスを選んでたから1人になる事はわかってたけど、俺と同棟の別クラスにヒカルだけが1人となった。
ヒカルは一匹狼みたいな性格だから『1人がいい』なんて言ってるが、本心なのかどうかはわからない。
仁「ワルさをするグループのうちの、特にヒカルだけをわざと俺らから遠ざける先公の策略だな。一番のワルだからな」
俺『ホントこいつら集まると悪い事ばっかするんだからさ』
それについてはまんざらでもないかなって俺も思うが、クラス編成だけは受け入れる以外にどうしようもない。
みんなブーイングだったけど、今まで黙ってたヒカルが騒ぎにまみれて話しかけてきた。
光「俺ら一緒の棟だな。よろしくな」
そう言って握手を求めてきた。素直に笑って手を出す俺。
俺『ちょっとハズいな。顔が熱いや』
そう思ってチラっとジンを見ると、俺らの様子を見て一瞬驚いたようだったが、その後薄っすら笑みを浮かべていた。
夕方になり2人が先に帰り、残っってしばらく話をしていたヒカルと俺も帰る事になった。
ジンの家を出てしばらく歩くが、お互いに、というよりヒカルが無口なんで2人でいても会話がまるでない。
そんな中ヒカルが唐突に話しかけてきた。
光「俺さ、原チャリ買ったから、今度シュウの家まで遊びに行ってもいいか?おまえ1人が田舎者だから、俺が行ってやるよ」
俺『このカタブツが、そんな事自分から言うんだ…』
そんなことを思いながらも、ちょい嬉しくなる。
俺「ゴールデンウィークでもくれば?」
そう笑顔で返してみる。
光「おぅ!行くぜ」
無表情だがヒカルはいつもより明るく答えた。
その日はこれで別れる事になった。

その日の夜、ジンからメールがあった。
仁『おまえと一緒だと、ヒカルは明るくなるよ』
なんかいろんな事がすごく嬉しかった日だ。ジンからの携帯メールをずっとニヤニヤ眺めながら、いつのまにか眠りについた。

そして新学期が始まりそれほど経たない4月中旬、ついにあの日がやってきた。

新学年になると俺のクラスは男ばかりになった。何人かカッコいい奴もいてすぐに友達になれた。ただ全体的に流れる雰囲気は『勉強一色』って感じ。『ここは勉強する場所』みたいな…。まぁ仕方のない事ではある。
唯一の楽しみは、昼飯を食べ終わる頃になるとほぼ毎日ヒカルが遊びにくる事だ。この頃のヒカルは相変わらず無表情だが、少しずつ笑顔を見せるようになってた。
俺『いつもの5人メンバーがいないと、素直な明るい顔をするのかな』
密かにそんな事を考えていた。

ある日の昼飯後、いつものようにヒカルがやって来た。
光「おまえさぁ、次の授業サボんない?」
俺「無理っしょ」
光「いいじゃんかよ。たまにはさ」
これでもいつもより多弁な方だ。
ただ実際には俺も疲れていた。ちょうど午後からは理系の俺にはあまり関係ない文系授業だ。
俺「何するの?」
光「図書館行ってダラ〜って感じで」
俺「分かった。でもなんか一つだけ願い事を聞いてくれたらね」
光「いいよ?なに?」
俺「週末に原チャリでどこかに連れてって?」
光「2人乗りなんて原チャリじゃ無理だよ。しかも警察に捕まったらどうする!」
俺「ヒカルの口から、警察を怖がるセリフがでるとは思わなかったな〜(笑)」
それを聞いてヒカルはちょっとムッとした顔になった。
光「わかったよ。おまえン家の近くでならな」
元々ヒカルと週末に一緒に居たかったわけだから、それでOKした。

俺の学校の図書館は、やたらと立派だ。本の多さはかなりのもので、中二階まである。そこを上がっていくとどこからも見えなくなるトコがあって、しばしば3年の不良の溜まり場になる。
ただし今は授業中なんで誰もいない。二人でそこに入っていき、俺は椅子に座り、テーブルで何となく本を読んでいた。ヒカルは後ろで腕立て伏せなんかをしている様だった。
20分くらい経って、昼過ぎという事もあり眠くなってきた俺は、腕を上げて伸びをした。
俺『ふぅ』
そのまま椅子の背もたれに、エビ反りになるように伸びを続けた。ふと、後ろで立っていたヒカルのケツに手が当たる。筋肉質な感じが手応えとして感じられた。
ヒカルもそれに気づくと、いきなり俺の両手を押さえてきた。
俺はエビ反りのまま固定されてしまう。
俺「あっ!痛い!痛いって!離せよ」
光「いいよ、ただしお願い事を一つ聞いたらな」
さっきの逆だ。
俺「いいよ、何?早くして!」
ヒカルは俺の顔をじっと見てる。俺もヒカルを下から逆さまの状態で見つめた。その状態でしばし無言が続く。

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さよならの向こう側には8〜12
 長編編集部φ(..)  - 07/6/22(金) 19:36 -
じっと見つめるヒカル。ゆっくりと顔が近づいてきた。
俺「願い事って何?」
そんな事どうでもいいのにドキドキしながらも問いかけてしまう。
光「なら動くな!少しの間だけでいいから」
そう言いながら、さらに顔が近づいてきた。
光「おまえいい匂いがするな…甘い匂い。女みたいだな。かわいい…」
いきなりお互いの顔が90度の角度になる形でキスをしてきた。ソフトに唇が触れる。何度も離れては触れてくる。
俺『初キスか…』
されてみると意外に冷静に頭の中で考えられたが、舌が入ってきたところで再び狼狽えた。俺の舌にヒカルの舌が絡む。
俺「ぐっ…」
ちょっと苦しくなり軽く声が出たところでヒカルが離れた。
光「ごめんな。でもおまえかわいいし、つい…」
俺「女が好きなんでしょ?モテるし。俺男だから…」
肩が痛いのも忘れて聞いていた。
光「俺もよくわかんねぇよ。ただ苛めてやろうとして手を掴んだら、なんとなくかわいくて…したくなった…」
ヒカルはちょっと赤くなってそう答えた。その言葉が俺にとってはすげぇ嬉しく思えた。
俺「肩が痛いから離してよ!」
少しだけ冷静になってそう言ってみたが、ヒカルはただ考えている様子だったので、意味もなく少し間が空く事になった。
光「…俺は今考えてたけど…今だけの勢いだけじゃなくて…なんかずっと…おまえとしたかったっていうか…おまえイヤだろ?だから無理矢理でもしたいから離したくない…」
俺「…俺は優しくして欲しいよ、ヒカルに…。ってか俺こういう事するの初めてだから…」
光「男と?」
俺「…女も…」
なんか急にヒカルの目が輝いた様だった。
光「そっかそっか!」
笑顔になり、ようやく手を離してくれたので、一息ついた。
俺『あ〜肩も背中も痛かったぁ…』
そう思うのも束の間、今度は俺の太股の上に、跨ぐようにして向かいあって座ってきた。
俺「今度は足が痛いよ、もう!」
光「このくらい近くで見ていたいんだよ。いいだろ?…俺さぁ、おまえの事好きになっちまったかも。今は女なんていらないよ。…おまえは?」
俺「…俺もヒカルの事が好きだよ…」
ハズいけどそう言ってしまう。
光「そっか。よかった!」
そう言って両頬を引っ張る。
俺「全く!俺をモテ遊ばな…」
言葉が終らないうちにいきなりキスをしてきた。再度舌が絡む。さっきよりもさらに本気でしてる事がわかる激しさがあり思わず声が出てきてしまう。
俺「あぁ…」。
それがスイッチだったように、ヒカルの手が学ランのボタンをゆっくり外しだす。キスされたまま身動きできず、下までボタンを外され、Yシャツの上から両乳首を指の先で触られる。
ピクっと俺の身体が反応した。
俺「うっ…あぁ」
また声が出てしまう。間違いなく俺の身体中で血液がスピードを増して駆け抜けて行くのが感じられる。
光「その声、最高だな。もっと声が出るには…」
そう言いYシャツのボタンに手をかけて来た。
俺は、今までの人生の中で、感じた事のない快楽の世界に落ちようとしていた。

ヒカルの長い指が器用にYシャツのボタンを外しにかかる。その間もずっとキスをし続けていた。舌を入れてきたり、優しく唇を吸ったり、蕩けるようなキスに思わず背筋がゾクゾクっとする。
右手でボタンを外しながら、左手がシャツの中に入ってきた。
胸板を這う生き物の様な手は、餌を探すように動き回っている。獲物を見つけたのか一点に集中してきた!五本の指の先で、乳首を四方八方から攻める。
俺「あぁぁ!」
一段と反応し声を出してしまった。
光「ここが感じるんだな」
ニヤっと不敵に笑っている。
ボタンを外し終わり、いきなり俺の両腕を掴むと、腕を背もたれの後ろに回され固定された。自ずと学ランとシャツの前が広く肌ける。ヒカルはちょい距離を離して、露わになった上半身をじっくり見つめていた。
光「かわいいのは顔だけじゃないな。綺麗な身体してる…今まで誰にも触れてないなんて勿体ないよ」
腕も足も固定されてるので、俺は頭だけを動かして自分の身体を見た。全部脱がされてるよりも確かにイヤらしい。しかも俺だけ脱がされてる屈辱感に顔が熱くなる。
ヒカルは大きな手のひらで胸の左右から挟み込む様にして、親指だけで乳首を弄り出す。
俺「ぐっ…はぅっ…あぁ」
出すなって頭で考えてても、気持ち良さに自然に声が出てきてしまう。それをヒカルがニヤニヤしながらじっと観察している。
俺『コイツ間違いなくSだよ』
痛ぶられる様な視線が、さらに快感となって気分を高揚させる。俺は目を瞑るしかなかった。
再びキスをしてくる。そこから徐々に首筋へと舌が這っていく。イヤらしく攻めながらも、手は優しく身体を両脇から包み込む感じで心地いい。ヒカルの手は、ただ大きいってだけではなく、それ自体が安らぎを与える道具になっているみたいだ。
ヒカルは俺の上から足の間に膝間付いて、段々下に向かって舌を進めていき、ついに乳首に到達した。
舌先で突いたり、円を描くように舐め始める。
俺「ヒカル…気持ちよすぎ…はぁっ」
ヒカルが軽く歯先で乳首を噛み、その度に俺の身体に電流が走る。
今度はベルトを外しにかかってきた。
この時俺は気づいた。ボクサーパンツの中でビンビンに勃ち、はち切れそうな自分のモノを。しかも我慢汁が出ている感覚がある。
俺「お願い…俺だけ…ハズいから辞めて…」
ヒカルがそんな言葉で辞めるわけがない。逆に拍車をかけるだけだ。
遂にベルトを外されファスナーが下ろされて、上半身と同じように微妙に肌けた姿で広げられた。
俺は恥ずかしさの中で狂いそうな気分でいた。
光「見てみろよ、これ」
俺もヒカルもびっくりだ。ボクサーの前の部分がかなりのシミになっている。後でわかったが、俺の先走りの量ってハンパじゃないみたい(汗)。
俺「ごめん…」
恥ずかしさに、つい俺はそう言っていた。
光「いっぱい感じてるからだろ?謝んなよ。感じてるおまえが一番かわいいぜ」
冷やかされてるのかどうか分らない言い方だ。
俺「俺ばっかりこんなに恥ずかしい格好させないでよ。ヒカルのも見たい」
するとヒカルは学ランのボタンを自分ではずし、再び俺の上に座った。後ろに回された腕を解放されて、俺はヒカルのシャツのボタンを外し出した。
露わになった上半身は、うっすらと盛り上がった胸筋に割れた腹筋。男らしさと微妙な少年ぽさを兼ね備えたきれいな身体だ。
俺はゆっくり指でなぞって、跳ね返る肌のハリに酔いしれていた。ヒカルは上からその指の動きをじっと見てる。
さらに胸に顔を埋めてみる。ヒカルも両腕で俺の頭を包み込んできた。ヒカルの体温を感じる。その温もりの中で目の前にある乳首を舐めてみた。
光「うっ…そうだよ、舌を使って…うん、気持ちいいぜ」
俺は段々と舌先に力を入れて突起を突く。
光「うわっ…あぁ…いいぜ、うまいよ」
俺はそのままヒカルの股間に手を当てた。
すごい!ギンギンになったモノは明らかにデカい。
光「そっちも、おまえを虐めたがってるみたいだな」
ヒカルの顔を見ると、ニタっと笑っている。その笑顔を見ていると、今からどんな風に虐められるかを想像し、少し怖くもあり、ゾクっとしてしまう。
ヒカルはいきなり座ってる俺の前に立ち、自分でベルトを外してきた。堪えきれなくてファスナーに手をかけ下ろす俺。ズボンもボクサーも一緒に下ろしてしまう。ゴムに引っかかったモノは、解放されて上に弾き飛んだ。デカすぎだ!
光「バカ!気をつけろよ。舐めてみな」
俺は躊躇したものの、ヒカルを感じさせてやりたいと思い、勇気を出して頭の部分を咥えてみた。なんかヌルヌルしている。もう少し奥までさらに咥える。
光「むぅ…温かくて気持ちいいな。もう少し力を入れて!…あっ、そ、そうだょ…」
感じている様だ。俺の頭を掴んで腰を振り始める。デカさに苦しみながらも、俺もヒカルのリズムに合わせる様に舌を動かす。
光「あぁ…すげぇいい」
しばらくして口から抜くと、座ってる俺のボクサーを一気に脱がし、俺の足の間にヒカルも座ってきた。
なにも言わず、ヒカルの大きな手で俺のモノと自分のモノを握り、上下に動かし始める。
俺は、ヒカルより一回り小さい自分のモノに恥ずかしさを覚えて俯いた。
そんな俺に気づいたのか、顎を持ち顔を上げてキスをしてきた。蕩けるような甘いキスだ。優しさが感じられる。そのキスだけでも身体に力が入らなくなってくる。
さらに2本をシゴく手の動きのイヤらしさが加わり、別の快感に喘ぎ声が出てしまう。
ヒカルもいつもの無口さからは想像できないくらいの言葉を吐く。
光「くぅ…あぁ…シュウのモノが裏スジを擦って…こんなの味わった事ない…」段々と握る手に力が加わった。
あまりの気持ち良さに耐えられなくなったのか、手を離し今まで下にいた俺を持ち上げ、逆にヒカルが椅子に座る。椅子に跨がる様に俺を立たせると、ヒカルの顔の前にちょうど俺の股間が突き出る。
ヒカルは、右手でギンギンになった俺のモノを掴み、観察するように言う。
光「我慢汁がすごいな」
そう言って舌で舐め上げてきて、思わずおれも声を上げてしまう。
俺「あぁぁぁ」
光「毛が薄いな。シュウらしい」
左手で俺の陰毛を触れてくる。
光「ここもかわいいな」
俺の玉を軽く揉み、一舐めした。
俺「んぐ…」
際どい快感に奥歯を噛みしめた。
光「ほら出てきたぜ」
さらに溢れ出てきた我慢汁にヒカルが笑い、掴んでる右手の親指で亀頭に塗りたくる。
俺「だめっ…あぁ」
敏感な部分を指でなぞられ、思わず腰が砕けそうになる。ヒカルの左腕が俺の腰にまわり身体を支える。
突然俺のモノを咥えてきた。確かに温かい。いきなり根本まで一気に咥え、ゆっくりと頭を引いていく。また一気に咥えゆっくり引く。今度は裏スジを舌でなぞられる。足に力が入らなくなるが、ヒカルの左腕ががっちりケツの後ろにまわり俺の身体を支えてくれる。2度3度と同じ様な動きで攻められ、俺は両手でヒカルの肩に掴まりながらも頭を仰け反らせてしまう。
俺「ヒカル、すごぃ…俺だめ…だめだって…あ…っ」
掴んだ肩に力が入り、一瞬ヒカルが痛そうな顔をしたが、構わずペースを早めていく。
俺「あぅ…んぁあ…いぃ…」
意識が跳びそうな感覚。耐えているがそれを上回る快感に理性もなくなる。ヒカルの攻めに耐える事に限界を感じ始めていた。初めての感覚に、なにもかもヒカルに預けてもいいかなと思う。
俺「もうダメ…我慢できないょ…イキそ…」
さらにペースが上がり、このまま絶頂に昇りつめてイキそうになったその時、いきなり大きな音で授業の終わりを告げるチャイムが鳴って、二人で飛び上がった。
光「なんだよ、いい時に〜!」
俺「急いで制服着なきゃマズいよ」
ヒカルも仕方ないって感じでボクサーとズボンを履き出す。
光「このままじゃイヤだろ?どうする?家へ行って続きしようぜ」
そう言うヒカルのキツい目に嫌らしさが混じっていた。
俺も急いで身支度を済ませた。
俺「俺、担任の授業だから休めないよ」
光「そっか。アイツうるさいだろうしな。じゃそれが終わったらどうだ?」
俺「…うん!」
光「しばらく親旅行で俺ン家1人なんだ」
そう言ってから、誰にもバレないか、お互いの服装のチェックをして図書館を出た。
廊下を歩きながら、なんか恥ずかしくなり無口になってしまう。
ようやくヒカルの教室の前まできた時に、なにか少しの間なのに離れるのが寂しい様な気分になった。
光「じゃ帰りに玄関で待ってるぜ。授業中思い出していっぱい濡らすなよ」
そう耳元で囁いた。ムッとした顔をした俺に、ヒカルは笑顔で軽く手を振る。
俺「ヒカルだって一年分くらい喋ったり喘いだりしたから、喉が痛くなったんじゃない?」
俺の言葉に反応し、ヒカルはいきなり片方の上履きを脱いで投げつけてきた。間一髪飛んできた上履きを避けて、笑って手を振りながら教室に戻った。

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さよならの向こう側には12〜15
 長編編集部φ(..)  - 07/6/22(金) 20:40 -
今日最後の授業は全く頭に入らなかった。クラスみんなは何も知らないでいつものように授業を受けている。そんな中で、わずか1時間前から俺はとんでもない経験をしていた。別れ際にヒカルが言っていたように、思い出すだけで身体が熱くなり反応してくる。
心の中では、今までもずっとヒカルの事が気になっていたんだ。もちろん男が好きな気持ちは前からあったが、俺はすんなりヒカルのキスを受け入れていた。
『ヒカルはどうなんだろ。本気だったのかな…。アイツ日頃から口数少ないから考えてること分かんないし。でも前にジンが言ってた。楽しいことをやってるその時だけは、ヒカルはジンだけにはよく喋り捲くってたって。やってる最中は何を言ってただろ』
色々と考えていると、ヒカルの軽い言葉攻めやニヤニヤ笑ってた事を思い出し、また反応してしまっていた。
考え事をしてたら、また終了のチャイムが鳴り、本日2度目のビクっ!
『この学校のチャイムって音大きいな。あとで生徒会に言っておこう』
授業が終わり、そんな事を考えながら急いで玄関まで行った。ヒカルはまだいない。反対側からジンが1人で歩いてきた。
仁「よっ!1人?」
俺「ヒカルを待ってる」
仁「そっか。じゃ3人で帰るか」
俺『大丈夫かな』
そう思ったけど、直ぐにヒカルが合流し、イヤな顔をしていなかったので3人で帰ることになった。

帰り道はまたジンが真ん中。
仁「お前ら仲いいよな」
俺達2人を見ながらの一言。図書館での事があったから、俺も返事をしにくかったので黙っていた。ヒカルはいつも通り無口でいる。
仁「ヒカルとシュウって、最初に3人で一緒に帰ったとき以来、あまり話とかしなかったんだろ?でもヒカルと2人で帰る時は、いつもシュウの話で盛り上がっていたんだぜ!」
光「おまえ余計なこと言うなよ」
仁「春休みに俺ン家に集まった時に、シュウを呼ぼうってコイツがさぁ」
光「うるせぇよ!」
笑ってるジンの首をヒカルが絞めてる。
仁「俺買い物あるからここでな」
一頻りジャレ合ったところでジンと別れた。

2人になるとなんか気まずい。
俺「もっと早く色々話せば良かったね。あまり話もしないまま、いきなり今日みたいな事になっちゃった(苦笑)」
光「イヤだったか?」
俺「そうじゃないよ、すごく嬉しいし」
またしばらく無言になる。
光「なんかさぁ、最初に会ってからおまえのことが気になってきて…」
ヒカルが話し出したので、俺は無言で次の言葉が出るのを待ってた。
光「やっぱり男だしおかしいだろ…そう思うのって。そう思えば思うほど声をかけにくかったから…。だからすれ違ってもそっけなくしてたんだよ」
俺「そっか。俺はヒカルがモテることも知ってたし、仲良い女の子がたくさんいるだろって思ってた。だからヒカルにはそういう気持ちを持っても意味ないと思っていたから、考えないようにしていたんだと思う」
光「おまえって男も好きになれるのか?」
俺「…うん」
光「女は?」
俺「…嫌いじゃない程度」
ヒカルは少し笑う。
光「じゃ俺達つきあうって事でいいよな?」
その言葉に俺は無言で頷いた。
やっぱり今日は俺の方が言葉が少ないや。というよりヒカルが喋りすぎだ。
コンビ二でドリンクを買い、少し歩くとヒカルの家に着いた。
ちょっと緊張し始めてくる。

ヒカルの家は二階建てになっている。家族構成は祖母と両親に兄が一人。兄は大学生で、都内に一人暮らしをしてるらしい。二階はこのおばあちゃんと兄の部屋になっていて、空いてる部屋がない。てことでヒカルの部屋は別棟になっていて、後から造られたらしい。元の家屋とは一応繋がってるみたいだが、扉2枚があるだけでほぼ隔離されている。いつも家の玄関も使わず、ほとんど直接部屋に出入りする。今日はおばあちゃんがいるが、いてもほとんど部屋から出てこないらしい。

ヒカルの部屋に入ってみると、意外にきれいに整頓されている。TV、PC、コンポ、ベッドなど一通り揃っていた。ベッド脇に等身大の鏡が備え付けられている。
部屋に入るとすぐに後ろからヒカルが抱きついてきた。
4月でもまだ寒いが、今はヒカルの温もりを感じる。向かい合ってお互いの身体に腕を回す。目が合うとキスをしてきた。ヒカルとの心地良い一瞬。ふと目を開けて横を見ると鏡に2人の姿が映ってる。
4月の身体検査で、俺の身長は176cm位に。同年代では背が高い方で、ヒカルに追いついたかなと思えば、そのヒカルも成長して179cmになった。だけどこの差が数字以上に思える。
鏡に映った姿を見ても、肩幅や腕の太さ、身体の厚みは、やっぱりヒカルが上回っている。抱き合っていても、いつも俺を外側から包み込んでくれる感じだ。
光「誰もいないし、一諸に風呂に入ろうよ」
俺「うん」
夕飯は食べないってことをおばあちゃんに伝えてから風呂に向かった。
脱衣場でヒカルはすぐに上半身裸になり、それを確認してから俺も脱ぎ始める。今までクラスも別だったから、着替え等一緒になった事がない。図書館でも上は着たままだったから、今初めてヒカルの身体の全体像を見る事になる。やっぱりきれいな身体だ。無駄な毛も生えていない。しばし見惚れてしまう。
光「あまりジロジロ見るなよ。また濡れるゾ」
そう言って薄笑いを浮かべる。
光「脱がせてやるよ」
ちょっと困っている俺を見て、ヒカルは俺のベルトに手を掛けた。嫌がる俺を無視して、ズボンもパンツも一気に脱がす。ヒカルは自分で脱いで、俺の手を取り風呂に入った。
すぐにお互いの身体を洗い流した。股間は自分で洗うって言っているのに、有無を言わさず後ろから手を伸ばし、俺のモノに泡をつけて洗ってくれた。それだけですでに興奮状態になってしまう。
光「全くかわいいな」
俺とは違いヒカルは余裕な態度だ。
湯船は、親の趣味とかで2人が入ってもゆとりがあるくらい広い。しばらくゆっくりと浸かってから一緒に上がった。
そのままバスタオルだけで部屋に行きベッドに座ると、いきなり押し倒されてしまった。
光「我慢できないから…」
お互いのバスタオルを取り素っ裸になると、いきなり乱暴にキスをしてくる。舌が強引に入ってきて口の中で暴れ回る。
両手首を捕まれ、ヒカルの左手で頭の上に固定された。力では叶わないことは判っている。無防備にされた上半身をヒカルの右手が攻め始めた。かなり乱暴に胸を鷲掴みにされる。
キスをしていた口で反対の乳首を攻めてきた。舌先で突いたり、軽く噛んだりしてくる。
俺「ぐっ…くぁ…あぁぁ…」
いきなりの乱暴さで始まった攻めに、俺は我慢できずに声を上げ、身体を捩って喘いでいた。
ヒカルの激しい攻めに歯を食いしばり耐える。
足が動くのが気に入らないのか、一旦攻めるのを中断して顔を上げ、俺の両膝を揃え外側から自分の両足で挟み込むようにしてきた。これで手も足も固定され、身動きできなくなる。がっちり押さえ込まれてしまい、俺はヒカルの顔を頼りなく見上げた。
まるで獲物を捕らえた獣のような目。どうやって料理してやろうか考えている鋭い眼差し。思わず恐怖を感じゾクッとする。
少ししてヒカルは目を逸らさずにゆっくりと頭を下ろしていった。
俺の顔を見ながら右乳首を一舐めする。感じるが声が出ないように俺は耐えた。もう一度窺うように大きくゆっくり舐める。声は出なかったが、快感に身体がピクッと反応した。それに対して、動けないように足で締め付けてくる。そしてまた一舐め。動けば締め付け。何度もそれが繰り返される。俺も唇を噛み、声だけは出さないように必死に耐える。負けられない戦いの様だ。
また一舐めするのかと思ったその瞬間、いきなり方向を変え左乳首を貪りついて来た。激しく吸い上げたり、強く噛んだり、舌のザラつきで突起を刺激する。
俺「くあぁぁぁ…うぅぁ」
そこまで我慢してた俺も堪え切れず声が口をついて出てしまった。我慢してた分、吐き出すように声を荒げた。
光「俺に勝負を挑んで勝てると思ったのかよ」
ヒカルは、薄笑いして言った。さらに意地悪く乳首を攻め捲くる。
俺「んぁ…あぁぁ…くぅ」
俺は助けを求めるように、次々と声を出してしまう。
かなり長く乳首を攻められていた。10分くらいだろうか。急に頭を上げヒカルが言った。
光「これ見てみぃ」
ヒカルの視線の先には、ギンギンに勃った俺のモノがあった。その先から先走りが糸を引いて滴り落ちている。鼓動に合わせヒクヒクと動きながら、先走りが今も流れ出ているようだ。腹の上はすでにかなり濡れている。
光「イヤらしい奴だな」
そう言って俺のモノの裏スジを下から上に舐め上げる。
俺「あぁぁ」
もう我慢なんてできない。俺の負け、完敗だ。
ヒカルも察したのか頭の上の手を離す。観念したことを示す様にヒカルの両手を探し握りしめてもらう。この大きな手の温もりがたまらなく気持ちいい。
足も開放され、M字に開くと、逆にヒカルがその間に正座するように入ってきて、俺のモノをゆっくり咥え始めた。ちょっと粘着質な舐め方だ。
俺「あっ…いぃ…気持ちいいょ」
頭の動きにあわせて快感が一歩一歩迫ってくる。たまに舌が中で動き、裏スジや鈴口を刺激してくる。少しずつペースが上がってきて、先走りもかなり出てくる感覚が自分でもわかる様だ。
俺「ヒ、ヒカル?…もうダメかも…」
無視するように口で刺激され、マジやばくなって声を荒げたその時、口を離し急に根元を強く握り締めた。激しい攻めにヒクつき、先走りが大量に出てきたものの、根元で押さえつけられイケなかった。
光「まだまだ簡単にイカれちゃうとつまんないよな」
そう言って先走りが絞りでる様子を見ている。
いきなり立ち上がり引き出しからロープを出してきた。
俺『コイツなんでこんな物を持ってるんだろ』
なんとなく俺はボーっと考えていた。
戻ってくる時、まっすぐ上に反り返ったヒカルのデカいモノがチラッと目に入る。そのモノとロープとで、今からどんな事が起こるのかを想像し、少し恐怖を感じてしまった。
徐々に日が長くなっているものの、すでに日は落ち部屋の中は真っ暗だった。ヒカルがいきなりライトをつける。眩しさに目が痛む。
ヒカルは、さっき使っていたバスタオルを手に取り大きな鏡の前に敷いた。いきなり俺の手首を取り、引きずるように鏡の前に強引に引っ張っていく。
光「鏡に向かって座りな」
少し棘のある言葉だ。躊躇してると、いきなり肩を押さえ込まれ座らされる。両腕を取られ、ロープで手首を縛られる。後ろ手ではなかったので手首以外には痛みは感じない。
後ろにヒカルが座る。俺の足を広げさせ、膝の裏に手を入れ持ち上げ、M字のようにされた。同じ様に後ろにヒカルが座る。
光「見てみな。この恥ずかしい姿を」
そう耳元で囁かれる。
確かに大好きなヒカルの前で、鏡に向かわされてじっくり見られるのはハズい。モノはギンギンになったままだったので、思わず縛られた両手で隠した。
ヒカルは後ろから両腕を伸ばし、包みこむように抱きしめる。
俺「ヒカル……ハズいよ」
光「そうか?かわいいのに淫乱な姿ってのは最高だよ!」
話しながら両乳首を摘んでくる。
俺「あぁ…辞めてよ」
感じて思わず顔を背ける。
光「ダメだよ、ちゃんと一緒に見てなきゃさ」
俺の顔を正面に向けさせる。それでも脇に顔を背けると、強烈に乳首を抓られた。
俺「痛いよ!!」
光「じゃ優しくするから正面を見ような」
言葉は優しいけど、行動は完璧にSだ。
光「きれいな肌だよな。俺のモンだと思うとたまらないよ。俺ほどじゃないけど、筋肉もついてるし」
片手は乳首、片手でゆっくり腹筋をなぞる。ちょっとゾクッとして声が出る。言葉と手の動きだけで感じてしまっていた。
光「今からずっと俺のモンになってくれるか?」
甘い言葉で囁いてくる。
俺『やってることは乱暴だろ』
頭の中で考えながらも感じる乳首に反応し、先走りがジワっとでてきてしまう。
俺「…俺もヒカルと…一緒にいたいよ」
光「そかそか!」
お礼とばかりに後ろからキスをしてきた。舌が入りイヤらしく中で動く。左手で乳首、右手は軽く股間を刺激し、熱いキス。3箇所で感じてしまい、思わずヒカルに身体を預ける。重いはずなのに全く気にしていないようだ。かなり長くこの攻めが続いた。

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さよならの向こう側には15〜18
 長編編集部φ(..)  - 07/6/22(金) 21:39 -
ようやく口が離れた時に、俺の口から感情のままに言葉が出た。
俺「ヒカル…イキたい…」
光「えっ?何?」
俺「…イカせて」
わざと言わせたという感じだ。
光「おぅ!判ったよ!でももう少しだけ見させてな」
ヒカルは攻め続けながら鏡の中の俺を隅々まで見つめる。
少しして乳首の攻めとシゴきが強くなり始める。俺もかなり声を荒げだす。首筋や耳を舐めながらも、なおもヒカルは鏡に映る俺の顔をじっと観察している。段々意識がなくなりそうになってくる。もう限界まで来て真っ白になりそうだった。
俺「ヒカル…もうだめ…ィ、イキそう」
光「いいよ。気持ちよくイキな」
そう言って、左手を膝の下に入れ俺の左足を持ち上げ、握った右手を加速させた。
俺「あぁぁぁぁ…イ、イク、イクよ!」
その瞬間、俺は頭を仰け反らせ、一気に放出した。2度3度とかなりの勢いで白い液を飛ばす。まだ出るのかって感じだ。7度ほど出た感覚があり、ようやくヒカルの手の動きが緩やかになっていった…。
呼吸を荒げ、ヒカルに凭れた俺はゆっくり目を開けた。自分の胸から腹、足、バスタオル、鏡にも精液が飛んでいた。鏡の中でヒカルと目が合う。優しい笑顔で俺を見ている。
俺は恥ずかしさも忘れ、ヒカルの笑顔をじっと見つめて、快感の中で至福の喜びを噛み締めていた。

ようやく縛られた手を解かれ、ティッシュで身体を拭いた。
光「あーあーこんなトコまで」
そう言って鏡に飛んだ白液を拭き取っている。初めてのエッチでの失態に顔が熱くなる。
そんな俺に気づいたのか再度俺を後ろから抱きしめる。とても温かくて心地良い抱擁だ。
鏡に写るヒカルの顔を見ながら考える。
俺『いつも無表情だし、エッチはかなりのS。だけどこうして温もりを感じる瞬間がある。乱暴に攻めてるけど、見えないトコで優しく身体を支えたり、大きな手で包む様に守ってくれる。これがきっとヒカルなんだ』
ヒカルに身体を凭れかけていたが、ふいに背中に当たるものに気づいた。
俺『自分の事ばかり考えてたよ』
慌てて座ってるヒカルに向き直り、開いた足の間に顔を埋める。
光「ちょっ…俺はいいから」
ヒカルは慌てて立ち上がりベッドに座る。
俺「?なんで?」
光「シュウは初めてだし、そんな事させたくない。俺また暴れるからさ」
俺「構わないよ。ヒカルが好きだよ。ヒカルが好きな様に扱ってくれて構わないから。それとも図書館でした時、俺ヘタクソだった?」
光「そんな事ないよ。気持ち良すぎてびっくりした。だけどイクところまでしたくないんだ……女としてても、一回もイッた事ないし…」
俺「イキたくないの?」
光「イキたいけど、イクのを見られるのがね…」
頑なに拒否してくる。
俺「気にしないでよ。とりあえずやってみよ?」
光「う、うん」
俺はベッドに座ってるヒカルの半勃ち状態のモノを口に含んだ。舌で転がすように亀頭を舐めると、みるみる口の中で大きくなっていく。
光「う、うっ…気持ちいぃ、たまんねぇ」
俺は段々とスピードを上げていく。ヒカルは立ち上がり、俺の頭を掴んで腰を振り出した。
光「あぁ…我慢できない…すごいよ」
そう言い激しく腰を動かしていたが、急に頭を離し、座ってる俺を立たせ抱きしめてベッドに倒れた。
俺「?」
光「もうこれで充分だから…」
ヒカルは俺の顔を自分の胸に埋め、堅く抱きしめたままじっとしていた。
ヒカルの顔も見えず、どんな様子でいるのかもわからなかった。このままでいいのかわからなかったけど、ヒカルがキツく抱くのでじっとしているしかなかった。
光「飯食べに行こう」
しばらくしてヒカルは起き上がっって言った。
このままで良いものが考えたが、仕方なくヒカルの言う通りにする事にした。

俺の家に向かう途中にファミレスがありそこで食べる事にした。食べたりしてる間はいつものヒカルと違い明るくはしゃいでる感じだった。エッチした事でなのか、自分がイカない事を誤魔化しているのか、その時にははっきりとは分らなかった。

ヒカルのいつもと違うノリを意識しながらも、その後家まで原チャリで送ってもらった。
家の前でバイクを降りた。
光「おーきれいな家だなぁ!約束通り、週末遊びにくるよ」
俺「うん!必ずね。楽しみにしてるから」
俺はもう一度聞いておきたい事があったが、今日は止めとこうと思った。
俺「今日は幸せだったよ!今後ともよろしくお願いします」
最後にペコっと頭を下げた。
光「なんだよ、固い事ヌキな。ずっと一緒にいるよ」
ヒカルは笑顔で答えた。俺も笑顔を返す。キスの一つもしたかったが、ヘルメットを最後まで脱がないから仕方ないかと思った。
光「じゃ明日学校でな」
そう言って手を振り原チャリを走らせた。
俺は角を曲がるまで見送り家に入った。
すぐに風呂に入り、出てから携帯を見るとメールが届いてる。家に着いたという連絡だ。無事に着いて良かったと心から思う。
なんか今日は疲れたし、ボーっと浮かれた気分でベッドに入り、今日の出来事を思い出していた。
いつからだろうか?多分ヒカルと知り合ってからか、布団の中で一日の反省会をするようになっていた。日記を書かない分、記憶に留めるのには良いかなと思う。
『朝家を出る時には、今日がこんな日になるとは思わなかった。昼まではいつも通りに淡々として過ぎていったのに…』
『図書館での出来事。ヒカルは、最初からあれが目的で誘ったのかな…』
ウトウトしながらも、ニヤニヤしちゃてる俺。
『ヒカルの激しさはハンパじゃないな…まるで俺は玩具って感じ…でもヒカルの行動に俺はかなり感じちゃってたな…てかクセになりそう…』
ニヤニヤ…
『ヒカルはなんでイカなかったんだろ……次は…リラックスさせて……一緒に…イキたいし……』
『…ヒカルと…ずっ…と……一緒にい…たい…』
こんな事を思いながらウトウト眠りについていった。

次の日、いつも通りにヒカルは昼に来た。天気もいいし校舎の屋上に行く。
俺たちの学校は屋上に上がる事が禁止されてる。まぁ俺とヒカルはそんな事はお構いなしだ。禁止されてるだけに誰も来ないから丁度良い。
俺「なんか不思議な気分」
光「なにが?」
俺「ヒカルと急にこんな事になっちゃって。今日は昼休みまでが長かったな〜」
光「俺もだよ」
俺「昨日図書館に誘ったのは、最初からあれをする目的の為だったの?」
光「あれは偶然さ」
俺「じゃなんで誘ったの?」
光「暇だったからさ」
俺『何この無表情!今までと変わんないじゃん…』
今までとなんら変わらぬ無表情に、俺は少しムっとした。
俺『ノー天気なのか無関心なのかさっぱりわからないけど、これがヒカルだと思えば良いさ。気にすることない』
そう考えながらしばらく無言でいた。俺の考えてる事がわかったのかヒカルが話しかけてきた。
光「おまえはずっと俺と一緒にいたいのか?」
俺「当たり前じゃん」
光「じゃ俺の好きな様に改造していい?」
俺「どんな風に?」
光「んじゃまず髪型かな。髪伸ばせよ」
俺「なんで?」
光「別に…似合うと思うからだよ」
俺『なんか裏がありそう…まっいいか…』
俺「じゃ頑張ってみるよ!」
そう言って屋上に座る。横にヒカルは寝ころんで目を瞑る。

当たりを見回してみた。風もなく日差しもあり、穏やかで気分が良い。
学校の周りは桜が咲き出した。この辺りでは4月中旬くらいに桜が咲く。ソメイヨシノはもちろんだが、ここ特有のフジザクラという高山系の山桜が咲く。木全体はあまり大きくならない。花は小さく品のあるピンク色に染まる。
その桜の向こうには富士山が聳え立っているのが見える。
桜に富士山…。緑も多くなってきて一番良い季節だ。
この屋上からの眺めは誰でも心を奪われるだろう。今年を入れてあと2回しか見れないなんてちょっと寂しい気がする。
『桜もいつまで保つのかな』
散り際の潔さが良いなんて言うけれど、そんな風には思えない。俺はいつまでも咲いていて欲しいって思う。

横を見るとヒカルがいる。
『腹一杯で寝ちゃってるのかな』
マジマジと顔を見る。
『…かっこいいな』
男なら憧れとして、女の子なら恋愛対象として、みんながコイツの外観を意識する。それが俺の横にいて無防備な姿で寝てるのが不思議なくらいだ。ずっとこのまま続いて欲しいって思う。桜みたいに散らないでずっとずっと横にいて咲き続けて欲しいって…。

チャイムが鳴った。
俺「ヒカル、行かないと」
光「ううぅ〜ん」
半分起き上がりかけたが、俺に凭れかかってくる。
俺「もう!酔ってるんじゃないんだし!」
光「置いていっていいよ」
俺「ダメ〜。ちゃんと授業にでないと!今から授業にコツコツと出て貯金を作っておかなきゃね。一緒に進級するんだからさ」
光「いいよ、おまえだけ進級しろよ」
俺「やだ、つまんないし」
なんとかヒカルの身体を持ち上げ、ようやく立たせる。俺の肩に腕を回しヨレヨレの状態で歩き出す。
俺「全く世話を焼かすんだから…」
ついブツブツと言ってしまう。
俺「先に進級しろなんて、よく言えるよ。俺の事を守るとか言ってたくせに。そう言ったヒカルがかっこよく見えたんだし、一生一緒にいようと思ってるのに」
そう言いつつヒカルを見たら、いつのまにか俺の顔をじっと見てニヤって笑っていた。

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さよならの向こう側には19〜21
 長編編集部φ(..)  - 07/6/22(金) 22:49 -
そんな感じで土曜日になり、ヒカルが家に遊びにくる日になる。
ヒカルは昼過ぎにバイクでやってきた。
俺の家族は両親に兄妹。兄妹は出かけていなかったものの、両親がいたのでヒカルを紹介しなければならない。
俺はちょっと緊張していた。というのも、家に友達がくるのが初めてだったからだ。ヒカルを紹介して、両親がどんな反応をするかわからなかったので、朝からずっと不安に思っていたわけだ。

兄妹3人が同じ高校だという事は前に話したが、実際には両親も同じ系列の高校出身である。今では公立校2つがまとめて入試をするが、以前は一つの学校で、一学年15クラス以上のマンモス校だった。増えすぎたクラスに対応しきれなくなった為、30年くらい前に2つに分けられ、俺達兄妹やヒカルは新設の学校に入学となった。両親はマンモス校時代に2つ違いの学年だった為、高校時代から顔見知りだったらしい。父親の友人何人かがよく話してくれる事だが、俺の父親は高校時代はかなりの暴れん坊だったと言う。今のヒカルみたいなもんかなとも思える。俺にも同じ血が流れている事を感じる時も多々ある…。

バイクの音が聞こえたので慌てて外に出た。父親が庭にいたからだ。俺のいないところで初対面の父親とヒカルが会うのは避けたかった。
ヒカルと合流して玄関まで誘導する途中、父親が気づいて振り返った。
俺「友達だよ」
光「初めまして。お邪魔します」
そう言って、礼儀正しく頭を下げた。
父「いらっしゃい」
笑顔で返す。たったこれだけだが、表情から察するにおそらく合格点だ。ホッとする。
玄関を入ったところで母親が出迎える。
光「初めまして。いつもシュウにお世話になってます」
母「いらっしゃい。こちらこそお世話になっていて。あら、ハンサムね」
光「お母さんもお綺麗です」
そんな会話がありお互いに笑顔。ここでもOKだ。
2人で俺の部屋に向かう。いやな汗かいて緊張してた俺に比べ、ヒカルの冷静な対応に感心した。
すぐに母親がドリンクと菓子を持ってきてくれた。母親が戻った後、ヒカルは俺の部屋をアサリ出す。
俺「変な物ないから!止めてよ!」
下着の入った収納を開け、にひひひって感じで中を見ている。俺は引き出しを強引に閉めながら、ヒカルの頭を軽く殴る。
俺『さっきの親に見せた態度とは大違いだよ』
一通りチェックが済んだのか、一緒にゲームを始めた。対戦ゲームだが、こちらは俺の方がうまい。負けず嫌いのヒカルが熱くなっているのを見るのは楽しい。可哀想だったから最後はわざと負けてやった。
気が済んだのか2時間くらいで終わり、湖の反対側まで行こうって事になりドライブに出た。
原チャリに2人で乗り込む。意外にパワーのある原チャリで、2人でもかなりのスピードが出る。ヒカルの背中に掴まり前からの風を受けて、気持ち良さを感じていた。
2人乗りはやっぱマズいので、できるだけ裏道を通る様にする。
湖の反対側に来ると小高い山がある。頂上まではバイクで15分くらいだ。さすがに上りはキツい。なんとか上っていくと中腹に見晴らし台があり、一旦そこにバイクを止めた。カメラを持った人が何人かいる。ヒカルもバイクを下り、見晴らし台の一番前まで行く。
光「すげぇな」
きらきらと光った湖が一望できるとともに、そのまま何の障壁もなく湖からスロープが延び富士山の山腹に至る姿がみることが出来る場所。俺もヒカルも小さい頃からこの地に住み、富士山があることが当たり前のようになっているが、改めてこうしてみると自然の雄大さを感じる。
ヒカルも黙って見入っている。軽く風を浴びて靡く長い髪、少し日焼けした顔。じっとその景色に酔いしれてる様だ。
光「近くにこんなきれいな場所があるなんて知らなかったな」
キツ目の顔も、この時にはなんとなく緩んでる様に感じられた。

しばし眺めた後に再びバイクに乗る。一応山頂まで行ってみる事になった。
湖側から上ると車がすれ違うくらいは余裕にある道幅も、山頂に近づくにつれ一台分の幅しかない為に、ほとんど車が通ることはない。知らずに山頂まで上ってきても、車だとほとんどUターンしてしまうことになる。また山頂は木々に囲まれている為、景色も全く見えないので眺めを期待してもあまり意味がないわけだ。
その山頂に着くとわき道があり、少し奥まった所に電波塔がある。その道を入って行くことにした。人が常駐してるわけではないが、侵入者を防ぐ為か硬い鉄製の門がありそれ以上は進めない。そこでバイクを止めた。
夕暮れにはもう少し時間がある。鳥の囀りや水の流れる音、風がそよぎ葉の擦れる音。そんな音しか聞こえてこない。
ヒカルはそこでバイクを下り、メットを外した。
座っている俺に近づきそっとキスをする。いつもの優しいキスだ。顔を離し目が合いお互い笑顔になる。俺は手を取られ門の所まで連れて行かれた。
門に俺を寄りかからせて、向かい合って立ち再びのキス。今度は熱い。舌が中で絡む。何かを探すように俺の口の中で動く。
キスをしながら俺のジャンパーのジッパーを下ろし、シャツの前のボタンを外していく。相変わらず手馴れている。肌が露わになると、ヒカルは背中に腕をまわし俺を抱き寄せる。その弾みでジャンパーとシャツが肩からずり落ち、肘で止まる。上半身がほぼ脱がされた状態となった。
ゆっくりと口から首へとヒカルの顔が下りていき、さらに下へと進み乳首を吸い始めてきた。我慢できず俺は声を出してしまう。
俺「うっ…うぅん」
攻めが激しくなり、声を荒げた。
光「あっ、そう言えば忘れてたよ」
ヒカルはいきなり俺のベルトを外し、一気にジーンズとボクサーを膝まで脱がした。
光「先走りがすごいから、パンツを濡らさないように早く脱がさないとな」
そう言ってモノを握って確認している。
光「ほら見ろよ、もうヌルヌルじゃん。オイルいらずだよな」
言われて俺は赤面してしまう。
しばらく乳首を攻められ、さらにヒカルの手でシゴかれる。
大きな手に包まれてイヤらしく攻められ、すぐにイキそうな感覚が迫ってきていた。
俺「ヒカル…ペース速いよ…イッちゃいそう」
それを聞くとヒカルは一旦攻めるのを辞め、俺のジーンズとボクサーを片足だけ完全に脱がせた。
後ろ向きにさせられて、門に両手をつく。やや足を開かされ、後ろにヒカルが立ち再度右手でシゴいてきた。
右手はモノをシゴき左手は乳首や玉を弄る。さらに後ろから耳元でヒカルが囁く。
光「乳首がコリコリしてる。あ〜玉もキュンて上がっちゃってるよ」
俺は多分後ろからシゴかれることにすごく弱いんだと思う。さらにヒカルの喋りで耳に息がかかり感じてしまう。
俺「あぁぁ…いぃ…いきそう」
あっというまに限界が近づく。
光「いいよ、豪快にな!」
一段と強く握られ、シゴキが早くなり頂点に達した。
俺「あぁぁぁ!」
真っ白な意識の中、一気に出した。門の扉に向かって何回も放った。俺のは先走りも多いみたいだけど、精液もかなり多いらしい。5発6発といつまでもホースから水が出てくるように、ヒカルの手に合わせ放出する。かなり飛ばしてしまっている。
光「あーあー相変わらずすごいね〜。貯めてるわけでもないのにイヤらしい」
そう言って、出し尽くした後のモノを咥えてくれた。敏感に感じてしまい腰を引いたが、ヒカルは構わず残りの液を吸いとる。そして立ち上がり俺に優しいキスをした。
キスを受けながらヒカルの股間に手を当てると、かなりビンビンになっている事が分かったので、ベルトに手を掛けて外そうとした。
光「俺はいいって」
俺「なんで?こんなになってるのに?」
光「シュウのイクのを見てるのが好きなんだからさ」
そう言ってバイクの方にそそくさと歩いて行ってしまう。
俺も急いでジーンズを穿き、ヒカルに追いつく。
俺「俺もヒカルがイクのを見たいしイカせて上げたいよ。だからやって見ようよ、ねっ?」
光「いいって言ったらいいんだよ!」
振り返ったヒカルの顔は、かなりキツい目をして怒っている様に見えたので、それ以上は言えなかった。
俺『なんで怒るのさ…』
光「さっ、帰ろう。乗って」
気まずい雰囲気が残りながらも、仕方なくバイクに乗り家に戻る。そのまま家で下ろしてもらい、ヒカルは帰ることになった。
光「じゃまた学校でな!着いたらまたメールするから」
いつものヒカルに戻って笑顔で言う。
俺「気をつけてね。事故って死んだら後を追わなくちゃならないから」
そう言って手を振り別れた。
俺『なんであそこまで頑ななのかな。理由がわからないとどうしていいかわからないよ。でも理由を聞いたらなんかキレそうで、これからも聞きにくい雰囲気になっちゃったな』
俯き、考えながら家に戻った。

それからは、特に変わったこともなく学校でもヒカルと普通に会っていた。
GWはヒカルが家の手伝いってことで会えず、ほとんどメールだけ。学校の帰りなどには、いつものメンバーで遊んだり騒いだりするくらいだった。ヒカルと2人で帰ったりもしたものの、誰にも見えないところでちょこっとイチャつくくらいで、変わった進展があったわけではない。
ジトジトした梅雨ももう少しで開ける。
『きっと来年は受験に向けて忙しくなるだろうし、今年の夏が楽しめる最後のチャンスかもな』
俺としてはそう思っていた。

この頃、いつもの5人メンバーで遊んでいても、それほど悪巧みをするって事もなかった。というよりも休みの日なんかにはいつも俺だけが呼ばれない状態になっていた。ちょっと仲間はずれ的に思って苛つくこともあったし、寂しい思いもしていた。
仁「家もおまえだけ離れているし、急に呼べなかったから」
そんな言い訳をされるだけだ。スッキリしない時には、大概ヒカルが慰め役になる。そんなヒカルに当り散らすこともあったが、何も言わず慰めてくれるだけだった。
ヒカルとの事、友達との確執など、梅雨の天気のように今一つスッキリとせず、この時期は時間だけが過ぎていくだけだった。

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さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】...
 長編編集部φ(..)  - 07/6/23(土) 0:54 -
梅雨の末期は長雨が続く。しかも大雨が多い。
今日も雨だ。たまには雨の音でも聞いてロマンチックな気分に…なんて気持ちには、今はとてもなれないでいた。疲労感や何よりも孤独感がそうさせている。
『独りか…』
実は、いつものメンバーの俺以外の4人が謹慎処分となったのだ。3年生に絡まれて喧嘩になったって事らしい。
俺には同じ学校に一つ違いの兄がいる。だからだろうか、俺がいる時には3年の奴らもほぼ手出ししてこない。
それなのに、最近みんなが俺と一緒にいる機会が少なくなった時に、ついにやらかしてしまったのだ。悪いのは3年の方だったらしく一週間の停学。巻き添えだったものの喧嘩両成敗って事でメンバーは3日の自宅謹慎処分となった。
みんなの事を心配しながらも孤独感に苛まれる。ヒカルにメールをしても、元気だって返事が返ってくるだけだった。
『なんで俺だけここにいるの?なんで呼ばれなかったんだろ?みんなと一体感を持ちたいのに…』
昼休みだが隣にヒカルはいない。それで仕方なく独りでボーっと外を眺めてる……。

例年より早く梅雨明けしたその日、謹慎が解けみんなが戻ってきた。嬉しい反面俺の中では疎外感が強く残り、朝からみんなに会わないでいた。
昼休みになっていつものようにヒカルがやって来た。クラスの奴らがヒソヒソ話しているのが感じられるが、ヒカルはそんな事は構わず堂々としている。雰囲気が悪かったので教室から出る事にした。
なんとなくブラブラと無言で2人で歩いていたが、知らないうちに日頃あまり使われない実験棟に来ていた。誰もいない教室を選んで入った。
中に入ったもののまだしばらく無言でいた。そんな雰囲気に我慢できなくなったのかヒカルが俺のそばに来てキスをしようと抱きしめてきたが、俺はそれを軽く振り解いた。
光「なんだよ。しばらく会わないうちに嫌いになったのか?」
俺「嫌いじゃないよ。でもなんでみんな俺ばっかり相手にしてくれなくなったのさ。俺の方が嫌われたみたいじゃん」
光「そんな事ないよ。みんなおまえを大事に思っているはずさ」
俺「なら俺だって謹慎になっても良かったから、みんなと一緒にいたかったよ」
光「おまえがいなくたって俺達だけで充分だったさ」
俺「意味わかんないね」
光「いいんだよ、それで。理由なんかどうでもいいだろ!」
再度俺を抱きしめようとするが、それを無視し黙って部屋を出た。初めてヒカルに反抗していた。
苛立ち部屋を飛び出してきたが、ヒカルが後ろから追いかけてくる様子もないようだ。
ヒカルと深い仲になってから、本気で怒りをぶつけたのは初めてだと思う。ヒカルの態度に呆れてわざと苛立ってみせることはあっても、それはあくまで本気ではない事だ。今回はそれとは違う。
自分のクラスまで小走りに来たものの、教室には入らずそのまま通り過ぎて屋上まで来てしまった。今日は日差しが強い。いつもは暑さに閉口するだろうが、今はそんな事も感じる余裕もなくなってしまっている。
ヒカルに対してぶつけた気持ちだけは変えるつもりはない。ただ、いつも言葉の少ないヒカルに説明を求めても、それなりの答えが返ってくる事を期待するのは間違っていたかもしれない。なんとなく今まで心に溜まった気持ちを誰でもいいからぶつけたかっただけだ。今の気持ちをわかって欲しかっただけだった。
ヒカルは理解してくれたのか、それとも俺がキレた事に腹を立てているのか。それもわからない。
『もしこのままヒカルと話をする事もなくなったら?』
そんな事になるのだけはイヤだ。部屋を飛び出さずに、納得行くまで話してくれば良かった。
『少し後悔、いや、かなりの後悔か…』
自分の思っている事をわかって欲しいという気持ちと、ヒカルに対して荒れてしまった気持ち。両方が心の中で渦巻いて到底整理なんかできない。
これからどう行動すれば良いのか?
『いくら考えてもまとまらない…』
ヒカルとのつき合いはどうすれば良いのか?
『そんなの決まってるだろ!終わりになんかしたくない。ただそれは俺がそう思ってるだけで、ヒカルはどう考えてるか…』
やっぱり整理なんかできない。
『あーイライラする…』
チャイムが鳴った。イヤな音だ。いつも急かすように鳴る。いつも邪魔をする。もう少しここに居させて欲しいのに。考えがまとまるまで待って欲しかった。まぁ今日はいくら考えてもまとまるわけがないような気がする。ここにいても仕方ないか。
何か暑い。さっきまで気にしていなかったのに、急に暑さが堪えてきた。汗がでてくる。チャイムも日差しも俺にはムカつくものにしか感じられない。
『教室に戻らないと』
授業が待ってる。試験も近い。今日は勉強なんてしてても頭に入るわけがないが、でも仕方ない。
『今はあそこにしか居場所がないか…』

教室に戻ると、さっきまでジンが来ていた事を友達から伝えられる。
すれ違いだと聞いて半ばホッとする。会っても何を話していいかわからないし、きちんと話せるか今は自信ないから。とりあえず今は誰とも会いたくない気持ちの方が強い。
今日は午後2時間の授業だったが、やっぱり身が入らなかった。試験前の追い込み授業みたいな感じだったが、仕方がない事だと自分に納得させる。
授業が終わった後もしばらく帰らないでいた。人気がなくなってからゆっくり帰る。
どうやって帰ったかよく覚えてないが、いつのまにか家に着いていた。いつもの道を通ってきたのだろうけど。
家でもボーっと過ごす。宿題やって勉強してって感じだ。
夜遅くになって初めて気づいた。なんとなく視界に入った携帯のランプが点滅している。
『メールが来ているんだ』
今まで携帯があるって事に気が回らなかった。とりあえず確認してみると、予想通りジンとそしてヒカルだ。
仁『明日みんなで話そう』
ジンらしい簡潔な内容だ。返信を送る前にヒカルのメールを確認してみる。
光『疲れただろ?今日はゆっくりお休み』
両方とも短い内容だったけど、決して俺を責めてるような内容じゃない…。
メールが来て返さないのは俺にとって好きな事ではない。どんな時でも、送ってくる方の気持ちを考えれば返さずにはいられない。
とりあえずでいいから、なにか返しておかなければならない。
ジンには『分かった』とだけ打っておいた。
ただし、いくら考えてもヒカルには言葉が見つからない。
実験棟で突き放した時、ヒカルはどう思っただろうか。
ヒカルの顔が浮かんでくる。出会った時の無表情、はにかむ感じの笑い顔から段々とさまになって来てる笑顔。そして鏡の中のヒカル…。俺にとってはいつでも大事なヒカルだったはずだ。
もう一度メールを読み返す。…そして一言『おやすみ』とだけ打ち込んだ…。

次の日、いつも通りに学校へ行った。
体育の授業もあり、憂さ晴らしするように暴れ回った。いろいろ忘れたかったのかもしれない。
そして昼休みがきた。予想通りか、予想に反してか、ヒカルは来なかった。あまりに考え過ぎていたので、どっちを期待してたのか自分でも分からなくなっている。
そのまま何もないと思ったが、昼休みも終わる間際になっていきなりヒカルからメールが届いた。
光『授業終わったら、昨日の実験棟の部屋に来いよ。みんなも来るはずだから』
今は逃げずに思いを話すしかないかと思った。

授業を終え放課後実験棟まで行く。途中ヒカルのいる教室の前を通る。ちらっと担任の教師が話をしてるのが見えた。
『俺の方が先か…』
その方が都合が良い。途中でトイレに寄り鏡を見る。
『冴えない顔をしてる』
鏡を見ながら思い出すとまた苛立ちが出てきた。思う存分ぶつけるだけだ。
トイレを出て部屋の前まで来た。若干躊躇したが思いきってドアを開ける。
『まだ誰もいないや、ふぅ』
部屋を横切り窓際まで行って外を眺めていた。
『最近ずっと独りで外を眺めてたな…』
そう思ってるといきなり部屋のドアが開いた。ちょっとドキッとして振り返る。4人全員一緒に来たみたいだ。最後にヒカルが入ってきたのを見て、慌てて外を向く。
みんなは俺の周りに陣取った。椅子に座る物もいたりして俺を囲む。ヒカルだけは離れたトコに座った様だ。
仁「シュウ、独りで寂しかったんだって?ヒカルに聞いたよ」
こういう時の先導役は必ずジンだ。
俺「寂しくはないさ。ただなんか俺だけ相手にされてなくない?」
仁「そうじゃないんだ…」
この言葉を聞いて俺に火がついた。
俺「そうじゃない?なにがそうじゃないのさ!最近何をするのにも俺だけ呼ばれもしない。間違ってる?」
仁「間違ってないよ」
俺「なんだよその答えは!やっぱり俺だけ呼ばないって事か。1年の時からどんなワルサだっていつも一緒だったろ?」
実際犯罪になるような事はしないものの、喧嘩等スレスレな事はたくさんしてきたわけで…。
俺「いつでもみんな一緒でって事が俺達の取り柄だったはずだよ。いろんな事を一緒にやってきただろ?最近になって俺だけ呼ばれないなんて酷くない?」
こんなような事をおそらくかなり一方的にまくし立てたような気がする。
言い終えて少し間が空いたが、仁がゆっくり話し出した。
仁「4月の初めにさ、ヒカルだけはいなかったんだけど、俺達3人でいる時にF校の奴らに絡まれたんだよ。それで喧嘩になって初めて警察に捕まった」
俺にとっては初耳だ。予想外の話だった。
仁「今回と同じように悪いのは相手さ。警察じゃ怒鳴り散らされたり、かなりイヤな目にあったけどな」
3人で顔を見合わせ苦笑してる。
仁「そン時に、親とおまえの担任の○○(先生)も迎えに来た。アイツ学年主任だしな。警察以上にクドクド言われたよ。帰る時にイヤミな感じで『シュウがいなくて良かったな、フフッ』って言ってた。今考えれば顔はイヤミじゃなく真剣だったかもしれない。でも俺はさ、コイツ自分のクラスの奴の事しか考えてないのかよってずっと思ってたんだ。それで次の日にヒカルを交えて4人でいた時に、その話になったんだよ」
ジンがヒカルを見る。それにつられて俺もチラっと様子を窺う。ヒカルは何も聞いていないって様子で、窓枠に足を乗せボーっと外を見ている。
仁「ヒカルに言われて、俺達も前から心の中で考えていたことが判ってきたんだ。俺達はここの総合高校に入ってきて、これからそれぞれがいろんな道に進んでいくことになるよな。たった3年間だけの付き合いさ。それなのに俺らはいいかげんな奴ばっかだからさあ、まだ先行きなんて大して考えていないよな」
みんな頷いてる。
仁「でもさぁ、シュウだけは俺達とは違ってすでに進路を決めてそっちに向かって進んでるじゃん?」
俺「でもそれはさ…」
仁「まあいいから聞けよ。俺達とシュウはそういうトコが全く違うのに、シュウはそんなところを全く感じさせないで、普通に一緒にバカやったりふざけたりしてるだろ?俺達はシュウのそういうトコが好きだし、今までも一緒にいたんだよ」
俺「…」
仁「俺は実際に羨ましくも思うし、マジ頑張れって思ってるよ。だからさ、もう一回担任の言った言葉を考えてみな?警察沙汰になった時に『シュウがいなくて良かった』。ヒカルに言われて気がついたのはこれだよ。今は俺達みんなそう思ってるんだからさ。わかるだろ?」
俺「……」
仁「この間3年に呼ばれた時にも、シュウだけは誘うなってヒカルが言うから誘わなかったんだよ。俺達といる事でシュウの人生が狂うような事はしたくないんだ。そうなればシュウが一番ショックを受けるだろうし、俺達だって同じくらい一生辛い思いをしていかなきゃならなくなる。だから今回の事でシュウが怒ってるって聞いて、シュウが俺達と一緒に居たかった気持ちは充分理解できたからさぁ」
ジンは俺の顔をまっすぐ見てさらに言った。
仁「だから、お願いだから、俺達がシュウの事を大事に思ってる気持ちもわかって欲しいんだ」
俺の中で熱くこみ上げてくるものがあった…。窓に凭れかかったまま動けなかった。
俺は自分の事しか考えてなかった。孤独感とか切なさとか自分の感じるままに気持ちをぶつけてた。
謹慎が解けて、みんなを慰めなくちゃならなかったのは俺の方だったんだ。なのに…、それなのに…、俺一人だけ勝手に…。
俺「…ごめんね、みんな…」
ジンの顔も見れず、俯いたままそれだけしか言えなかった…。

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Re(1):さよならの向こう側には1〜7
 はやと  - 07/6/23(土) 13:08 -
長編編集部さん最初から最後まで読ませていただきました!エロイ話しもあり友情の大切さについて考えさせられることもあり読んでて興奮してしまいには涙が溢れてきました。ありがとうございました!

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さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】...
 長編編集部φ(..)  - 07/6/23(土) 22:34 -
「泣いてる?」
「もう少しうまく話していれば号泣したんじゃないの?ヘタクソな演説」
「何だ、つまんないの!」
3人が笑いながら俺を下から覗き込む。
俺「…ったく」
俺は顔を背けながら呟く。
光「ハイよ、そこまでね。ここからは俺だから」
ヒカルが近づいてきた。
光「3匹はさっさと帰れ」
仁「なんだよ!」
俺「…でも俺今まで通りみんなといたいし」
2人の言葉を無視して思った事をぶつける。
仁「そうそう、それなんだけどさ、俺達は警察沙汰1回、学校も謹慎1回で、もうこれ以上ワルサも出来ないから、これからはシュウがいてくれても大丈夫だし、いてくれたら悪いことも出来ないから一石二鳥、ん?一挙両得?なんかそんな感じで(笑)!」
ジンの笑顔には救われる。
俺「…ありがと」
仁「じゃな!」
そう言って3人で部屋を出ていく。入口でジンが振り返ってヒカルに目配せしたように見えた。

部屋にヒカルと残った。ヒカルが抱きしめてくる。今度は逃げずにヒカルの肩に顔を埋めた。
光「おまえ昨日ここから出て行っちまうし。あれから1日しか経ってないけど長かったな」
俺「うん」
光「今日ウチに来る?」
俺「俺ン家においでよ。試験勉強って言えばヒカルなら大丈夫だし」
光「おぅ!分かった。じゃ荷物を取りに家に帰ろう」
とりあえずは2人でヒカルの家に向かう事になった。
ヒカルは最近自転車通学を始めた。今日も自転車だったので、2人乗りしてヒカルの家に向かう。
しばらくはお互い黙ったままだった。
ヒカルの広い背中を見ながら俺は考えていた。
『ジンの話が心に響く…。3年間のつき合いかぁ。学校に来れば毎日みんなに会えるって思っていた。いつもその場の楽しさだけを追いかけてた。でもヒカルとの事も終わりがくる日があるのだろうか…』
ちょっと切なくなる。
光「…シュウ?何か考えてるのか?」
俺「うぅん、何も」
光「そっか。ならいいけどさ。俺はずっと一緒にいるからな」
俺「うん」
それきりまた無言になる。同じ事を考えていたとも思えるヒカルの会話にドキっとした。
そのまま家につき、ヒカルは荷物を持ってすぐに出てきた。
俺の家まではバスで向かう事にする。いつもより時間が遅かったせいか、バスに乗り込んだが客の数も少ない様だ。2人で一番後ろの席に座る事にした。
光「俺達あとどれくらい会えるんだろうな」
やっぱりヒカルもさっき俺が考えていたのと同じような事を考えている様だ。
俺「そうだね。でもまだ知り合ってそんなに経ってないよ?ジンの話を聞いてて思ったんだけど、ヒカルが俺と一緒じゃない時でも、俺の事を考えてくれてるってわかったし、そんな奴放っておくわけにいかないからさ(笑)。今まで以上に2人でいる時間を作りたいよね」
光「そうだな」
そう言ってさり気なくヒカルが手を握ってきた。いつのまにか自然にこういう事ができるようになっている。
光「今まではさ、俺は女ともできるわけだし、おまえが『男を好きになれる』って言ってた時から、俺とは少し違うかなと思ってたんだよ」
俺「ヒカルは俺以外の男は無理?」
光「無理無理!今でもあり得ない。だからさ、今まではとりあえずシュウさえ気持ち良くさせればいいと思ってたし、自分ではあまりしたくなかったんだ」
俺「エッチをって事?」
光「うん」
心の中で引っかかっていた話をヒカルが切り出した。
光「なんかうまく説明できないけど、そこまではしたくなかった。男にイクところを見られるのも恥ずかしいしな。でももうそんな事はどうでもいいよ。今は図書館で話した時以上の気持ちなんだよ。あの時なんて目じゃない。それに時間がないだろ?今からはシュウを楽しませるだけじゃなくて、俺も楽しませてもらうからな」段々とヒカルの顔が緩んでくる。
俺「お手柔らかに頼むよ」
光「そんなわけにいくかよ。今までの分を取り返してやるぜ」
少し怖くも思ってしまい、俺の笑顔も少し引きつってしまう。
バス停に着き、コンビニで買い物をしてから家に歩いて向かった。
家に着くと母親が食事を用意してくれていた。家族みんなは食べ終わっていたので2人で食べる事になる。
相変わらずヒカルは母親の前で愛想がいい。
光「うん!おいしいです」
母親とニコニコ話している。
今日は妹は塾へ、兄貴は友達ン家に泊まりって事で誰もいないからヒカルとゆっくりできるわけだ。
食事が済むととりあえず別々に風呂に入る事になり、まずは俺から、そのあとヒカルが入った。
ヒカルも風呂上がりにTシャツと半パンに着替えて寛いでいた。
2人でベッドに横になると、早速向かいあって抱きしめ合う。ただただじっと抱きしめ合っていた。
ここのところ色々あってあまり眠れていなかった。温もりが心地良過ぎてウトウトしてしまうが、ヒカル自体も抱きしめながら目を瞑って眠っている様に感じられた。

どのくらい経っただろうか、目を開けると隣でヒカルが俺の顔をじっと見ていた。
光「寝言言ってたよ」
俺「なんて?」
光「内緒」
ニヤニヤしながら指先で顔に触れ、鼻や目をなぞる。それから前髪を左右に分けて額にキスをしてきた。
光「髪伸びてきたな。もうちょっとか」
髪を撫でながら長さを確かめている様だ。
しばらくして、ゆっくりと優しくキスをし始める。なんだか今日はいつもよりも常に優しい雰囲気が感じられている。
光「シュウの家に来て、食事食べて、家族と話をして。すげぇ落ち着くな。それで誰にも邪魔されずに2人でいられるし」
俺『そっか、その優しさが素直に気持ちとして現れてるんだ。激しい時のヒカルもいいけど、こういうヒカルもなんだかいいな』
キスの味を確かめながら頭の中でそう考えていた。
しばらくしてゆっくりとTシャツの中にヒカルの手が入ってきた。乳首を探して手が動く。ようやくそこを見つけると指先でちょっと強く摘んでくる。
俺「…くぅ」
身体が自然にピクっと反応する。
光「相変わらず反応がいいな、ここは」
俺「…ヒカルがエッチだからだよ」
光「無駄口だな」
強引にキスで口を塞いできて俺に喋らせないつもりだ。
口と胸、両方を攻められ、快感に少し背中を仰け反らせてしまう。その隙に一気に俺のTシャツを脱がすと、ヒカルも上を素早く脱いだ。こういう動作やタイミングはかなり手慣れている。
ヒカルはさらに舌で右の乳首を攻め出してきた。左乳首は空いた手で痛ぶられてしまう。舌の動きが激しくイヤらしく乳首に絡み着く。
俺「うっ…くぁ」
俺は思わず腰を浮かすように悶えた。それに反応してまた強く攻められる。
光「淫乱だなぁ。こんな敏感な奴見た事ないぜ」
腰を浮かせた瞬間に背中に手を入れ俺の上半身を起こし、胡座をかいた自分の上に乗せると、乳首をさらに攻めだした。
左手を腰に回し俺の身体を支え、右手は後ろからパンツの中に入れてくる。割れ目をなぞったり肉を掴んだりと乱暴さも感じられる。
光「後でここもやってみようぜ」
後ろの穴を軽く指先で触ってきた。
ヒカルは悪戯でも楽しむ様な目で俺を下から見上げていた。
そんな動きや言葉で少しずつヒカルのペースに嵌まっていってしまう。これがヒカルのパターンだ。
上に乗せた俺の身体を器用に動かし下を脱がし全裸にされると、背中で両腕を固定された。これもヒカルの大きな片手で充分だ。空いた手は尚もケツを弄んでいる。さらに上半身を口で攻められていく。いろんな部分で息をつかせない攻めが続いた。
俺「あぁぁ…すごぃょ…っく」
光「ほら、いい声が出てきたじゃん。こんな身体してイヤらしいしな」
一旦俺を下ろして自分も全裸になると、ベッドの上に立ち俺の頭を強引に掴んだ。
光「しゃぶれよ」
一言乱暴に言い捨てる。
俺は黙って足の間に膝まずきながらヒカルのモノを吸った。半勃ちだがそれでもかなりデカい。口の中で次第に膨れ上がっていく。
ヒカルは乱暴に髪の毛をつかみゆっくりと腰を振り出した。
俺『この為に髪を伸ばせって言ったのかな…』
苦しさに耐えながらもそんな事を一瞬考えていた。
光「あぁ、すげぇいい…ぐぁ」
段々と腰のスピードが増してくる。
光「あぁ…チョー気持ちいいよ」
いきなり力づくで俺を押し倒し、俺の頭の上に反対側を向いて跨ぐと俺のモノを咥え出した。俺もヒカルのモノをしゃぶるが、ヒカルの攻撃に思わず口から離れてしまう。
俺「んぐ…むぅ…あぁ」
ヒカルはそんな俺に構わず、腰を沈め俺の口に強引に突っ込み腰を振る。
堪え切れず再び吐き出し、ヒカルの攻めに我慢しながらも陰毛のほとんどない玉を吸ったり舐めたりした。これにはヒカルも思わず仰け反った様だ。
光「マジヤベぇよ」
再度俺を抱きしめ、足を伸ばして座り、足の間に向かい合わせで俺を座らせる。そして2本のモノを掴みシゴき出した。
光「あぁ…これ…これがすげぇ好きなんだよ」
俺の先走りを潤滑油に激しくシゴく。
俺「ああぁぁ」
光「あぁ…裏スジがスゴ過ぎるょ」
右手で強くシゴき、左手を強引に俺の首に巻きつけ、濃厚なキスをしてくる。
それに対し俺はヒカルの両乳首を強く触る。2人ともキスをしながら声にならない呻き声を出していた。
そのまま俺を押し倒し、握る手を強くした。
俺「ヒカル…んぐ…も、もう我慢…できない、やめて…」
光「俺もだよ…このままさ…」
俺はあっという間に限界に昇りつめていった。
俺「もうダメ…ヒカル…ィ、イクっ!」
頭が真っ白になったその瞬間、身震いする様にして俺は放出した。
ヒカルの激しいシゴきに何回も出捲り、なかなか止まらない。
俺がヒカルの顔を見るとヒカルも限界の様だった。チラっと目が合う。
光「んぅ…バカ、見るなよ、もうイっちまうぜ…あぅ」
そう言うと、仰け反る様にして俺の腹に向って精液を飛ばした。
光「あぅ…うぅ」
小さな叫びとともに初めてイキ捲っているヒカルを、向かい合った俺はじっと見ていた。

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さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】...
 長編編集部φ(..)  - 07/6/24(日) 1:31 -
ヒカルは俺の腹から首、顎にまで大量に出した。俺の体の上で四つん這いになり、頭をもたげて呼吸を荒げている。
光「はぁ…はぁ…」
俺も呼吸を整えながらヒカルを下から見た。
目が合ってヒカルがキスをしてくる。優しくソフトな感じだ。
俺「どうだった?」
光「すごっ!って感じだったな。今までにない不思議な感じ。今まで我慢して失敗した」
俺「そっか!よかった」
そう言いながら首に手をまわしもう一度キスを返した。
お互いに汚れた身体を拭き取った後、2人でベッドに横たわるとヒカルに抱擁された。喜びに浸る一時だ。
ヒカルの顔を見た。無表情さは変わらないが、目を瞑って安らかな呼吸をしている。
抱かれた腕から伝わる温もり。今日の放課後までの不安な気持ちをすべて忘れさせてくれる。
閉じた目にそっとキスをしてみた。目を開けてニコっと笑うと起き上がり左肘をついて斜め上から俺を覗いてくる。右手で俺の髪をかき揚げたり前髪を左右に分けたりしている。
光「…好きだよ…」
大人じみた態度をみせるヒカル。見た目が年齢よりも上に見えるって事はないが、無表情さからなのか落ち着いた雰囲気からなのか、とにかく安心して身を任せられる。そんなヒカルにしばらく見取れてしまう。
光「男同士でやる時はこれだけで終わりってわけじゃないだろ?」
しばらくして俺を見ながらふいに話しかけてきた。
俺「…まぁする事は先にあるよね」
光「してみてぇな」
俺「…マジ?今度ってのは?」
ちょっと不安になってくる。
光「俺達には時間がないだろ(笑)」
この笑いがヤバい。言い出したら聞かないからだ。
俺「…初めてだし、痛いって聞いてるし…」
光「優しくするよ」
俺「あまり清潔なもんじゃないだろし、怖いよ」
光「構わないから俺に任せな」
そう言って荷物から何かを取り出す。出てきた物はローションにゴム、タオルなんかだ。
光「今日はこのくらいの道具でいいだろ」
俺「てかそれ以上の物があるわけ?」
光「玩具。俺がSだって事は知ってるだろ?」
よく知ってはいるが…。
俺「いきなりそんな…」
光「また無駄口かよ」
いきなり鼻を抓まれる。苦しくなり開けた口に、いきなりタオルを噛ませる様に突っ込んできた。
光「タオルを出したらお仕置きだからな」
急にキツい口調で言った。さっきの目とは違う鋭い目。俺は声にならずに首を横に振る。
光「優しくするからな」
ヒカルは俺の頭を両手で押さえこみ、内容とは裏腹の冷めた言葉を吐いた。
俺の横から口で乳首を吸い始める。強く激しい。さっきまでたっぷり吸われていたから軽い痛みを感じるが、そんな俺の事は構わず舐め続けていた。
声が出ない、というより出しても聞こえないわけだが、身体だけは乳首攻めに反応し悶えてしまう。そんな俺の様子を、ヒカルの冷たい目が窺っている。
早くも俺のモノは反応し出した。先走りが湧くように出てくる感覚が伝ってきていた。
ヒカルもそれに気づき、モノを握り先走りを指で亀頭に広げていった。さっきまでとは違う快感に、俺の身体がさらにピクッピクッと反応しだす。
ヒカルが頭を上げ、俺の反応を見て冷ややかな笑いを浮かべる。
光「身体は正直だよな。怯えた目をしてるじゃん。その目が堪らないよ」
俺のモノを握りながら、足の間に入り俺の膝を立たせると、オイルを手に取り割れ目に沿いゆっくりと塗りたくってきた。ヒヤっとした最初の感覚に一瞬驚いてしまう。
再度ローションを指にたっぷりと塗り、今度は穴の入り口を特に重点的に触れながら、探る様に俺の様子を窺った。
光「怖いのかよ」
俺は声を出せずに、軽く頷いてみせる。
光「しょーがねぇな」
そう言って左手を延ばし俺の右手を握ってくれた。いつもの優しい握り方だ。
俺『安心させようとしてるのかな…』
そう思っていた矢先にいきなり指が進入してきて、激痛が走った!思わず身体に力が入り身構えてしまう。
光「大丈夫さ。ほら、力を抜けよ。ゆっくり深呼吸して」
光の指は少しずつゆっくりゆっくり奥に向かって進んで行く。反対側の手は優しく撫でる様に俺の手を握ってくれていた。
途中で一旦手を止めた。
光「どうだ?」
少し痛みが減り、俺は眉間に皺を寄せながらもゆっくり頷いた。
それを確認すると、また中に向かって進み出す。
光「一応全部入ったみたいだぜ。大丈夫だろ?段々と慣れてくるさ」
最初はかなりの激痛だったが、穴の入り口を越えた辺りからは少し楽になってきている。
五分くらい無駄話をして、俺の気持ちを紛らわせながら慣らしてくれていた。
俺『ヒカルも初めてなんだ、探りながらって雰囲気は伝わる』
光「どう?落ち着いたか?面倒だったから最初から2本入れてみた」
その言葉に思わずため息をつく。
俺『…ヒカルらしいよ…』
一度ゆっくりと引き抜いたが、すぐに再度入れてきた。明らかに指が増えたのがわかる。
今度も慎重に奥まで入れたが、さっきとは違い少しずつ抜き差しを始める。
痛みはなくなっているようだが、中で指を回した時にはかなり苦しく、思わず顔をしかめた。
ヒカルもそれに気づき、手を止めまたしばらく様子を見ている。
そのヒカルと目が合う。しばらく見ていると良からぬ事が浮かんだのか薄く笑った。
指を引き抜きもせずに、俺の頭の近くに自分の股間を持っていく。
光「ゴムをつけさせろよ」
俺の目の前にゴムを投げてよこした。それを拾い、ヒカルのイキリ勃ったデカいモノにつけていく。
俺『それにしてもデカい…』
見ているだけで怖さを感じる。
光「ローションもつけろ」
わざと胸の上に投げつけてくる。ビクっとするが、身体を動かすたびにケツの中の指が動いてしまうので耐えた。できるだけ身体を動かさない様にしてたっぷりとローションを塗ってやる。
ヒカルはもう一度足の間に正座するように座り、少しだけ俺のケツをたぐり寄せて、少し指を抜き差しして試した後に引き抜いた。
チラっと俺の顔を見る。ヒカルから見ればきっと不安感いっぱいの顔だろう。
それを見透かした様に笑い、穴の入り口に自分のモノの先を当てた。そしてゆっくりと腰を全身させてきた。
俺『!』
俺は思わず痛さに首を振ったが、見かねてヒカルは再度両手を握って安心させてくれ様としていた。
光「ゆっくり呼吸しろよ。力を抜け!」
なおも少しずつ前進して、どうやら中まで入ってしまったようだ。少し前屈みになって俺の顔を上から覗いてきた。
光「できたな。すごい締め付けだよ。それに暖かい」
じっと動かずに俺を観察してる。しばらくの間このままでいてくれた。
光「動くぜ」
少し経ってからゆっくりと前後させてきた。中まで、奥まで、ゆっくりと動く。
奥まで行き着くとやはり痛みが走った。
俺『くっ…ぐ』
声にならない声を出す。痛みに意識が跳びそうになる。
それでもしばらくすると痛みが少しずつ和らいできた。
それを察知した様にヒカルもペースを早めて動きだす。
光「すごいよ、こんな締め付け初めてだよ」
ヒカルも徐々に感じ始めているのか、俺から顔を逸らし虚ろな目になる。
いきなり俺の両足を肩に乗せ、さらに奥まで突いてきた。
俺『うぅ…ぅ』
これにはさすがに我慢できず、ヒカルの膝を握り首を振って暴れた。
光「いいリアクションだな」
俺の辛さに構わずさらに激しく突く。
俺『感じてるんじゃないのに…』
そう思いながらもヒカルの攻めに耐えるしかない。ひとしきり腰を振った後、足を降ろし一旦動きを止めた。
入れたまま俺に重なる様に倒れてきて俺の乳首を舐める。
乳首攻めに俺の身体が仰け反り反応しだす。
光「うぁ、締め付けて来るぜ。全く淫乱な奴だ」
それを楽しむ様にさらに舐め続ける。
しばらく弄ばれた後で、俺のモノを見て言った。
光「先走りが糸を引いてやがる」
いきなり俺のモノにローションをつけて激しくシゴかれると、さらに意識が遠のいて行く様だった。
光「もう我慢できないぜ」
ヒカルも一気に激しく腰を動かした。すご過ぎる動きの激しさに、同じくらいのシゴきが加わる。
光「シュウ、ずっと俺のものでいろよ」
その言葉とともに激しさが一層増した。
ヒカルも俺もすでに周りが見えなくなっていた。俺の腰の脇に両手を着き、ヒカルは激しく腰を振っている。
光「あぁ…チョー気持ちいい…」
すでにヒカルの視点は定まっていない。
光「ゃ、やべぇよ…イクっ」
腰の動きが頂点に達したかと思うと、ガクガクっと崩れ落ちるように腰を密着させてきた。どうやらイッた様だ。穴の中でしたたかに放っていくのが分かる。ドクっという感触が何回か感じられる。
光「ぐ…はぁ…はぁ」
呼吸も整わずモノを抜かないまま、間髪いれずに俺のモノをシゴきあげてくる。俺もヒカルの大きな手の中ですぐに限界を迎えた。
俺『うっ…ううっ』
声も出せないまま一気に放出した。白い液が止めどなく湧き出てくる。何発放っただろう、2回目とは思えないほど大量だった。
出し終え正に放心状態だった。痛みから始まった感覚も、ヒカルを受け入れ快感へと変わっていった。何となく腰に力が入らない感じだ。
ヒカルを下から見上げると、ヒカルも俺を見下ろしていた。
口からタオルを抜いてもらうと、再び目を合わせお互い笑顔になる。カラっとした笑い。快感と恥ずかしさの中で、ロマンチックというより歓喜という感じだったかもしれない。
光「すごかったな。間違いなく病みつきになるな…痛くなかったか?」
俺「なんとかね。ヒカルすごいから起きあがれないくらい。フラフラだよ」
光は笑顔を見せた。
光「さて、ゆっくり抜くのと一気に抜くのとどっちがいい?」
俺「じゃゆっくりで」
ヒカルは最初ゆっくりと抜くそぶりを見せたが、途中から一気に引き抜いた。
俺「ああぁぁぁ」
びっくりして、最後の雄叫びの様に声を上げてしまった。今まで出なかった声をまとめて出した感じだ。あわててヒカルが口を押さえる。
光「バカ!淫乱な声を出すなよ。もう終わってるんだぜ?」
俺「ヒカルが意地悪するからだよ」
お互い苦笑してしまう。
身体をきれいにしてからしばらく抱き合って横になった。
光「シュウ、俺達ずっと離れないで一緒にいような。なんかあったら俺が身体を張って守るから」
俺「うん、ありがと。俺もヒカルしか見えないから」
光「これからいっぱい楽しもうな。だって俺達には……わかるだろ?」
俺「?何?」
光「時間がない!」
思わず笑ってヒカルに抱きつきキスをした。
俺「あ〜もう1時だよ!早く風呂入ろ?」
時計を見て慌てて一緒に入る事にした。髪を洗い、身体も洗い流す。ちょっと滲みる部分もあったが…。
湯船に浸かる。俺の家の風呂もヒカルの家の風呂ほどではないにしても、2人で入っても丁度良いくらいだ。
ヒカルに手招きされて後ろ向きに抱きしめてもらった。
『いつまでも続きますように』
心地良さにそんなことを考えていた。
風呂から上がり、部屋に戻って同じベッドで眠る事にした。

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さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】...
 長編編集部φ(..)  - 07/6/25(月) 0:23 -
翌日眠い目を擦り準備をしてから朝食を食べ、バスで学校に向かう。ヒカルは寝起きが悪いと聞いていたが、今日はすんなりと起きた。
来週から試験だが、それが終われば夏休みが待っている。
ヒカルと学校に向かうバスの中、夏休みについて話していた。
光「どこかに出かけようぜ」
俺「そうだね、海なんかに行きたいな」
光「いいね〜。2人で真っ黒に日焼けするか!でもシュウは競パン履いて焼けろよ」
俺「なんで?」
光「イヤらしいからさ。身体が黒いのに白いケツってのが淫乱だからな。後ろから攻めたくなるだろ」
またそっちの話だ。
俺「ビキニで焼くの恥ずかしいし」
光「ダメ〜。決定だからな」
相変わらず言い出すと聞かない。
俺「ところで試験勉強はどう?」
光「聞くなよ」
俺「じゃ一緒に勉強する?」
光「いや、クラスの奴とするから。おまえはどうなの?」
俺「どうかな。でも昨日のジンの話聞いたら頑張らないとね」
光「そうだな。俺に感謝しろよ」
俺「はいはい」
そんな感じで学校に着く。
光「今日からは毎日一緒に帰ろうな」
別れ際にそう言って教室に消えて行った。
俺『もちろんさ』
後ろ姿を見ながら俺は思っていた。

それからはいつ何をするのにもヒカルが一緒だった。常にヒカルがそばにいてくれる。
試験はというと、俺はまあまあかなってところだった。それほど良くもなくって感じか…。
『もう少し頑張んないとな…』
一方ヒカルはかなりヤバめだった様だ。おかげで夏休み前半はほとんど毎日強制的に補習を受けさせられる事になった。せっかく楽しみにしていた旅行も水の泡…。そんな寂しい気持ちのまま夏休みに突入する事になる。

ヒカルの性格からいって、補習なんて出ないなんて言うんじゃないかと思ったが、意外に大人しく参加しているみたいだ。
謹慎以来の進歩なのか、担任に進級させないなんて脅されたのか、そのどちらかかそれとも両方なんじゃないかなって思っていた。
8月上旬までは全く会えず、毎日メールや電話で話す事になる。寂しいけど仕方ないかと諦ていたが、代わりに後半は頻繁に俺ン家に泊まる約束をしてある。その後ヒカルの家にも何日間かはお世話になる事になっていた。

俺達の田舎は観光地であり、夏になれば避暑地として多くの観光客が訪れる。また高校大学の体育会系合宿もかなり多く、夏休みの時期には元々の住民の3倍くらいの人工に膨れ上がると言われるほどだ。都心からも高速道路を使えば1時間ちょっとでたどり着ける距離なので当然と言えば当然かもしれない。実際にはわざわざ暑さを凌いでどこかへ出かける必要もないくらいだ。

俺は夏休みの前半を出来るだけ勉強に費やすことにした。ヒカルも補習だし、そのヒカルの為に後半は空けて置きたかったからだ。
前半はクラスの中でも仲の良い3人と頻繁に連絡を取り合って勉強を一緒にすることになった。弘成(コウセイ、あだ名はコウ)と豊(ユタカ)に和也(カズヤ)の3人だ。
俺はクラスメイトと仲が悪いわけではないが、逆に深く仲良くなるって事もなかった。学校の帰りに偶然一緒になって帰ることはあっても、遊ぶ事はないって感じだ。自然と微妙な距離を保っていたような気がする。そんな中でもこの3人だけはヒカル達といる時以外には仲良くツルんでいたと思う。
コウは明るくサバサバしたノリだ。俺によく悪戯を仕掛けてくる。体系は俺と同じくらいでショートヘアがよく似合っている。
コウと性格も似ていてよくウマが合うのがユタカだ。ただ俺達3人の身長が同じくらいなのに対して163cmとかなり小さく、その事を本人も気にしている。ロン毛で見た目も可愛く、背が小さいなりのおしゃれが良く似合っていた。
カズヤはラグビー部で、決して大きい身体ではないが筋肉質。文武両道を地で行くタイプで、切れ長の目が魅力的な感じ。みんなとは明るく話すこともあるのに、俺と話す時にはいつも寡黙な雰囲気を漂わせている。シャイなのかも知れないが、おかげであまり2人で話したことがない。実は密かに俺の憧れでもあった。
3人ともそれぞれにルックスもイケてると思うが、人付き合いがうまくないのか今は誰も彼女がいない。あまり同級生とも進んで話しているところを見たことがないが、後輩の女の子達にはそれなりに人気があると聞いたことがある。

夏休みの間、勉強をする時は学校の図書館って事が多かった。勉強と言ってもみんなで集まる時には夏休みの宿題中心になる。だからそれほど一所懸命ってわけでもなく、和気あいあいといった感じで進めることになった。
8月に入り、コウとユタカが俺ン家に泊まりに来ることになった。たまには環境を変えて勉強をするという意味もあったと思うが、俺の家だけ離れているのでちょっともの珍しかったのかも知れない。カズヤは部活が忙しいとかでやっぱり来れなかった…。
その日昼過ぎに2人がやって来た。
来るとすぐに勉強を始め、夕食を挟んでさらに続いた。
勉強が一段落つき、夜遅くになったので家で映画を見ることにする。ゆっくり寝ながら観たいって事になり布団を部屋に持ち込む。ベッド1つと布団1つしかなかったので、布団にはユタカが、ベッドには俺とコウが寝ることになった。
映画を見てる間は吸い込まれるように見入っているのか、2人ともかなり大人しく話すらしない。俺は何回も見た事があるわけで、少し退屈だったし知らないうちに眠りに落ちてしまっていた。
ふと目が覚めると、コウがベッドから出て別の映画に変えてるところの様だった。何時だろうか、まだ明かりもついている。ユタカは寝ているみたいだ。俺も黙って眠る体制を保っていた。コウが戻って布団に入るとすぐに映画が始まりだす音が聞こえてきた。
おそらく始まって5分もしないうちだっだろうが、不意に俺の唇に何かが触れる感触があった。
察するに多分コウの指だ。なんとなくソフトに触れてきていた。
俺はどうして良いか分からず懸命に寝ているフリをした。しばらくして今度は頬の辺りに同じ様に皮膚の当たる感触が広がる。息遣いから頬同士を擦り合わせている様に思えた。肌が広範囲に当たっている感覚がしばらく続いたが、それがなくなるといきなり太股から股間へと手が伸びてきた。
今さら身体を動かすことが出来なくて、俺は金縛りにあった様に固まっていた。すでにこの時点で俺のモノはビンビンになってしまっている。
いきなり半パンの上から握られた。しばらく指でなぞられたり揉まれたりしていたが、さすがに濡れているのが自分でもわかり、ヤバくなったので寝返りを打った。
コウも慌てて手を引いたようだ。反対側を向いて俺はずっとドキドキしていた。
それ以降俺は眠ることが出来なかったが、幸い何もなく映画が終わるとともにコウはライトを消し眠りについた様だった。しばらくすると背中越しに寝息も聞こえてきたのでホッとする。何がどうなったのかしばらくの間考えていたが、俺も知らぬ間に眠ってしまっていた。

次の日結構遅い時間に目が覚めた。コウもユタカもゆっくりと起き出す。遅い朝食後部屋に戻ったが、それ以降コウも特に変わったところがなくユタカといつものノリでジャレ合っていた。
結局昼過ぎに2人は帰って行く事になった。
まさかコウがあんなことをするなんて思ってもみなかったので、どう理解すれば良いのか1人になってから考えてみた。コウにそういう趣味があるとは今まで思いもしなかったが、特に俺から聞いてみるのもおかしいと思い、向こうから言ってくるまで黙っている事にした。実際のところ、その後夏休み中もコウに何回か会ったが、いつもと変わらない様子で接していたので俺も忘れることにした。
ただしこれがかなり後になってトラブルを生む事となる…。

ヒカルの補習の最後の日は午前中で終了だと聞いていたので、その日はクラスのメンバーと図書館で勉強しながらヒカルを待つ事に決めていた。前もって、終わったら図書館に来るようにヒカルにメールをしておく。
今日は4人が揃っていた。夏休みも半ばになり、ちょっと中だるみ的な雰囲気が出てきていて、今日は勉強もソコソコになんとなくみんなで世間話になっていた。
俺「今日は何時までここにいるの?」
弘「昼までかなあ」
豊「じゃ俺も」
和「俺は午後から部活だから。シュウは?」
俺「補習が終わったらヒカルと一緒に帰る予定だよ」
弘「そう言えばさあ、なんであいつらと仲良いの?」
おそらく今までこの質問をされた事は一度もなかったと思う。
俺「なんでかなぁ。でも一緒にいて飽きないし」
弘「いつも一緒にいるよな」
俺「そうだね。でもそんなに悪い奴らじゃないから」
豊「そうだよな。この学校の悪い事ってそれほどのレベルじゃないよな。他の学校の方がかなりヤバいって話聞くし」
俺「知り合ってみるとみんな普通だよ。そんな酷い事しないし」
少しの間こんな話が続いたと思う。最後に口を開いたのが今まで黙っていたカズヤだった。
和「俺はあまり好きになれない」
いきなり言われたので、何の事を言ってるのか理解するのに少し時間を要した。
一瞬3人で顔を見合わせてからカズヤを見た。コウとユタカはマズいって言うような顔をしている。
俺「何が好きになれないの?」
和「いつまでも子供みたいな事をする奴が好きになれない」
顔色一つ変えないで言う。
その顔はある意味ヒカルの表情に似ていると心のどこかで思っていた。
俺「俺がって事?」
和「シュウも同じ様なことをしてるなら、今からそう思うかも知れない」
俺「あまり言ってる意味がわからないんだけど…」
実際ここまで話しても、何に対して言っているのかが俺には飲み込めなかった。
弘「まあ、俺もコイツとよくジャレてるし、俺達も子供だよな」
そう言ってコウがユタカを指差して同意を求める。
豊「おまえが俺に絡んでくるからだろ!」
ユタカも笑顔でそれに返す。どう見ても場を和まそうって感じが伝わってくる。
俺もそれを見ながら笑って答えた。
俺「そうだね、俺もあまり子供っぽい奴は好きになれないこともあるし、みんながみんな友達になれればいいとは思うけど、雰囲気だけで好きになれない事とかもあるよ。友達になるって難しいよね」
精一杯普段と変わらない態度で話してみた。
俺『硬いカズヤの事だから、俺のグループの事を言っている様で、遠まわしに俺の生活態度のことを忠告したって事なのかな…』
密かにそう考えていた。
カズヤもそれ以上は何も言わなかったので、結局のところの真意はわからなかった。
別の話題に切り替わり、カズヤも俺もその話の中に入っていき笑いながら話す事になったので、少しだけ緊張感が解けてきた。
そうこうするうちに、補習が終わる時間が迫っている事に時計をみて初めて気づいた。
俺「俺そろそろ行くよ」
普段この4人で昼飯を食べている時にヒカルが来ることが多かったので、今日もここで待ち合わせをする事に問題はないは思うが、気まずい雰囲気になりそうだったので、ヒカルが補習を受けてる教室の近くで待つことにした。
またメールする事をみんなに伝え、手を振って図書館を出ようとしたが、カズヤに呼び止められる。
和「近いうちにメールするからたまにはゆっくり話そうな」
俺「うん、わかった」
俺は軽く笑顔を返し図書館を出た。
ヒカルのいる教室まで行きながら考える。
『確かにヒカルやジンのグループは普通じゃないけど、同じ学年でみんなからつま弾きにされているわけではないし、それぞれの友達も結構いるはずだ…』
『それに今話してたメンバーだって、ウチに泊まりに来た夜のコウの行動といい、俺にあまり話しかけないカズヤといい、充分普通の友達って感じじゃない…』
なんだか色々考えると何が普通のつき合いなのか分からなくなってくる。

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さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】...
 長編編集部φ(..)  - 07/6/25(月) 1:31 -
教室の近くまで行くと、ちょうど補習が終わったところのようだ。ヒカルが荷物を鞄に詰めているのが見えたので、黙って廊下で待つことにする。ようやく最後の方に出てきて、俺がいるのに気づいた。
光「おぅ!久しぶりじゃん」
手を伸ばし頬を引っ張る。もうこれくらいじゃ俺も動じなくなっていた。
光「元気みたいだな」
俺「うん。今からどうする?」
光「ちょっとあっちに行こうぜ」
そう言って俺の手を引っ張るようにして早歩きで行った。
行き着いたところは普段は誰も来ない実験棟のトイレだ。夏休み中なのでいつもよりさらに人がいない。ヒカルに先導され一番奥の個室に入った。
入るとすぐにすごい力で抱きつき、さらに俺の顔を両手で掴むようにして貪るような感じでキスをしてきた。
俺「ちょ、ちょっと!いくらなんでもガッつきすぎじゃない?」
光「半月会ってなかったんだぜ?どれだけ我慢してたか」
俺「俺もだよ。今後はこういう事にならないようにしないとね」
それには答えず、ヒカルはもう一度固く抱きしめてきた。
やっぱりヒカルのこの感触が心地良い。抱きしめた時の身体の厚みを感じながらしばらく落ち着いた気分になっていたが、顎を持ち上げられて再び濃厚なキスをされた。俺にとっても久しぶりのキスであり、忘れかけていた物を思い出すように、ゆっくりと味わっていた。
そんな熱いキスに感じながらも、今日だけはヒカルの気が済むようにしてやろうと思う。
固く抱きしめたままのキスがしばらく続いた。
俺『今日は優しい方のヒカルかな』
そんな風に思えるくらい、包みこむような感覚が広がる。預けている身体をしっかりと支えるヒカルの抱擁は精神的にも落ち着かせてくれる。
その後首筋や耳を愛撫され始めた。
光「俺、勃っちゃったよ」
いきなりヒカルは俺の手を取り自分のモノまで導いた。確かに硬く大きなモノの感触が手ごたえとしてある。久しぶりに触ったが、以前と変わらずデカさを際立たせていた。
光「咥えろよ」
キスをしながら小さな声で囁いてくる。
俺「…ここじゃマズいよ」
光「誰もこないさ」
すでにヒカルはベルトを外し始め、自分でパンツごと膝まで下ろした。そして俺を蓋の閉まった便座に座らせ、我慢できないように顔の前にモノを突き出してきた。
ゆっくり手に取り、まず先の部分を舌で舐めてみる。裏筋に繋がる部分を舌の先でなぞる。ヒカルのケツの筋肉にキュっと力が入るのが分かる。ヒカルの感じる部分だ。少しの間そこを攻める。何度か身体が反応している。顔を見ると目を瞑り、感じている様子だ。
我慢できなくなったのか、ヒカルは俺の頭を掴んで強引に奥まで押し込んできた。一瞬むせ返りそうになるが何とか耐える。ヒカルはさらに大胆に髪の毛を掴んでゆっくり腰を動かして来た。
光「髪切ったのか?もっと伸ばせって言ったろ?」
夏休みに入り一度カットしていた。
会っていないうちに変わったって事に少し苛立ったのか、乱暴に髪の毛を掴みわざと奥まで突っ込んで俺を苦しませる。
これで負けてはいられない、ヒカルの腰の動きに合わせ俺も頭を動かす。
根元から先まで、かなり長いストロークで先と根本を移動させる。舌を使って裏筋を一緒に攻めると、さすがにヒカルもかなり感じてきているようだ。
光「あぁ…やっぱりすごいよ…すぐにもイキそうだよ」
久しぶりだからか、意外に早く昂ぶっているようだ。静まりかえったトイレに、段々と唾液の音と擦れる音が入り混じって響くようになる。ヒカルの腰の動きもかなり速くなってきた。
光「…このまま…イっちゃっていいのか?」
俺はその言葉を無視して唇に力を込めた。ヒカルも察したのか、動きを一段と早めてきた。
光「くぁぁ…もうダメだ…あっ…イクぜ」
ヒカルの膝がガクガクっとなり、俺の頭を強く押さえ口の奥まで突っ込んで動きを止めた。一瞬ヒカルのモノが大きくなり、口の中に一気に出してきた。大量の精液が口の中に広がるのが分かる。ピクっピクっとヒカルの身体が放出とともに反応しているのが伝わってきた。
何発か出し終わるとヒカルは俺の口からモノを引き抜いた。
光「出せよ」
そう言って俺を立たせ便座の蓋を開けたが、すでに俺は飲み干していた。そうするつもりでいたし、そうしたかったからだ。
光「バカ!汚いだろ!」
俺「なんか不思議な味…。でもヒカルのものだからいいや」
俺は笑顔で答えた。
ヒカルはちょっと呆れた顔で俺を見ていたが、ニコっと笑顔を返してきた。ヒカルは自分のモノをペーパーできれいに拭いてパンツとズボンを履いて、もう一度俺を固く抱きしめキスをした。
光「久しぶりだったけど、変わらず気持ちよかったな。段々うまくなってるよ」
キスをしながら俺のモノを掴かむ。もちろんとっくに勃っている。
俺「お、俺はいいから」
光「なんでだよ、こんなになってるだろ」
俺「ちょっとここではしたくないから。ヒカルが喜んだので充分だし。今度ゆっくりしてね」
今日は学校でやろうって雰囲気ではなかったので遠慮しておいた。
光「ダメだって。そんなに拒むのってなんか怪しいゾ!」
俺「なんもないよ。それより腹減っちゃったからなんか食べに行こ?」
光「いいのか?じゃ今度ベッドの上でゆっくりな」
笑顔を見せ俺を抱きしめた。
しばらくして2人でトイレを出て玄関に向かう。
玄関に向かう長い廊下に出ると、反対側からカズヤが歩いてくるのが見えた。

教室や図書館のある棟から体育館や部室のあるところまで行く方法は二通りある。
1つは玄関から直接外を回っていく方法。グラウンドでの体育の授業等がある時にはこの方法で行く。
もう1つ、体育館で授業がある時などには、教室のある棟から実験棟を抜けて直接体育館に行ける。体育館の横が部室になっているので、直接中から部室まで行く事が出来る。

カズヤが段々近づいてくる。俺達に気づいたようだ。
俺『そう言えばカズヤは午後から部活だって言ってた』
すれ違いざまに俺は手を挙げた。
俺「バイバイ」
和「あぁ」
カズヤは俺達を見ないでそう言って、二コリともせずに行ってしまった。なんとなく振り返ってみたが、カズヤはこちらを振り返る素振りもなく、歩いていく背中だけが見えていた。
光「アイツとなんかあったか?」
ヒカルも不審に思ったのか聞いてきた。
俺「別に何もないよ。ヒカルと同じで無愛想だからじゃないかな」
光「俺のどこが無愛想なんだよ」
言いながら首を絞めてくる。
その手を振りほどきながらなんとなくもう一度振り返ったが、カズヤはもう角を曲がっていた後で見えなくなっていた…。

学校を出てファミレスに行き、夏休みの今後の予定を立てる。残りの夏休みは出来るだけ一緒にいようって事で、2,3日後から俺ン家に泊まりに来ることになり、今日はそのままヒカルと別れて家に帰った。

何日か経ち、ヒカルが遊びに来る日になった。
とりあえず買い物をする為に外で待ち合わせる。といっても日焼けする時に履く競パンを買う為だ。
俺「そこまでしなくてもいいのに」
俺の意見にヒカルは全く耳を貸さない。何から何までヒカル色に染まらなきゃ気が済まないってことらしいが、好かれているって事が感じられるなら特に悪い気もしないし、半ば開き直って俺もトコトン付き合ってやろうって感じではいた。
俺「こんな派手なのは必要ないよ。恥ずかしいし」
光「そっか?似合うと思うけどな。じゃこっち」
俺「それもやだ!ちょっと趣味悪くない?」
光「あのさぁ、おまえが気に入るんじゃなくて、俺がおまえに履いて欲しい物を選ぶんだから、言う事聞いていればいいんだよ!」
そんな感じで結局はヒカルの決めた物って事になってしまう。
ついでに下着売り場に寄り、お揃いのボクサーまで買う羽目になった。いらないって俺が言うのも聞かずに、これだけはヒカルが2人分金を払いプレゼントって事になる。そんなこんなでヒカルはいつになく機嫌よく家に向かう。
食べ物なども買った為荷物が多くなってしまったので、俺はバスに乗り、そのあとをヒカルがバイクで追いかける形で家に向かった。

この時期兄は受験勉強の合宿があり、妹は親戚の家に泊まりに行っている。父親は都内に仕事に行くことが多いので家を空ける事が頻繁にあった。
観光地だけに企業の保養所や民宿などをやっている家も多い。夏はどこも稼ぎ時だ。母親も親戚の家に手伝いに行く事がほとんどで、家には俺だけだからヒカルと2人でいるにはちょうど良い。
俺の家には12畳ほどもあるベランダがあり、いつもは洗濯物を干す場所になっている。それでも半分もスペースをとらない為、広々とベランダで日光浴ができる。
家に着くと、天気も良いし早速日焼けをしようって事になった。
ベランダの手すりは格子になっているので庭を挟んでいても隣の家から見えてしまう。そこにいかにも干してあるっていう風に布団をかけると家の外からベランダの部分は全く見えなくなる。これで準備完了だ。
ここで午前と午後に1時間ずつ位日焼けをする。裏表で30分ずつくらい。長く焼くと痛くなったり赤く腫れ上がったりするのでこのくらいが一番良い。少しずつ焼けば小麦色になるって事らしい。
ベランダまで行き、干してある布団の陰にしゃがみ込み、着衣を脱ぐ。俺は競パンだけの姿に、ヒカルは大胆にも全裸だ。お互いに日焼けオイルを塗りあった。
寝転んで上を向くと、澄み切った青空に強い日差しが眩しい。時々気持ちよく風が吹き、熱くなった身体を冷やす。これが心地良い。全裸のヒカルは開放感がかなりあって良いらしい。
光「陰毛が風になびいてくすぐったいな」
そんな事を言って楽しんでいる。
お互い焼いてる間はほとんど無言なので、部屋からのクラシック音楽が静かに耳元に流れてくるのがはっきりと聴き取れ、リラックスさを増長させていた。
じっとしてると短い間でもすぐに汗がジワっと噴き出してくる。
時間になったので急いで風呂まで行ってシャワーを浴びた。これがまた気持ちいい。熱く火照って汗だくになった身体にぬるめの湯でシャワーを浴びる。ほんの少しだけヒリヒリするが痛いという程ではない。ヒカルと一緒に頭からシャワーを浴び全身のオイルを洗い流した。
さっぱりして部屋まで行きベッドに横になった。うつ伏せになっていると、ヒカルがいきなり俺の半パンとパンツを少しだけずらした。
光「ほら見てみろよ!もう競パンの跡がわかるぜ」
確かにたった一回だけの日焼けで境目がはっきりつく。これを繰り返せばかなり白い部分が目立つはずだ。というよりかなり焼けると言う方が正しい言い方か…。眩しいところにいたのでなかなか目が慣れなかったが、今ヒカルの顔を見るとほのかに赤みが差して日に焼けているのが分かる。
俺「あまり日焼けしすぎるのは好きじゃないから、このくらいに焼くのがちょうどいいかもね」
光「そうだな、シュウは適度に焼けるのが断然いい」
俺「ヒカルも精悍になってカッコいいよ、きっと」
俺は上半身だけ起こして、仰向けになっているヒカルの顔に触れる。
最初はキツいと思っっていた目も今は優しく見える。瞼に触るとヒカルはゆっくりと目を閉じた。
手を髪に持っていき、濡れた毛先を指に絡ませながら弄ぶ。俺もヒカルも校則に反して若干茶髪だ。ショートよりもセミロンがヒカルにはベスト。細く柔らかい髪が緩やかにカールしている。
指を顔に戻し唇に触れてみた。柔らかく繊細な触り心地。
ヒカルが指の先を唇で軽く挟む。少し中に入り込むと、指先を舌で軽く舐めてきた。ザラっとした舌先の感触にイヤらしさを感じる。しばらく舌の感触を指先で感じていた。
ふとヒカルに強い力で抱き寄せられた。胸にギュっと力一杯押し付けられる。
俺「ヒカル、苦しいよ」
光「離したくないから、力を入れてみたんだよ」
そう言われてしまえば俺も耐えるしかない。少し我慢していると徐々に力が緩んできた。
俺『離したくないなら、一生ずっとずっと力を入れていて欲しいよ。途中で力を緩めるようなことになっては困る…』
そう考えながら、今はヒカルの胸の上でじっと体温と鼓動を感じていた。

引用なし

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さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】...
 長編編集部φ(..)  - 07/6/25(月) 12:07 -
それから5日間毎日ウチで過ごす事になった。朝10時くらいから夜9時くらいまでは2人だけになる。
日焼けして、ゲームやって、飯食べて、映画観て、好きな事をやり好きな時に寝るって感じでダラダラと過ごした。でもヒカルが横にいるだけ、それだけで幸せな気分になれる。
3日目に日焼けをしにベランダに出て気づく。家族の洗濯物と一緒にヒカルの洗濯物も一緒に干されていた。ヒカルも家族と普通に接しているし、家族から見ても一員の様な存在になってる表れかなと思い、なんとなく微笑ましく感じてしまった。
この日は午前中は日焼けしたものの、午後は俄かに天候が悪くなり、昼間にも関わらず真っ暗になった。雷の音が遠くで聞こえ出してきた。忽ち雨も降り出したかと思うとみるみる強く激しくなる。
いきなり閃光が走り、ヒカルが楽しんでいたゲームの画面が消え、続いてコダマのような大きな雷鳴が響き渡った。
光「うぁ、すげぇな。せっかくいいところだったのに停電かよ」
俺「俺雷は苦手だよ、怖い」
実際には苦手なんてもんじゃない。地震よりも火事よりも、そしてオヤジよりも雷が怖い…。
光「子供じゃないんだし」
ヒカルは馬鹿にした様に言ったが、停電でする事もなくなったので、ベッドで本を読んでいた俺の隣りに来た。
俺も、実際に本を読めないくらい真っ暗になってきた事と雷の稲光が怖いのとで、うつ伏せになって雷の光が見えないように布団に顔を埋めた。
光「あーあー、ホントお子ちゃまだよな」
そう言いながらも横で頭を撫でている。また光って大音響が響いた。しばらく雷が続きそうだ。
光「シュウ…しようぜ」
俺「雷が怖くて顔を上げられない」
光「俺がいるだろ?雷と俺とどっちが怖いんだ?」
俺「…同じくらい」
ヒカルは立ち上がり部屋のカーテンをすべて閉め、戻ってきて力ずくで俺を仰向けにして上にのしかかってきた。
光「じゃ雷なんか忘れるくらい怖い思いを体験してみるか?」
俺「忘れるくらい気持ちいい思いをしたいよ」
ヒカルはニヤって笑ってキスをしながら言った。
光「わかったよ。まかせな、俺が気持ちよくしてやるから」
いきなり着ていたTシャツ、半パンとボクサーパンツすべてを脱がされる。
俺が雷を怖がって何もできない事を悟ったのか、それとも学校のトイレでやった事のお返しって事か、俺だけが裸にされ一方的に攻められる事になった。
顔から始まった愛撫は、濃厚なキスへと変わる。それから耳から首筋へと移る。下へ下へと正にヒカルの舌が這うように進んで行く。
俺はしばらく続く気持ち良さに、すでに雷の恐怖も忘れかけていた。
一旦動きを止め、ヒカルは鞄からローションを出してきた。すぐには使わず、再び舌で体中を攻めたて始める。
イヤらしい舌の動きに加えてモノを直接シゴかれ出したので、たちまち我慢汁が噴き出してくるのが感覚として分かる。
俺の足の間に入り、ヘソから太股の付け根へと舌を這わせる。
いきなりケツを持ち上げる様にして上を向かせ、俺の穴の周りを舐め出してた。
俺「あぅ…ヒカル…そんなことしなくていいよ」
光「俺がしたいんだからいいんだよ。感じてるんだろ?」
俺「うん…ハズかしいけど」
しばらくその体勢で舐められた後、ゆっくりケツを下ろし、今度は俺のモノを咥え出す。
俺「…あぁ…くっ」
生温かい感覚に思わず感じて、再度声を上げてしまう。
ヒカルはチラチラと俺の様子を窺っている様だ。裏筋を舌で舐め上げながら反応を見ている。
その俺は、見られている事も気にせずあまりの気持ち良さに仰け反ってしまっていた。
少しの間たっぷりとしゃぶられた後、ヒカルは俺の横に来て左腕で腕枕をしてきた。それからたっぷりとローションを塗りたくり、俺のモノをゆっくりと右手でシゴき始めた。
ヒカルの身体に包まれて温もりを感じながら、ヒカルの大きな手の動きで快感を味わう。こんな心地良さに浸れる事があるだろうか。
思わずヒカルの顔を見あげた。ヒカルも見下ろし目が合う。その時雷の閃光が走り、思わず顔を背けてしまう。
光「大丈夫だよ。俺がいるだろ」
そう言ってさらに俺の身体を引き寄せてくれる。ヒカルの優しさをさらに強く感じる瞬間だ。
ただ動く手はペースを増してきた。ローションの音をわざと起てる様に激しくシゴかれかなり感じてしまう。
俺「ヒカル…ヤバい…」
あっという間にイキそうになってきた。
光「そっか、このままイキたいのか?」
俺「…うん」
さらに一段と強くシゴかれ、あっというまに絶頂を迎えてしまう。それを表わす様に思わずヒカルの身体にしがみ付く。
光「たっぷり出せよ」
その声に反応するように一気に放出した。自分の胸に何発も放つ。ヒカルも手を緩めないので、さらに勢いよく弾く様に出し捲くり、2度3度と勢いが止まらなかった。ヒカルもじっとそのその様子を観察している。
ようやく最後の1滴を絞り出しヒカルの手が止まった。まだ俺の呼吸は荒く治まらない。
光「気持ちよかったか?」
俺「うん、すごかった…。ありがと、ヒカル」
ヒカルに縋りつき余韻を楽しんでいた。

しばらくして雷雨もおさまり停電も復旧して、日暮れ前にはきれいな夕焼けが出ていた。
夕食後ヒカルは再度ゲームを始めだす。俺も本を読みながら寛いでいた。
窓を開けていると心地良い風が吹き抜けていく。8月もお盆の時期になるとほんの僅かではあるがどこか秋の匂いが感じられる様な気がする。夜風が夏のものに比べ若干だがヒンヤリとしだす。
本を読んでいると、ポケットの中の携帯がブルった。
俺『メールか、誰かな』
確認するとカズヤだ。
俺『そう言えばメールしようって言ってたな』
俺とカズヤは今までほとんどメールで会話をするなんて事がなかった。メールした事と言えば“業務連絡”のようなものくらいだ。元々会話だってそれほどない。コウに言わせると「会話した回数が数えられるくらい」なんて感じだからよっぽどだと思う。実際に友達だってお互いが思っているのが不思議なくらいだ。
チラっとヒカルに目をやる。相変わらず俺に背を向けてゲームに熱中していた。
別にヒカルに内緒にしておく事ではないとは思うが、なんとなく図書館での話が頭を過ぎり黙っていた方が良いんじゃないかって考えが浮かぶ。仕方なくバレない様に本の間に挟んでメールを確認した。
和『何してる?暇だったらメールでもしない?』
俺『大丈夫だよ!この間の宿題終わった?』
最初は普通の話が続いた。
和『夏休みはどこかへ遊びに行った?』
俺『特にはね。これから遊ぶ時間も少なくなるって言うのに、なんか寂しい夏休みだよ。カズヤは?』
和『ボチボチかな。誰とも会ったりしないの?シュウには一緒に遊ぶ奴らがいるだろ』
俺『連絡は取ってるけど遊んだりはしてないよ。みんなバイトとか忙しいらしいし』
実際にジン達には会えないでいた。ただヒカルがウチに来てるって事も言えず、なんとなくカズヤにも嘘をついてしまう。
和『シュウはなんであいつらと仲がいいんだ?』
俺『なんでって言われても。友達だし一緒にいて楽しいって事だからじゃないかな』
和『シュウは日頃からあまりクラスにいないだろ?いつも見あたらない。心配だよ』
俺『心配なんて大げさだよ(笑)あのクラスが嫌いってわけじゃないよ。ただなんとなく居場所がないっていうかさ…』
和『俺がいるだろ?もう少し俺の事を頼っても良くない?』
どういう意味でカズヤが「俺がいる」って言ってるのかメールだと真意が伝わらない。笑って言うのと真顔とでは別の意味にとれる。
一瞬カズヤの顔を思い出したが、「頼れ」なんて、あのカズヤが話す言葉には思えなかった。

カズヤは俺にはあまり笑顔を見せない奴だ。メールの内容を真顔で話すカズヤの様子が脳裏に浮かぶ。俺にはあまり冗談すら言った事がない。真顔で言われたとするとあまりジョークとは受け止められないかもしれないと思った。
俺『それどういう意味さ(笑)』
とりあえず様子を窺う為に、できるだけ当り障りのない内容で返事を返す。
今までよりもカズヤからの返信に時間がかかったような気がした。
和『そのままだよ。心配だからさ。もう少しクラスにいて欲しいし溶け込んで欲しい、そういう事だよ』
俺『だから意味がわかんないってば!てか心配しなくても大丈夫だよ。他にも居場所がないわけじゃないし、今のクラスでも充分楽しいから』
カズヤの真意がわからない以上答えも抽象的に返すしかない。
今度は明らかに返事が遅い。なぜか早く次の言葉が知りたくて返事が遅いことについ苛立ってしまう。チラっとヒカルを見たが変わらずにゲームに集中している。少ししてようやくメールが届いた。
和『俺達はあまり話もしたことないだろ?それが理由じゃダメかな?俺が仲良くしたいって事さ』
やっぱりいつものカズヤじゃないのか…。ますます分からなくなってきて考え込んでしまい、今度は俺の返事が遅れてしまう。
カズヤの顔をもう一度想像してみた。ツンツン立てたショートヘア、スポーツマンらしく日焼けした顔、広い肩幅。ラグビー部ではあるものの決してラグビー体型というわけではなく、バランスの取れた筋肉質な感じだ。同じ筋肉質であるヒカルに比べて、明らかに線の太さが違う。首や足の逞しさがそう感じさせるのかもしれない。“精悍”と言う言葉が正にぴったり当てはまる。
仲が良くなると笑顔も見せるし冗談も言うらしい。ただ基本的には無口で寡黙な性格だ。特に俺がいる時にはせいぜい薄笑い程度にしか笑わない。そこが俺にとってはどうしてもカズヤに踏み込みにくく感じるところではある。
1年の時から隣りのクラスだったので、顔馴染みであり話もしていた。俺にとってはヒカルよりも長い付き合いのはずだ。仲良くなって色々な表情を見せるヒカルに比べ、コウやユタカと3人で仲良く話しているところに俺が加わると、いつも急に黙り込んでしまうカズヤ。最初は俺のことが嫌いなのかと思ったが、嫌がっているわけではないとコウから聞かされてはいた。だから一緒には居るが、実際にそういう態度を毎回取られて気分が良いものではない。正直なところそれがクラスに馴染めない原因の一端になってるわけで…。
そのカズヤが「仲良くしよう」と言ってる。今までもクラスの4人メンバーとしては仲良しグループとして認知されているはずだし、敢えて今仲良くしようってのも不思議な話に思える。友達の発言としては普通であるけど、日頃そんな事を言わないカズヤってところが引っかかってしまう。
普通に受け取って良いのか、別の意味があるのか…。精一杯考えて何とか返事を出してみる。
俺『そっかー。じゃ今度ゆっくり話でもしよっか?』
和『いいのか?じゃたまには2人でゆっくりと話そうな!』
2人でかぁ…。それでも俺の考えすぎなのか。
俺『そうだね。でもコウやユタカは別?』
和『あいつらが居てゆっくり話せるか?』
俺『言えてるね(笑)』
和『じゃ学校が始まったらすぐでいいか?』
俺『構わないよ。でも俺が相手で話が盛り上がる?』
実際に話すと言っても何を話して良いかは全然分からない。会ったものの無言で過ごすって事にはならないのか?第一カズヤが色々話すところなんて全く想像が出来ない。
和『大丈夫さ。俺には話したい事がたくさんあるし聞きたいこともある』
俺『例えばどんな事?』
思い切って聞いてみた。
和『その時にちゃんと話すよ。2人で話す事はみんなに内緒な』
俺『なんで内緒なの?』
和『まあなんか照れ臭いからな。今まで以上に仲良くするって事でいいんだろ?』
このメールを読んでいた時に、一瞬ビクっとしてしまった!
光「あーっ!!なんだよ!」
いきなりヒカルが大声を上げた為、俺はビックリして振り返った。ベッドに座り俺に凭れかかって来る。ゲームをミスってしまった様だ。
メールをしている事がバレてしまったのかと思い、一瞬冷や汗をかいてしまった。
俺『もちろんさ』
俺の背中にしがみ付いて悔しがるヒカルにバレない様に、それだけ急いで打ち込み送信した。
この時『もちろん友達として仲良くするよ』ときちんとメールしておけば良かったが、ヒカルがいた為そこまでできなかった。この日のメールが今後の人生に大きな影響を与える事になるとはこの時点では全く気付かなかった。

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さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】...
 長編編集部φ(..)  - 07/6/25(月) 16:50 -
次の日ヒカルと湖の周りをドライブした。
天気も良いし今日も暑い。以前ヒカルと登った山とは別の山にバイクで登る。山の頂上には有名なホテルがある小高い山だ。山の中腹でバイクを下り、買ってきたドリンクで喉を潤す。
ここからの眺めも良い。正面には雪一つない夏の富士が見える。
光「気持ちいいな。ずっとこの季節ならいいよな」
俺「違う季節があるから今がいいんじゃないの?暑いだけだと人間怠惰になっちゃうらしいよ?」
光「いろんな季節があっても俺みたいな怠惰な人間だっているんだからどっちでも同じだろ」
ヒカルらしい理論だ。
光「ここで見ている景色がずっと続く方がやっぱりいいよ」
俺「じゃ来年の夏もまた一緒にここに来ようか?」
光「そうだな。おまえと一緒にここにいるって事がいいな」
来年もヒカルといたいって俺も心の中で考える。
俺「来年の夏って受験とかで色々忙しいだろうね。でもヒカルとの時間はちゃんと作るから」
光「そうだったよな。あんまり無理すんなよ」
俺「うん。でも大丈夫だから」
ふと、いつか聞いてみようと前から考えていた事を初めて聞いてみる気になった。
俺「ヒカルは卒業したらどうするの?」
漠然と考えていた事、気になっていた事ではあるが、答えを聞いても明るい気分になるとは思えなかったから聞かないでいた事だ。
光「どうだろな。あまり考えてないけど専門学校かな」
俺「そっかぁ」
しばらく無言になる。
卒業すればお互い別々の道を進むとか、そうなったらなかなか会えなくなるんじゃないかとか、敢えて口にしても仕方がないから今まで黙っていた。
ヒカルも無言でいたので、俺と同じ事を考えているのかも知れないと思った。
光「それにしてもいい感じに黒くなったぜ?」
景色を見ながら考えていたが、急に俺を見て言った。
俺「ヒカルも似合ってるよ。てか似合いすぎ」
毎日鏡を見てても自分の色は気付かないが、ヒカルを見ればどれだけ変化したかが分かる。黒過ぎずちょうど良い小麦色。ベランダ焼けでこんなに焼けるとは知らなかった。
光「ってことはいい具合に競パン跡がついてるんだろうな。見せてみろよ」
俺「こんなトコで見せられるわけないじゃん」
光「つまんねぇな。じゃあさ、週末に俺ン家に来いよ。親がいないから泊まれば良いし。たっぷり見て確かめてやるからさ」
俺「いいの?行く行く!」
以前の鏡の前の事が思い出される。ワクワクするような、怖いような、密かに想像していた。

この後まっすぐ家に帰った。
今日は俺の家族もみんな揃っていて、みんなで夕飯を食べてから部屋に戻る。明日はヒカルも帰る日だ。2人でベッドの上でゴロゴロしながら過ごす。
光「家族がいるとエッチもできないよな」
俺「仕方ないよね。でもウチで最後の日なのにチョイ寂しいね」
そう言えば、ここに来てからそれほどエッチをしていなかった。
光「週末すぐに会えるだろ?夏休み最後だし楽しんじゃおうな」
そう言って抱きしめてゆっくり寝る。
『ヒカルが横にいるのが当たり前になってしまっていたのでちょっと明日からは寂しいかな。でも週末になればすぐ会えるし、学校が始まればまた毎日会える』
『学校が始まると、まずカズヤか…。どうなることか』
『コウはあれっきり何もない。イタズラだったのかもな』
『考えてみると俺の周りにはいろんなことが起こっていたんだ。男が好きな俺であってもまさかこれだけのことがあったなんて思うと素直に楽しい気持ちになれない……普通の友達で良い場合もある』
そんな事を考えながらヒカルにすがりつき、最後の夜をのんびり過ごしていた。

次の日ヒカルは帰っていったが、すぐに週末がやってきて逆に俺がヒカルの家に行く事になる。
とりあえずメールのやりとりをして、ジンの家で待ち合わせする事になった。
ジンの家に着くとすぐにヒカルもやってきた。3人で会うのは久々だ。
仁「おまえらなんでそんなに黒いの?」
光「焼いたからに決まってるだろ」
いつもの無表情での発言。チラっとヒカルの顔を見る。目が合ったが隠す様子はないようだ。
光「シュウの家に遊びに行ってたんだよ。一緒に焼いてたからさ」
仁「いいなおまえらは。俺なんてバイトや家の手伝いで明けくれてたよ。おかげで宿題に追われてる。おまえもうやったの?」
光「ああ、補習の間にほとんどやり終わった」
仁「なんだよ。おまえの話を聞いて安心しようと思ってたのに!」
光「ヒヒっ、残念だったな。まぁ3日くらいあるわけだし頑張れよ、ニヒヒっ」
そう言ってヒカルはトイレに行った。
仁「ヒカルは変わったんじゃないか?おまえの影響だよな、きっと」
そう言われて悪い気はしないが、詮索されているみたいで少しだけ不安になる。
俺「俺って事じゃないでしょ。ただ確かに知り合った時は怖かったけど、最近はなんだか丸くなってきてるよね」
仁「全くだよ。でもいいさ。今のヒカルは見ていても明るいしな。なんだか知らないけど目標があるのか楽しそうだし」
ジンが思うならよっぽどなんだなと思う。俺も少し嬉しくなる。
仁「アイツが夏休みの宿題やったなんて今まで聞いた事ないんだぜ」
俺「そうなの?」
仁「うん。どうかしちまったんじゃないのかな。もちろんおまえも終わってるんだろ?」
俺は答えず笑顔だけ返す。丁度ヒカルが戻ってきた。
光「どうした?」
仁「どいつもこいつも宿題終わってのんびりしてるからキレそうだったんだよ」
光「計画性がなきゃダメだろ」
仁「おまえの口から計画性とはな!日焼けしすぎて熱あるんじゃないのか?」
光「なんだよ」
俺「まぁまぁ、仕方ないから少し手伝おうか」
仁「おっ、マジ?」
光「ったく。よく覚えておけよ。高くつくからな」
みんなで手分けをして和気あいあい進めていった。
しばらくして2人を見ると、丁度ヒカルがジンに数学を教えているところの様だ。
仁「なるほど!おまえ頭いいな」
光「見直したろ」
仁「熱病にかかってた方がいいかもな」
ヒカルに頭を度憑かれて痛そうにしてるジンを見て笑ってしまう。
俺『この学校に入ってみんなと出会えて良かったよ。悪戯ばっかりしてるけど人間味があるし、なにより生き生きしてる』
そんな事を考えていた。

夕方まで宿題を手伝い、暗くなる前にヒカルの家に向かった。
俺「ジンは喜んでたみたいだね」
光「そうだな。今度ご馳走してもらおうぜ」
家に着く前に途中で食事をしながら話していた。

ヒカルの家に着いた。遅いお盆休みとかで確かに今日は誰もいないようだ。
ヒカルは風呂を沸かしにいき、俺だけ先に部屋に向かう。
ヒカルの部屋は前に来た時と変わったところがなく、相変わらず綺麗に片づけられている。ここで初めてしたエッチが思い出される。鏡も健在だ。
ヒカルが戻り、いつもの様に挨拶代わりって感じで抱きついてきてそのままベッドに横になった。
俺「学校が始まるとしばらくはこんな感じでゆっくりできないね」
光「そうだな。だから今日はできる事を思い切りしちゃおうぜ」
ニヤニヤ笑って言う。
俺「またなんか考えてるの?」
光「後のお楽しみ〜」
心配になるが、今はしばらくそのまま抱きしめられていると、腹もいっぱいになり徐々に眠くなる。ヒカルもウトウトしてる様だ。ちょっと悪戯したくなり鼻を摘んでみる。
光「う〜ん、早く風呂入ろうぜ」
何とか身体を起こし、すぐに2人で風呂に入ってからそのまま部屋に戻った。
ドリンクを飲み水分補給をする。その間にヒカルは引き出しからなにかを取り出したようだがはっきりとはわからなかった。
光「ちょっとこっちに来いよ」
呼ばれて鏡の前に立つ。
光「風呂の中では黙ってたけど競パン跡がくっきりだな」
確かに目立つ。後ろ向きに身体を写してみると、割れ目ギリギリのところから逆三角形に白くなっていて、確実にエロさを強調している様な感じだ。
向き直りヒカルの背中に手を回した。肩越しに鏡に写った身体を見ながら、俺のケツの肉を掴んで耳元で囁く。
光「イヤらしいよ。入れてくれって挑発してるみたいだな」
そう言って割れ目を指でなぞり穴に触れる。
少し声が漏れたが、その口を塞ぐ様に熱いキスをしてきた。
最初はソフトだったが、舌が入り込んで来た時点から段々と動きが激しくなり乱暴になってくる。
ヒカルの左手は腰で俺を支えているものの、右手は穴を悪戯したりケツの肉を強く鷲掴みにしたり、少しずつSへと豹変していくのが分かる様だ。
熱いキスをしていた口は俺の口から離れ、耳から首筋へといつもの様に動いていく。
俺「はぅ…」
喉仏を噛む様に吸われ、思わず頭を後ろに擡げ吐息を漏らした。それに呼応するかのようにさらに乱暴さを増し攻めてくる。
いきなりベッドに激しくつき倒された。強引に足の間に入りこみ、両手首を掴みがっちり固定し前屈みになると、乳首を大胆に攻め始める。
強く噛んだり激しく吸いまくられ、身体を捩り悶えてしまう。
俺「あぁぁ…ヒカル…や、止めろよ」
光「なに?いつも無駄口ばっかり言いやがる」
以前と同様に強引に口の中にタオルを押し込まれてしまった。
さらに腕も固定され敢えなく降参してしまう。
別に止めて欲しかったわけではなく、あまりにも激しく感じすぎたから言っただけなのにこんな姿にされてしまった。
ただその姿を見て、ヒカルは勝ち誇ったような態度を示していた。
大人しくなったのを確認して再び乳首を攻め始める。俺の身体がヒクっと動くたびにヒカルは喜び、さらに執拗に舐め捲くる。
気づくと、俺の足の間では穴の入り口を探す様にヒカルの固くなったモノが当たっているのがわかる。身体を動かすと微妙に擦れてさらにイヤらしさが増してくる。
ヒカルは徐々に身体の下へと顔を移し俺のモノへと到達した。舌の先で硬さを試す様に表面を弄ぶ。一向に咥えず、ただ舌先で全体に触れるような感じ。わざと焦らされているに違いない。咥えそうで咥えない微妙な刺激がしばらく続き、少しの快感とかなりの物足りなさを植付けられる。
しばらくしてヒカルが俺の顔を見た。
光「なに?もっと激しいのがいいのか?」
俺『…分かっているくせに』
そう思いながらも黙っている。
光「どっちだよ」
いきなり奥まで咥えてきた。思わず腰を浮かせて感じてしまう。
光「咥えて欲しいんだろ?」
仕方なく俺は頷いた。
光「正直に言わなかったからお預けだな」
そう言って俺の頭の下に枕を2つ折りにして入れ、口のタオルを引き抜かれた。新鮮な空気がカラカラの口を通る。
ヒカルは俺の胸に跨いできて、高くなった頭に強引に股間を押し付けて口の中にモノを入れてきた。
光「吐き出すなよ」
乱暴に言って前屈みになり腰を振ってくる。
頭は枕で固定されているから楽なものの、ヒカルのデカいモノが口の奥まで入り込みむせ返りそうになる。それを堪えて口から離れないように唇に力を入れると、それが気持ちいいのか段々腰を振るペースが上がってきた。前屈みから少し身体を起こし、俺の頭を両方から包み激しく動かしてきた。
光「あぁ…ヤバいくらい気持ちいいよ」
まるで人形のようにヒカルのなすがままになっていた。

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さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】...
 長編編集部φ(..)  - 07/6/25(月) 20:17 -
ひとしきり俺の口を使った後ゆっくりと引き抜いた。
光「四つん這いになれよ」
ヒカルに恥ずかしい格好を見られるのはイヤだけど、仕方なく黙って言う事を聞く。ヒカルに向かってケツを向けると、顔が熱くなり枕に顔を埋める。
光「いい眺めだな」
ヒカルはケツを広げ穴の入り口を指先で微妙に触れている。さっきと同様に入れるのか入れないのかはっきりとしないまま焦らされる。
少しして割れ目に舌を這わせてきた。ゆっくりと辿るものの、穴を避けるようにして舌が這っていく。
敏感に感じるところは寸前で避けていく。今日のヒカルはそんな感じで常に精神的な苦痛を与えてくるようだ。苛々してる様子を楽しむ様に焦らしていた。
少ししてようやく穴を舌で攻めてきた。舌の先で穴に突き入れてくる。
俺「あぅ…」
光「気持ちいいのか?」
俺「…うん」
光「どこが?」
俺「…」
光「止めるぜ?言ってみろよ」
そう言いながらまた穴に舌を突き立てる。
俺「…ケツだよ」
光「ケツのどこだよ」
俺「…穴」
光「ここか?」
再度穴の奥に舌を射し込む。
俺「う…うん」
光「そっか」
いきなり指にローションを塗って一気に突き刺してきた。びっくりして腰を引いてしまう。
光「おらっ、勝手に動くなよ!痛くされたいのか?」
俺『今ので充分痛いよ』
そう思っても、その後の仕打ちが怖いから黙っていた。
ヒカルはもう一度ゆっくりと入れてきた。どうやら指2本の様だ。かなりの圧迫感があり、仕方なく奥歯を食いしばり痛さに耐える。
しばらくすると痛さの後に気持ち良さが広がり、我慢していた声もつい出てしまう。
俺「ぐっ…くぁ…はぅ」
指の動きに合わせて声が漏れる。
光「いい声だな。もう入れたくなっちまった」
四つん這いの体勢のまま、指の慣らしもそこそこにゴムをつけ、ローションをたっぷり塗りたくったモノを穴の入口に当ててきた。
今から起こりうる事に少し恐怖を感じてしまう。この体勢ではヒカルの行動が見えないから尚更だ。
意に反してヒカルはゆっくりと入ってきた。少しずつ探る様だ。ヒカルのモノのデカさだとあのくらいの慣らしでは辛い。それをわかっているかの様に、無理をせずゆっくりと奥まで進めていく。
光「入ったぜ。いい締まりだよ」
入った感覚を楽しむ様にしばらく動かずにいた。そして背中から抱きしめると、俺の乳首に触れてきた。
俺「あぁ…」
弱い部分を攻められピクッと反応する。
光「いいぜ。中で締めつけてきやがる」
すべてヒカルの思いのままに操られながらも、それでいて俺はどこか少しずつ感じてしまっていた。
ヒカルは再び身体を起こし腰を掴んでゆっくりと動きだした。感触を確かめる様に少しずつ前後する。
光「すげぇな。暖かいし吸いついてくるみたいだよ」
少しずつペースを早めていく。感じているのかヒカルからも声が漏れ出してきた。
俺もヒカルの動きに合わせ喘ぎ声を出してしまう。
俺「…ヒカル…すごぃ…あぁぁ」
光「俺も…気持ち良すぎて…」
顔は見えないけど、息づかいで感じているのがわかる。
急に動きがかなりの早さになり、腰の振りに合わせ身体がぶつかる乾いた音が部屋中に響きわたる様になる。
光「シュウ…ダメだ…このまま最後までイクぜ」
俺「…うん」
俺の腰をさらに沈めさせて、腰を強く掴んで自分の腰をぶつけてくる。滑らかに動いていた腰も、かなり乱暴な動きに変わっていった。
いきなり後ろからかなりの力で抱きつき、さらに激しく腰を振ってくる。まるで獣の交尾のようだ。
光「あぁ…もっ…もうダメだ…ぃ、イクっ!」
俺の身体に全体重をかけ、ぴったりと密着してきた。俺も支えられなくなり前に崩れる。ピクピクッと身体が痙攣するような感覚が伝わった後、穴の中で出している感覚があった。何度も何度も叫びに合わせ放っているようだ。
光「気持ち良すぎて…こんなに早く…イッちまったよ」
呼吸を荒げながらそう言う。
光「ごめんな。おまえの事も考えないで、あっという間に出しちゃったよ。余裕なかった」
俺「いいよ!でもすごかったね。俺も感じちゃったよ」
光「そうか。じゃ鏡の前に行こうぜ」
呼吸が整ってからヒカルに連れられて行くと、前と同じように鏡に向かい座らされヒカルも同じ様に後ろに座る。そして右手を回して握り一気にシゴきあげてきた。
優しくて大きいヒカルの手だ。
俺『この手の感触だ。すべてを包み込む様にシゴいてくる』
俺はすぐに感じて来てしまう。
俺「ヒカル…俺もうダメ…」
鏡の中の自分を見れず俯いて言う。
光「このままイキな」
そう言って一段と強く握りしめた。左手で俺の頭を右に向けさせキスをしてくる。
俺『…もうイキそう』
そう叫ぼうとしてもヒカルのディープキスで声がかき消されてしまう。顔が固定されてるので、自分がどこへ出してしまうのか確認できないまま、一気に絶頂を迎え放出してしまった。
シゴかれながら身体にかかる感触があちこちに伝わるが、なおもディープキスをし続けている為どこに飛んでいるかわからない。しかもキスに感じ、かなりの量が出ている様だ。
出し終わった後、あまりの脱力感にヒカルの身体に崩れ落ちてしまった。
光「またいっぱい出たなー」
笑いながらヒカルはティッシュで拭き取ってくれている。俺はヒカルに凭れかかりながらジッとその様子を見ているだけだった。
ヒカルとのエッチは段々と激しさを増してる。乱暴さも同様だ。終わるとグッタリしてしまう。
ただこうやってヒカルの身体に凭れかかるのがとても心地良い。相変わらず俺を受け止めていてくれる。
鏡の中のヒカルの顔を見ると、いつのまにかSの顔から優しい顔に戻っていた。
光「シュウのケツ気持ち良すぎ。我慢できなかったよ」
意味もなく俺の髪を引っ張りながらヒカルが話す。
俺「どんな感じなの?」
光「う〜ん、温かいし全体が擦れるって言うか、少し動くだけでヤバいって感じかな」
俺「よくわかんないから俺も経験してみたいな」
光「痛いんだろ?俺は無理だよ」
俺「でも他の人で試すわけにいかないじゃん?」
光「まぁな。…じゃそのうちな」
なんとなく曖昧になる。ヒカルもごまかす様にキスをしてきた。
俺「夏休みの後は修学旅行とか学園祭とかで忙しいんだろね」
光「なんか無意味に忙しいよな」
俺「こうやってゆっくりできないかもね」
光「そんな事ないだろ。会おうと思えばどこでも会えるんだし、学校でもやれるだろ?」
ヒカル的な前向きな考えだ。
俺「学校でなんてできないよ」
光「いいだろ?いきなりやりたくなるかもしれないんだからさ」
俺「一応場所は選ばないとね」
光「つまんねぇの。家でゆっくりがいいんだったら、今からもう一回やろうぜ」
って事で勢いで二回戦が始まっってしまった。
いきなり向かいあってキスを始める。
光「俺の上に座って」
口調は予想外に優しい。別バージョンという事か。ヒカルの伸ばした足の間に座ると、体が密着できるように引き寄せられる。
すでに反応の良い俺のモノは、出したばかりにも関わらずビンビンになっている。ヒカルのモノも反り返っていてピタリとモノ同士が密着していた。
キスをしながら、いつもヒカルが握ってシゴく2本を俺が握ってみた。わざと裏筋が強く擦れるようにゆっくりシゴくと、予想通りヒカルの口から声が漏れだす。
光「ぐぅ…何回やってもすごい感じちまうよ…それ」
俺「どこが?」
光「裏筋全部だよ」
俺「ここ?」
そう言ってヒカルのモノだけを握り、裏筋の部分を親指で強く擦るようにシゴく。
光「あっ、うん…そこだよ」
珍しくヒカルは俺の攻めに感じ、目を瞑って後ろに手を着き気持ち良さげに仰け反るようにしている。
顔を追いかけキスをしながら左手で乳首を攻め右手でシゴくと、さらに甘い声を挙げ出した。
ヒカルはいつもSだが、身体は比較的敏感だと分かる。乳首を刺激すると呻き声が出る。
裏筋はさらに感じる様だ。シゴきに合わせ不規則に声を出している。俺ほどではないものの先走りも出始め、イヤらしい音も聞こえる。
ふとヒカルが目を開けて俺を見た。
光「なんでおまえが攻めてんだよ」
俺「気持ち良さそうだったから」
光「ふざけるな。許さねぇ」
早速いつものS度を発揮する。
俺『たまには面白いかなと思ったのに。まさか豹変する事まで計算してってことはないだろけど…』
ちょっと残念だ。
光「卑猥な白いケツしやがって。見た目が淫乱なら気持ちまで淫乱になったのかよ」
いきなり俺の穴に指を突き立てる。強引で乱暴だ。感じてしまい身体を捩らせると、さらに執拗に追いかけ奥まで突き立ててくる。
光「かなりいい感じになってきたな。自分で入れろよ」
仕方なく言われるがままにゴムとローションをつけてやり、自分からヒカルのモノの上に跨いだ。
光「積極的だな」
そう言いながら入れる瞬間を、直接ではなく鏡を見て楽しんでる。
恥ずかしさに耐えゆっくりと腰を降ろす。自分でヒカルのモノを握りゆっくりと身体を沈めた。
痛みはあったが2度目だったので割合スムーズに入る。ただこの体勢では自分の体重をコントロールできない為に、つい奥まで入ってしまう。
俺「あぁぁぁ…」
光「どうしたんだ?いいから自分で動いてみろよ」
ヒカルの肩に掴まりゆっくり上下していく。
光「おら、もっと奥まで入れろよ」
俺のケツを掴んで下から突き上げる。これが奥の一点を刺激して異様に感じてしまった。
さらに俺のモノにローションをつけ一緒にシゴき始めた。段々と腰も手の動きも早くなっていく。
鏡で接合部がよく見える様にヒカルは身体を少しずらした。じっくりと見ながら満足げな顔をしている。
しばらくはそのまま動いていたが、急に俺を押し倒し正常位で一気に腰を振ってきた。イヤらしい腰の動きにさらなる興奮度が増す。
一緒にシゴかれ俺はすぐに絶頂の寸前までイってしまう。
俺「ヒカル…そろそろヤバいよ」
光「じゃ一緒にイこうぜ」
かなりの勢いでシゴかれ、我慢できずに声を荒げた。
俺「もっ、もうダメだよ。イク!」
一気に自分の腹の上に放ってしまった。2度目にも関わらずかなりの量だ。
ヒカルは手を離し腰の動きを一気に早めた。
光「…俺もイクぜ」
ヒカルも腰を密着させガクっとうな垂れる様に前屈みになり一気にイったようだ。しばらく肩で激しく呼吸をしていた。
俺は下からヒカルは上から、お互いに目を合わせ笑顔になる。
光「風呂に入ろうぜ」
一緒に風呂に入りすぐに出た後、2人でベッドに横になりしばらく過ごした。夏休みの反省会ってトコか。しばらく話すうち、夜遅くになってしまい知らないうちに眠ってしまっていた。

次の日午前中に家に帰る事になる。
光「昨日も言ったけど、学校でも色々楽しもうな」
俺「時と場合に寄るね〜」
光「そんな返事じゃダメだな。分かってるだろ?なにせ俺達には…?」
俺「時間がない!」
今一つ意味は分からないけど、合い言葉みたいになっている。
光「そういう事。時間を無駄にしちゃいけないからさ」
俺「その心がけはいいよね。ダラダラと無駄に過ごすよりはいいかもね」
光「そうだよ。じゃまた学校でな」
俺「うん」
そう言って家の前で別れた。
帰りのバスの中で考える。
『確かにヒカルといつまで仲良くできるか分からない。卒業までか、卒業後か、それより早く終わってしまう事があるのか。不安は多い。だから時間は無駄にできないって事かな…』

そんなこんなでヒカルと知り合って初めての夏休みも終わり、新学期がやってきた。

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さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】...
 長編編集部φ(..)  - 07/6/25(月) 21:28 -
夏休みを過ぎると、見た目がガラっと変わった奴がいたりする。
俺は『色が黒い』『髪が伸びた』と会う奴みんなに言われるから、結構変わった方かもしれない。コウとユタカ、それにカズヤには日焼けの事で驚かれた。
弘「いつのまに?どこかに行った?」
俺「まぁね」
家で焼いたという説明はしたくなかったからお茶を濁す。
豊「でもワイルドさが少し出てきて似合ってんじゃん」
弘「うんうん」
俺「ヒカルがさぁ、焼いた方がいいって言うからさぁ。でも似合ってるって言われて良かったよ」
和「そうかな?俺は前の方が好きだな」
やっぱりこういう事を言うのがカズヤだ。悪気はないはずだけど。でもいつもよりは言い方がキツいか…。
和「シュウは前の方が良かったよ。性格にも合ってたし。それに人に言われてやる事じゃないだろ」
弘「カズヤみたいにスポーツバカだけが日焼けが似合うってわけじゃないんだからいいだろ!」
少し場を和らげる様にコウが言う。チャイムが鳴ったのでそこで話が終わり席に分かれた。
昼にはヒカルが来た。今日は新学期の挨拶周りって感じで、ジン達のクラスに出向きみんなで話して過ごした。
何日か変わらず過ぎ、新学期にも慣れたある日、授業中にも関わらず突然携帯にメールが届いた。見るとカズヤからだ。俺はなぜか急にドキドキし出していた。
真面目なカズヤが授業中にメールを送ってくるなんて、それだけでも少し驚きだ。さらに夏休み中のメールの事も頭を過ぎり余計緊張してしまう。
少し前方に座ってるカズヤを見るが、全く俺を気にせずに授業に集中している様子だ。
『いつの間にメールを打ち込んだんだろ』
そう思いながらも、今すぐ見るべきか後で確認するべきかをしばらく考える。
後で見てもいいけど確認するまでずっと不安なままでは落ち着かない。仕方なく誰にも気づかれないようにメールを確認した。
和『昼に少し話さないか?』
なんの飾りもないストレートな内容だ。
ノートの間に携帯をはさみ、素早く返事を打ち込む。これに対する返事は難しい事ではないから即答できる。
俺『昼休みは無理だよ』
ヒカルが来るかもしれない事を考えれば当然の返事ではある。
送信してカズヤを見る。手がゆっくりと足の間に入る。
『なるほど、太股の間に携帯を挟んでいるのか』
机の下で確認している様だ。読み終わった後、少し頭を挙げて考えている様子。そしてまた下を見て打ち込み始めた。しばらくしてメールが届く。
和『なにか用事があるわけ?』
ヒカルが来るとは言えない。
俺『特別にはないけど、ただなんとなく』
嘘をつくのもイヤだし、かといって理由も見つからないから、そんな返事しか返せなかった。
和『なら決まりだな。場所は俺が決めてもいいか?』
昼休みに会う事にOKしたはずではないのに一方的に決める気でいる。
俺『昼はできるだけ避けて欲しいんだけど』
和『特に用事がないならいいだろ?』
曲げないようだ。仕方ないかと一瞬考える。ただヒカルの事を思い浮かべればやっぱり絶対に避けなければならない。
俺『昼休みはダメ。今日どうしてもって言うなら午後の授業を休んで話す?』
到底カズヤには承諾できない内容だ。ただし昼がダメなら他を考えるしかないから、ちょっと答えにくいだろうなとは思ったし、カズヤからの答えも想像できたがとりあえず送信してみた。きっと答えは『じゃ別の日にしよう』そんなところだろう。
カズヤが机の下で打ち込んでいるのが見える。そして返ってきた。
和『わかったよ。昼休みが終わったら教室にいるから声をかけてくれよ。場所は部室でいいか?その時間なら間違いなく誰も来ないからさ』
驚きの答えが返ってきて、思わず声を上げそうになった。
カズヤが授業をサボるとは思ってもみなかったし簡単にOKしたので慌ててしまった。でもそこまで言うなら話につきあうしかない。日頃俺のいい加減さを批判気味に突っ込む事があるから、逆に突っ込み返す良いネタになるかもしれないとも思える。どんな話になるか不安に思いながらも午後を待つ事にした。
昼休みになって4人で飯を食べ終わった頃にヒカルがやってきた。2人で屋上に行く。
夏の終わりの日差しと風を浴びながらゆっくりと過ごす。
光「近いうち買い物に行かないか?」
俺「なにか欲しいものあるの?」
光「まぁね」
俺「いいよ」
光「じゃ週末くらいな。次体育だから着替えないとならないし今日は早めに戻るよ」
俺にとっても都合がいい。ヒカルと別れ教室に戻った。
教室に戻り見渡すとカズヤと目が合う。それだけで理解した様だ、すぐに立ち上がり外に出てくる。
校舎を通って部室まで歩く事になった。
俺「大丈夫なの?授業サボって」
和「じゃないと話できないだろ?」
俺「カズヤは断るのかと思ったよ。日頃から真面目だしさ」
和「俺ってそう見える?」
俺「見えなくはないね」
軽く笑いながら言う。
和「遠回しだけど正直な答えだな」
カズヤは笑わない。
俺「ホントに大丈夫?」
和「シュウは平気なのか?」
俺「俺は時々サボってるから。知ってたでしょ?」
和「うん。実際には羨ましく思ってた」
俺「羨ましい?」
和「俺にはできない事だからさ。でも今日はいいよ、誘ったの俺だし」
俺『そこまでして何の話をするの?』
そんな事を聞いて、その場の雰囲気を壊すような事はしたくなかったので黙っていた。
体育館の脇を抜けようやく部室まで着いた。
俺「なんか部室って中がどんな風になってるか興味あるね」
率直な気持ちを言ってしまいマズかったかなって思う。
和「そんな大した事ないよ」
入ってみて割合きれいな事に気づく。ラグビー部の部室なんてもっと散らかっていていて男臭い感じなのかと思っていた。
和「部長が汚いとうるさいからさ。いつも1年がきれいにする事になっているんだよ」
俺「ふ〜ん。ラグビー部ってそういうの厳しいの?」
和「そうだよ。まぁ汚さなきゃいいんだし。隣りの野球部なんてすごいんだぜ」
カズヤがちょっと笑った。人前ではニコリともしない時があるが、予想外に間近で見る笑顔は爽やかだ。なんとなくヒカルの最初の頃を思い出す。俺の周りにそう言う奴が集まるのか、俺のタイプがそうなのか少し考えてしまう。
部室の奥にベンチがあったのでそこに座ると、カズヤは向かい側の壁に寄り掛かった。
すぐに授業の始まりを告げるチャイムが聞え出す。
俺「あ〜戻れなくなっちゃったね」
和「構わないさ。今日は俺が話したかったんだし」
俺「そっか。カズヤとゆっくり話せるなんて今までなかったから楽しみだよ」
和「俺はシュウの事を羨ましく思ってたんだよ。だから話してみたかった」
俺「羨ましい?どこが?」
和「う〜ん、そうだな…自由なところとかかな」
俺「あはは、そんなトコか。違うトコなら良かったな」
和「えっ?なんかマズい事言った?」
俺「別に。でも実は俺もカズヤに憧れてた」
和「はぁ?俺には何もないだろ」
俺「そんな事ないよ。勉強はトップクラス、スポーツは万能、それでカッコ良いし言う事ないじゃん」
和「えっ?そんなに誉められた事ないよ」
そう言って苦笑してる。
俺「カズヤは鈍感だから気がつかないんだよ。結構モテるはずだよ」
和「そんな事ないさ。好きな奴がいても度胸ないから話しかける事もあまりできないし」
俺「日頃あまりそういう話に加わらないけど、今好きな奴いないの?」
しばらく考えている風だ。
和「好きな奴はいるかな。ほとんど無視されてるけど」
俺「へぇ〜誰?」
俺『そりゃカズヤだって男だし好きな女の子くらいいるよな』
何気に期待してた部分もあったが少しだけガッカリした。それよりもいつものカズヤと違って照れ臭そうな顔をしてるのが妙にウブな感じに見えて楽しい。
和「言えないよ」
俺「なんでさ!別に話してくれればいいじゃん」
和「好きとかそういう気持ちじゃなくて、まだ一緒にいたいとかって気持ちだけだしな」
俺「つき合いたいとか思わないの?」
和「まだよくわからないな。俺好きな奴を苛めたくなっちゃうっていうか、あまり素直になれないっていうかさ」
俺「あ〜、子供の頃によくあるっていう気持ちかぁ。コクる事はできないの?」
和「無理無理。死んでも無理」
俺「なんで?」
和「なんとなくコクったら一生嫌われそう」
俺「大丈夫だって!カズヤを嫌う奴なんていないよ。もしそうなら俺が面倒見てやるから」
和「マジ?どんな面倒だ?」
そう言って笑っている。やっぱり話し出せば結構会話が繋がるし明るい気持ちになる。
俺「そうだな〜、じゃ抱きしめてやるから胸の中で泣くとかかな」
俺「そんなんじゃつまらないよ」
そう言ってベンチに座ってる俺の横に腰を下ろした。2人だけだとドキドキする距離だ。
カズヤが近くにいるだけで少し緊張してしまう。できるだけ気持ちを悟られないように冷静を保っていた。
俺「まぁ、フラれてもカズヤには次があるはずだから、気にせずにチャレンジしてみれば?」
和「そうかなぁ。どうやったらうまくできるのか教えて欲しいよ。ところでシュウはつき合ってる奴いるの?」
ストレートに聞かれてドキっとする。答えるのに苦労する内容だ。やっぱり素直に答えるしかないか。
俺「好きな人はいるよ。相手も俺の気持ちは分かってる」
言った後にカズヤの顔を見て様子を窺う。カズヤは組んだ足の先をぶらつかせながら、つま先をじっと見てる様だ。
和「そっか。つきあってる奴がいるんだ。どんな奴?」
こっちの方がさらにキツい質問だ。慎重に答えないとならない。
俺「う〜ん、なんか手に負えないところがあるかな。俺が振り回されるっていうかね」
とりあえずは正直に答えてみた。
和「尻に敷かれてるの?」
俺「そういうわけじゃないけど自己主張が強いっていうか、わがままっていうかね」
そう言って苦笑してしまう。
和「でも好きって事なのか?」
俺「うん」
和「相手はシュウの事をどう思ってるの?」
俺「いつも一緒にいるし嫌われてはいないと思うけど、どう思ってるかはわかんないね」
その話を聞いた後、しばらくカズヤはじっと俺の顔を見ていた。さっきまでよりも少しキツい目に見える。『ヤバい』そんな雰囲気がして目を反らしてしまう。
和「もしかして俺の知ってる奴じゃない?」
見透かしたような質問で、なんと返したらいいのか分からない。知らないうちにカズヤのペースに乗せられてつい話してしまっていた。カズヤはすでに察しているのだろうか。
俺「そうだね。知ってるかもね。同じ学校の奴なんだし知ってるのは当たり前だと思うよ」
なんとか平静を装って逃げようと必死になる。
和「そういう事じゃなくて俺がもっと良く知ってる奴じゃないかって事だよ」
俺「それはよく分からないよ」
カズヤは手を緩めない。カズヤの性格はこういうところに出ていて厳しさもあり怖くもある。
和「じゃ俺から名前言ってみようか?それで当たったら答えてくれるだろ?」
俺「イヤだよ。俺ばっか攻められてるみたいじゃん」
笑ってごまかす。
その時遠くでチャイムが鳴った。救いの鐘だ。これでカズヤは諦めて教室に戻ると言うだろう。

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さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】...
 長編編集部φ(..)  - 07/6/25(月) 23:21 -
カズヤもチャイムに戸惑いを見せたようだ。
俺「終わっちゃったね。戻ろうか?」
カズヤは考えている様でじっと一点を見つめている。
和「もう少し話したいし、どうせだからもう1時間休もうよ」
俺「マジ?カズヤ大丈夫なの?」
探られている以上、無理に逃げない方が良いかもしれないと思い、仕方なくつきあう事にした。
和「俺は平気さ。まだしばらくは誰も部室に来ないはずだし」
このまま話すなら、なにか別の話題を考えなきゃならない。
俺「カズヤは進路はどこか決めてるの?」
和「一応Y大(地元の国立大)だよ」
いろんな意味でカズヤらしい選択である。
俺「そっか。カズヤは長男だし家族想いだからね。大学行ってもラグビーやるの?」
和「そのつもりだよ」
俺「それもカズヤらしいね。俺カズヤのラグビーしてるトコとか好きだな」
言った後にマズかったと思う。
和「俺の事が好き?って言うか俺もだよ」
また話を戻してしまった…。しかもさらに踏み込んできている。
俺「憧れだって話したでしょ?カズヤは俺にとってはそういう存在だよ。羨ましいって感じだね」
カズヤはまたしばらく考えている様子だ。そして意を決したように俺に向き直って言った。
和「シュウの好きな奴ってのが俺の考えてる奴で間違いなくても、俺はシュウを嫌う事はないと思うよ」
これを聞いて、俺は完全にカズヤにバレたと思った。それでも否定すべきかどうか迷う。さらにカズヤの言葉が続いた。
和「誰にも言うつもりはないし俺だけの胸に閉まっておくよ。約束する」
俺はヒカルの事を考えてみた。
俺『ダメだ、バレたとしても俺だけの事じゃないしやっぱり否定しなきゃ』
俺「カズヤの考えてるのが誰かわからないけど、多分間違いじゃないかなぁ」
和「そうかな?俺は確信してる」
そう言って俺の左手を握ってきた。
俺はビックリして手を振り解こうとしたが、カズヤの力に敵うはずもなかった。握られたままカズヤの顔を見る。
和「握ってる意味がわかるだろ?俺とシュウで手を握りあうのと同じ意味の事だよ」
その意味を充分理解して、降参したように握られた手の力を抜いた。次にカズヤがなんと言うか、多少の恐怖とともにそれを待っていた。
カズヤはゆっくり話し出す。
和「大丈夫だよ、誰にも話はしないさ。いつからそういう関係になったの?」
俺「2年になってすぐくらいかな」
素直に答えた。
和「そう言えば毎日シュウに会いに来てたもんな。今考えれば不自然だったかもな」
カズヤはそう言って軽く笑った。嫌みのような笑い方ではなかった。
和「シュウもヒカルも普段は全くそんな風に見えないのに、いつのまにそんな風になったんだ?」
俺「…」
ヒカルの名前まで出されてさらに凍りつく。答えたくなかったからというよりも答えられなかったから黙っていた。
和「無理に答えなくていいよ。でも少し俺を信用して欲しいな」
俺「…うん。でもわかるでしょ?普通は知られたくない事だし、ヒカルだってカズヤが知ったらどう思うかわからないから」
和「だから誰にも言わないで黙ってるって。でも少し聞きたい事がある。話せる事だけでいいから答えてくれよ」
俺「…分かった、いいよ。話して」
和「シュウはヒカルの事が好きだろ。ヒカルもシュウの事が好きなんだな?」
俺「そうだね」
和「それで…その…エッチもしてる?」
俺「…」
俺にはいつも無口だったカズヤが、今はかなり多弁な上に大胆な質問をしてくる。
和「まぁ答えは分かったよ。ヒカルの性格からいってしないわけないよな」
俺「…」
和「ヒカルって乱暴っぽく見えるけど何がいいの?」
俺「確かに乱暴なトコもあるけど、ヒカルはああ見えて意外に繊細だと思うよ。相手の気持ちを大事にするし」
和「そうかぁ。そういうのは仲良くならないと分からない事だよな。それでさぁ…やるのは気持ちいいの?」
俺「…まぁね」
和「ヒカル以外の奴とはできない?」
俺「どうかな。あまり考えた事がないから」
動揺してたから忘れていたが、不意にカズヤに手を握られているのを思い出した。握られた手に少し力が入る。
しばらく質問がなかったが、黙っている間にカズヤの手の温もりに緊張して胸の鼓動が高鳴ってしまう。
和「俺もさあ、女が好きだけど、別にシュウと手を握っていてもイヤな気分にはならないよ」
俺「…」
俺『俺もイヤじゃないどころかカズヤの事だって憧れているわけだし…』
そう思っても口にはできない。
和「俺に握られても大丈夫じゃない?」
俺「そうだね」
段々と話の確信に迫っていくような感じだ。
和「それで俺にもヒカルと同じ事ができる?」
カズヤは笑いながら平然と言ってきた。
カズヤの言葉が心の中で響く。本心で言ったのかどうかもよく分からない。ただ握られた手が本心かどうかを判断する材料になっている様な気はした。
ここは冷静に振る舞った方が良い。
俺「アハハ、カズヤらしい冗談だよね」
そういって手を振り解くように離した。
俺「カズヤにはたくさんの女の子がついてるんだし、選ぶ事だってできるじゃん?」
カズヤはじっと話を聞いている。
俺「でも何度も言った様にカズヤに憧れてる気持ちは変わらないよ。俺は今までもそうだったし今からもカズヤの事が好きだから」
ひとしきり考えている様子だったが、ようやくカズヤは話し出した。
和「そっか。シュウらしい答えだな」
カズヤは少し深呼吸したようだ。
和「俺は友達だって思ってるのに、シュウに冷たい態度とっていたよな?どうしてそんな事をしてたのか考えていたんだ。よくは分からないけど、シュウと仲良くしたくてもいつもそばにいないし話すこともできなかったから、段々とイライラが溜まって来ていたのかもしれないんだよ。ちょっと言い訳っぽいけどさ。俺の勝手な気持ちで悪い事をしたと思ってる」
俺の顔を見て少し間をおいた。
俺「大丈夫だよ。気にしてないから」
和「うん。それでお詫びも含めてもっと仲良くしたいって思ったから、夏休みにメールで誘ってみたんだよ」
その時のメールの内容を思い出してみる。何かは分からないがメールでは伝わらない微妙な雰囲気があったはずだ。
和「まぁこうやって仲良くなれたんだし今日は色々話せてよかったと思うよ。これからももっと仲良くして行こうな!」
俺「うん、そうだね。今からは色々行事もあるからクラスにいなきゃならないし、できるだけ一緒にいるようにするからさ」
和「そうだな。今以上に仲良くしたいと思ってるよ」
俺「うん。分かったよ」
そう言って立ち上がった。
俺「そろそろ授業も終わるし部活が始まる時間でしょ?だから先に戻るよ」
できるだけ早く戻った方がいいって思った。カズヤが怖いんじゃなくて、カズヤの話を聞くのが怖かったからだ。
和「そうだな。俺も後で荷物を取りにいくよ」
俺は扉に近づき出ていこうとした。
和「あのさぁ…」
声がして振り返った。
和「ヒカルとの事は絶対に内緒にしておくよ。たださぁ、今日話をしてみて俺も自分のやりたい事に気づいた。今からは好きだっていう気持ちをぶつけていくつもりだから」
俺に向かってカズヤはそう言った。
カズヤと別れて教室に向かうが、授業が終わってない為一旦図書館に避難する。10分くらいじっとしていれば授業も終わるはずだ。
例の中2階の奥まで入っていくが、あの日と同じ様に今日も誰もいない。
ここでのヒカルとの出来事を思い出す。かなり前の出来事の様だ。今ではヒカルと一緒の生活が当たり前の様になっているが、あの日のここからスタートしてる事に改めて感慨に耽る。
あの時に使ったのと同じ椅子に座り、さっきのカズヤの別れ際の言葉をもう一度考えてみた。
『カズヤに手を握られて動揺していた。前からカズヤに抱いていた憧れ。それはあくまで憧れであり、好きになるとかつきあうなんて事は全くの想定外だった。俺に対しての気持ちなのか、俺の気持ちを弄んだのかはよく分からないが、今日のカズヤはすごく積極的だった。それに最後の発言も今後を暗示してるようで気になる』
『ただ、自分にはヒカルがいる。今一番大事なヒカルと離れるなんて事は考えられない』
『カズヤとヒカルはある意味全く対照的だ。似ているのは無口はところくらいか。ただそれも対照的だ。俺の前で明るいヒカルと、俺には冷たかったカズヤ』
『この2人を較べろっていう方が無理だよ。それに人間関係の整理なんてできるわけがない』
チャイムが鳴った。
『とりあえずヒカルのところに一刻も早く行かなきゃ』
急いで教室に戻る。コウにサボった事を突っ込まれたがあまり相手にせず、荷物をまとめてヒカルのところに急いだ。
教室の外に出てきたヒカルと丁度会い、そのまま一緒に帰る事になった。
玄関を出るとすぐにカズヤにバレた事を話した。
つきあってる人がいる事やその相手といつも一緒にいる事を話したらカズヤが察してしまった事などを話した。
ヒカルが怒るんじゃないかと思ったが、意外に冷静だった。
光「いいんじゃね?俺は全然構わないし。カズヤも誰にも言わないって言うなら大丈夫だろ。俺は平気だよ」
俺「ホントごめん」
光「謝る事ないさ。第一嘘じゃないんだし。気にすんなよ」
そう言ってヒカルは笑ってくれた。とりあえずはホッとする。
ただ、手を握られた事や最後の話までは言い出せなかった。
グラウンドの横の道路を歩いていくと、ラグビー部の練習が目に入ってきた。ヒカルも見ている様だ。
その中にカズヤの姿がある。俺達に気づいたようだ。
光「堂々としてろよ」
そう囁き、ヒカルはカズヤに軽く手を振った。カズヤもそれに答えるように手を振り返した。
一瞬、空気が張りつめる様に感じられた。

それからというもの、学校のある間は毎日カズヤと顔を合わせ、会えば明るく話す様になっていった。あれ以来俺とヒカルの事には全く触れてこない。
ただしそれはあくまでも俺に対してだけだ。昼にヒカルが来れば必ず険しい顔を見せる。まぁこれは前からそうだったので、ヒカルにとってそれほど変化があったわけではないし、ヒカル自身も大して気にはしていない様だった。

修学旅行が近づいてきてクラスにいる時間も増えてきた。4人1組の班に分かれる事から、俺達は自然とコウ、ユタカ、カズヤのグループになる。
こうなると決め事はコウとユタカに任せておけば良い。俺とカズヤはただついていくだけって感じだ。口出ししたって何も認められないのは分かっている。部屋も4人部屋なので終始変わり映えのしない修学旅行となるはずだが、俺にとっては他の奴と組まされるよりはよっぽど気が楽で良い。それはカズヤにとっても同じだ。

修学旅行もあと一週間と迫ったある日、いつもの様に昼休みにヒカルが来るのが見えたので、急いで教室から出て廊下で合流した。
最近はヒカルが教室の中まで来ない様に早めに合う様にしていた。カズヤがイヤな顔をするのを見たくなかったからだ。
屋上でのんびりする事になり廊下を歩いていると、いきなり後ろから呼び止められた。カズヤだ。
俺「どうした?」
和「今日はヒカル君に話があって」
俺『えっ?』
俺もヒカルも顔を見合わせ驚く。
和「2人だけで話したいけどいい?すぐ終わるから」
カズヤは俺に向かってそう言った。
俺『俺じゃなくてヒカルと話したいの?』
内心そう思って心配げにヒカルを見た。
光「シュウに用事があるんだけどすぐ終わるのか?」
和「すぐだよ」
光「わかった。じゃ先に行ってろよ」
ヒカルは俺に言って今歩いて来た廊下をカズヤと戻って行く。
2人の背中を見ながら俺は反対側に歩いて行くが、心配になり角を曲がった所で待つことにした。
チラっと様子を窺う。どうやら廊下の反対側のつき当たりで2人で話している様だ。
1〜2分で話が終わった様でヒカルが歩いてくるのが見えた。別に殴り合いになったわけでもないが、何を話したのか心配になる。
ヒカルは俺に気づき足早に向かって来たかと思うと、いきなり俺の腕を掴んで引っ張る様にして歩き出した。
俺「どうしたの?何を話したの?」
何を聞いても黙ったままだ。屋上には向かわず、廊下をまっすぐ進んで実験棟のトイレに入ると、いきなり固く抱きしめ激しくキスをしてきた。

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 長編編集部φ(..)  - 07/6/26(火) 0:46 -
俺は一時我慢していたが苦しさに耐えられなくなり無理矢理ヒカルから離れる様にした。
俺「苦しいよ!どうしたの?」
光「うるせぇよ、じっとしてろよ」
そう言って強引に個室まで連れていかれ、またキツく抱きしめられた。
ヒカルはかなり怖い顔をしていたので、俺も少しの間黙っていた。ヒカルがこうなったのもカズヤとの会話が原因だという事は間違いないはずだ。
俺『カズヤは何をを話したんだろ』
かなり不安に思えた。
しばらくして抱きしめる力が緩んだので少し身体を離しヒカルの顔を見た。目が合いもう一度キスをした。今度は少し優しさが混じっている。
光「おまえは俺の事をどう思ってる?」
俺「大好きだよ。他の誰よりもね」
光「信じていいんだな」
俺「もちろんだよ。カズヤになんか言われたの?」
ヒカルは答えずにただ抱きしめているだけだった。
俺「もう休み時間が終わるから戻ろうよ」
ヒカルも頷き素直に戻る事にした。
ヒカルと別れ教室に戻り、カズヤのところまで行った。
俺「ヒカルに何を話したの?」
和「自分の考えてる事を伝えただけだよ」
俺「だからどんな事を?」
和「別に…なんかあったのか?」
俺「…」
授業が始まったのでそこまでで終わってしまう。
授業中もずっと考えていた。
『カズヤの性格からいって酷い事を話したとも思えない。でもヒカルにとっては気分の良くない事だったのかな…』
『カズヤが誰を好きかってのもまだわからないし、直接聞いたわけでもない。ただ部室での最後の会話が気になる』
『ヒカルもカズヤも内容を話さないのはなぜなんだろ』
考えれば考えるほど不安な気持ちになるだけだ。
授業が終わってからもう一度カズヤに聞いてみた。
俺「なにを話したか教えろってば」
和「だから俺の気持ちを言っただけだよ。ヒカルに聞けば?」
俺「教えてくれなかったよ」
和「ヒカルも話さなかったのか?」
俺「うん」
それを聞いて、カズヤはなんとなく含み笑いをしている。
俺「もういいよ。カズヤが話さないなら俺もカズヤと話をしないから」
ちょっとスネた態度を取ってみせる。
和「そりゃマズいだろ?修学旅行も近いのに話さないなんてさ」
俺「知らないよ」
和「わかったよ。なら土曜日の午後に俺ン家に宿題をしに来れば?その時に教えてやるよ」
俺はしばらく考えていた。
和「内緒って事になってるんだからヒカルには黙って来いよ」
俺「…わかった」
とりあえず話の内容が聞きたかったのでOKした。

土曜日になりカズヤの家にバスで向かう。カズヤとはバス停で待ち合わせって事になっていた。
前日はあまり眠れなかった。ヒカルとメールをした後でずっと考え事をしていたからだ。ヒカルはあれからいつも通り変わりなく接してくれているが、カズヤから何を聞いたのか気になって寝つけなかった。
バスを降りるとカズヤは自転車で迎えに来ていた。家まで並んで歩く事にする。
和「シュウは制服よりも私服の方が断然いいな」
俺「何言ってるんだか。カズヤはジャージが一番似合うね」
和「おい!」
そんな感じの話をしながらカズヤの家に到着した。
和「今日は夜遅くまで誰もいないからゆっくりしていけよ」
カズヤの家で夜遅くまでいるって事は展開としてはあまり良くないと思える。
とりあえずカズヤの部屋でしばらく勉強をする。
部屋にはコミックもたくさんあるが参考書なんかも結構多い。カズヤはいつも試験でトップクラスを維持しているが、日頃は勉強しまくっているという風には見えない。そんなところに憧れの一端がある。きっと家では相当頑張っているのかもしれない。
一通りやり終えたところで一服した。
和「修学旅行の準備した?」
俺「ボチボチだね」
和「シュウと同じ部屋になれたなんて光栄だな。でもヒカルとしばらく離れるのは寂しいだろ?」
もうその話だ…。
俺「離れるって言ってもそれほど遠くに離れるわけじゃないし同じホテルだからいつでも会えるよ」
和「お仲が宜しい様で何よりだな」
ちょっと嫌味っぽく言う。
俺「ヒカルに何を話したの?」
一番聞きたかった内容を俺もストレートに聞いた。
和「大した事なんて話してないって」
俺「でもヒカルは普通じゃなかったみたいだけど」
和「どんな感じだった?」
あの日のトイレでの怖い顔を思い出す。
俺「怒ってるみたいだったかな」
それを聞いて少しだけ笑った。
俺「カズヤは俺とヒカルの中を裂きたいの?」
和「そんな酷い事を考えた事もないよ。だいたいそうしたいならみんなに2人の事を広めたっていいわけだし」
俺「なら何を話したの?」
和「ホント大した事ないよ?そんなに聞きたい?」
俺「聞きたいね」
和「じゃあさぁ、交換条件としてヒカルとやってる事を俺ともしてみる?」
カズヤは笑いながら言った。
俺「なに冗談言ってんだか」
和「本気だとしたら?」
俺はドキッとしてカズヤを見た。今さらながらカズヤの発言に驚いてしまう。
和「俺が冗談なんて言うような奴には見えないだろ?」
俺「そうだね、全然見えない。でも今日は冗談でしょ?」
和「いつもの俺のつもりだけど」
笑顔で答える。
和「どうする?誰もいないんだし何でもできるよ?」
俺『その笑顔ってのが微妙な雰囲気だから本心かどうかわかんないんだよ』
部室の時にしろ今日にしろ、俺が思っている憧れのカズヤの言葉とは思えず、どんな気持ちでいるのか全く掴めない。でもどこか“完璧な本気”とは違うように感じられる。顔つきからだろうか。様子を探る為に思い切って聞いてみる。
俺「カズヤは俺とやりたいの?」
そう言われてカズヤはちょっと考えてる様子だ。
和「どうかな。ただ…ヒカルとシュウが仲がいいって知った時はあまり気分が良くなかったかな。男同士だからって事じゃなくて…今まで自分の中で…なんていうか…曖昧に考えていた事が初めて分かったからかな」
俺「曖昧な事って何?」
和「…詳しくは話したくないよ」
カズヤは少し横を向いて目を反らす。意外に弱気なのかなって一瞬思いさらに攻めてみた。
俺「でも話さないとカズヤの事っていつまで経っても何も分からないからさ。やりたいならやりたいで正面切って言えばいいじゃん?」
急にカズヤは俺の方を真っ直ぐ見た。
和「おまえは相手の気持ちっていうのを考えないのかよ」
カズヤの顔がみるみる険しくなる。
和「なら教えてやるよ。俺はヒカルよりも力は強いと思うしどうなっても知らないからな」
カズヤはいきなり立ち上がって、座っていた俺の上に跨いでのしかかってきた。
そして頭を両手で挟む様にすると、いきなりキスをしてくる。
俺は固まってしまい、されるがままで身動き出来ずにいた。
和「ヒカルにも『したい様ににする』って言っただけさ。あいつも俺には『好きなようにしろ』って怒りもしないで言ってたよ」
投げやりに言い放つ。
俺があまりにも執拗に質問をしたので、カズヤの男としてのプライドを傷つけてしまった様だ。なんとか場を鎮めようとする。
俺「怒らせちゃったんなら謝るよ。でも俺もカズヤの事を好きだし、やるならきちんとした気持ちでやりたいから力づくみたいなのは辞めて欲しいよ」
俺は視線を落としながらそう言う事しかできなかった。
しばらく動きがなかったのでカズヤの様子を窺う様にチラっと見る。
相変わらずキツい目をして睨んでいた。ヒカルと同じ目をしていて思わずドキッとする。
和「そんな泣きそうな顔すんなよ」
俺「ヒカルを裏切りたくないから…」
和「俺を挑発するような事ばっかり言ってるおまえが悪いんだよ」
確かに俺はカズヤの気持ちを考えないまま逆撫でするような事ばかり言っていたかもしれない。だけどこのままでは困る。
俺「ヒカルになにを話したか聞きたかっただけだから」
精一杯逃れようとして言う。
和「違うね。俺に憧れてるとか言って俺を誘ってたんじゃないのか?」
俺「そうじゃないよ…」
和「じゃなんだよ」
俺『誘ってるわけじゃないけど、挑発するような事ばかり言っていたのは事実俺だしカズヤもかなり辛かったはずだ。怒るのも無理ないし相当我慢してるに違いない。カズヤが暴れるのも仕方ない』
そう思っていたが、黙っているだけで言葉を返せなかった。
俺の気持ちを察したのか、カズヤは俺が避けないのを確認する様にゆっくりと顔を近づけてきた。
今度は優しくキスをする。俺は抵抗せず受け入れてしまっていた。ゆっくりと舌が入ってきて俺の舌を探す。ヒカルほど慣れていないが優しく絡らんでくる。永遠に続くんじゃないかと思うくらい長くキスをし続けてきた。
カズヤの唇が一旦離れ下へと向かっていく。首筋を舐められ俺は少し吐息を漏らした。
カズヤの手がシャツのボタンに掛かり外し始める。ぎこちなかったが下まで何とか外し終え脱がされた。上半身裸だ。
恥ずかしさなんてない。あるのはヒカルに対する想いとカズヤに対するお詫びの気持ちだけだ。
カズヤの両手が胸の周りを触っている。触れながらカズヤは俺の顔をじっと見ていたが、しばらくして話しかけてきた。
和「シュウさぁ、俺に気を使ってやってるんだろ?おまえらしいよな」
俺「…」
和「こんなつまらないエッチなんてないよ。愛情が何もない」
俺「…」
和「ヒカルの事を考えているんだろ?そんなにヒカルが好きなのか?」
俺は少し間をあけて頷いた。なんとか声を絞り出す。
俺「…カズヤも大好きだよ。決して冗談じゃなくて本気で。でも今はヒカルとつきあってる。なにも不自由してないし酷い事をされたこともない。それなのに俺からヒカルを裏切った…」
ヒカルへの裏切りの気持ちで張り裂けそうだった。
カズヤはしばらく何かを考えている様だったが、溜息混じりに話した。
和「仕方ないな。わかったからこっちに来いよ」
カズヤは先にベッドに入って俺を呼ぶ。上半身裸でいたしヒカルの事を考えていて頭がイッパイイッパイだったので黙って従った。 
和「俺だっておまえのことは好きだよ。だけど今みたいに気のないエッチだけはしたくない。もっと本気な時にやりたいしな」
そう言ってカズヤは俺の手を握る。うわの空でいた事と今さらって感じだったので特に避けずにいた。
和「ヒカルにこの事を話したら怒るかな。そうなら黙っていればいいだろ?」
俺「そんな事出来ないよ。裏切った気持ちのままでいるなんてできない」
和「じゃ話すしかないか。でもきっとヒカルの事だから暴れるんじゃないか?」
暴れるくらいなら構わない。いくら殴られても良いけど終わりにされる可能性の方が高い。ヒカルは純粋な奴だ。そう考えると余計落ち込む。
カズヤは俺を上から覗き込んできた。
和「少し考えればいいさ。けどなるようにしかならないし、深く考えない方がいいんじゃないの?困ったら俺がいるし」
そう言って俺の腕に触れてくる。ヒカルの大きな手とは違う感触だ。もっと男っぽいザラっとした感覚がある。
俺「カズヤは俺に怒ってないの?」
和「もう散々ヒカルが好きだって聞かされてるし、今さら怒ってもしょうがねぇよ。確かにおまえに色々言われてカッときちゃったけどさ、いつまでも怒ってるのも男らしくないだろ」
カズヤは上から俺を見下ろす様にして身体に触れてきていた。
俺「ごめんね。俺今までカズヤに憧れてたし、カズヤが俺の事を好きになってくれたらいいなって何となく漠然と考えていたんだと思う。でも今はヒカルとも終わりにしたくないんだよ」
和「そっか…仕方ないよな」
それ以上は何も言わず黙っている様だった。
俺もまたしばらく考えていた。
俺『今はヒカルに対しての事を考えて悩んでいる。その事を相談できるのが、俺達のつきあいを知っているカズヤだけだ。ただそのカズヤにも一定の好意を持っていて、相談しようにも詳しく話すことが良いことなのか判別がつかない状態だ』
しばらくしてカズヤが話し掛けてきた。
和「もしヒカルに話すなら一緒にいてやろうか?その方が言いやすいだろ」
俺「言う時は自分で言うよ。俺の責任だし」
和「おまえの責任ってわけでもないんだし。今日は俺が誘ったわけだろ?」
そう言って再度俺の身体に手を置いた。

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さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】...
 長編編集部φ(..)  - 07/6/26(火) 23:20 -
和「それにしてもおまえさぁ結構きれいな身体してるんだな。今まで着替えとかも見た事あったけど気づかなかったよ」
俺「身体はカズヤのほうが圧倒的に上でしょ」
和「そうか?見てみる?」
言うが早いかカズヤはTシャツを脱いで上半身裸になった。いきなりでビックリしてしまう。これほど近くで見る機会は今までなかったが、やはりスポーツで鍛えた逞しい筋肉は、ヒカルとも違う男らしさを感じる。
俺「すごいね。やっぱり憧れる」
和「触ってみれば?」
最初に握っていた手を腹筋の辺りに導いた。ちょっと腹に力を入れた様で、固く割れ目がはっきりとした腹筋が浮かんできた。
俺「自分が情けなくなるよ」
和「そんな事ないさ、おまえだって少しは腹筋ついてるし綺麗だよ。焼けてるけどツルツルしてるしな」
そう言って俺の胸の上に顔を擦り付けてきた。俺もカズヤの頭を抱く様にする。どこか今のカズヤだったらここまでしても構わないという雰囲気になっていた。なんとなく知らずの内にカズヤのペースにハマっていってしまっている。遠回しにされ安心してると、いつのまにか踏み込まれてしまうのだ。
カズヤが身体をずらすと足にカズヤの固いモノが当たるのに気がついた。
俺『カズヤはすでに反応しているんだ』
俺は逃げるように身体を捻ろうとしたが、すでにカズヤに上に乗られていたので思うように身体が動かなかった。
俺『ヤバい、このままだと…』
そう思う気持ちとは裏腹に、俺の身体も反応し出していた。
俺「カズヤ、重いよ」
和「もう少しだけこのままでいさせてくれよ」
そう言って身体を少しずつずらしてくる。
和「肌が擦れるのって気持ちいいんだな。もちろんおまえだからだけど」
俺「カズヤは女の子とエッチとかした事ないの?」
和「えっと…まぁそうだな、ハハッ」
スポーツマンでありイケメンでもあるのに、よっぽどカズヤは奥手なんだ。
ただいつからか俺だけには大胆さを見せている。考えてみると部室で話してから、しかもヒカルと俺の仲に気づいてからではないかと密かに思っていた。
すでに完全に重なり合うようになってしまっている。俺の足の間にカズヤが入る感じだ。多分俺のモノが固くなっている事も気づかれているはずだ。
俺「カズヤ、もう終わりにしよ?」
和「もう少しだけ」
俺「でもヒカルの事もあるし、もう帰らないとならないから」
和「いいよ、泊まっていけば」
俺「そんなわけにはいかないよ。お願いだからさ」
カズヤはゆっくりと身体を上げたので納得したものと思ったが、カズヤの口を突いて出てきた言葉はまったく違っていた。
和「おまえ自分が勃ってるのがわかってんだろ?ヒカル以外でも感じてるって事だろ?俺だって我慢したいけどやっぱり我慢できないよ」
俺は身体を起こそうとしたが、カズヤに両腕を取られ身動きできなくなった。かなりの力だ。
俺「さっきはヒカルの事を一緒に心配してくれただろ?頼むから離せよ」
なんでもいい、言い訳だけして今は離れなければ…。
俺「次ならいつでも良いから今日だけはしたくないよ」
和「ごめんな。我慢できないし、俺は今日だけでいいから」
一向に離そうとせず、両手を捕まれて頭の上で固定された。カズヤの片手でだ。そしてもう片方の手をジーンズとボクサーの中に強引に入れてきた。
俺「やめろよ!」
和「すげぇ濡れてるな。身体は嘘がつけないな」
モノを握られしばらく弄ばれる。ベルトを外され、ファスナーを降ろされた。
俺「カズヤ頼むからやめろよ!最低だよ。いつものカズヤじゃないよ!それが好きだったのに!もう嫌いだよ!」
和「…いつもの俺?」
その言った時にカズヤの力が一瞬抜けたようだったので、腕を振り解き全身の力を込めカズヤを突き飛ばした。
カズヤがベッド脇の本棚にぶつかるのも気にせず急いで離れた。
和「イタっ!おまえやりすぎだよ」
そう言って頭を押さえている。
俺「ごめんね」
とても心から謝っているとは思えないくらい全く感情がない謝り方で言った。
なんとなく気まずい雰囲気が漂い、しばらく無言でいる。
俺『気マズいはずだよ。俺にとってはヒカルへの想いがある。でも確かにカズヤの事も好きだという気持ちを抱いている。ヒカルだけじゃなくカズヤも俺に愛情を持ってくれている様だし、それはすごく嬉しいし俺にとっては有り難い事だ。でも両立なんて無理さ。どちらかを傷つけるだけだ。今だってヒカルを裏切っているしカズヤにも酷いことをしている。それなら今後どうしていけばいい?』
カズヤに向けるよりも、どう整理すればいいのかわからない自分に対して腹が立ってしまう。
カズヤを見ると、俺の様子を窺っていたのか目が合った。
和「嫌いとか俺じゃないとかさぁ、少し言い過ぎだろ?」
俺「だっていつものカズヤじゃないよ。もっと控えめなはずなのに…信じて少し気を許すとすぐに先へ行こうとするんだから」
カズヤは少し間をおいて苦笑気味に笑いながら答えた。
和「そうだな、つい調子に乗っっちゃったかもな。悪かったよ。でも嫌いとか言うなよな」
俺も自分に対しての腹立たしさから、あまりカズヤを責める気にもならない。
それによっぽどの進路変更がない限りカズヤとは3年になっても同じクラスになるはずだ。これから先卒業までずっと仲が悪いままでいるなんて事はできない。
俺「嫌いじゃないよ。俺も言い過ぎたし、俺も悪いから」
和「そっか、良かったよ。これから修学旅行中もずっと話さえできないんじゃ耐えられないからな」
俺「俺もそう思ってるから」
お互いに曖昧に済まそうという雰囲気の中で、なんとなく気持ちも収まってしまう。
時計を見たらもう遅い時間だった。
俺「ヤバっ。そろそろ帰らないと」
和「もう帰るのか。じゃバス停まで送るから」
そう言って慌てて2人でカズヤの家を出た。
時間がなかったので自転車に2人乗りしてバス停まで向かう。
風はもうかなり冷たくなった。夜になれば尚更だ。すれ違う車のヘッドライトがなんとなく暖かそうに見える。
ただ、考えてみれば後ろに乗っている俺よりもカズヤの方が風を受けて寒いに違いない。
俺「寒くない?」
和「平気だよ」
そう言うカズヤの広い背中を見ているとやっぱり頼りがいがある。
和「あのさぁ答えなくてもいいから聞いていてくれよ。ヒカルがいても俺の気持ちはあまり変わらないから」
カズヤは唐突に言った。
顔が見えないのでどういう表情で言っているかが分からないが、“ヒカルがいても”という言葉にカズヤの切なさが込められている様で俺の心に重くのしかかる。
俺「うん」
どっちともつかない言葉で返事だけ返した。
和「やべぇ、バスが来た!」
バス停の少し前でバスが向かってくるのが見えた。カズヤは一段とスピードを上げて自転車を扱ぎなんとか間に合わせる。
俺「ありがと。じゃね、また学校で」
手を振ってバスに駆け込みカズヤと別れた。

家に着くまでのバスの中で考える。
『すごい一日だった…。カズヤの事を思ったりヒカルのことを考えたりして、心が揺れ動いていた。キスをされても避けなかったし身体を重ねても逃げずにいた時が間違いなくあった。俺は良い様にカズヤの気持ちを振り回してしまったと思う。やっぱり一番酷いのは俺か…。バスが着たからウヤムヤになったけど、別れ際の言葉は俺にとって辛いものがある。もちろんカズヤだってもっと辛いかも知れない。今頃家で落ち込んでいるかもな』
そう思いカズヤにメールを入れた。
俺『また遊ぼうね。修学旅行楽しもう』
すぐに返事が返ってきた。
和『おぅ!また月曜に学校で』
返事がきて少し安心した。別の事を考える。
『ヒカルにはなんて説明すればいいか…。ブチギレる顔しか浮かばない。怒って当たり前さ。謝るしかないけどなんて切り出せばいいかわからない』
考えなんてまとまるはずもなく、あっという間に家に着いてしまった。
『とりあえずきちんと話さないと』
今はそう思うしかなかった。

週が明けたが、昼休みはジン達も一緒にいる事が多かったのと修学旅行の準備とで、ヒカルにはカズヤの事を話せないままでいた。
カズヤとはあれ以来何事もなかった様に接している。学校では相変わらず寡黙な感じだった。
結局何も変わらぬまま修学旅行に突入してしまった。
今更ながら場所は京都。まぁ田舎の公立校なら仕方ないところか…。京都は好きだからいいけど。
弘「場所なんてどこでも構わないよ」
コウはそう言っているが、確かにその通りかもしれない。環境さえ変わればそれで良いって感じだ。
3日間のうち2日目と3日目は自由行動だ。
いつものメンバーで無理なく組んで自由時間を楽しむ予定でいた。
最初の夜、夕飯を食べた後に風呂の時間になったが、大浴場に3人を行かせて1人で部屋のシャワーを使う事にした。みんなに日焼け跡を見られたくなかったからだ。
しばらくしてからヒカルに会う約束になっていたが、まだまだ時間があるので、さっさとシャワーを浴び、出てから本を読んで寛いでいた。
そのうちにカズヤだけが戻ってきた。
俺「早かったね」
和「おまえがいないから早く来たんだよ」
俺はカズヤの話は無視してうつ伏せで読んでいた。
和「なんか見られたくないものでもあったのかな〜?」
カズヤはいきなり俺の足の上に馬乗りになって半パンとボクサーをずり降ろした。
俺はびっくりしてカズヤを振り落としボクサーを上げた。
和「へぇ、ヒカルが日焼けしろって言ったのは競パン跡をつける為なのかよ。可愛いケツだったな」
俺「カズヤ、最低!」
和「冗談だよ、怒るなよ」
怒ったわけではないが、カズヤに見られたという事があまり気分の良いものではない。ヒカル絡みの事でカズヤに詮索されるのが嫌だったからだ。
苛つきながら部屋を出て待ち合わせ場所に行くとすでにヒカルは待っていた。
俺「待った?」
光「今来たところだよ。なんかあった?不機嫌そうな顔だぜ?」
俺「別にないよ」
今のカズヤの行いもそうだが、修学旅行に来てまで嫌な気分にさせたくなかったので、カズヤの家であった事を話せないでいた。
しばらく雑談を楽しんだ後、明日また会う約束をして部屋に戻った。
部屋は和室になっていて、すでに4つ布団が敷かれていた。
なぜかどこに誰が寝るかも決まっている。端からユタカ、コウ、俺、カズヤだ。
『なんかヤバ目な順番だ…』
そう思いながらもしばらくみんなで話をして程々の時間に寝る事にする。
最近ゆっくり眠れていない。ただ家と違って場所が変わるとなかなか寝付けないものだ。
消灯の時間が来てすぐに布団に入り、しばらくみんなで雑談していたが、例え修学旅行とはいえいつもと変わらないこのメンバーではそれほど盛り上がる話もない。話の中心になるべき右側のコウからはすでに寝息が聞こえていた。それならば盛り上がらないのも当然だ。
左側に寝返りを打つとカズヤと目があった。
俺「まだ起きてたの?」
和「うん。家でもいつも遅いからこんなに早く眠れないよ」
コウやユタカに聞えないように囁きながらの話となる。
和「今日はヒカルに会ってきたのか?」
俺「うん」
ヒカルのことが気になるのか…。
和「もう話をしたのか?」
俺「何を?」
和「俺の家での事だよ」
俺「まだだよ」
和「言いにくいのか?」
当然言いにくいがあまり気にしていない様に装う。
俺「どうかな。まぁ今はあまり深く考えてないからね」
和「そっか」
しばらくは無言になる。
少ししてカズヤが手を出してきた。
和「握っててくれよ」
俺「ダメ!みんないるんだし」
和「握るくらいいいだろ。それ以上何もしないよ」
相変わらずカズヤとは思えないような発言だが仕方なく握ってやる。どうせ布団も密着しているし見られないはずだ。
満足したのかカズヤは笑みを浮かべそれ以上は何も話さなかった。
俺もそのまま眠りについた。

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さよならの向こう側には【涙の受験編、前編】...
 長編編集部φ(..)  - 07/6/27(水) 0:36 -
次の日から自由行動になり2日間を過ごした。
最後の夜は土産物などを買いに行く為の自由時間があり、ヒカルに誘われて一緒に外に出る事にした。
家族へのお土産と、2人の記念にって事でお揃いのキーホルダーなどを買いホテルに戻る。まだ少し時間があるのでロビーで寛いでいく事になった。
光「学園祭が終わったらさぁ、どこか旅行に行こうぜ」
俺「うん、いいね!」
光「どこがいいかな」
俺「寒くなるし温泉とかは?」
光「そうだな。じゃ考えておこうぜ」
話してからふと考える。
俺『カズヤとの事を話しても一緒に言ってくれるだろうか…』
しばらくヒカルと話しているうちにカズヤ達が帰ってくるのが見えた。
俺達に気づくとカズヤだけが近づいてくる。もちろんヒカルがいる事も分かっているはずだ。
和「どこにいたんだよ、出かける時に探したんだぜ」
俺「ごめんね。先に出ちゃったからさ」
和「2人で出たの?」
ヒカルの方を向いて聞いた。
光「そうだよ。仲良しだからな」
ヒカルは別に嫌味な言い方でもなく普通の顔で返事を返した。
和「そっか。一緒に話に加わっていい?」
光「構わないよ」
カズヤは俺の隣に座る。
俺『なんかイヤな予感がする…。不安になってるのは俺だけだろうか』
和「何話してたの?」
俺「特別な事じゃないよ」
とりあえずそう答えた。
光「今度2人だけで旅行へ行こうって話だよ」
俺はチラっとヒカルの様子を窺ったが特に変わりはない。
俺『俺が特別じゃないと言っているのに、わざとヒカルは旅行の話をした様にも感じる。しかも2人でとはっきりと言った。挑発なのかな…』
和「仲が良いってのはいいよな。2人でなんて羨ましいよ」
カズヤも普通の表情で返す。
和「また2人で日焼けでもしてくるのか?」
俺の方を見て言った。
俺『きっと競パン跡のことを言っているんだ。今度はカズヤの嫌味か…。競パン跡を知っていると主張したんだ…』
俺も冷静な顔をするように心がけてはいたが、内心カズヤを殴ってやりたかった。
光「これからの時期に日焼けはないだろ。温泉だよ」
和「そっか、そうだよな。あんなケツの日焼け跡なんてなかなか人に見せられないもんな?」
俺「カズヤ!」
和「冗談だってば」
俺にそう言った後、ヒカルの方を向いて笑いながら言う。
和「みんなで大浴場に入った時にチラっと見えたからちょっとカラかってみただけだよ」
カズヤはギリギリの線で嘘をついた。
光「可愛いかっただろ?シュウにはあれが似合ってるよ」
ヒカルは平然として言う。これも意識的な発言か、普通に言っただけなのか判断がつかない。
和「シュウの白いだけのケツは見た事がないからどっちがいいかわかんないよ」
そう言って立ち上がった。
和「じゃ俺先に部屋に戻るよ」
光「じゃあな」
カズヤが立ち去るのを見ながら少しだけホッとしたが、恐る恐るヒカルの様子を窺った。
光「アイツさぁ大人しいって聞いてたけど、割り合いそうでもないな。結構自分から話すじゃん」
俺「一度話した事がある人には話しやすいかららしいよ」
光「そうなのかな」
実際にはヒカルの事を話しやすいって思ってたのか、単に挑発してたからなのかは分からない。ヒカルもそれ以上は言わなかったので、ヒカル自身がカズヤに敵対心を抱いていたのかどうかも分からなかった。
光「じゃ俺も戻るよ。また明日メールでもするよ」
俺「わかった」
そう言って別れ、部屋に戻る通路を歩きながら考えていた。
『ヒカルとカズヤがお互いのことをどんな風に思っているのかが全くわからない。ただお互いの悪口だけは聞いたことがない。でもカズヤの家での出来事はさっきの2人の会話で余計話しにくくなってしまった…』
少し途方に暮れながらそう思っっていた。

次の日修学旅行先から戻ってきた。
色々と冷や冷やした事でもあったが、それなりに楽しんだ旅行であったかも知れない。人生の中でそれほど何度もあるものではないし、全体としては心に残る良い思い出になったと思う。

それから11月初旬にある学園祭まで1ヶ月程度しかなく、学校中が慌ただしい雰囲気に包まれる事になった。2年生だけは修学旅行もあった為にさらに忙しい日々となる。
学園祭は3日間に分かれていて、1日目はクラスの催し物中心、二日目は体育祭、3日目は文化祭となっている。
毎年この時期になると準備時間が足りなくなってしまう。学校に遅くまで残っていたり土日返上でクラスの催し物に没頭していても、結局は学園祭ギリギリになってしまうのが常だ。今年も例外に漏れず寸前まで忙しい日々を過ごした。
ヒカルなんかはあまり積極的に参加するっていう感じではないが、それでも何かしら用事があり昼休みさえほとんど会えずにいた。
そんな感じであっという間に学園祭当日を迎えてしまう。
逆に始まってしまえば後は楽しむだけだ。日頃のうっ憤を晴らすように羽目を外す。またそれをしても許されるのが良いところでもあるわけだ。

2日目の体育祭の日の昼休みにヒカルに呼び止められた。
光「午後から何か出る種目あるのか?」
俺「午前中で終わったよ。あとは見てるだけだね」
光「おぅ!ちょうど良かった」
急に耳打ちしてくる。
光「後でやろうぜ」
俺「何を?」
光「何をはねぇだろ。久々なんだから」
俺「マズいよ」
光「構わないさ。グラウンドから一番遠いところのトイレなら誰もこないしいいだろ?」
俺「見つかったらヤバいでしょ。週末とかはどう?」
光「ダメだね、我慢できないから。決まりな!」
確かに修学旅行前からヒカルとはしていない。無理もないところか。
俺「…分かったよ。後で声かけて」
すんなり受け入れてしまった。
光「じゃあな」

昼休みが終わり一旦グラウンドに出たものの、すぐにヒカルが来て目で合図をして通り過ぎていった。俺も黙って少し距離をおきながら後を着いて行く。少ししてヒカルに追いついた。
光「楽しみだな」
俺「うん。でも入れることは出来ないからね」
光「じゃそれは週末にって事でいいよ」
もう次の事まで考えている。
一緒にトイレに入り一番奥の個室まで行った。中に入るといきなりヒカルは抱きしめてくる。
光「マジ久しぶりだな」
きつく抱きしめたられた後、貪る様にキスをして来た。いつものように濃厚なキスで、俺も久々のキスに酔いしれる。
今日はお互いジャージなので脱ぎやすい。ヒカルは我慢できないのか自分でジャージもボクサーも下ろし、俺の頭を掴んで誘導した。
俺もたっぷり唾液を使ってヒカルのモノを咥えたが、相変わらずのデカさに少し閉口した。
光「うぅ…気持ちいいな…もっと奥まで咥えろよ」
頭を掴んでグイグイ奥まで押し込んでくる。できるだけ舌で裏筋をなぞるようにすると、ヒカルも少しずつ腰を動かし声を荒げてくる。
光「あぁぁ…ダメだ…ペース早すぎだよ。ちょ、ちょっと待った」
立ち上がらせ俺のジャージを下ろした。
光「なんだ。同じボクサー履いてんじゃん。あの時に買ったやつだな」
俺の家に来た時のヒカルのプレゼントだ。
すでに先走りでびしょ濡れの亀頭をヒカルは舌で舐め取った。
俺「あぁぁぁ」
声が出ないように耐えていたが、敏感な部分を攻められ思わず腰を引き声を出してしまった。そんな腰を掴まえ逃げない様にして指でケツの穴を弄る。
俺「ヒカル…ダメだよ…俺も我慢できない」
お互い久しぶりの感覚にすぐに感じてしまう。
光「我慢できないか?じゃあれをしようぜ」
ヒカルが一番好きなのは2本一緒に掴んでシゴく事だ。立ち上がり、俺の腰を引き寄せ自分の腰に密着させて擦りつけて来た。
いつもはヒカルが2本掴んでシゴくが、今日は俺が掴んでみた。身長が同じくらいなので立っていても高さがちょうど良い。
余裕が出たヒカルは両手で俺の顔をつかみ俺にキスをしている。
やってみてわかるが俺の手では2本掴むのが大変だ。うまくシゴけず俺はヒカルのモノだけを握って裏筋中心に攻めてやった。
光「うぅん…俺ばっかり攻めんなよ」
結局いつも通りヒカルが2本まとめて握る事になる。
やっぱりこれだ。この大きい手でシゴかれるのが一番感じる。
俺「…やっぱりヒカルの手が一番だね」
光「…裏筋が擦れてすげぇ気持ちいいな…すげぇ…うぅ」
俺「俺も…いぃ…」
ヒカルの手は段々スピードを増していく。立っていられないくらいのどうしようもなく気持ち良い感覚が迫りヒカルに縋りついた。
すると急に手が止まった。
光「やっぱりシュウの口の中でイキたいな。いいか?」
俺は頷いてヒカルのモノを再度口の中に入れた。
頭を掴んで最初からかなりの早さで腰を動かす。イヤらしい腰の振り方だ。
光「あぁぁぁ…ダメ…だ…すぐイキそうだぜ」
一段と腰を使ってくる。
光「シュウ…いっか?…うっ…イクょ…いっ、イクっ」
ヒカルのモノが口の中で一瞬膨らみ、一気に放出してきた。ヒカルも膝が震えている。
喉の奥に精液が貯まっていくのが分かる。久しぶりなのかかなりの量を放出した様だ。
出し終わりヒカルは俺の口から引き抜き、俺はヒカルの出した精液をすべて飲み干した。
ペーパーできれいにしてあげると、ヒカルは俺を立たせ咥えようとした。
俺「俺はヒカルの手がいいから」
光「わかった」
ヒカルは俺を壁の方に向かせ足を開かせる。そして後ろから俺のモノを握りシゴき出した。
左手は上着の中に入り込み乳首を痛いくらい強引に攻める。さらに口で俺の耳を噛む。鏡がないだけで、いつものイヤらしい攻めと同じだ。
ヒカルの大きい手は、あっという間に俺を快感の極限まで持ち上げていった。
俺「ヒカル…もうイクから」
光「いいよ、全部だしちゃいな。見ててやるから」
この言葉もイク瞬間の恒例だ。それを聞いて絶頂に上り詰める。ヒカルの手の強さが一段と強くなった。
俺「イクっ」
壁に向かって激しく跳ばした。何回も出てくるのを自分で見ながらさらにイキ捲る。ヒカルに負けないくらいのスゴい量だ。
光「あいかわらずスゴいな」
俺「ハズいから言わないでよ…」
ヒカルの腕に支えられ、久しぶりの快感を味わった。
しはらくの間後ろから抱きしめられ、モノを出したまま放心状態でいた。
しばらく快感に浸った後、急いでトイレを掃除する。マナーを守る事とバレたらヤバいのできちんと後を残さずに出る事にする。
光「気持ちよかったよな」
俺「ホントだね、よかったよ。でも早く行かなくちゃ」
2人でトイレを出たが、来た時と同じように距離をおいて戻る事にする。グラウンドに出てみんなに合流した。
何事もなかったように人混みに吸収されていく。何とかバレなかった様だ。
ただ1人、カズヤだけが話しかけてきた。
和「どこか行ってた?」
俺「トイレだよ。食べた後だったから急に、ねっ」
和「1人で行けないのか?2人じゃないとダメか?」
カズヤには間違いなく知られていた様だ。
俺「別に…」
特に反論はしない事にする。俺としてはあれ以来カズヤに負い目があり、あまり反論できない気持ちもある。
和「バレないように気をつけろよ」
どういう意味で言ったのかイマイチわからない。
俺『誰にバレないようにって事だろ…』
カズヤもそれ以上は触れてこなかったので結局分からずにいた。

結局学園祭も終わり、落ち着かないまま12月の期末試験へと進み、夏休み後の忙しかった時期も慌ただしく駆け抜けていった。

もう季節は秋から初冬へと移ろうとしている。全体的に緑だった木々も、赤や黄色の時期すら通り過ぎ、今や残す事なく葉を落としてしまい寂しさを醸し出している。
見上げると富士山も知らぬ間に山頂付近にしっかりと雪を残すようになっていた。

振り返ってみるとヒカルとの深まっていく仲、急速に接近したカズヤ、いろんな事があった1年だった。これから新年を迎えるにあたって、これらがどうなっていくのだろうか考えてしまう。
『期待はあるのか?不安の方が大きくはないのか?整理すらつかない状態でいるわけだし、幸せな未来があるなんて自信を持って言えるもんじゃない…。永遠なんてないはずだし、そうなら終着点ではいったいどんな事になっているのだろうか…』
まとまらない気持ちを持ちながらも、年の終わりを半月先に控え、何かもの悲しさのあるこの時期を物思いに耽って過ごしていた。

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