「俺、学校辞める」
「ぇ…いつ?」
「来月にはいなくなるから」
「そか…」
平静を装っていたが、胸の中はモヤモヤしてた。
「何だよ、そんな顔すんなよ」
いつものように頭を撫でてくれた。
啓介とは高1の時に知り合った。
それから一年以上経っての、いきなりの別れの言葉。
「なんで…?」
「ほら。俺、頭ワリィしこんなんじゃん?だから、こんな進学一筋な学校じゃ合わねぇんだよ」
頭悪いなんて嘘だ。
俺より頭イイし。
見た目は茶髪だしアクセサリーたくさん付けてて派手だけど、でも、それが似合う。
俺が普段身に付けてるリングとかネックレスとかも啓介がくれた。
俺がプレゼントしたピアスとリングも、啓介は身に付けてくれてる。
皆、啓介に近寄らないけど、俺は啓介の優しさを知ってる。
何をしても、一番気遣ってくれるのは啓介だ。
たぶん、初めて話した時から、俺は啓介に惹かれていた。
勉強詰めだった所から解放してくれた。
「一緒にいてよ…」
俺は泣いていた。
恥ずかしかったけど、涙は止まらなかった。