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俺がそいつと出会ったのは学校が初めてじゃなかった。
俺は今高1で、高校までは電車を使って通学している。それも40分くらいかかるかなり遠い高校だった。それでも俺の望んでいた高校だったので苦だとは感じなかった。
入学式が済んで四月も迎えて通常授業が始まり、それなりにクラスメイトともうちとけてきた五月ごろ。高校生活始まってまだ一ヶ月しか経っていないのに早くも寝坊をしてしまった。いつもは30分をかけて支度をするところを10分まで短縮させて、駅まで自転車で猛ダッシュ。駅の階段を駆け上がり急いで改札を抜けたおかげでなんとかいつもと同じ電車に間に合うことができた。でも着いた時にはすでに電車が到着していて、俺はとにかくその電車に飛び乗った。余裕があるいつもなら電車の真ん中の車両に乗っていたけど、今日は最後尾の車両だった。飛び乗ったと同時にドアが閉まって、ホントにぎりぎりセーフだった。
電車の中は春の陽気が充満していて、すこしひんやりした空気が心地よかったが、それ以上に朝から運動したことで体が火照って暑かった。額や背中にも汗がびっしょりかいているのがわかって気持ち悪かった。最後尾の車両は案外空いていて通勤のサラリーマンも少なかった(席は空いていないが)。俺は一番空いている車両の中でも真ん中の扉まで移動してそこを陣取ることにした。反対側の窓からは朝日が差し込んでいた。持ってきたタオルで汗を拭きながら、窓の外の風景を眺めることにした。
5駅くらい通り過ぎた頃、俺はふと視線を車内に戻すと、ある一人の人物に目がとまった。車両の前の方の席で、向かい合って四人が座るようになっている席の窓側、ちょうど俺と向かい合うかたちで座っている人物だった。緑のイヤホンをして、窓に寄りかかるかたちで眠っていた。窓からの朝日を受けて色褪せて見えた。なんともおだやかに眠っていて気持ちよさそうだった。俺が注目したのは、その人が俺と同じ学校のものを着ていたからだ。俺はカッターシャツの上から紺のブレザーを着ていたけど、彼はカッターシャツの上から学校指定の白いベストを着ていて、ブレザーは見当たらなかった。
それにしてもきれいな寝顔だった。目鼻立ちが整っていて格好いい顔立ちであることはすぐにわかった。運動部なのか程よく日焼けしていて、今風の黒髪もよく似合っていた。自分のいつも乗っている電車に、自分と同じ学校の人がいることさえ知らなかった。それだけ見てもはたして1年生なのか、それとも先輩なのかわからなかった。それ以来妙に気になって、外の風景を眺めては時々その人を見て、という動作をくり返しているうちに目的の駅に着いた。
扉が開いて乗客が次々と降りていく中、なかなかその人は起きずにそのままの状態で眠り続けていた。このままじゃあ扉が閉まってしまうと思った俺は、意を決してその人に近づき、肩をたたいた。すると目を瞬かせて起きた。奥二重のきれいな目と目線が合った。急に俺はどぎまぎしてしまって言葉をなくした。
「あ、あのう、ここで降りなくて大丈夫ですか?」
一応先輩かもしれないので敬語で話しかけた。するとその人はびっくりした表情を見せて左右を見わたすと駅名を確認し飛び起きた。
「やべっ!」
その一言だけを言うとカバンを担いで俺よりも先にホームに出て行った。俺も続いて電車を降りた。するとそれを見計らったように扉が閉まって電車は行ってしまった。
その人は振り返って俺を見てきた。そして笑顔で言った。
「いやあ、ありがとう。また寝過ごすとこだったよ」
俺はそれを聞くと思わず吹いてしまった。眠っているところを見たときは、物静かなクールな人なのかなと印象を受けたけど、口を開いてみると楽しそうな人だった。
「また、ですか?」
俺はひっかかっていた問いをぶつけた。するとその人は寝起きとは思えないほどの高いテンションで話してくれた。俺たちは学校に向けて歩きだした。
「俺よく寝過ごすんだよなあ。それで一駅二駅先まで行ってしまうんだ」
俺は思わず笑った。
「笑うなよ。でもこれでもまだ遅刻はしてないんだぜ?高校生活始まって一ヶ月足らずで遅刻できるかってーの」
「え、じゃあ君も1年生?」
「そうだよ。君は1年生だよな?学校で何回か見かけた」
俺はそれを聞いて驚いた。
「えっ!俺を知ってたの?・・・ごめん、俺は今日知った」
「まあいいよ。俺、人の顔を覚えるのだけは得意だから」
俺たちは駅を出て学校へ向かう道を進んだ。駅からはそう遠くなくて、10分くらいで着く距離だった。道を歩いていると他に学校へ向かう生徒もちらほら確認できた。
「それにしても、まさか同じ方面だったとはね。俺たちの方面ってかなり少なくねえか?」
「うん、俺もそう思ってた。事実、同じ方面から通う人で会ったのは君だけだからね」
「いつもあの電車に乗ってんの?」
「そうだよ。いつもは中央あたりの車両に乗ってたんだけど・・・その、今日は寝坊してしまって」
俺は思わず頭をかいた。
「なんだよそれ!さっき俺が寝過ごすって言ったとき笑ったろ!おまえも同じことしてんじゃんよ」
「そうだね」
俺は苦笑するしかなかった。
「まあいいや。これで俺は寝過ごすことがなくなったわけだ」
彼はにやにやした笑みをうかべて言った。俺はまさかと思って「それは・・・」と言葉を濁すと、彼は何のためらいもなく言ってのけた。
「えっ?これからはいつも最後尾に乗って駅に着いたら起こしてくれるんでしょ?」
と、なんとも白々しく言ってのけた。
その時、横の彼がいきなり前に吹っ飛んだ。彼の背中に体当たりをした人物がいたのだ。それも二人。
「よお、隼人!おはよう」
その時俺は初めて、その人が『隼人(ハヤト)』って名前だったことを知った。隼人と呼ばれたその人は飛び乗ってきた人物を見ると怒って言った。
「いきなり飛び乗ってくるヤツがあるか!おまえ暑苦しいんだよ。ひっつくな!」
そう怒鳴ってはいるものの、隼人の表情は笑っていた。隼人の友人の一人が言った。
「それより早く行くぞ。今日はな・・・・・・」
「わかった、わかったから俺の首だけを持っていくな!」
隼人は俺に振り返って早口で言った。
「ごめん。また明日な!いや、もしかしたら学校で!じゃ」
そういい残してほぼ連行状態で隼人は連れて行かれた。
俺はその状態を眺めながら、思わず笑ってしまった。隼人には友達がたくさんいるようだった。
長文ですみません。
かなりの長文になると思いますのでご了承ください。
たくさんの人に読んでいただければ嬉しい限りです。
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その日の昼休み。俺が自分の机で家から持ってきた弁当を広げようとしていたときだった。ふと、教室の入り口を見てみると、隼人が立っていて俺を見ていた。そして目が合うと、手でこっちへ来いとうながされた。俺は弁当をそのまま置いて教室を出た。
「どうしたの?」
そう聞くと、隼人は照れ笑いのように頭をかいた。
「いやあ、その、朝は悪かったなと思って」
「なんで?」俺はびっくりした。
「いや、一方的に明日から起こしてくれとか都合のいいこと言ってさ。それに君にとっては初対面だし、第一名前、まだ知らないんだよね・・・だから、名前、聞こうかなって思って」
「え、もしかしてそれだけで来たの?」
俺が驚いた顔で見つめると、隼人はぎこちなくうなずいた。なんて律儀なやつなんだと感動さえ覚えたくらいだった。
「大丈夫だよ、何も気にしてないから。明日からもし寝過ごしそうだったら起こしてあげるよ、隼人くん」
すると今度は隼人のほうが驚いた表情を見せた。
「なんで名前知ってるの?」
「いや、朝きみの友達が言ってたから」
そういうと納得したようだった。
「朝はごめんな。友達に連れ去られたからといって置き去りにしてしまって」
「だから気にしてないって。俺は佐藤 翼(サトウ ツバサ)って言うから・・・一応よろしく」
「一応ってなんだよ。俺は宮崎 隼人(ミヤザキ ハヤト)って言うんでよろしく」
なんか変な感じだった。こういう感じで自己紹介をしたのは初めてだった。案の定、自己紹介を終えた後は変な空気が流れた。
「・・・ほんとにそれだけ?」
俺がそう言うと隼人は素直にうなずいた。
「えっと・・・じゃ、じゃあまた明日ね」
ぎこちなく隼人がそう言った。俺も「あ、ああ」としか言えなかった。
最後は満面の笑みをうかべて、片手を挙げて自分の教室に帰っていった。
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凄く読みやすくて、これからの展開が楽しみです。頑張って下さい(^O^)
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すごく読みやすいし、なんだか純粋な感じでとてもいいです!!更新楽しみにしています
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レスありがとうございます。励みになります。では続きです。
その一件があった翌日、今日は寝坊することなく通常通りに起きて支度をし駅へ向かった。改札を通ってホームに出ると、昨日の隼人のことを思い出した。昨日の昼休みのわかれぎわに見せた爽やかではつらつとした笑顔が忘れられなかった。俺は電車の最後尾が着く場所で待った。
まもなく電車が来て俺は最後尾車両の一番後ろのドアから乗車した。扉が閉まって動き出してから、車両の前の方を見ると、昨日と同じ席に昨日と同じ格好をして隼人が眠っていた。今日も朝から春の陽気で朝日が窓からまぶしく差し、それに照らされた隼人は本当に格好よかった。俺が意識し過ぎなのか、回りの人も隼人を見ているような気がした。
俺は前の方まで進んで、ぐっすり眠っている隼人を起こすのも悪いので、後ろ側に回り込み、隼人の座っている背凭れを背にして立った。右側には扉があって、窓から陽が差してくる。そんな中の風景をしばらく眺めていた。それもちょっとすると見慣れてきたので、俺はカバンの中から小説を取り出すと読み始めた。
なにかに熱中していると時間を過ぎるのも早いもので、まもなく学校の最寄り駅に着こうとしていた。その時、俺のすぐ横で声が聞こえた。
「へぇー、そんな本を読むんだ」
俺が驚いて横を振り向くと、凄く近い距離に隼人の顔があった。隼人は椅子の上に膝立ちして俺の本を眺めていた。
「おどかすなよ・・・ってかマナーがなってないぞ」
「悪い」
自分が悪いと思ったことはすぐに謝る。一見お調子者のようだけど根はしっかりしているいい奴だった。隼人はそう言うと、自分のカバンを持って、横の席に座っているお客さんに「すみません」といいながら出てきた。
「てか乗ってきたなら起こせよなあ」
「え、でもまだ駅についてないし・・・」
すると隼人は大きくため息をついた。
「きみは俺と会話をしたくないわけ?せっかく同じ方面から通っている者同士だというのに」
「いや、そういうわけじゃないんだけど・・・やっぱり寝てる人を起こすのは気が引けるでしょ」
「まあ翼君の言う通りだね。俺こそごめん。あと一駅ってとこで急に睡魔に襲われてさ」
「またまた調子いいこと言っちゃってさ。俺がどこの駅から乗っているのか知らないくせに」
「・・・ばれた?」
「ばればれだよ」
俺はあまりのお調子っぷりについ吹きだしてしまった。
ちょうどその時、目的地に到着して、俺たちは乗客にまぎれながら電車を降りた。駅の中を歩きながら会話する。
「で、どこの駅から乗ってるの?」
「○○駅」
「○○駅なんだ。じゃあ俺はまだ先だな。俺は△△駅からいつも乗ってるんだ」
「どうりで座れるわけだ。△△駅なんかほとんど出発駅に近いじゃん」
隼人はうなずいた。俺の駅から隼人の駅まで結構な距離があって、時間で計算したらさらに30分はかかるんじゃないかという距離だった。電車の出発駅はその駅から2、3駅前なのだ。
駅から出て学校へ続く道を歩いた。
「そう言えば翼はもう部活決まったのか?5月中に入部だぞ」
「うん。俺、中学の時からバスケやってたから高校でもそのまま続けようかなって思ってる。宮崎くんは?」
「『くん』なんて付けなくていいよ。それに隼人でいいぜ。俺も小さい頃からずっと野球してたから、高校でもそのまま続けるつもり」
「そっか。高校球児だね」
「そうだな」
会話がひと段落着いたとき、まるでそこを狙ったかのように、隼人が前に吹っ飛んだ。隼人は背中に飛び乗ってきた人物を見るや否や呆れて天を仰いでいた。まるでデジャブだった。
「――だーかーらー、いきなり後ろから飛び乗ってくる奴がどこにいんだよ!」
「ここに居まーす」隼人の友人が答えた。
「ったくめんどくせぇ奴らだなあおい、首をしめるな暑苦しいだろ!」
「んなことより早く学校行こうぜ!」
「行かねえよ!俺はこの子と静かな朝から一日を迎えようとしてんだ。邪魔するな」
隼人がそういうと、友人の二人は同時に俺の方を向いた。若干睨んでいるようにも見え、俺は小さくなって「どうも」とあいさつをした。すると、向こうも、一人は「どうも」と、もう一人は「おはようっす!」と、あいさつをしてくれた。そして隼人に回していた腕を解くと、「わかったよ。先に行ってるからすぐ来いよ」と二人で先に行ってしまった。
とり残された俺たちの空間には異様に静けさがただよった。
「ったく落ち着きのない奴らだな、翼もそう思うだろ」
「・・・まあね。隼人も含めて」
そう言うと俺は隼人を通り過ぎて歩きだした。
「おいおいそれは酷いんじゃあないかい、翼君。俺のようにゆったりとした心の広ーい人間はそうそう居るもんじゃないよ?」
やはりお調子者に変わりはなかった。すぐに演技っぽく大きなことを言う。でもそれが彼の魅力でもあるらしく、それに飲み込まれた俺は、つい笑ってしまう。
「それよりいいの?先に行かしてしまって」
「ああ、あいつらはいいんだよ。それに朝は静かに過ごしたいってのもまんざら嘘ではないし」
「俺といたら静かなの?」
「あの連中と比べたらね。翼の周りにはゆったりした時間が流れてる感じがするから」
そういわれて、それはそっちの方じゃないか、とふと思った。電車で眠っているときの隼人は時間が止まっているように安らかな寝顔だった。
その後も真面目な話と冗談を織り交ぜた話をしながら学校に向かった。
こうしたことがきっかけで、俺は隼人との仲を深めていった。その次の日からは寝ているときもあったけど、起きているときもあって、そんな時は終始会話をしていた。隼人は俺の駅に着くといつも席から立って、他のお客さんに譲っていた。俺が何度もいいよと言っているのに、「翼一人を立たせておくのは俺の気が退けるから」といつも立ってくれるのだ。
話題の豊富な隼人はいつも話をふってくれて、会話が途切れることはなかった。そんなことをしているうちに俺たちは二人とも部活に入り、さらに話題の幅は広がった。いつしか俺の隼人に対する遠慮なんかもなくなって好きに話せるようになっていたのだ。
そんな、朝いつも隼人と登校する習慣ができて一ヶ月が過ぎたころだった。俺は隼人が実はすごい人物だったことを、本人ではない、別の人から聞いたのだ。
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これって、だいぶ前に「とよひこ」書いてた方の新作でしょうか?
作風が似てるんで…違ってたらすみません。
続き楽しみにしてます☆
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<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; GTB6.4; .NET CLR 1.1.4322) @33.216.0.110.ap.yournet.ne.jp>
隼人と登校し始めて一ヶ月、だいぶ親しくなって、初対面の頃には隠していた性格の部分もある程度把握した。お互いどういう性格をしているのか、まだまだ浅いけどわかったつもりでいる。隼人はというと、相変わらず冗談と真面目が入り乱れて会話するお調子者でテンションも毎日高かった。その陽性で明るい性格はいろんな人に認められている。というのも、隼人と登校するようになって学校でも隼人をよく見かけるようになったのだが、その交友関係の広さに驚かされる。見る時見る時ちがう人と会話をし、相手と一緒に笑っていた。もしかして俺の知らないところで人気者なのかもしれなかった。
一方の俺はというと、親しくなれば親しくなるほど、負の一面が顔をのぞかせる。俺は自分で言うのもなんだけど、隼人ほどできた人間じゃない。苦手な人はいっぱいいて自分から壁をつくってしまうタイプだし、すぐに怒ったりすねたり感情の起伏が激しいし、それに何と言ってもわがままなのだ。この『わがまま』がくせもので、最近、隼人との会話でも顔をのぞかせるようになっていた。自分でもいけない・・・特に目の前に完璧な人が居たら尚更思うんだけど、なかなかなおせないでいるのが現状だった。
そんなあるとき、隼人が昼休みに俺に会いに来た。まもなく午後の授業が始まる時間帯だった。1年2組(俺の教室)の扉の前で俺の名前を呼ぶもんだから、教室にいたほとんどの人が隼人に視線を向けた後、俺にそそいできた。俺は急に恥ずかしくなってすたすたと教室を出た。
「どうかした?」
隼人の教室訪問はこれが二回目だった。一回目はもちろん変てこな自己紹介をしたときだ。だからかなり珍しかった。
隼人はもうしわけなさそうに頭をかいて口を開いた。
「あのさ、今日数学の授業ある?あったら教科書を貸してほしいんだけど・・・」
「なんだそんなことか。いいよ、ちょっと待ってて」
俺のクラスは今日の1時間目が数学だったから教科書は持ってきていた。自分の席に取りに帰って教科書を探していると、なんか視線を感じてあたりを見回してみる。すると気のせいか、クラスの全員が俺を見ているような気がした。俺と目が合ったらぱっとそらして自分たちの話題に戻っていった。俺は首をかしげて教科書を持って教室を出た。
「はいよ。あんま忘れんなよ」
「悪い。ありがとな。次の休み時間返しにくるから」
「おう」
そう言うと隼人は自分の教室に戻っていった。
俺が席に着いて次の時間の準備をしていると、クラスメイトの一人が俺の前の席に、後ろ向きに座ってきた。
「ねえ、さっきの宮崎隼人だよね?友達?」
「え?ああ、そうだけど・・・友達なのかな、最近一緒に登校してる」
「まじで!どうやって友達になれたの!?」
クラスメイトの吉田は、目を輝かせて興奮したような感じだった。俺はいぶかって答えた。
「どうやってって・・・普通に会話してだよ」
「普通に話しかけたら友達になってくれるかな?」
俺には言っている意味がわからなくて、「はぁ?」と声が出そうだった。なんとかそれは堪えて言った。
「友達になってくれるんじゃないの?だれに対しても愛想よく対応してくれるよ」
「そっか、じゃあ今度話しかけてみるわ!」
そう言って席を立とうとするからすぐに呼び止めた。
「ちょっと、あの、宮崎がどうかしたの?」
俺がそういうと、吉田は驚いた表情を見せた。
「おまえ、もしかして知らないの?」
俺の顔は更に困惑した。それを見た吉田はもう一度座りなおして話してくれた。
「宮崎隼人って言ったら野球で有名なんだぜ?小さいときから野球のチームに所属していて、中学のときなんかは将来有能な野球選手だってずっと騒がれていたんだぞ?それも知らないの?」
俺は全然知らなかった。なぜなら野球に一切興味がなくて、基本のルールすら危うい状態だった。その後も吉田は『宮崎隼人』に関して、守備がどうだの打率がどうだの熱弁していたが、興味のない自分にとってはどこがどうすごくてどうだったのかがわからなくて、ほとんど忘れてしまった。
そして午後の授業のチャイムが鳴って、授業が始まったけれど、吉田が話してくれたことが気になって授業に集中できなかった。
しかし俺が隼人と知り合いだって知ったときのみんなの顔、ちょっと驚いたような凄い!といったような顔を思い出せば、彼がどのくらい凄い人物なのか想像できそうだった。中学の時からそんなに騒がれる人物なんているんだと、なんだか他人事のようだった。
その授業後、隼人が教科書を返しにきた。俺はさっきのことが頭から離れなくてじっと隼人の顔を見ていた。すると隼人はたじろいでいった。
「な、なんだよ」
俺はふっと我に返って、「いや、べつに」と軽く受け流してそのときはわかれた。さっきのことを聞くにはあまりにも休憩時間が短すぎたからだ。また明日の登校中に聞けばいいや、と思ってそこでは聞かなかった。
そして次の日の朝、いつものように隼人がすでに乗っていてすでに立っていた。
俺はドアを背凭れにして立って隼人と会話した。最初はいつものように他愛無い話で盛り上がった。こんなお調子者の隼人が、誰もが羨む有名人だとは到底思えなかった。そして、会話に一度区切りがついたところで聞いてみた。
「ねえ、隼人って有名人なの?」
「なんだよ、いきなり。有名人がこんな辺鄙なところにいると思うか?」
「野球で有名なんじゃないの?」
そう言うと、隼人は一瞬息を詰めたようだった。
「・・・もしかして、聞いちゃった?」
俺がうなずくと隼人はため息をついた。
「まあ、小さい頃からやってたからね。普通に部活とかでやってる人たちに比べればちょっと上手いってことだよ」
「でも中学のときは騒がれてたって」
「おおげさだなあ、そんなことないない」
「・・・ほんとに?」
俺が強い目で隼人を見つめると、隼人はちょっと泳いだ目で言った。
「・・・若干」
やはり昨日吉田が言っていた『宮崎隼人』とここにいる宮崎隼人は同一人物なのだ。そうなれば聞きたいことが山ほどある。
「なんで今まで言ってくれなかったの?最高の話題じゃん!」
「だって翼野球に興味ないんでしょ?だから話しても仕方ないと思って」
俺はそれを聞いてカチンときた。隼人がそういう意味で言ったんじゃないとは思うけど、それでもその言葉は聞き捨てならなかった。
「それ、どういう意味?つまり俺とは野球の話ができないってこと?」
「いや、そういう意味じゃないんだけどさ・・・・・・」
「つまり何?俺用に話を合わせていたわけ?本当は野球の話がしたいのにこいつに話しても仕方ないからわざと会話を合わせていたわけでしょ?」
「いや、だからそういうことじゃなくて・・・・・・」
俺は隼人の言葉をさえぎって言い募った。
「合わない会話だったらそう言ってくれればわざわざ義務的に毎日一緒に登校することないじゃんか!そんなのは最初に・・・・・・」
その時、慌てた隼人は俺の口を手で押さえた。そして隼人は周囲の人にぺこぺこと謝っていた。見れば乗客のほとんどがこっちを向いていた。
「いいか、手どけるけど話さないでくれよ?とにかく聞いてくれ、とにかく」
隼人はそっと俺の口を塞いでいた手をどけた。
「まず始めに今まで翼くんとの会話を楽しんでなかったと思うか?笑ったのも熱中して話したのも全部ウソだと思うのか?全部ホントで本気で楽しかったんだ。野球のことを伏せていたのはごめん、謝るよ。でも逆に翼くんが野球に興味がないことは俺にとっても好都合だったんだよ。ほら、野球以外にも話したい話題なんていくらでもあるじゃん。だから野球の話は野球が好きな者同士話せば済むわけで、それ以外のことを翼くんとは話したかったんだよ。べつに深い意味はないんだ。勘違いさせることを言ってごめん」
ここまで説得されると、何もないことで怒った自分が馬鹿みたいに思える。急にいたたまれない気持ちになった。
「・・・わかってくれた?」
俺はぎこちなくうなずいた。
「最初からそんな意味で言ったんじゃないなとは頭のどこかでわかってたんだ。でも、なんでだろう・・・俺ってひねくれ者だよな・・・すっげータチ悪い」
俺ってつくづく行動した後に後悔する性格なんだなって、性格の良い隼人を前にして思った。
「そんなことないよ。俺の方こそ不安が残るようなこと言ってごめん」
この潔く謝れる性格もまた、俺を落胆させる原因になっているとは、隼人は知る由もないだろうなと思った。
そうしているうちに電車は学校の最寄り駅に到着し、俺たちは降りた。隼人が空気を一新しようと口を開いた。
「それにしても慌てたよ。いきなり絶交とか言われたらどうしようかと思った」
隼人は額の汗をぬぐう素振りをして見せた。
「・・・ごめん」
「もういって。さ、行こうぜ」
駅を出て学校へ行く道中、すこし気を取り直した俺は隼人に言った。
「別に野球の話をする人たちともそれ以外の話をするでしょ?」
「うん。するよ。でもいつのまにか野球に戻っちゃってるんだよね。それに俺に興味をもって来てくれるのはほとんど野球に興味のある人ばっかだからね。だから翼みたいに野球以外オンリーの会話であそこまで話せるのって今までなかったよ」
「でも俺みたいに野球に興味のない人がなにも知らずに隼人に話しかけてきたこともあるでしょ?」
「うーん・・・あるけどさぁ、やっぱり学校では野球仲間と四六時中一緒になってしまうから、友達になれたとしてもやっぱ入りにくいんだろうな。普通に会話をすることはあっても、詰め入った話しまではなかなかね」
そういい終えた後、いきなりひらめいたとばかりにテンション高めに続けた。
「だから翼との朝の通学の時間は貴重なんじゃないか!一緒の方面に野球に関する奴は誰一人としていなくて野球以外の会話を楽しめる。ずっと前にここ歩いてるときに飛び乗ってきた奴がいるだろ?あいつらも野球部に入って今一緒に頑張ってるんだけど、あいつらとは学校に着いたらほとんど一緒にいるようなもんだから別にいいんだよ。だからあのときは追い払ったわけ。オッケー?」
「なるほどね。オッケーです」
俺がそういうと、隼人は屈託ない笑顔を見せた。
「よかった理解してもらえて。これからも頼むぜ、翼くん」
すぐに調子に乗るのも健在だった。
俺たちは校門を通過して学校へ入っていった。
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文章もお話しもテンポよく、面白くて一話毎、楽しませてもらってます。更新大変ですが、頑張って下さい!
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文書くのうまいですね!
続き気になるんでがんばってください!
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まるで映画を見ているような感覚です。
こんなに気持ちの良い話は久しぶりです。
春風に吹かれてるみたいな・・・
清清しい感じです。
続き、楽しみにしています☆
ご自分のペースで、頑張ってくださいv
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.0; ja; rv:1.9.0.19) Gecko/2010031422 Firefox/3.0.19 ( .NET CLR 3.5.30729) @eM60-254-209-99.emobile.ad.jp>
よんでてあまり返信はしないようにしてるんですが
これはホントに楽しくて
ついしちゃいました
新高校生の初々しさと
うまい文章が清々しくて
もう終わり?って感じで
ここまで読ませて頂きました
とりあえず春風にあたってるような気持ち良さを感じながら
書いてます
まだ学生かな?学校はじまって
更新大変だと思いますが
楽しみに待ってます
部活に恋に忙しいでしょうが
頑張ってくださいね
長文もいい利点だと思いますし
頑張れ翼くん!!(笑
<DoCoMo/2.0 N906i(c100;TB;W30H20;ser359941013358819;icc8981100010505765769F) @proxyc126.docomo.ne.jp>
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是非続きが読みたいです!ゆっくりで良いから書いてね☆
<KDDI-SN3G UP.Browser/6.2.0.14.1.2 (GUI) MMP/2.0 @05004011973506_vq.ezweb.ne.jp>
皆さんレスほんとありがとうございます。温かいレスばかりでほんと励みになります。では雑談もなんなんで、続きです。
宮崎隼人が野球で有名人だったということを知って、前にも増して隼人を意識するようになった。隼人は他の人とはどういうふうに接しているんだろうとか、友達ってどんな人がいるんだろうとか。思ってみれば俺は学校での隼人をまるで知らなかった。俺は1年2組で、隼人は4組だったから尚更会わなかったし、知る由もなかったのだ。でも、教室移動やなんだかんだで見かける隼人の周りにはいつも違う友達がいて(女子も含めて)、楽しそうに会話をしていた。そのはつらつとした笑顔を見るとなんだかこっちまで嬉しくなって笑ってしまうような心地になる。あとは隼人ネタにも敏感になった。特にクラスメイトの女子が休憩時間とかで騒いでいるのだが、4組にいる彼女達の友達が隼人とこんな会話をしただの、手が触れただの小さいことで騒いで、いかに隼人が憧れの的なのかがよくわかった。俺はそんなことを耳にすると、憧れる前に話してみればいいのに、と他愛もなく思った。でも回りがこんなに隼人に対して一目置いているのに、そんな隼人に対してなんの心構えもなく気軽に話せる俺は、ほんの少しだけ優越感に浸れた。
学校には第一体育館と第二体育館がある。バスケ部は第二体育館でいつも練習を行っている。体育館は熱がこもるから、体育館入り口とはまた別にある四方の扉を開け放って空気を入れ替えている。その、グラウンド側に面した扉に立つと、野球部の練習風景がよく見えた。部活が始まって2、30分はいつもキャッチボールをしている。ユニフォームの紺の帽子をかぶらず、ウォーミングアップの手軽さがよくわかった。この学校の野球部は、頭を丸めろとかの規則はないらしく、髪がある(長いは少々言いすぎ)部員がちらほらといた。でも坊主頭の部員の方がやはり多かった。隼人はというと、平均的な髪の長さで、いつもワックスで髪を右から左へ流していてよくきまっていた。隼人には無造作ヘアがよく似合っている。そうこうしているうちにウォーミングアップは終了し、散り散りにキャッチボールをしていた部員がホームベースに走って集まっていった。・・・・・・というところでバスケ部の練習も始まり、そこまでしか見られなかった。でもちょっとした休憩の合間に外を見てみると、仲間と笑い合っている隼人を確認できた。隼人にはよく笑顔が似合う。そして野球のユニフォームもさまになっていた。なるほど、野球部員の中でも隼人は浮いた存在だった。野球部員は見るところごつごつした感じで、頭も大きく屈強な感じだったが、隼人はすらっと背も高くて必要な筋肉以外ついていない感じがした。そりゃああんな中で格好よくて、なおかつ野球の腕もトップだったらモテるわけだ。聞いた話だと、早くも女子の中でファンクラブができているそうだ。あくまでもウワサだが。
そんな、なんとなく隼人を意識して見るようになって数日が過ぎたある部活終わりの事だった。
その日の部活はいつもより遅くなって8時半にようやく終わった。いつもなら7時45分とか、8時丁度に終わるのだが、それよりも30分も多く練習をしたのだ。部員と一緒に更衣室に入って制服に着替えた。すると一人の先輩が言った。
「今日の掃除当番だれだっけ?」
すると、同級生の木村が言った。
「あ、はい!今日は俺と佐藤です」
そう言われて俺は始めて今日が掃除当番だということに気づかされた。俺の肩をぽんとたたいて先輩達が更衣室を後にする。
「よろしく頼んだぞ」「は、はい!」
そう言って続々と同級生も帰っていった。残されたのは俺と木村だけだった。木村は心配そうな目で俺を見つめた。
「佐藤、大丈夫か?今日は俺も手伝おうか?」
「いや、いいよ。前は木村が一人でやってくれたんだし」
「でも今日はいつもより遅くなったろ?」
「大丈夫だって。木村も疲れたろ?先に帰って休め」
「・・・・・・そっか、サンキュな。じゃあ、また明日」
俺は手を振って木村を帰した。
どういうわけかというと、1年生の間は二人一組でペアをつくって、毎日交代交代で部室と体育館に散らばったボールの後片付けをしなくてはならない決まりになっているのだ。そして今日が俺と木村が清掃当番の日だった。
それだけだったらまだいいのだが、さらに俺と木村との間で約束を作ったのだ。その約束というのが、当番が回ってきたら一人で片付けるようにして、俺たちの間でもさらに交代交代にしようというものだった。つまり、前の時は木村が一人で片付けたので、今回は俺一人で片付けるということだ。
思わずため息がもれた。でも途方にくれても始まらないので、手始めに更衣室の中を整理した。体操服をそのままに脱ぎっぱなしにして帰った人もいるので、それをたたんでそれぞれのロッカーにしまったり、ゴミがあったりするのでそれを拾ってゴミ箱へ入れたり、きれいになったところで床を掃除して、汚いところは雑巾で拭いてと、作業は以外に多い。全部片付いてきれいになったころにはほぼ九時近くだった。最後にゴミ箱のゴミ袋を代えて、ゴミの詰まったゴミ袋を持ったまま更衣室を出て鍵をかけた。あとは体育館に散らばったボールを片付けて、開け放たれたままの扉を閉めると作業はすべて終了となる。まずは扉を閉めて、3枚目の扉、グラウンド側の扉を閉めようとしたとき、グラウンドにまだ3人の人が立っているのが見えた。体育館の明かりがグラウンドにまでもれて、だれだかはっきりとわかった。二人は俺の知らない野球部員だったけど、もう一人は隼人だった。扉の前に立った俺の影が長く伸びて、光の変化に気づいた隼人がこっちを向いた。俺は手を振ったけど、隼人からは逆光で俺が黒い影として見えたのだろう、いぶかってだいぶ経ってから俺だと気づいてくれて、手を振ってくれた。隼人たち三人はグラウンドの後片付けをしているようで、散らばったボールを手分けして拾っていた。どこの部も1年生がやることはだいたい同じなんだなと思った。
とその時、体育館の正面入り口から声が聞こえた。
「おい!まだやってるのか!」
俺は驚いて振り向くと、そこに顧問の先生が立っていた。
「さっさと片付けろ!体育館が閉められないじゃないか!」
「は、はい!」
俺は慌てて扉を閉めた。続けて四枚目の扉も閉める。ボールを片付けていたら先生が話しかけてきた。
「おい、佐藤と一緒に片付ける奴は?」
「今日はいろいろあって・・・・・・俺一人っす」
先生もボール拾いを手伝ってくれた。
「一人?・・・・・・佐藤、おまえ、もしかしていじめられてるのか?」
「そうなんです・・・・・・ってそんなわけないでしょ!」
先生はにやりと笑った。
「出たな、ノリつっこみ」
「先生がさせるんでしょ!!」
なんて先生と冗談を言いながらボールを片付け、用具室にしまった。そして先生に部室の鍵を返した。
「おう、確かに預かった。あとゴミだけゴミ捨て場まで持っていてくれよ」
「はい」
「もう9時半近い。早く帰るんだぞ」
「はーい。お疲れ様でした」
こうして掃除を終えて、俺はカバンとゴミ袋を持って外に出た。
第二体育館と校舎は縦に並んでいる。ゴミ捨て場は校舎の更に奥にあった。その隣は広いグラウンドで、体育館側が野球部の練習場所、校舎側がサッカー部の練習場所とわかれていた。ゴミ捨て場まではグラウンドと校舎との間の道を通る。俺がその道に立ったときには野球部のグラウンドはきれいに整備されていて、もうだれもいなかった。隼人はもう帰ったのかな、と若干落ち込んでしまった。とにかくゴミをゴミ捨て場に置いて、自分も帰ろうと思った。
しかしこんなに遅くまで学校に残ったのは初めてだった。普通こんなに遅くまで学校には残れない。その証拠に辺りは静まり返っていて、人一人としていないようだった。
校舎の途切れが見えた頃、突然話し声が聞こえてきた。その声は聞き覚えのある声だった。
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「・・・・・・だから今すぐ帰るってば。・・・だから何度も言ってるだろ、今まで部活だったんだ」
校舎の端から顔を出すと、ゴミ捨て場の手前にある裏庭に、こちらに背を向けて立っている人物がいた。その人は片手に携帯電話を持って、電話の向こうの人物となにやら会話しているようだった。そのうしろ姿と声ですぐにその人物が隼人だとわかった。しかしその声に力はなく、疲れた感じを全面に押し出している彼の声を聞くのは初めてだった。すぐに他人には見せない隼人の顔だと気づくと、聞いてはいけない会話だと思った。その間にも話は続いていた。
「・・・・・・浮気?そんなわけないだろ、さっきから何度もいってんじゃん部活だったんだ!・・・・・・うんそうだよ。今までずっと。・・・・・・今から帰るとだいたい1時くらいだと思う」
内容を聞いてますます聞いてはいけない内容だと思った。それと同時に隼人の言葉にひっかかった。『今から帰ると1時くらいって、隼人って3時間半くらいもかかるそんな遠くから来ていたっけ。俺でも一時間か一時間半くらいあれば充分家にまで帰れるのに』
以前隼人の最寄り駅を聞いたことがあった。俺の最寄り駅からそこまでだいたい30〜45分くらいあれば着く。ということは駅から一時間以上歩いている計算になる。そのときはまだ、そんなにかかるんだと軽く思う程度だった。
とにかくこれ以上聞くのはまずい気がして、そっと後ろ足を引いて退散しようとした。その時だった。何か棒のようなものを踏んで、後ろ足に体重がかけるほどポキポキと折れる音がした。それがまた夜の空気によく響いた。瞬時に音のした方を確認すると、誰かがいたずらで折った木の枝が横たわっていた。この時ほど呆れたことは今までになかった。こんな、一番音を立ててはいけない状況のときに、まるで誰かが仕組んだかのように枝が転がっていることなどあるだろうか。漫画やドラマではあるまいし、現実としてこんなシーンが成立してしまうことが逆にすごいと思った。ぱっと隼人の方を見てみると、案の定、音に気づいてばっちり目が合った。校舎の壁に規則正しく取り付けられている電灯が、隼人の少しばかり驚いている表情を照らし出した。
一瞬時が止まったように二人とも見つめあったまま動かなかった。先に行動したのは俺のほうだった。顔の前に両手を合わせて立てて、ごめんと合図を送りながら身を引いた。その時、隼人は素早く電話口を押さえると、かすれた小さな声で俺を呼んだ。俺は反射的に隼人の方を振り返ると、再び携帯を耳に当てて会話を続けていた。そしてもう片方の腕を伸ばすと、こっちへこいと俺に合図した。俺はどうしようか迷ったが、最後には素直に従い、隼人の前まで歩み寄って会話を聞くはめになった。
「え?ちゃんと聞いてるよ。・・・ああ。・・・ああ。・・・え?だれもいないよ。外だよ。・・・・・・何回言ってもわからないなあ、そんなことずっと言ってたらもっと遅くなるじゃないか。・・・・・・うん。1時には帰るから。・・・わかった。・・・わかった。じゃあ、・・・後でね」
隼人は電話を切って携帯をしまった。隼人が話し終えるまでに俺はゴミ袋をゴミ捨て場に置いて、隼人の元に帰ってくるまでを終えていた。
隼人が小さくため息をついたように見えた。
「あーあ、・・・・・・聞いたなあ」
「隼人が呼び止めたくせに」
「一部でも聞かれたら全部聞いてもあんまり変わらないだろ?」
「・・・・・・まあ、そうだけどね」
二人の間に沈黙が起きた。今までこんなことはなかったのに。それは、隼人がいつも夜になるにつれてテンションが下がるのか、それとも今日だけが下がっているのか、部活終わりの隼人を知らない俺にはどちらかわからなかった。
隼人がぱっと俺の顔を見ると、花壇を囲ってあるレンガを指さして言った。
「・・・・・・座る?」
俺は静かにうなずいた。隼人も隣に腰掛けた。日中の暑さが嘘のように、夜はひんやりとした風が吹いて気持ちよかった。先に口を開いたのは俺のほうだった。
「・・・・・・ってか彼女いたんだ?」
「彼女?・・・・・・ああ、・・・うん」
「なんでまた言ってくれなかったの?絶好の話題なのに」
すると隼人が少し笑った。今思えば苦し紛れの笑いだったのかもしれなかった。
「ごめん。でもこのことは誰にも言ってないんだ。むしろ、いない、って言ってる」
「なんで?」
「まあ、いろいろと、ね」
隼人にしては珍しく口数が少なく、多くを話そうとはしてくれなかった。あまりこの話題に触れられてほしくないようだったので、それ以上踏み込むことはやめた。それに、さっきの会話を聞いていても、なんだか嫉妬深い感じだったし、彼女がいるならいるなりに、大変なんだなと、自分でも納得してしまった。
「そっか。・・・ってか隼人って家までどれくらいかかるの?」
その質問に隼人は俺を見たが、すぐに意味がわかったようで、やはり小さな笑みをうかべていった。
「ああ、さっきのね。もちろん一時までかかるはずないよ。今から帰るとだいたい11時半くらいかな」
それを聞いて、やはり自分の計算は正しかった。
「まあそれもね、いろいろあるんだ・・・」
隼人はこめかみをかいて言った。
「そっか」
俺はそれ以上踏み込まなかった。すると、隼人の方から言ってきてくれた。
「翼って結構あっさりとしてるんだね。全然突っ込んでこないし」
「だって話したくないんでしょ」
「それは・・・・・・ごめん」
「気にすんなって。他人には言えない隠し事なんて誰でもあるだろ?それを無理矢理聞いてもだれも良い思いしないと思わない?だから話したくないことは話さなくていいんじゃないかって俺はそう思うんだ。」
「ソンケイするね」
「ほんとに思ってる?」
「思ってる思ってる」
「なーんか隼人が言うと嘘っぽいんだよなあ」
「ひっでえ!」
夜の隼人が初めて笑った。俺も嬉しくなって一緒に笑った。
「でもいつか話したくなったら話してよ。俺にできることなら何でもするから」
「うん!ありがとう」
「・・・・・・じゃあ、今日は一緒に帰ろうか?」
「おう」
俺たちは立ち上がって帰ることにした。
駅に向かう道中でも隼人にいつもの元気がなかった。さっきは全然気にならない、って感じのことを言ったが、やはり気になることは気になるのだ。でもそれを俺が聞いてしまってもいいものなのかどうかということを考えると、やはり聞けなかった。
駅に着いて電車に乗る。いつもの車両は帰りの時は最前車両になっており、俺たちは二人掛けの席に座った。隼人が窓側で俺が通路側だったけど、この車両は行きも帰りも人が少なく、ましてやこんなに遅くなるとほとんどいなかった。
最初は会話をしていた俺たちだけど、朝のように会話は続かず、いつのまにか隼人は窓の外の風景を眺めていた。俺は何もすることがなくて、腕を組んでいると、やがて睡魔が襲ってきた。そしてこくりこくりとしだしたころ、いきなり左肩がずんと重くなった。眠たい目で隣を見てみると、隼人が俺の肩にもたれかかっていつのまにか眠っていた。顔をのぞいてみると、やはり寝顔は美しくて、こんな寝顔をきっと天使の寝顔だと言うんだなと思った。隼人の髪が鼻孔をくすぐった。ほんの少しの汗の匂いと土の匂いがした。それとはまた別に、柔軟剤かなにかのいい香りもほのかにしてくる。どこまでも完璧な隼人につくづく感服した。それは彼女もいるだろうし、彼女側も隼人を離したくない気持ちは充分にわかる気がした。
男が男の肩を借りて眠っているという構図は、他の乗客から見るとまずい光景だろうが、さっきのこともあり隼人も疲れていそうだったので、そのまま肩を貸してやることにした。
やがて俺の最寄り駅が近づいてきた。隼人は未だに熟睡していて、一向に起きる気配を見せなかった。俺は仕方なしに起こすことにした。
「隼人、隼人、俺、もう駅着いちゃうよ」
すると隼人はようやく目を覚ましてぐっと伸びをした。
「ごめん」
「いや、大丈夫だよ」
その時電車が駅のホームに入った。俺は降りる準備をする。その時、隼人が言った。
「・・・今日は翼の家に遊びに行こうかなあ」
たしかに明日は土曜日で学校は休みだった。部活も休みで泊まりに来るなら絶好のタイミングだった。しかし俺は笑って突き放してしまったのだ。・・・・・・何も事情を知らなかったから。
「何言ってるんだよ。家で彼女が待ってるんだろ?」
隼人は少々押し黙った後、笑顔を作って答えた。
「そうだな!また今度地元を案内してよ!」
「うん。隼人の都合のいい日ならいつでもいいよ」
その時電車の扉が開いた。
「じゃあ、また来週」
「じゃあまた来週ね」
そう言って隼人とは別れた。
やがて電車は出発して、俺は改札を通って駅を後にした。元気のなかった隼人に対してちょっと素っ気無かったかなと、分かれてから後悔した。しかしこの日、なぜあんなに隼人は元気がなかったのか、なぜ帰るのをしぶったのか、その原因を俺が知ったのは、ずっとずっと先のことだった。
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めちゃ続き気になります!
ほんま情景が伝わってきます!
<DoCoMo/2.0 F01A(c100;TB;W24H17;ser359935016342119;icc8981100000661875072f) @proxy20068.docomo.ne.jp>
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久しぶりに楽しみにできる一作ですね!
楽しみに待ってます。
なんか途中でへんな茶々入れがあるかもだけどマイペースで頑張ってください!
<KDDI-CA3E UP.Browser/6.2_7.2.7.1.K.2.231 (GUI) MMP/2.0 @05004012422113_vr.ezweb.ne.jp>
完全に読者になってしまった
太佑です
更新楽しみに待ってました
やっぱりいいですね
本当に引き寄せられるというか
文章にすごい引力がある気がします
これからの展開もすごい気になります
普通の小説とかだとコメントとかできないんでここで読めてよかった
翼くん頑張ってね
<DoCoMo/2.0 N906i(c100;TB;W30H20;ser359941013358819;icc8981100010505765769F) @proxy3149.docomo.ne.jp>
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去年の時運と親友と重なる部分があります・・・
全然タイプが違う2人なんです、俺らも・・・
是非ぜひ 続きお願いします
頑張って書いて下さい!!!
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; YTB730; GTB0.0; .NET CLR 1.1.4322) @183.79.147.124.dy.bbexcite.jp>
みなさんこんばんは。久しぶりにこの掲示板を訪れたら凄いレスの数で驚きました。みんな良いレスで本当にありがとうございます。「これ、エッチな方向に行くの?」というレスもありましたが、本当ですよね(汗)でも、徐々にそっち方面に向かっていくのでしばしお待ちを。(あと、1、2話?)では、お待ちかねの続きです。
それから後も隼人との関係はなにも変わらなかった。むしろ誰にも邪魔されない毎朝1時間弱の電車内での会話は、俺たちをより親密にしてくれた。今まで隼人は家庭の話をなかなかしなかったのだが、それも俺に話してくれた。隼人の両親は離婚していて、今は父親と一緒に暮らしていることや、一人っ子であること、今は一緒に住んでいない母親ともたまに連絡を取り合うことなど、隼人は辛い過去を淡々と話してくれる。俺はそれを聞いたとき、どう返事をしていいかわからずに困っていたが、それでも、そんな家庭の事情までを話してくれるほど、俺に信頼をおいてくれているのだいうステータスにもなって、少し嬉しい気もした。
さらに季節はめぐり、気づけば7月。連日猛暑でうだるような暑さの日が続いた。学校も終わって夏休みに入っても、俺と隼人は部活があるから遊んでなどいられない。どちらもレギュラーとして抜擢されていたのでなおさらであった。俺はまだ体育館という屋内だったからいいものの、扉の向こうからたまに見る野球部の練習は見てるほうが倒れてしまうんじゃないかというくらい、空気が揺らめく中で、必死に声を出して、球を追いかけて練習をしていた。
気づけば夏休みなどあっというまに終わって、全然夏休みを満喫することはできなかった。2学期に入り、校庭のイチョウが軽く色づき始めた10月の中ごろ、俺にとっては嬉しい事件が起きたのだ。
すっかりクラスメイトと親しくなったころ、突然、クラスの女子二人が俺のところに来た。
「ねえ佐藤くん・・・・・・」
「うん?どうしたの?」
「あのね、私と一緒の吹奏楽部の子がね、放課後話があるんだって」
「えっ!?」
「部活始まるほんの前でいいらしんだ。だから北館の屋上に行く階段にきてほしいんだって」
「え、ちょっと、そんな急に言われても・・・・・・」
「私は伝言係なだけだから。じゃあ、よろしくね」
すると俺の話も聞かず、二人は笑いながら帰っていった。
こんなシチュエーションは告白くらいしか思い浮かばない。もし違っていたら顔から火が出そうなくらい恥ずかしいことなのだが、その時はそう思った。それにしても、誰だか名前も言ってくれないなんて卑怯じゃないか。と思いつつ、心は軽く高揚していた。
そして放課後、クラスメイトの女子二人に指示されたとおり、北館の一番北にある、屋上へ上がるための階段の前に着いた。校舎は南館と北館と二棟あり、それぞれ三階建てで屋上がある。南館は開放しているが、北館の屋上は閉鎖され、階段を上った先にある扉は鍵がかけられていた。
俺はちょっと緊張しつつ屋上へ続く階段を上った。踊り場を折り返して振り向いたとき、階段の上のほうに一人の女の子が座っていた。俺の姿を確認すると慌てて立ち上がって、女の子特有のもじもじとした態度をしだした。
「あ、あのう、こんにちは・・・・・・」
「や、やあ」
見覚えのある子だった。たしか3組の子で、名前を鈴奈(スズナ)と言った。たしかに俺に話を持ちかけてきた女子たちといつもつるんでいる子で、休み時間になると2組まできて、俺の隣の席で3人でよく会話しているのを見ていた。そのクラスメイトの女子が彼女のことを鈴奈と呼んでいたので、名前だけは知っている。
そしてその容姿なのだが、とても可愛らしい子だった。背も小さくてストレートパーマをあてた黒髪はさらさらだった。恥ずかしそうにするしぐさとその顔がよく似合っていた。
「あ、私、咲本鈴奈(サキモト スズナ)って言います」
「あ、どうも。俺は佐藤翼です。名前は前々から知ってました。いつも横で3人会話してたからね」
すると鈴奈は急に顔を赤らめて、ほてった頬を両手で押さえた。
「聞かれてたんですね・・・・・・恥ずかしい。」
「いや、その・・・・・・ごめん」
俺はいたたまれなくなって、思わず後頭部をかいた。
しばらく沈黙が続いた後、鈴奈は意を決したように言った。
「あのう、前のバスケットの試合、見に行きました。佐藤くんのシュート、格好良かったです」
俺ももしかしたら、顔がほてって赤くなったかもしれなかった。急に体が熱くなった。
「ほんとに!?ありがとう。」
先週の土曜日、バスケットの練習試合が第二体育館で行われたばかりだった。他校を招いての練習試合だったから自分たちの部活の合間に見に来る生徒も多かった。そこに紛れ込んでいたようだ。
「・・・・・・あのう、もうわかってると思いますが、私・・・・・・」
彼女の顔がさらに赤くなっていく。
「私、佐藤くんのことが好きになりました。もしも、もしもでいいんで、友達からでもいいんで、付き合ってもらえませんか」
言い終えた後の恥ずかしそうな素振り、もじもじとした態度。純粋な女の子っぽくてとても可愛かった。もうこの瞬間にでも好きになってしまいそうだった。
「・・・・・・俺でよければ・・・・・・」
「え?」
鈴奈は驚いたように俺を見返してきた。
「まだ咲本さんのことあまり知らないから、友達からでもいいっすか?」
「それって・・・・・・」
「喜んでよろしくお願いします」
俺がそう言うと、鈴奈は満面の笑みをこぼし、「はい!」と元気な返事を返してくれた。
「そのう、よければ連絡先の交換とか・・・・・・」
「あ、ああ、もちろんです」
俺はつくづく気がつかない男だなあと思いつつ、赤外線でお互いの連絡先を交換した。その時、携帯の時計を見て、そろそろ部活が始まる時間だということを知った。
「やべ、俺、今から部活あるから。その、えーっと・・・・・・」
「あ、はい。大丈夫です。私も今から部活があるので・・・・・・」
「あ、そっか。じゃあ・・・・・・また明日」
俺がそういうと、鈴奈も元気な声で、「はい、また明日」といってくれた。
俺は手を振ると階段を降りた。三階の廊下には、偵察にきていた先ほどの二人がいた。俺の姿を見るや否や隠れようとするが、もはや遅い。
「おまえらなあ」
腰に手をあてて呆れた表情を作ると、目の前の女子達は苦笑しながら謝った。
「ごめん。・・・・・・で、なんて答えたの?まさか振ったんじゃないでしょうね!」
「どうせ部活でその話をするんだろ」
「そりゃあ・・・・・・もちろん」
その時、後ろから鈴奈も降りてきた。俺はもう一度、鈴奈に「じゃ」というと、体育館を目指してその場をあとにした。
それからはヒマがあればお互いにメールの交換をし合ったり、会える時は会うようにした。半ば鈴奈の女子に引っ張られるようにして、まず昼休みは一緒に食べるようになった。休憩時間も鈴奈が教室に遊びに来てくれて、女子友達2人も加えて話すことも多かった。鈴奈は吹奏楽部でフルートの担当だった。なんともお嬢様チックな感じで、もしかしたら本当にお嬢様なのかもしれないと思うこともあった。俺も初めてできた彼女だったから、とにかく嬉しかったのと、やっぱり喜ばしてやりたいと思う気持ちが多かったので、鈴奈との時間を最優先に置くようになった。
俺と鈴奈が付き合ったという情報は1週間も経たないうちにクラスメイトに知れ渡り(もちろんあの女子友達2人が言いふらしたのだが(口止めしとけばよかった)、)、部活の先輩の耳にも入るし、もちろん鈴奈のクラス、吹奏楽部の面々にも瞬く間に広がった。本当に、1週間も経たないうちに、もしかして全校生徒が知っているんじゃないかと思うくらい、周りに広まってしまったのである。
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.2.3) Gecko/20100401 Firefox/3.6.3 (.NET CLR 3.5.30729) @119-228-212-75.eonet.ne.jp>
<SoftBank/1.0/824SH/SHJ001/SN353678022374884 Browser/NetFront/3.4 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1 @w31.jp-t.ne.jp>
おぉ…
なんという展開o(><)o
続きお願いします。
楽しみにしてるよ〜!
<DoCoMo/2.0 SH706i(c100;TB;W30H20;ser358038011420609;icc8981100000903515619f) @proxy1101.docomo.ne.jp>
なんか毎度返信って
鬱陶しく思われそうだけど
読んでるとどうしても
返信したくなってしまった
まさかの展開びっくりです
ますます気になっています
更新ホントに楽しみです
毎度のシメ…
頑張ってね翼くん
<DoCoMo/2.0 N906i(c100;TB;W30H20;ser359941013358819;icc8981100010505765769F) @proxyc142.docomo.ne.jp>
翼さんが感想を嬉しく思ってくれるなら、やっぱり、書いちゃいますね。
ほんと…まさかの展開に驚きましたが、早く続きが読みたくなります。大変ですが、応援してます〜
本当に引き込まれる文章力ですね!
<KDDI-CA3A UP.Browser/6.2.0.13.2 (GUI) MMP/2.0 @05001010232841_aa.ezweb.ne.jp>
1から7まで、一気に読みました。 最高だね!! 翼と隼人のエッチシーン早く書いてください。 みんな、待ち望んでいるよ。きっと。 途中放棄はなしでお願いしますm(_ _)m 頑張って下さい!! すごくすごく楽しみに待っています(笑)
<DoCoMo/2.0 F706i(c100;TB;W24H17;ser357023012518875;icc8981100000560102321f) @proxybg024.docomo.ne.jp>
翼たちの関係すごく気にしてる。続きよろしくお願いします。
<SoftBank/1.0/824SH/SHJ001/SN353678022374884 Browser/NetFront/3.4 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1 @w41.jp-t.ne.jp>
すごい続き楽しみにしてます!時間ないとは思いますががんばってください!!
<DoCoMo/2.0 F01A(c100;TB;W24H17;ser359935016342119;icc8981100000661875072f) @proxy20040.docomo.ne.jp>
すごく更新楽しみにしています!頑張って最後まで書き上げてください
<DoCoMo/2.0 F03A(c100;TB;W30H22;ser353716021323476;icc8981100020711483222f) @proxy20018.docomo.ne.jp>
めっちゃ続き気になります!!
更新頑張ってください!!
<KDDI-TS3D UP.Browser/6.2.0.13.1.5 (GUI) MMP/2.0 @05004032441966_eh.ezweb.ne.jp>
翼君
更新楽しみです。最後まで宜しくお願いします。
先日もレスしましたが、自分と親友の数年前に重なる部分があって・・・
H無しでも気になります。頑張って連載お願いします
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; YTB730; GTB0.0; .NET CLR 1.1.4322) @106.18.100.220.dy.bbexcite.jp>
皆さん本当にごめんなさい。皆さんのレスは時間があれば拝見していましたが、書くまでの時間がなくて今まで放置状態でした。こんなにも多くの方が待っていてくれたのだと思うと申し訳なくて、本当にすみません。まずは登場人物だれかとのエッチシーンまでは必ず書かせていただきますので、そこのところはご安心ください。(まだあの人とは決まったわけじゃあないですからね)それにしても俺の文章はなぜこうも長くなるのでしょうか・・・。だから書く時間もないのです。失礼、前置きが長くなってしまいました。続きをどうぞ。
俺と鈴奈が付き合い始めて一週間と少しが経った。俺たちが付き合い始めたことは本当に瞬く間に広がり、ついには隼人の耳にまで届いた。そんな折の朝の通学の時だった。
俺がいつものようにいつもの電車に乗ると、隼人もいつものように俺の最寄り駅で他のお客さんに、今まで自分が座っていた席を譲ると、俺と一緒になって立ってくれる。いつものように隼人が話題を振ってくれて、俺がそれに答える。何も変わらない毎朝の光景だった。・・・・・・ほんの2、3日前までは。
原因はすべて俺にあった。初めての彼女に有頂天になっていた俺は、優先順位を何にも増して彼女に傾けていた。今まで頑張っていた部活や授業よりも、クラスメイトや友達よりも、そして、隼人よりも彼女を先にとった。そのときは他のことなど微塵も考えなかったのだ。俺は、『こう』と思えば横を見ずに突き進む性格がある・・・・・・それで何回も後から後悔するはめになるのだが、もうこのときからすでに、その前兆は現れていたのだ。
俺は今までなら隼人の言葉だけに耳を傾けていた。隼人の会話はもちろん楽しかったし、隼人も俺との会話は楽しいと彼は口に出して言ってくれるからとても嬉しかった。だけど、今は違った。片手には常に携帯を握りしめ、メールが届いたらそっちに集中して隼人の言葉は聞き流していた。それでよく話がかみ合わないことも多かった。もちろんメールの相手は彼女だった。彼女とは朝起きたときからメールの交換が始まる。『おはよう』からはじまって、『今日はいい天気だね』『雨が降ってるね』とか他愛もないメールを延々としていたのだ。そんなことを隼人の前でしだしてからすでに3日が経過していた。そして、ようやく隼人の耳にも入ったようで、3日目の話題はそれだった。
「そう言えば翼、吹奏楽部の彼女できたんだって?」
俺は携帯に視線を落としながら答えた。
「えっ?ああ、うん」
「そうなんだ・・・・・・ねえ、どんな子?可愛い子?」
「・・・・・・えっ?ああ、そうだね、俺的には、かな」
「そっか・・・・・・よかったじゃん」
「うん、まあね」
「もしかしてそのメールも彼女?」
「・・・・・・え?ああ、そうだよ」
「そっか・・・・・・」
そこで会話は途切れてしまった。ここ3日、こうやって会話に間が空くようになった。今まで隼人との会話に間が空くことなんて珍しかったのに。それもそうだ。一方が話す気マンマンでも、もう片一方がメールに集中しているんじゃ、やっぱり気が引けて遠慮してしまうものだ。そんなことにも気づかないくらい、俺は彼女ひとすじになっていた。その後も学校に着くまで隼人は幾度となく俺との会話を盛り上げようと話題を振ってくれたけど、隼人との会話が身に入らない俺は、ことごとく話の腰を折ってしまっていた。そして学校に着いて隼人とは別れた。
その日の昼休み。休み時間に入ってすぐに隼人が俺の教室に顔を出した。教室の外から大きな声で俺の名前を呼んだ。俺は教室を出て隼人の元へ言った。
「ねえ今日一緒にご飯食べない?」
隼人からご飯のお誘いだった。俺はそれを聞いて困った顔をした。
「ごめん、昼ごはんは彼女と食べるって約束してるんだ・・・・・・明日!明日一緒に食べようよ!彼女にも伝えとくから」
隼人はぱっと明るい顔で笑った。
「そっか、ごめんな急に言って。わかった。じゃあ、明日な」
「うん」
そう返事をすると、隼人は自分の教室へ帰っていった。
それとすれ違うかたちで鈴奈が現れた。俺は弁当を取りに一度教室へ戻ると、すぐさま彼女と屋上へ向かった。前にも言ったように、北館の屋上は常に封鎖されているが、南館の屋上は開け放たれ、結構多くの人が友達や、俺たち同じような恋人同士で昼食をとっていた。俺たちもそこにまぎれて昼食をとるのだ。
鈴奈との会話は楽しい。鈴奈は本当にお嬢様のように純粋でやさしい女の子だった。だから鈴奈とする会話は気を使わないといけない。あんまり汚い話や下ネタとかは受け付けない感じがしたのだ。友人でもこういう風に話す内容を考えないといけないことが多々ある。そういえば、隼人と会話をするときはそんなことを一度も考えなかったなとぼんやり思うことがあった。まあ、隼人がいつも話題を振ってくれるからってのもあったのかも知れなかったが、それにしても隼人との会話はすらすらと言葉が出てくるようだった。
次の日。その日の朝も変わらず昨日と同じような感じだった。問題は昼休みだった。昼休みのチャイムが鳴って少ししてからまた隼人が教室に顔を出した。俺は教室に出て隼人の対応をした。
「今日はどうしたの?」
「今日はどうしたのって・・・・・・昨日約束しただろ?」
俺はその隼人の言葉に首をかしげた。そして思い起こしてやっと気づいた。そう、今日は一緒に昼食を食べようと隼人と約束をしていたのだ。すっかり忘れていた俺は、当然彼女に今日は一緒に食べられないということわりを入れておくのも忘れていた。俺は顔の前に両手を合わせて平謝りした。
「ごめん!忘れてた!・・・・・・今度!また今度一緒に食べようぜ」
「えっ・・・・・・しょーがないなあ、じゃあまた今度ね」
隼人は笑いながら許してくれた。今思えば声を詰まらせた一瞬、悲しいような寂しいような目をしていたと思うのは気のせいだろうか。
俺は隼人のフォローも入れることなく言った。
「じゃあ、俺、行かなきゃ。また今度ね」
「おう」
隼人は軽く手を振って帰っていった。俺は弁当を持ってまた彼女と食べることにした。
そう言えばこんなこともあった。朝の登校中の事、隼人が言った。
「ねえ翼、今日練習早く終わるんだ。よかったら一緒に帰ろうよ」
俺は少しの間考えた。今日は部活以外特に何もないし、心配なかった。
「いいよ。でも俺終わるの8時くらいだと思うよ?」
「ちょっとくらいなら待つよ。じゃあ今日は一緒に帰ろうな」
「りょーかい」
そうやって朝約束をしたはずだった。でも・・・・・・
授業が終わって部活が始まった。いつもと変わらない練習をして、いつもとだいたい同じ時間に終わった。時計を見れば7時45分だった。体育館の中から野球部の練習を見ている限り、7時に練習は終わっていた。さすがに待っていないだろうなとちょっと残念に思って、制服に着替えて体育館を出てみると、体育館前の階段に座った隼人の姿があった。そのときはさすがに驚いた。
「隼人・・・・・・」
俺があまりの驚きように隼人の名前を口ずさむと、それに気づいて隼人が振り返った。
「おう、お疲れ!練習大変そうだったな」
と、片手を挙げて純粋な笑顔で笑ってくれた。俺はその笑顔を見ると思わずほっとした気分になった。
「お前はバカか!野球部の練習、7時くらいに終わったんだろ?1時間も待ってたの!?」
「だって・・・・・・翼と約束したし・・・・・・」
俺は嬉しいため息がもれた。でもその嬉しさに気づかれるのが恥ずかしくて、わざと呆れた表情をしてわざとらしくため息を大きくした。それでも隼人は頭をかいて苦笑に近い笑みをこぼしていた。
俺たちは一緒に帰ることにした。校門を出てすぐ、携帯のバイブが動いた。携帯を見てみると、メールの着信を知らせていた。もちろん彼女からだ。内容はこうだった。
『部活お疲れさまです。今日も部活は大変でしたか?私も今部活が終わったんでメールしました。今日から新しいパートに入って・・・・・・』
という感じのメールだった。すると俺はあろうことか、隼人に謝ってこう告げた。
「ごめん、隼人、先帰ってて。ちょっと用事ができちゃって」
「・・・・・・用事?そっか、それは仕方ないな。うん、わかった。じゃあ、また明日な」
「おう、じゃあ、また明日」
そうして隼人と別れて、俺はもう一度学校へ戻った。
俺が彼女の件で学校へ戻ったのだと、隼人じゃなくてもだれもがわかっただろう。でも隼人は一度も怒ることなんかなくて、むしろ笑顔で手を振っていつも送り出してくれた。本当にその時の俺は頭がどうかしていたんじゃないかと思うくらい、残酷なことをいとも簡単にやってのけていたのだ。俺との約束のために1時間も暇をもてあまして待ってくれていた親友を、俺は約束をやぶって追い返してしまう。そこまで人の気持ちを考えられなくなるなんて、俺は大バカ者だった。隼人がこんな行為でどれほど傷ついただろうか、でもそれを俺には訴えずに、自分の内でためてぐっと痛みを堪えていたのだ。そのことに気づかされたのは、1、2週間先のことだった。
その一件から一夜経った次の日も、隼人に対する何も考えない行動は続いた。それでも隼人は昨日と変わらず朝の電車の中で話しかけてくれる。でもそんな毎日も長くは続かなかった。あの一件から3日ほど経った朝の電車での会話のことだった。隼人が言いにくそうに言った。
「なあ翼? 俺、明日から一週間、部活の朝練の時間が30分早くなってさ、この電車に乗れないんだ。」
俺は性懲りもなく携帯に視線を落としたまま答えた。
「ふーん、そうなんだ」
「だから明日から一週間、一緒に通えないや」
「そっか、りょーかい」
今思えばなんて素っ気無い返事だったのだろうかと思う。それを言った時の隼人の顔も見てはいなかった。
さらに、もしかして明日から一週間、朝練の時間が30分早くなるというのは嘘だったのかもしれない。俺に都合よく言えば、全然自分との会話に集中してくれない俺を見たくはない、という意図だったのか、悪くいえば愛想を尽かされたのか、そのどちらかが理由でそんな口実をつくったのかもしれなかった。でもそれも俺がただ思っただけで、真実はわからなかった。なぜなら、今でもこの時のことはきいていないからである。
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.2.3) Gecko/20100401 Firefox/3.6.3 (.NET CLR 3.5.30729) @119-228-212-75.eonet.ne.jp>
けい
- 10/5/17(月) 4:38 -
翼君の気持もわかるけど、隼人君がとても可哀想だね・・・
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更新ありがとうございます。どうぞ、無理せず、頑張ってください。
隼人君の気持ちが切なくて切なくて…
翼君の浮かれた気持ちもわからない訳でもないですが…
続きが楽しみです
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翼君…
隼人君は寂しいんだよ…。翼君は彼女に真っ直ぐな気持ちはわかるよ。でも、隼人君は翼君と話がしたい。ゆいつ、野球以外で仲良く・楽しく話が出来るんだから…翼君、隼人君の立場になって考えてみて。
<DoCoMo/2.0 SH02A(c100;TB;W24H16;ser353683028599864;icc8981100000743323091f) @proxy3153.docomo.ne.jp>
酷すぎる。
まわりがふりまわされてる………。
彼女が大切なのは解るけど…あまりに
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いつも楽しみにしています。
酷いって思うこともあるけど、結構みんな登場人物と同じことしてるよね
人の振りみて我が振り直せみたいで、気をつけなきゃなーと思いました でも、文章力すごいね!なんかドラマみたい
登場人物に対して、あーじゃないこーじゃないと読み手が思えるのって、文章力があるからだと思いますよー
次回も期待してまーす 今回はエッチなとこまでいくんじゃなかったっけ?笑
<DoCoMo/2.0 F703i(c100;TB;W23H12;ser359484000256597;icc8981100010303056213f) @proxya149.docomo.ne.jp>
まぁでも隼人君も、ハッキリ怒ってくれたほうがよかった気もするな。
応援してます。
<KDDI-KC3O UP.Browser/6.2.0.15.1.1 (GUI) MMP/2.0 @05005011992970_hf.ezweb.ne.jp>
隼人は良い奴だね。
人に対しての「思いやり」を忘れないように!
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.0.4506.2152; .NET CLR 3.5.30729) @nttkyo987194.tkyo.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp>
いつも拝見させてもらってますェ
翼君の気持ちも分からなくはないですが、隼人君の気持ちも視野に入れたら良かったかなって思いました。
話の展開が気になりますェ
<KDDI-CA38 UP.Browser/6.2.0.13.1.5 (GUI) MMP/2.0 @07052060553790_vh.ezweb.ne.jp>
<DoCoMo/2.0 SH904i(c100;TB;W24H16;ser353700014000861;icc8981100000345288452f) @proxyag029.docomo.ne.jp>
俺と親友とみたいな感じでもあり・・・
親友
皆から一目置かれている部分は 隼人君
恋人にぞっこん な部分は 翼君
俺に遠慮なく、携帯ばかりいじり、あげくの果てにゲームまでする
俺
平凡的な部分は 翼君
恋人との約束や他の事でドタキャンされてりまうけど許しちゃう・・・
優しいというか ある意味 お人よし・・・受け止めてしまう・・・(涙)
隼人君の気持ちが痛い程わかります・・・
でも翼君も今は気がついたよね!!
続き頑張ってね、、、
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; YTB730; GTB0.0; .NET CLR 1.1.4322) @132.21.138.58.dy.bbexcite.jp>
<DoCoMo/2.0 F03A(c100;TB;W30H22;ser353716021323476;icc8981100020711483222f) @proxy20066.docomo.ne.jp>
お疲れ様です
性懲りもなくまた書かせていただきました
いやぁ予想外の予想外
実際翼くんはこのサイトに来てるからゲイ(バイ)なんだろうけど
やっぱり恋人ってのがいいんだろうね
隼人くんの意志…
考えが分かんないねぇ
やっぱり人って難しいなぁっと
改めて感じました
今この文章を書いてるってことは
遅かれ早かれ
とりあえず自分のしたことを
振り返って考えているんだよね
それが結果として良い方向に
繋がってくれたらと願わずには
いられない
あとオレあてじゃないだろうけどコメントした一人として
返事ありがとね
じゃ大変だと思うけど
翼くん頑張ってね
<DoCoMo/2.0 N906i(c100;TB;W30H20;ser359941013358819;icc8981100010505765769F) @proxy3116.docomo.ne.jp>
毎日更新を楽しみにしています。文才があって場景がよく伝わってきます。日常的なことながらもほんのり切なくて惹きつける力のある作品ですね。これも文才の賜物です。長いのは大いに結構です。本当に伝えたいことがあれば、こうなるハズです。エロくならなくても十分に素晴らしい作品です。本物の小説を読んでいるかの衝動に駆られます。長々とコメントすみますん。最後まで頑張ってください。応援しています。
<DoCoMo/2.0 SH905i(c100;TB;W24H16;ser353690014679501;icc8981100000339851570f) @proxy1176.docomo.ne.jp>
<DoCoMo/2.0 F906i(c100;TB;W24H17;ser357016016168473;icc8981100000331146870f) @proxy1117.docomo.ne.jp>
そうですよねぇ。みなさんのおっしゃるとおり、俺は隼人に対して酷いことをしました。もちろん。それに気づかされたわけですが、それに気づいたときの俺は・・・・・・まぁ、これは本文で語ることにしましょう。毎回毎回長文ですみません。文章表現を褒められるとすごくうれしくなります。しっかりとエッチな場面も書かせていただきので、もうしばらくお待ちを。ちゃんと到達しますよぉ〜!じゃあ、続きです。
次の日、電車に乗った俺は首をかしげた。いつもの席に隼人が座っておらず姿が見えなかったのだ。そして昨日のことを思い出して納得した。
『そう言えば昨日、明日から30分早く行くとか言ってたっけ・・・・・・』
俺は妙に物悲しい気持ちがしたけど仕方がないので、扉の横に凭れかかって、電車に揺られながら学校をめざした。その間も鈴奈とのメールのやり取りは続いていた。
朝の登校時に隼人と会話をしなければ、それ以外ではほとんど会わなかった。隼人の姿は廊下で数回見かける程度で、夏なんかは部活中、体育館の扉越しに野球部の練習風景を見られたが、今は11月に入り扉も閉ざされ見ることはできなかった。見かけた隼人はどれも遠くて話すまでには及ばなかった。何度か隼人のことが気になって4組に会いに行こうかなとも考えたけど、そう隼人のことを思い出したときに限って鈴奈やほかの友人との用事がはいって会いに行くことができなかった。そしてまた、それでもいいや、という自分の中になんだかわからないそんな軽い気持ちがあったのも事実だった。
そんな、隼人とまったく顔を合わさない日が四日間続いたある金曜日。授業が終わっていつものように部活を行う。誰もいなかった体育館はひんやりとしていて身を震えさせながら体を暖めた。
俺はこれでもバスケットボールが上手い方で、前にも少し言ったが、1年生でレギュラーにまで選ばれる一応のテクニックはある。今日も筋トレ、練習、練習試合を数度くり返す練習メニューだった。
そして部活が終わったのは8時半。いつもよりだいぶ長くかかって部活は終了した。先輩達が言う。
「今日の掃除当番は?」
そう一言で思い出した。今日は自分の番で、しかも俺一人で掃除をする番だった。俺はつくづく呪われているらしく、よりによって部活が長引いたときに掃除するケースが多い。俺はため息混じりで返事をすると、部員とともに更衣室に入り、着替えた後、部室と体育館のボールの片付けをした。
すべてを終えたのは9時を少し回った後だった。鍵を返しに職員室へ行こうとすると、体育館の鍵がまだ返ってきていないことに気づいた顧問と出くわし、顧問に鍵を返却した。
「本当にちゃんと戸締りをしたんだろうな?」
「任せてくださいよ」
「・・・・・・じゃあ信用しよう。あとゴミ捨ては頼むな」
「はい。お疲れさまでした」
「お疲れ。気をつけて帰れよ」
そう言って俺は顧問と別れた。そしてゴミ捨て場にゴミを置きに行こうと、校舎とグラウンドの間の道に立ったとき、ある光景が目に入ってきた。
野球のグラウンドに一人、ボールの片付けをする部員がいた。すでに制服に着替えており、汚れることも気にしていない様子で、ボールを雑巾で拭いてはカゴになおしてゆく。まだグラウンドには20球くらいのボールが点在しており、座ってボールを拭いている部員の前には10球ほどのボールが山積みにされていた。
それは間違いなく隼人だった。隼人は道に立っている俺の存在に気づくことなく、熱心にボールを磨いていた。俺は久しぶりの隼人に、なんだかどきどきした感覚と初対面のような緊張した感覚を覚えた。そっと隼人に近づく。
もう普通の声で話しても聞こえるくらいの距離になって初めて隼人が顔を上げた。校舎の外灯で俺の影が長く伸び、隼人にかかったからだ。逆光で顔を判別しにくいのか、隼人は眉をしかめてしばらく見つめてきた。先に口を開いたのは俺のほうだった。
「久しぶり」
その声を聞いてようやく理解したようで、隼人は屈託ない笑顔を見せてくれると「久しぶり」と返してくれた。俺はその場にカバンとゴミ袋を置くと、グラウンドに点在しているボールを拾い集め始めた。
「俺も手伝ってやるよ」
「ありがとう」
俺はせっせとボールを回収し、隼人の前に山積みにして置いた。最後の一球を拾うと、それを持って隼人の正面に腰を下ろすと、ボールのカゴにかかってあった雑巾を手にした。
「これ、普通に拭いたらいいだけ?」
「うーん・・・泥を落としてできるだけ磨いてほしいかな」
「りょうかい」
俺は隼人を見習ってボールを拭き始めた。
しばらくすると自然と会話が生まれてきた。
「てか一人で片付け?」
「うん。本当は一緒に片付ける人がいたんだけど・・・・・・先に帰ってもらった」
「なんで?」
俺がそう聞くと、隼人は苦笑いを浮かべて言い渋った。
「・・・・・・いやあ、まあ、いろいろとね・・・・・・」
「そっか・・・・・・」
そう言えば昔にも同じことがあったよなと思った。あれは確かゴミ置き場の手前の裏庭だった。たまたま隼人の電話を聞いてしまったのだ。あの時も自分ひとりが掃除をする羽目になって起こったできごとで、今日のこの時も一緒だった。
俺は次の質問をした。
「朝練頑張ってる?」
「えっ、あ・・・・・・うん。頑張ってるよ」
「そっか、よかった。隼人がいない初日は驚いたんだぜ?なんでいないんだって」
俺がそういうと、隼人は笑ってくれた。今度は隼人が質問してきた。
「彼女とはどうなの?うまくいってるの?」
「うまくって言うか・・・・・・まあ、普通に。この前もさ、昼飯を一緒に食べたんだけど・・・・・・」
そこからは俺と彼女とのできごとを俺が一方的に話し始めた。鈴奈との朝のメールのやりとりや、鈴奈はどんな子なのか、吹奏楽部ではどんなことをしていて、こんなできごともあったよだとか。とりとめもない話を隼人に向かってしていた。
隼人も最初の方は笑顔で相槌なんかもたまに打ってくれて楽しそうに聞いてくれていたが、途中から元気がなくなっていくと、黙ってもくもくと作業をし始めた。
俺はどこまでも鈍感で、隼人がこんな話を聞きたくはないとつゆひとつたりと思わず、逆に聞いていない隼人に対して俺は少し苛立った。
「てか隼人、聞いてる?」
俺が少し声を荒げて・・・・・・もちろん冗談めかしてだが言うと、隼人はすっと手を止めて、細く長い息を吐いた。そしてそこからかすかに声が聞こえた。
「・・・・・・れたよ」
その言葉はあまりに小さくて聞こえなかった。
「隼人?なんか言った?」
俺がそう言うと、少しの間があった後、今度ははっきりと言った。
「・・・・・・もう、疲れたよ」
「えっ?・・・・・・」
その静かに言う言葉には、隼人の普段見せない顔があるように思えた。本音がため息とともに漏れたみたいで、いつも元気な隼人からそんなネガティブな発言が飛び出すとは思いもよらなかったので一瞬で言葉をなくてしまった。うつむき加減の隼人の表情はなんとも悲しそうで、俺は我に返ったようにはっと息を呑んだ。
すると次の瞬間、隼人がばっと立ち上がると、俺を鋭い目で見下ろした。決して睨んでいるわけではないが強いまなざしだった。そしてその瞳の中にも物悲しさを秘めているようだった。隼人は強い口調で言った。
「もう疲れたんだよ!」
俺は今までに見たことがない隼人を見上げ、軽い恐怖心を覚えた。
「ご、ごめん・・・・・・こんな話、あんまり聞きたくなかった?」
俺は完全におびえた表情で、もうしわけなく言った。すると隼人は激しく首を振った。
「俺の気持ちを抑えておくのに・・・・・・」最後の方は消え入りそうな声だった。
そして一歩前へずんと詰めてきた。俺はとっさに殴られるんだと思って反射的に目を瞑った。でも感触はまるで違うかった。乱暴にあごをつかまれたかと思うと、次の瞬間、俺の唇にあたたかい、そしてやわらかな感触が当たった。俺は思いもよらない衝撃に目を開けた。しかし目を開けても真っ暗で、何が起こったのか状況を把握することができなかった。だいぶ長い時間をかけて、やっとのことで、俺は隼人にキスされているんだと気づいた時、隼人の唇が俺の唇からはずれた。そして、俺の耳元でささやいた。
「俺は翼くんが好きなんだ」
隼人が言ったのはそれだけだった。隼人は中腰の姿勢を元に戻すと、自分のカバンを持った。そして俺の背中越しに最後の声が聞こえた。
「ごめん・・・・・・」
そういうと、隼人がグラウンドを去る足音が聞こえて、それもやがて聞こえなくなった。
残された俺はしばらくの間、放心状態だった。なにがどうやってどうなったのか、まったく頭が回転せずに、理解することもまたできなかった。ごちゃごちゃになった頭のまま、とにかくあと数球残っているボールを、泥を拭いて片付け、隼人が拭いていた雑巾と自分の分の二枚を水道で洗い泥を落としてカゴにかけ、カゴ自体はどこに置くのかわからなかったが、だいたいこのへんだろうと思うところに片付けると、俺はふらつく足取りで帰った。
いろんなことが気になった。なぜああいう状況になったのか、隼人が最後に言った『ごめん』とは、なんの了承もなくキスをしたことに対する謝罪なのか、後片付けを放りだして帰ることに対する謝罪なのか、それとももっと別のなにかか。疲れたとは何に対してか。自分の気持ちを抑えておくのにとは、いったい何を抑えていたのか・・・・・・。自分では答えが導き出せないものがぐるぐると頭の中を行ったりきたりしていた。俺はゴミ袋をゴミ置き場に置くことも忘れて、気づけば家にまでゴミ袋を持ち帰っていたのだった。
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.2.3) Gecko/20100401 Firefox/3.6.3 (.NET CLR 3.5.30729) @119-228-212-75.eonet.ne.jp>
書き始めた頃から読ませてもらってました!!ついに"発端"が起きましたね!!
書くの大変でしょうが、ゆっくり頑張ってくださいヽ(´ー`)ノ
<DoCoMo/2.0 F905i(c100;TB;W24H17;ser355280015434003;icc8981100010330510364f) @proxy1104.docomo.ne.jp>
せつないなあ。隼人の気持ちわかるなあ!
つづき頑張ってね!
<DoCoMo/2.0 SH904i(c100;TB;W24H16;ser353700014000861;icc8981100000345288452f) @proxyag037.docomo.ne.jp>
あーやばいっす。ドキドキな展開ですね。頑張ってください!
<DoCoMo/2.0 F03A(c100;TB;W30H22;ser353716021323476;icc8981100020711483222f) @proxy20073.docomo.ne.jp>
めっちゃドキドキします
続きがすごく見たいです\(^^)/
<DoCoMo/2.0 SH06A3(c500;TB;W24H14;ser353699025259336;icc8981100000364391575f) @proxy20009.docomo.ne.jp>
<DoCoMo/2.0 SH904i(c100;TB;W24H16;ser353700014000861;icc8981100000345288452f) @proxyag010.docomo.ne.jp>
誰もが羨む野球部のエースに最終的には愛されて幸せになるってオチだろ??
それまでにお嬢様風のかわいい子と付き合って最後はそいつを捨てて野球部エースのイケメンとゴールイン。
なんかうまくいきすぎっ。。。(笑)
いいとこばっか持ってくんじゃねーよ。
妄想もたいがいにせーやっ。。。
ってか、俺はなんか読んでていい気分はしねぇ。
世の中いろいろいるんだよ。
誰もが共感や応援してくれる訳じゃねーぞ。
これから先に俺のコメントに対してかなりブーイングが出ることも覚悟の上で俺はあえて言わせてもらうと、隼人があまりにかわいそうだろ??
これから先も続ける気があんならこういうブーイングにも対応できる余裕と覚悟を持ってから書きな。
俺に対するブーイングも書きたい奴は書け。
世の中すべてがいいこと言う奴ばっかじゃねーし・・
イライラすんだよ。
書くならがんばれよ。。。
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; GTB6.4; .NET CLR 1.1.4322) @z110.58-98-192.ppp.wakwak.ne.jp>
待ってました
このトピ見たら
返信件数がとんでもないことに
やっと一つなぞが解けた
隼人君の気持ち
でもまだまだなそがいっぱい
続き常に待ってますよ
コメントに一件
ネガティブなものがありますが
賛否両論あるのも
それだけ読者が多い印
あんまり悪いほうには
考えないでね
とりあえず待ってる人はいっぱいいるんだし
無理無い程度に
頑張ってね翼くん
<DoCoMo/2.0 N906i(c100;TB;W30H20;ser359941013358819;icc8981100010505765769F) @proxy3122.docomo.ne.jp>
賛否両論あるのは当然のこと。
捉え方感じ方みんな違うからね。
俺は久しぶりに真剣に読み入りたくなる話だと思いました。
更新楽しみです。
時間かかってもいいんで
最後まで読みたいです。
<SoftBank/1.0/930SH/SHJ001/SN353689020837319 Browser/NetFront/3.4 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1 @w32.jp-t.ne.jp>
一読者サン
まずオレはブーイングなんて
するつもりはないですよ
言ってること間違ってるとは思わないですし
ただひとつ妄想って言葉は
このトピで実話創作のもめ事はなしってなってるようなので
あまり適正ではない気がします
たぶん皆さん羨ましいなぁとか
いい話だなぁとか思いながらよんでるんじゃないでしょうか
その気持ちがネガティブに作用すると一読者サンがおっしゃってるような意見が出てくるんでしょうね
それも一つの意見ですし
人の感情の在り方の一つの形だと思っています
だから悪いことではないでしょうし出来れば一つや二つ
そういう意見があったほうが
プラスになる場合もあります
オレは純粋にこの話が好きなので
一読者サンのような感情は抱けませんが納得できるものだと
感じました
せっかくいい意見をくださってるわけですしあまり喧嘩腰にはならずに冷静に指摘してあげてくださいね
あと最後の「頑張れ」は
オレら別の読者に対する煽りのつもりですか
それとも素直に翼くんを
応援していることなのでしょうか
もし前者なら上に書いたとおり
喧嘩腰にはなってほしくないですし後者なら文面から想像付く
人間像より優しい方なんじゃないかなぁと
印象を受けました
すいません、超長文でないようめちゃくちゃで
<DoCoMo/2.0 N906i(c100;TB;W30H20;ser359941013358819;icc8981100010505765769F) @proxycg005.docomo.ne.jp>
翼君
相手の気持ちって 以外に気がついてもらえないですよね
そして
言葉にしないと、わからないもんですよね・・・
実は俺は 友達に片思いを4年間していました・・・
相手に全然気がついてもらえず
相手には いつも相手がいた・・・
きちんと 自分の気持ちを伝えた時には
友人として 親密だったので そういう目線で見てもらえなかった・・・
ですが
4年経ちましたが、今はその友達とは親友です
自分の事を思い出しながら 楽しく・切なく 拝見しています
頑張って書いて下さい
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; YTB730; GTB0.0; .NET CLR 1.1.4322) @251.60.138.58.dy.bbexcite.jp>
月曜日、俺は朝からどきどきしながら駅へ向かった。先週の金曜日以来、ずっとあの一件が忘れられずなにも手につかない状況だった。そして今日が今週初めての登校日。ずっと、なんて言おうか、なんて話しかけたらいいのだろうと、答えの無いことをいつまでも考えていた。それでも駅との距離は確実に近づいてゆく。ぐだぐだと考えているうちにいつのまにかいつもの電車をホームで待っていた。
電車が来た。いつもの最後尾の、いつもの後ろの扉から乗車する。伏せていた顔を少しずつ上げ、隼人が座っているはずのいつもの席をのぞき見た。しかしそこに、隼人の姿はなかった。ほっとする気持ちと、心が落ちたような、底知れない恐怖に似た不安がよぎった。隼人がいつも座っている席には見ず知らずのおじさんが座っていて、カバンを抱いてうとうとと眠っていた。その光景は何を意味するのだろうか、もう俺とは会わないということなのだろうか、それとも今日はたまたま乗っていないだけなのだろうか、さらに俺の不安は深まるばかりだった。
しかしふと思い返して、たしか一週間ほど朝練で30分早くなるから一緒に行けないと隼人が言ったことを思い出した。それを聞いたのは先週の中ごろのことだったから、早朝練習が一週間だとするとまだ終わっていない計算になる。俺は祈る気持ちで『ゼッタイそうだ』と自分に言い聞かせ、その日はしのいだ。しかし次の日も、その次の日も、登校する電車の中で隼人の顔を見ることはできなかった。
木曜日。半分あきらめかけていた俺が電車に乗り込むと、あの席に隼人が座っていたのだ!あまりにも予期しておらず突然のできごとだったので、さっと人影にかくれて様子をうかがった。
俺の心臓は月曜日の比ではないくらい高鳴り、喉が乾くのがわかった。
隼人は眠っていた。緑に光るウォークマンをして腕組みをしながら。冬の乾いた朝日に照らされたその姿は、初めて隼人を見た時と同じような光景がした。あまりにもきれいな顔立ちで、寝顔も整ったその姿は、本当に以前までこの人と親しく会話をしていたのかと疑ってしかたがなかった。そして俺にした行為も・・・・・・。なんだか人間的に格が違う気がして、皆が彼を羨むのも無理はないなと、今はそう思えた。
人はなぜ、その人との距離が縮まれば縮まるほど、その人の価値を見失ってしまうのだろうと思った。手の届かない、その人と距離が遠い頃は、その人の価値は計り知れないものだったのに、いざ話すようになって自分のものになってしまうと、その人自体の価値は変わらないけれど、自分のその人に対する価値は変わってしまう。それはそれだけその人との距離が縮まったということだけど、なんだか残念な気持ちもあったりするのだ。
現に、俺の隼人に対する価値は変わってしまって、それが原因で隼人をないがしろにして今こんな状況に陥ってしまっているのだ。隼人と話せなくなってから存在の大きさに気づくとは、つくづく自分に嫌気がさした。
いつもなら俺の駅で起きて出迎えてくれるのだが、隼人は寝たままで一向に起きる気配がなかった。当然俺に話しかける資格などなく・・・・・・というか、むしろ勇気などなく、俺はこれ以上隼人を見るのが辛いのと、もし隼人が起きて俺と目が合ったとき、どう話せばいいのかもわからなかったので、隼人の座っている席を通り越してひとつ前の車両に移ることにした。
学校の駅に着くと、俺たちは最後尾側に向かってホームを歩くので、数十メートル先に登校する隼人の姿があった。俺はその隼人に話しかけることもできずに後からついていくようにして登校した。
そんな登校の仕方が1週間ばかり続いたある日、俺が車両を降りても隼人の姿がなかった。不思議に思った俺は、最後尾の隼人がいつも座っている席を見た。すると隼人はまだ寝ているようで、学校の駅に着いたことを知らないようだった。その時駅員のアナウンスが流れた。
「まもなくドアが閉まります。駆け込み乗車はおやめください」
俺はあせった。このままだと隼人は気づかずに行ってしまう。でも話しかける勇気もないし、だからといってこのまま見過ごすこともできないし・・・・・・と板ばさみ状態で悩んでいた。しかしそんなに悩んでいる時間もなく、もう最終的には反射的に車両に乗り込みと、急いで隼人を起こしに行った。隼人の肩をたたいて起こす。
「隼人、隼人!駅に着いたぞ!はやく降りないと閉まっちゃうよ!」
するとようやく隼人は寝覚めて悠長に伸びをした。
その時電車の扉が閉まった。電車は俺と隼人を乗せたまま動き始めた。
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.2.3) Gecko/20100401 Firefox/3.6.3 (.NET CLR 3.5.30729) @119-228-212-75.eonet.ne.jp>
批判コメは嫉妬だから気にせず頑張って下さい
応援してます
続き気になります^^
<KDDI-HI3F UP.Browser/6.2_7.2.7.1.K.3.352 (GUI) MMP/2.0 @07012320587491_vs.ezweb.ne.jp>
この書き込みは投稿者によって削除されました。(10/5/25(火) 12:10)
やっと読めてうれしいです。
Hなシーンに持っていくための前置きが長いのは
それはそれで仕方ないのかなーと俺は思います。
俺はすごい翼くんの書き方好きです。
<SoftBank/1.0/930SH/SHJ001/SN353689020837319 Browser/NetFront/3.4 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1 @w12.jp-t.ne.jp>
▼え?さん:
>批判でなくてさ、主が伝えたい事もわかるけどはずれちゃったら、みててあったけど、それこそなんかへんな批判腐れ○○〜みたいに言うひととかもいるよ?
>
>だからスレたてて言いたいことあればメールできるようにアドのせしたよ?
>
>嫉妬はしないよ、俺もみてていいなと思うけどさ、なんだべ掲示としては違うから恋で続けた方が適切だと思う。
>
>前置きしっかり健全になってたら小説っぽくなっちゃってるからさ
>
>主もスレ人もそうでない人も、よく考えてさ、いった言葉に責任でも相手をあおると言うかシコリが残るような言いはしなくていいと思うけど、読めば批判ではないとわからない、そう言ってしまえる人に頑張ろうとか書きたいとかっておもうのかな?
>
>ただの疑問もまぢっちゃってごめんね?
>
>スレるくらいならメール頂戴?掲示にめいわくだから。
>
>そうでなかったら別に触れないで頑張ってっていいなよ、そうゆう女々しい励ましも言い方もすきぢゃない←俺の主観ね、ごめんね。
>主からもメールほしいな〜
>ちなみに俺も待ち遠しく読んでる一人だよ♪
読点の配置に規則はありません
しかし、日本人にしてはあまりに酷すぎる
質問、扇動、屁理屈。
それぞれのカテゴリーに分けて話すのが道理
言いたいことがあるのなら
もう少し気を配りなさい
<Opera/9.30 (Nintendo Wii; U; ; 3642; ja) @softbank219196146210.bbtec.net>
翼君
声掛けたいけど掛けられない・・・
声掛けそびれていたんだね。
続きお願いします。
文章も読みやすいし、2人の関係気になります
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; YTB730; GTB0.0; .NET CLR 1.1.4322) @199.119.111.219.dy.bbexcite.jp>
<DoCoMo/2.0 F03A(c100;TB;W30H22;ser353716021323476;icc8981100020711483222f) @proxybg010.docomo.ne.jp>
キスのあとの久しぶりの会話。
いつも終わらせ方がうまいですね!
すごく続き気になります☆
<DoCoMo/2.0 SO704i(c100;TB;W24H18;ser355766016715754;icc8981100010326069375f) @proxy1116.docomo.ne.jp>
<DoCoMo/2.0 N07A3(c500;TB;W24H16;ser356763020912187;icc8981100000377944394F) @proxy1175.docomo.ne.jp>
スレッドがだいぶ後ろになっちゃいましたが、また書いてくれますよね??
続き楽しみにしてる方も多いみたいだし、自分もその一人です☆
応援してますので、時間ができたらお願いします
<DoCoMo/2.0 N02B(c500;TB;W24H16;ser353151030766137;icc8981100010593641567F) @proxycg050.docomo.ne.jp>
俺も続き楽しみにしています!更新されているかどうか毎日チェックするぐらいです笑
時間掛かってもいいんで自分のペースで書いて下さい♪
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; GTB6.5; .NET CLR 1.0.3705; .NET CLR 1.1.4322; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.0.4506.2152; .NET CLR 3.5.30729) @i114-180-34-163.s04.a001.ap.plala.or.jp>
自分も毎朝更新されていないか楽しみにみています。
ぜひ続きをお願いします!!
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; GTB5; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30729) @FL1-122-133-120-92.tky.mesh.ad.jp>
<DoCoMo/2.0 SH906i(c100;TB;W30H20;ser358034012696669;icc8981100020621325810f) @proxy20024.docomo.ne.jp>
<KDDI-KC3R UP.Browser/6.2_7.2.7.1.K.4.303 (GUI) MMP/2.0 @07012350441597_gg.ezweb.ne.jp>
もう書かれないんですか…?
早く続きが読みたいです!!!!
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30729; OfficeLiveConnector.1.3; OfficeLivePatch.0.0; .NET4.0C; .NET4.0E) @gs103-243.toshima.ne.jp>
ひたすら待っていますので、よろしくお願いしますm(_ _)m
<DoCoMo/2.0 F706i(c100;TB;W24H17;ser357023012518875;icc8981100000560102321f) @proxy20042.docomo.ne.jp>
久々にこれたら
また更新してあって
嬉しいです
なんか出会った頃と同じ展開…
そして新たな展開
なんか運命みたいな
感じですごいとしか
思えない
とにかく新展開に
すごく気になります
気長に待ってます
頑張ってね翼くん
<DoCoMo/2.0 N906i(c100;TB;W30H20;ser359941013358819;icc8981100010505765769F) @proxycg028.docomo.ne.jp>
翼くん、忙しいだろうけど頑張ってね!
続き待ってます。
<KDDI-SA3D UP.Browser/6.2_7.2.7.1.K.1.5.1.119 (GUI) MMP/2.0 @07031040605842_aa.ezweb.ne.jp>
なかなか更新されませんね。
楽しみに待ってますから、続きをお願いします。
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322) @111-90-9-165.koalanet.ne.jp>
最近は更新ありませんが、ず〜と続き楽しみに待っています!
完結までお願いしますm(__)m
<DoCoMo/2.0 SO704i(c100;TB;W24H18;ser355766016715754;icc8981100010326069375f) @proxy1133.docomo.ne.jp>
だいぶ空いちゃいましたが、すごく続きが気になります。いい話ですよね。
<DoCoMo/2.0 SH904i(c100;TB;W24H16;ser353700014000861;icc8981100000345288452f) @proxyag033.docomo.ne.jp>
翼さん
続きはもう書いてもらえないのでしょうか?
とてもいいところで終ってしまっていて、すごく続きが気になっています。
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; GTB5; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30729; .NET4.0C) @FLH1Abv029.tky.mesh.ad.jp>
皆さん、大変もうしわけございません。No.8の下を書いた後、3ヶ月も放置してしまいました。皆さんの温かいレスはもちろん読ませていただいていたのですが、つい後回しにしてしまいました。そして今日、久しぶりにのぞいてみると、3ヶ月近く経っているにも関わらず、最近のコメント等もあって、本当に申し訳ないことをしたと痛感いたしました。まだHシーンにも入っていないのに、こんなに多くの方から支持されているのに・・・・・・と、言い訳を長々と説明してもしかたがないので、続きを書きます。スレを変えることはあえてしません。他の投稿者様の邪魔にもなってはいけないと思うので、ここで細々とやらせていただこうと思います・・・・・・以前の読者さん、気づいてくれるでしょうか?それだけが心配です・・・・・・
続き
「あーあ、閉まっちゃったよ」俺は面倒なことになったと頭をかいた。
一方の隼人はというと、慌てる様子もなく、ウォークマンをくるくる巻いてカバンになおしていた。・・・・・・次の言葉も出てこなくて、俺は急にきまずくなったと思って口をつぐんだ。しばらくの間沈黙が続いた。だいぶ電車が走った後、今まで窓から風景を眺めていた隼人が、そのまま外側に視線を向けたままで口を開いた。
「なあ、翼」
俺は隼人に名前を呼ばれてどきっとした。いきなり心臓が高鳴る。
「な、何?」俺はそう答えたけど、思わず声が裏返ってしまった。すると、隼人はやっとこちらに視線を向けた。隼人と目が合うと、いきなり隼人は屈託のない表情で笑った。
「今日、学校さぼろっか」
(またそんな笑顔でそんなことを言うだろう、そんなにきれいな笑顔で言われると断れないじゃないか)と心の中で思ったけど、なぜだか隼人にはぶっきらぼうな自分を演じてしまう。
「バカいってんじゃねえよ!次の駅で乗り換えて学校行くぞ!そしたらまだ間に合うよ」
すると隼人の表情は一変して、「ええー、一日くらいいいじゃんか!」
「ええーっておまえ、部活があるだろ!部活が」
「そうだけど・・・・・・わかった、行くよ」
隼人はしょんぼりした様子だった。それを見て俺はまたなんてことをしてしまったんだと悔やんでしまった。せっかくの隼人の誘いを断ったのだ。心と言葉があまのじゃくな俺をつくづく悔やんだ。でもこのままではやっぱりだめだと思って、俺は意を決した。
また窓の外の景色を眺めている隼人の横に座ると、どもりながら言った。
「も、もし学校サボったら、どこに行くんだよ・・・・・・」
すると隼人は不思議そうな目をしてこちらを見た。そして俺の言葉の「サボってもいいよ」という意味を理解したのか、満面の笑みをした。
「じゃあ、このまま乗ってあそこへ行こう」
「あそこ?」
俺が不思議がっているのもお構いなしに、自己解決したらしかった。
俺たちが降りたのは、学校の駅から30分ほどいったところだった。そこには大きなショッピングモールがあった。
「じゃあ、行こっか」
「あ、ああ」
俺は隼人に連れられて中へ入った。中はとても広くて、数々の有名ブランドが出店していたりした。そこで男向けの服屋に入ったり、雑貨屋を見て回ったり、本屋に入ったりした。それはさながらデートのようなもんで、「こんな服どうかな?」「この本知ってる?」「これ面白くない?」と隣で興奮する隼人に、俺は「いいんじゃない?」とか反応のうすい言葉しか返せなかった。それでも隼人は満足してくれたみたいで、始終笑顔を絶やすことはなかった。俺もそんな隼人を見てると自然に笑顔になって、バカみたいにはしゃぐ隼人にほほえましささえも感じた。
昼食はもちろんそこで一緒に食べて、その後もぶらぶらと店内を回った。
コーヒー専門店でコーヒーを注文して、それを飲みながら店内を歩いている時、突然隼人がひらめいたように声を上げた。
「あ、映画観ようよ!どうせ時間あるんだしさ」
「うん、いいよ」
俺はそう答えると、ショッピングモールに隣接する映画館で映画をみることにした。二人でどの映画を観ようか話し合った結果、洋画のアクションものの映画を観ることにした。時間は2時から上映だったので、その間はゲームセンターへ行ってUFOキャッチャーや対戦ゲームなどを楽しんだ。
そして映画の時間になって俺たちはジュース片手に上映スクリーンへ入った。俺たちはゲームセンターで遊びすぎて若干遅れて入ったため、映画の前告知が始まっていた。入り口から客席を見回してみると、観客は俺を含めて10名程度だった。一応人気の映画だったが、平日だし時間は早いし、こんなもんだろうと思われた。
俺は隼人についていくと、隼人はずんずん奥まで行って、「ここだよ」と指示された席は一番後ろの真ん中の席だった。
「べつに一番後ろに座らなくたって・・・・・・」
「いいじゃん、最後尾の方が見やすいんだし」
「そうだけどさ・・・・・・ま、いっか」
俺たちは席に座った。
他の観客は中央の、スタッフおすすめの席に座っていたり、若い女性の二人組みはやはり中央の左隅に座っていた。みんなばらばらに座っていたけど、俺たちほど離れている感じではなかった。
映画が始まって証明が落とされ、室内はぐっと暗くなった。俺たちは集中して映画に見入っていた。しかしそれも前半くらいまでだった。
映画が上映されて1時間半くらいが経った時、俺は肘掛に隼人の手が置いてあることを知らずに自分も置いたのだ。ふと肘掛を見ると隼人の手が先にあって、そのまま隼人の顔を見ると目線が合った。俺は流す程度に軽く「ごめん」と言えばよかったのに、なんか妙に意識してしまって、本気で、ごめんと言ってしまったのだ。隼人はそれで軽く「いいよ」と言ってまた映画の世界に戻ったみたいだったけど、俺はそうはいかなかった。本当にあの一件以来、妙に隼人を意識してしまっている自分がいる。そしてそんな中で初めて触れた隼人の体(手)。意識しないはずがなかった。俺は急にそわそわしだして、いろんなことを考えてしまった。これから俺たちはどうなるんだろうとか、隼人はどう思っているんだろうとか。結局、隼人の本当のところをまだ聞き出せていないわけだし、自分自身、隼人とどうなりたいとかいう願望はなかった。ただ気になっていたのは、さっきも言った、これからどうなるんだろうということと、隼人は俺をどう見ているのだろうということだけだった。
あまりに映画に集中していない俺に隼人が気づいたようで、「どうしたの?」と声をかけられた。俺にしてはそれも不意打ちで、慌ててしまって「い、いや、なにもないよ」と絶対なにか言いたいことを隠してるような返事をしてしまった。
すると次の瞬間、隼人の腕がすっと伸びると、俺の手をつかんで肘掛に置いた。俺の手が下で、俺の手の甲から上に重なるようにして隼人が握った。俺はとっさの隼人の行動に思わず見上げた。すると隼人は何も言わずににっと笑ってまたスクリーンに没頭した。一方の俺はと言うと、意識している相手に手を握られたままの状態で集中できるはずもなかった。心臓はばくばくと早鐘を打って、ここからどうしたらいいんだよと、途方に暮れて、汗がにじむ思いがした。
するとそれをからかうように、また隼人が声をかけてきた。
「ねえ、翼」
俺はどぎまぎしてから答えた。
「な、なんだよ」
俺は平常心を保っているんだぞという見え見えの演技をするように、スクリーンを見つめたまま答えた。すると、隼人の反対側の手がすっと伸びてきて、隼人の側とは反対の頬に手が回ると、優しく首を回された。そこには真剣なんだかわからない、少しはにかんだ隼人の顔があった。
「キスしていい?」隼人が俺のほかにだれも聞こえないよう、静かに言った。ほとんど映画の大きな効果音でかき消されたが、それでも俺にははっきり聞こえた。
(そんなこと答えられるわけないじゃん)
そんなことを思っていると隼人の顔が近づいてきて、俺の同意も得ずにキスをするんだとわかった。俺に逃げる権利もそんな度胸も持ち合わせてなく、俺は隼人にされるがまま、映画館の後ろで二度目のキスをした。
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.2.8) Gecko/20100722 Firefox/3.6.8 (.NET CLR 3.5.30729) @119-230-93-163.eonet.ne.jp>
もう読めないかなって思ってたけど、久しぶりの投稿でうれしいです。
俺は携帯の投稿順で見てるから気づけたけど、PCからだとなかなかわからないかもしれないね。
読みごたえのある体験談で、今回もすごくいい感じになってきてるから、ぜひ最後まで読ませて下さい!
<SoftBank/1.0/831SH/SHJ003/SN359401022391483 Browser/NetFront/3.5 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1 @w31.jp-t.ne.jp>
お帰りなさい♪また続きが読めて嬉しいです。翼さんは文章の表現が凄く上手いのでお話しにひきこまれます。これからも頑張って下さい!
<KDDI-CA3F UP.Browser/6.2_7.2.7.1.K.4.306 (GUI) MMP/2.0 @05001010232841_aa.ezweb.ne.jp>
待ってました!
読みやすさから言ったらもうそろそろ新しいツリーにした方がいいかも知れないですね。
何はともあれ続き期待してます
<DoCoMo/2.0 N01B(c500;TB;W30H20;ser353156030896750;icc8981100000592379087F) @proxy1105.docomo.ne.jp>
<KDDI-TS3R UP.Browser/6.2_7.2.7.1.K.4.303 (GUI) MMP/2.0 @05004033560166_ep.ezweb.ne.jp>
<DoCoMo/2.0 SH904i(c100;TB;W24H16;ser353700014000861;icc8981100000345288452f) @proxya138.docomo.ne.jp>
待ってました!
これからどう展開していくのか、とても楽しみです!
<DoCoMo/2.0 SO704i(c100;TB;W24H18;ser355766016715754;icc8981100010326069375f) @proxyag014.docomo.ne.jp>
「や、やめろよ・・・・・・」
俺は困って力なく言った。すると隼人はすっと顔を離した。
「ごめん、やっぱ俺じゃダメだった」
俺は隼人の言葉で間違って解釈されているのだと気づいて慌てて言った。
「いや、そういう意味じゃないんだけど・・・・・・」
するとその途端、隼人の表情がまた元気になって、「じゃあなんで?」と言いながらまたキスされた。
「いや、ほかにも人いるだろ・・・・・・」
「わざわざ後ろを振り返る人なんていないよ。皆映画に集中してるし」
「で、でも・・・・・・」
「それより翼の慌てた声を聞いて後ろを振り返るかもな」
隼人にそういわれて俺は押し黙ってしまった。隼人は何度も俺にキスをした。唇が軽く重なる程度のソフトなキスから、舌と舌が絡むディープキスまで。それはまるで隼人に遊ばれているようで、隼人自身も真剣というより、どちらかと言うと楽しそうな、また意地悪そうな笑みを浮かべていた。
そうやって隼人に遊ばれている?と、俺の体に変化が出てきた。隼人にキスされている事実と、数メートル先に人がいるこのスリリングな状況で、俺の心臓は飛び出るくらいにバクバクと早鐘を打っていた。すると体が興奮を感じて、下半身がムズムズして大きくなってきた。俺はそれを知ってキスを迫る隼人を制止した。
「ちょ、ちょっと、わかった、わかったから・・・・・・」
すると隼人は笑った。
「何がわかったのさ?」
「いや、今はそのう、映画の途中だし、ま、また後でさ・・・・・・っな!」
その場を俺はなんとか取り繕って隼人をはがした。
「なんだよ?よくわからないなあ」と、困った笑顔を隼人は見せたが、わかってくれたのか正面に向き直ってスクリーンを再び見出した。
俺は小さくか細いため息を吐くと、正面を向いて、スクリーンを見つめているふりをした。だけど頭の中はまったく違うことを考えていて映画の内容などまるで入っていなかった。この胸の高鳴りはなかなか収まらなくて、それと同様に一度大きくなった俺のチンコもなかなか元に戻ってくれなかった。こんなところを知られたら恥ずかしくて顔から火が出そうだった。なんとか高揚している気持ちを落ち着かせようと隼人に気づかれない程度に細く長い深呼吸を繰り返した。
やっとのことで気持ちは落ち着いてそれと同様に勃起も収まった。丁度その時、映画が終わって、俺たちは他の観客にまぎれて映画館を出ることにした。
その後の俺は隼人の一つ一つの言葉に反応してしまって、かなり動揺していた。一方の隼人はというと、自分からあんなことをしでかしたのにけろっとした顔で俺に普通の会話を振ってくる。こんな肝心なところで妙に肝が据わっている隼人は男らしいのか何も考えていないだけなのか、俺にはよくわからなかった。
そしてこの後、隼人がさらにとんでもないことを言ってのける。
俺たちは夕方近くにようやくショッピングモールを出た。電車に乗るために駅までの道を歩いてる最中、隼人が口を開いた。
「なあ、翼」
「な、なんだよ?」俺はかなり警戒して答えた。
すると、その警戒も突破してしまうほどの言葉を口にした。
「なあ、そのう、ラブホ行こっか?」
「はあ!」俺は思わず声にならない声を上げた。
「ラ、ラブホって!ば、バカじゃないの!」
俺はあまりに唐突な隼人の提案に、周りの人も気にしないで大声で言ってしまった。そしてすぐに自分の声が大きいことを知って、トーンを落とした。
「だ、だいたい男同士で入れるわけないだろ」
「大丈夫だって、今は無人のところもあるらしいし」
「・・・・・・」俺は言葉をなくしてしまった。
なにも変わらない普段の表情で、ものすごいことを言ってのける隼人に尊敬すら覚えるほどの肝っ玉の深さを感じた。俺は言った。
「だ、だいたいお金がかかるだろ」
「うん、4,5千円くらいじゃないかな」
「いや、高すぎるだろ」
俺はそこで一旦言葉を切った。そして次の言葉を言おうか迷ったが、決心して言った。
「そんな所にカネ使うぐらいなら、お、俺のウチに来いよ」
俺の気持ちはというと、実は今でもよくわからなかった。隼人ともっと深い関係になりたいのかと言われるともちろんなりたいけど、エッチなことをしたいのかと言われるとよくわからなかった。ただ、このときにはすでに、隼人は普通の友達ではない、特別な存在になっていたのは事実だった。
俺の提案に隼人はぱっと笑顔を見せてくれた。
「行っていいの?」
「べつにいいよ」俺の声は小さくなるばかりだった。それを拭い去るために大声を張り上げた。「ただし!メシを食わしてやるだけだかんな!」
その言葉に、それ以外の期待は全く含まれていないと言ったら大嘘だった。相変わらず、素直に自分の気持ちを伝えられず、あまのじゃくになってしまう言動に呆れる自分がいた。
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.2.8) Gecko/20100722 Firefox/3.6.8 (.NET CLR 3.5.30729) @119-230-93-163.eonet.ne.jp>
相変わらず心理描写が上手いですね!グイグイひきこまれていきます。次回に凄くドキドキしてる自分がいます。続きが楽しみです。頑張って下さい!
<KDDI-CA3F UP.Browser/6.2_7.2.7.1.K.4.306 (GUI) MMP/2.0 @05001010232841_aa.ezweb.ne.jp>
ずっと待ってました!
Hじゃないシーンもすごく好きです。
更新楽しみにしてます。
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; WOW64; Trident/4.0; YTB730; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30729; OfficeLiveConnector.1.5; OfficeLivePatch.1.3; .NET4.0C) @FL1-119-243-184-29.tky.mesh.ad.jp>
素晴らしいお話をありがとうございます。
再開されるのを本当に待っていました。お忙しい毎日かと思いますが、最後まで更新を頑張って下さいね! 応援しています!
翼くん×隼人くんのHシーン、すごく楽しみです(笑)
<Mozilla/4.0 (jig browser web; 1.0.4; P07A3) @proxy20001.docomo.ne.jp>
りょうた
- 10/8/21(土) 23:32 -
まじか〜復活!!ありがとうございます!!
ゆっくり待ってるんでお願いしますね〜
<KDDI-CA3E UP.Browser/6.2_7.2.7.1.K.2.234 (GUI) MMP/2.0 @05004012422113_vr.ezweb.ne.jp>
隼人と俺は、俺の最寄り駅に降り立った。ここから俺の家までは徒歩で10分ほど歩かないといけない。
「ここからちょっと遠いけど、いい?」
俺がそう言うと隼人は笑ってうなずいてくれた。その笑顔といったら・・・・・・とてもきれいだった。こんな笑顔を向けられるとどんな女の子もいちころだろう。その笑顔で俺さえもどきっとさせられるときがある。俺たち二人は歩きだした。
「いやあ、実はさ、今自転車壊れててさ」
「そうなんだ。本当は自転車で通ってんだ?」
「うーん・・・・・・2ヶ月ほど前まではね」
「・・・・・・え? どういう意味?」
すると俺はなんだか急に恥ずかしさがこみ上げてきて頭をかいた。
「自転車壊れたの、2ヶ月前なんだ」
「え、それって・・・・・・壊れたきりなおしてないってこと」
「まあ、そういうこと」
「へえ、意外」
「なにがさ?」
「翼はきっちりしてるのかなと思ってたのに」
「おいおい、ただの一度だけで印象って変わるもんなの?忙しかっただけだよ!」
「どうだか」
「ホントだって!まずな、部活は毎日・・・・・・」
そんな会話をしながら俺の家まで足を進めていた。
その道中、ふと話題が途切れた瞬間があった。俺が気にしすぎなのか、この瞬間がいつも気まずくてしかたがない。気まずいと思うのは何か変なことを期待している自分がいるということでもある。それを知ってか知らずか、隼人はふと立ち止まると、俺の肩を抱いて正面に向き直った。ぎこちなく隼人の少し恥ずかしそうな顔が近づいてきて、最後には隼人の唇と俺の唇が触れた。場所は片方が田んぼでもう片方が線路というへんぴなところだった。唇が離れるまで、とても長いような感覚がした。やっと離れたかと思うと、隼人の顔は、なんともばつが悪そうな、照れ笑いを隠した表情だった。
「・・・・・・っておい!ここ俺の地元だぞ!だれか知ってる人に見られたらどうするんだよ!」
すると隼人は道の左右を見わたした後、
「大丈夫だよ。ほら、だれもいないじゃん」
と言って、にっ、と笑った。
憎たらしいのか調子がいいのか、俺は肩を落として、はぁとため息をついた。
そしてまた歩きだした。家まではもうすぐそこだった。
俺の家は住宅地の中に立つ分譲マンションの一部屋だった。俺の家は505号室で、5階の丁度真ん中辺りだった。家に着いたころにはすっかり日も暮れていて、俺がドアを開けると、玄関のだいだい色の明るい光が外にまで溢れた。
「ただいまぁ〜」
俺がそう言うと、渡り廊下の先にあるリビングから母さんが顔を出して「おかえりぃ〜」と俺と一緒の口調で答えた。そして俺の後ろに隼人の姿が見えると、母さんはぱっと姿勢を正してよそ行きの対応になった。
「あら、お友達?」母さんがそう言うと、隼人はやけに小さくなって言った。
「宮崎と言います・・・・・・あのう、お邪魔します・・・・・・」
すると母さんは笑顔で「はーい」と言って台所に消えた。
俺は隼人を覗き込んだ。じっと見られて恥ずかしかったのか、ちょっとぶっきらぼうに言った。
「な、なんだよ」
俺は笑った。
「俺にもそんなおしとやかに接してくれたらなぁ」
「おしとやかな俺のほうがいいわけ?」
「うーん、どっちでもいいや」
「なんだよ、自分からふっといて」
隼人と俺は靴を脱いで家の中に入った。俺の部屋は玄関から一番近い部屋だった。隼人を先に通して、俺は入る間際にリビングに向かって母さんに叫んだ。
「晩御飯、友達の分もよろしくー」
「はーい」
「へぇー」
俺の部屋を見た隼人が言った。俺は制服のブレザーをハンガーにかけて部屋のフックに吊るした。
「翼らしい部屋だ」
「俺らしいってどんなだよ」
「なんだろう、片付いてるって言うか、無駄がないって言うか、冷たいって言うか?」
「おいおい、なんかだんだん評価さがってね?」
俺が顔をしかめてそういうと隼人は笑った。でも改めて自分の部屋を見ると、確かに面白味に欠ける部屋だった。隼人に言われたとおり、無駄が一切ない部屋だった。俺は特に趣味という趣味がないから、フィギュアだとか模型だとかいった類の飾り物も何もなかった。あるのは生活必需品だけ。勉強机とパイプベッド、小さな本棚にその上に小さなコンポが置かれていた。部屋にあるのはそんなものだった。
「まあ、制服そこにかけて楽にして」
「あ、ああ、ありがとう」
そうこうしている内に母さんから晩御飯ができたと呼び声がかかって、俺は隼人を連れてリビングへ行った。
母さんと対面した隼人はそこでもう一度丁寧に挨拶した。そのあまりの丁寧さに、母さんは笑いながら俺を横目にして、
「まあまあ、そんなご丁寧に。うちの子はよそのお宅へ行ってそんな挨拶ができるのかしらね」なんてチクリと攻撃をしてきた。とばっちりを受けた俺は横の隼人を睨んだ。すると隼人もその意味がわかったのか、ごめんと小声で謝りながら苦笑いに似た笑みを浮かべた。
リビングには弟がソファに座ってテレビを見ていたが、リビングに隼人を連れた俺が現れたら、ソファの背にもたれかかって隼人の顔をまじまじと見た。俺の弟は中学1年生で、俺と丁度3歳年が離れている。そんな弟にも隼人は「こんばんは」と丁寧に自己紹介を含めた挨拶をした。
食事は四人掛けのテーブルで摂った。俺の前に母さんが座ってその横に弟、俺の横に隼人が座った。隼人が俺の家族と仲良くなるのにそんなに時間がかからなかった。隼人は人見知りをするほうじゃなかったし、その丁寧な口調と相手の会話をうまく汲み取る能力にとても長けていたからだった。母さんは隼人に質問をして、隼人の完璧な答えを聞くと、よく俺のことをひきあいにして、翼はああだの、こうだのと俺のダメなところをどんどんと言ってのける。そのたびに俺はテーブルの下で隼人のわき腹を小突いた。弟も隼人との一回の食事で気に入ったみたいで、うちの家族は俺よりも隼人のことが気になってしかたがないようだった。そして母さんが言った。
「宮崎くんってきれいな顔立ちしてるわねぇ。ご両親は何をされてるの?」
「え?ああ、はい・・・・・・普通の一般人ですよ。父も母も働いて共働きなんです」
「そうなの、じゃあ・・・・・・」
会話はその後も続いたが、俺は隼人の微妙な変化に気づいた、気がした。
親の話題を出された瞬間、ちょっと挙動不審というか、そわそわしだした感じがしたのだ。でもそれは俺の気のせいで、その後も楽しい会話は続いた。
晩飯を終えて二人は俺の部屋に戻った。
時間はまだ7時を少し過ぎた頃だった。
俺は勉強机の椅子に座って、隼人は床においているクッションに座った。隼人が言った。
「楽しい家族だね」
俺は後頭部で腕を組んで、ちょっとふてくされるようにして言った。
「はーあ、隼人ばっかちやほやされるんだもんなぁ」
「ごめん」隼人はばつが悪そうにこめかみをかいた。
「俺が小突いてるのも気づいてるくせにさぁ、無視するし」
「いや、だからごめん・・・・・・」
「なーんか俺なんか抜きで3人で楽しんじゃってるし」
「だからごめんってぇ」
隼人は俺の攻めにとうとう耐え切れなくなって立ち上がると、俺を後ろから抱きしめてきた。
「あまりにもいい人たちだったんだもん。翼のお母さんはさすが翼のお母さん、って感じだったし、それに宏平(コウヘイ:弟)くんも」
俺は隼人を無視して作業をした。
「そんなにふてくされるなよぉ、なあなあ」
すると隼人は俺と椅子の背凭れの間に入り込んできた。
「ちょっと狭苦しいんだけど。俺明日までにしなきゃならない宿題あるし」
「あれぇ、翼くんそんなにすねるヤツだった?」
「うるさいなあ、もう!」
するといきなりわき腹をくすぐられて笑わずにはいられなかった。
「ちょ、お前!何やってんだよ!」
笑いの間からなんとかそれだけを言った。
しばらくするとくすぐりもなくなって、隼人が俺の顔をのぞきこみながら言った。
「・・・・・・気分、なおった?」
「・・・・・・さあ」俺はつんと突っ張った。なぜだか隼人の前では素直にいられない。
すると隼人は俺の頬に触れると、そっと隼人の方を向かせて、やさしくキスをしてくれた。相変わらず隼人の唇はみずみずしくて柔らかかった。軽いキスを連続でしてじらすあたりも意地悪だった。そして、決め手はこの一言だった。いつもより低い大人びた、真面目な雰囲気をかもし出す声で、隼人は「やってもいい?」と耳元でささやいた。俺の体はその言葉に反応して、急激に熱を持つのがわかった。もしかしたら顔も赤くなっていたのかもしれない。そして俺は恥ずかしくて言った。
「ふ、普通、そんなのって相手に聞くか?」
すると隼人は「そうだね」とやさしく笑うだけだった。
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待ってました!
やっと結ばれるのですか?
早く続き読みたいです!
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待ってました!今回も翼さんの素晴らしい文章に引き込まれました。本当に丁寧な描写で一話読む毎にため息がでます。
次回が楽しみです。
<KDDI-CA3F UP.Browser/6.2_7.2.7.1.K.4.306 (GUI) MMP/2.0 @05001010232841_aa.ezweb.ne.jp>
ついにここまで来ましたね!
続き楽しみに待っています(^_^)
<DoCoMo/2.0 SO704i(c100;TB;W24H18;ser355766016715754;icc8981100010326069375f) @proxy1135.docomo.ne.jp>
待ってました!!!!
これからも楽しみにしてます!
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隼人の顔が俺の首にうずもれたかと思うといきなり強い刺激に襲われた。隼人の舌先が首筋を這ったのだ。突然の刺激に思わず「あっ」と小さい喘ぎに似た声を上げてしまい、そんな声を上げてしまった自分自身に恥ずかしくなった。それからは息を止めるようにぐっと歯をくいしばって声が出ないようにするので必死だった。
隼人は俺の首筋を攻めながらさらに大胆になってくる。隼人の手が俺の後ろから伸びると、左手で器用に制服のカッターシャツのボタンをはずしていった。そしてもう一方の手は俺の股間に触れると、すでに大きくなってしまっているチンコを確かに握った。
「ちょ、待っ・・・・・・隼人・・・・・・」俺は急に恥ずかしくなって隼人を呼び止めたが、一方の隼人は、
「ん?どうした?」と返すだけだった。
「・・・・・・ど、どうしたもこうしたも・・・・・・」
俺が言いよどんでいると、隼人が鼻を鳴らして笑う声が聞こえた。
「そんなにチンコが勃ってることを知られるのが恥ずかしい?映画館でもそうだったよね」
顔から火が出るとはこのことを言うんだと思った。映画館でも隼人のキス攻めに思わずチンコが反応してしまって、それを隠すために制止したのに、隼人には知られていたのだ。それを思うと本当に顔から火が出そうだった。
するとそんな状態を察知したのか、隼人が言った。
「翼は本当に純粋なんだからなあ。もちろん童貞でしょ?」
「・・・・・・悪かったな・・・・・・」
「いやいや、そんな翼くんだからいいんじゃないか」
なんだか馬鹿にされたようで面白くなかった。
そして隼人がまた大人びた声色に変えて耳元でささやいた。
「そんなに恥ずかしがらなくていいからさ、俺に任せて・・・・・・さ、こっち向いて」
俺は隼人に従った。椅子の上で体を隼人の方に向けて座りなおした。俺は隼人の太ももに座るかたちとなって、まるで騎乗位さながらだった。対面した隼人は俺を見上げて、にっと白い歯を見せて、満足そうな、意地悪そうな笑みを浮かべた。
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俺のカッターシャツのボタンは隼人に全部はずされてはだけていて、下に来ていた赤いTシャツがあらわになっていた。隼人はそのTシャツもめくってしまうと俺の乳首を舐め始めた。
「あっ、ちょ・・・っと・・・・・・」
あまりの刺激に体が勝手に反応して後ろに引いた。それでも隼人は攻めてくる。今までに経験したことのない快感に声が出るのを必死に堪えて歯をくいしばった。
隼人の舌は乳首から外れるとまるで俺の性感帯を熟知しているかのようにピンポイントで攻めてくる。舌とキスを巧みに使い分けてへその辺りを攻められると思わず後ろに引いてしまう。
「ほら、そんなに嫌がんないで」
「い、嫌がってるわけじゃ、あっ、ないんだけど・・・・・・っん」
思わず身をくねらせてしまう体に隼人は手を回すとぐっと引き寄せてさらに激しく攻めてきた。
「ちょ、隼人、マジ・・・・・・ヤバイ・・・・・・」
俺は運動した後のように息が上がって、はぁはぁと激しい呼吸になっていた。
隼人の手が俺のベルトに伸びると、片手でベルトをはずし始める。その間も乳首やへその辺りを口で、わき腹をもう一方の手で攻め続けられるもんだから制止もできなかった。
ベルトが外れてズボンのフックも外れるとチャックなんて簡単に降りた。すると大きくテントを張ったトランクスが現れた。
「すっげえ勃ってるよ」
「う、うっせえ・・・・・・ああっ!」
俺はそんな自分の姿なんて恥ずかしくて見てられなかった。その時隼人が突然、トランクスの上から亀頭を包んで持ってぐりっとしごいたもんだから今まで抑えていた声が出てしまった。それでも隼人はやめてくれない。
「隼人!マジ、それっ、・・・あっ」
俺の手がすっと、隼人の俺のチンコをしごく手に伸びた。隼人の動きが止まった。
「・・・・・・それだけはカンベンしてくれよ・・・・・・」
俺は隼人に懇願するかたちで隼人を見下ろした。もうそのときには俺の頭はこんがらがっていて、恥ずかしいとか情けないとか、いろんな感情がごちゃごちゃになってわけがわからなかった。だから隼人にも弱い自分というか、したて(下手)の自分というか、隼人に頼み込むのも苦ではなかった。
でもそんな弱い自分を見せたからだろう、隼人はどんどん意地悪になってくる。隼人はいやらしい笑みをうかべると言った。
「なに言ってんだよ、これからがいいトコじゃん」
懇願も虚しかった。俺は軽い恐怖を抱いた。隼人にというより、このまま攻め続けられて自分がおかしくなってしまうんじゃないかと思って。
急に体が軽くなったかと思うと、俺は隼人に抱き上げられていた。そしてそのまま、勉強机のすぐ脇のベッドに、半分倒れこむようにして寝かされた。
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.2.8) Gecko/20100722 Firefox/3.6.8 (.NET CLR 3.5.30729) @119-230-92-238f1.osk3.eonet.ne.jp>
隼人の舌が俺の口の中に入ってきて、舌と舌が絡んだ。
「翼、好きだよ」
キスの合間に俺の目を直視して言ってくれる。それでまた恥ずかしくなる自分がいる。
隼人の舌は首筋をつたって乳首を攻めてくる。片一方の手でもう片方の乳首を遊ばれ、もう片一方はトランクの上からチンコを揉まれていた。やがて隼人の手がトランクスの中に滑り込むと、チンコを取り出されてついに直に握られた。その手が上下にゆっくり動き始める。
「ああっ!隼人、マジでヤバイって!」
俺のチンコはすでに、今までに体験したことのないほどの先走りが出ていてヌルヌルになっていた。隼人の手がよく滑って快感も自分でシコるのとは比ではないくらいだった。また隼人のシコり方が尋常でないくらい焦らしてくる。チンコを強く握られたかと思うと、指の腹だけですうっと動かされたり、亀頭だけを攻められる。チンコの先だけを扱かれると電気が走ったようになんとも言えない快感が押し寄せてきて、背中の辺りがムズムズするのだ。乳首を攻められるだけでイキそうになってるのに、こんなシコられ方をするともうすぐにでもイッてしまいそうだった。さらに隼人は言葉でも攻めてくる。
「翼、先走りすげえよ?」俺はもう何にも言えなかった。すると隼人はどんどんいじめてくる。
「ほら、腕で目を伏せてないで見てみなよ」
そう言うと隼人は俺の腕をほどいた。隼人の顔が目に前にあった。
「ほら」「嫌だよ・・・・・・」
「何で?」「何でって、わかってるくせに・・・・・・」
そういうとにっと笑うだけだった。
「ほら!」
今の隼人にちょっと強くうながされると俺は従うしかなかった。頭を起こして隼人の手に握られた自分のチンコを見てみる。思ったとおり今までに経験したことのない先走りの量で、俺のチンコも隼人の手もヌルヌルだった。隼人が親指でスズ口を押して内側に触れてくる。先走りがまた玉をつくって溢れてきた。俺は刺激に顔をゆがめた。その顔を冷静に眺めている隼人の存在にも気づいていた。
隼人の手がチンコから離れると、痙攣したように大きくヒクついた。もう恥ずかしさも通り越してしまって逆に若干冷静になった俺は、行為が始まって以来、初めて自分から隼人の顔を見た。そして言った。
「おまえって」
「ん?」
「・・・・・・おまえって、ドSだな」
すると隼人は一瞬真顔に戻ったかと思うと、ばつが悪そうに笑った。
「ごめん。でも普段強がってる翼がこんなに気弱なんだもん。そりゃあいつもの仕返しをしたくなるよね」
「い、いつもの仕返しって、そんなこと思ってたわけ?」
「さあね」
最後は笑顔でたぶらかされて、またチンコをつかまれた。
隼人は本当に意地悪だった。隼人も男だからどこをどうシコればイけるのか、どのくらいシコればイくのかというのをわかっているのだろう、わざとそこをはずしてくるのだ。いつもイく一歩手前でしごくのをやめるのだ。そう、何度も寸止めをくらっている感じだった。そんなことをニ、三度も続けられると、俺の心もくじけそうになってくる。イきたいのにイけないこのもどかしさや歯がゆさ。あまりにも苦しくて泣きたくなってくるくらいだった。
その時、チンコにとがったものが当たった。急な変化に何かと思えば、隼人がチンコを舐め上げていたのだ。俺はその光景を見て驚いた。しかしそれも束の間、隼人がとうとうチンコを咥えると、生暖かい空間と柔らかい口の中の感触が心地よくてすぐに快感に変わった。今までチンコをしごいていた手は今度は俺のキンタマを揉むような感じで触ってきて、上下に動く隼人の口は、舌先でスズ口をくすぐったり、舌先に力を入れて動かされたりするので耐えられなかった。もとからイきそうになっていたというのに、こんな新しい刺激が加わると歯止めが利かなくなる。
「隼人・・・・・・ヤバイ・・・・・・」
俺は上がる息の中でそう言った。それでも隼人はやめようとしない。その時ようやくラストスパートをかけてきているのだと気づいた。俺の息がどんどん上がってくる。
「隼人・・・・・・ヤバイって!俺、イキそう・・・・・・」
快感が襲ってくる。ここまでくると自分では制御不能だった。イキたい欲望に完全に負けてしまってもうそれだけしか考えられなくなってしまっていた。
「隼人!ヤバイよ!俺、イクよ・・・・・・あっ、ヤバイ、隼人!イク!イクッ!・・・・・・」
俺が最後に叫んだとき、ようやく隼人は口からチンコを出した。その瞬間に精液がビュッ、ビュッと勢いよく飛んだ。それは自分でシコった時とは比べものにならないくらいの量で、何度もヒクついては3回、4回と射精を繰り返した。飛んだ精液は俺の胸辺りにまで達して、濃い精液が腹の上にたまった。
俺はしばらくの間射精後の余韻に浸っていた。
「気持ちよかった?」隼人が静かに聞いてくる。
俺は素直にうなずいた。そして隼人の顔を見て焦った。
隼人がチンコを出すのがあまりにも遅かったから最初の一発目が顔にかかってしまっていたのだ。俺は慌てて勉強机の上のティッシュ箱を握ると数枚取り出して隼人の顔を拭いた。自分のやってしまった行為に恥ずかしくなって拭きながら謝った。
「ご、ごめんな」
「いや、いいよ」隼人は笑いながらそう言ってくれた。俺の精液は前髪にまでかかっていた。
「大丈夫か?口の中に入ってない?ほら、ちゃんと吐き出して」
「うん・・・・・・」
俺は数枚またティッシュを引き抜くと隼人に渡した。
その間に自分の処理もしなくてはならない。布団についてしまう前に体にかかってしまった精液を拭った。ひととおり終えると今度は隼人の服が心配になった。隼人は制服をきっちりと着たままだったのだ。明日も普通に学校はある。
「制服、大丈夫?」
「ああ、大丈夫大丈夫」
俺が汚れていないか目を凝らして見ていると、隼人は突然立ち上がって前に進んだ。俺からは隼人の正面が見えなくなった。
「大丈夫大丈夫、どこも汚れてないから。それより翼、明日提出の宿題あるんだったよね?早くしないと終わらないよ?」
なんだか急に白々しくなった隼人に違和感を感じた。そしてすぐにピンときた。俺に正面を見させないことといい、早々に話題を変えたことといい・・・・・・怪しかった。
「なあ隼人、こっち向けよ」
「な、何だよいきなり。いやだよ」
ますます怪しくなって言った。
「いいから向けって言ってんだろ!」
ちょっと強く言うと隼人は観念したのか、しぶしぶこちらに向き直った。さきほどまでの意地悪さはどこにいったのか、しゅんとなってうつむいていた。
向き直った隼人の股間は制服の上からでもはっきりわかるほど勃起していた。俺に気を使ってかしらないが、隼人はこれを隠すために俺に背を向けていたのだ。
「俺だけイかせてそれで終わりかよ?」
「・・・・・・いや、そういうわけじゃないんだけど・・・・・・俺は、いいんだ」
「何で?ってかおもいきり勃ってるし」
「・・・・・・俺は、・・・・・・俺は翼みたいにきれいじゃないから・・・・・・」
隼人は静かに言った。このときはまだ言ってる意味がよくわからず、ただ単に体が汚いからという意味だと思った。それだったら俺も今日一日遊んでから風呂も入っていないのに、汚さでいったら同じじゃないかと思った。
「とにかく、ここに座れ!」
俺のすぐ横を指して言った。隼人は仕方なくといった感じでベッドに腰を下ろした。俺は制服のズボンとカッターシャツを脱ぐと、赤いTシャツ一枚だけになった。
「おまえずるいぞ!」
「ずるい?」
俺がそういうと隼人は驚いた表情を見せた。
「俺だけイかされてさ、なんか俺だけ弱みを握られたみたいじゃんか!」
「い、いや、そういうつもりじゃ・・・・・・」
「い、いいから、そのう、黙って従えよ」
何で俺は行為になると勢いが削がれてしまうのか、自分でもそう思った。それが隼人の言う純粋ってことなんだとしたら、気弱になってしまう純粋さはどうかと思ってしまう。
何はともあれ、俺の渾身の言葉に、隼人は黙ってうなずいてくれた。
逆にそれが緊張にもつながってしまって、隼人を目の前に、俺は生唾を呑んだ。
そして意を決して隼人のズボンのベルトに手を伸ばすとベルトをはずし始めた。
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最高です!やっと、二人とも素直になれそうですね。続き楽しみです!
<DoCoMo/2.0 SH904i(c100;TB;W24H16;ser353700014000861;icc8981100000345288452f) @proxy1137.docomo.ne.jp>
最近この更新だけを楽しみにして生きてます(笑)
一気に3つも更新されててうれしかったです!
マイペースに最後まで書いてもらって、読み続けます。
これからも楽しみにしてます!
<SoftBank/1.0/930SH/SHJ002/SN353689029614255 Browser/NetFront/3.4 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1 @w42.jp-t.ne.jp>
え、はやとどうなってるんですか?
マジ続き気になります!
<DoCoMo/2.0 F01A(c100;TB;W24H17;ser359935016342119;icc8981100000661875072f) @proxyb111.docomo.ne.jp>
隼人くんは何か秘密がありそう。だけど大好きな翼くんとできて本当によかったね! 翼くんに隼人くんが攻められるところを見たいです!
<DoCoMo/2.0 SH904i(c100;TB;W24H16;ser353700014000861;icc8981100000345288452f) @proxyag054.docomo.ne.jp>
<DoCoMo/2.0 SH904i(c100;TB;W24H16;ser353700014000861;icc8981100000345288452f) @proxyag063.docomo.ne.jp>
更新遅くなって申し訳ありません。続きです。
隼人の白いベルトに手をかけた。二人とも無言で部屋にはベルトを外す金具の音だけがやけに大きく響いていた。隼人は特に抵抗することもなく手をベッドについて俺の動作を見届けていた。その「見られてる」という感覚が更に俺の緊張をあおった。
ベルトが外れてズボンのフックを外すとチャックは簡単に外れた。すると青いボクサーパンツがあらわになった。上に向かって完全に勃起をしていてテントを張っていた。俺に見られているからか、隼人のチンコは窮屈なパンツの中でヒクッ、ヒクッとひくついていた。スズ口にあたる部分は先走りが大量に出ていて大きなシミをつくっていた。今隼人はどんな表情をしているのか見てみたい気はあったのだが、俺にそんな勇気はなく、また隼人に俺の顔を見られたくなかったから隼人のチンコを覗き込むように、隼人のチンコと顔の間に入ってやった。
俺はますます緊張してくる。女の子との経験もなかったから隼人に先ほどやってもらったことが今の俺のすべてになっていた。とにかく隼人のチンコはパンツの中で窮屈そうだったから出してやることにした。腰に手を回してパンツを下ろすしぐさをすると、隼人は腰を少しだけだが浮かしてくれて、ズボンと一緒にパンツを膝辺りまで一気に脱がした。
とうとう隼人のチンコが目の前に現れた。見た印象は、とにかく俺より大きいということだった。太さも一回りくらい大きくて長さも3、4センチほど長い。だいぶ我慢していたようで隼人のチンコはすでに先走りでヌルヌルだった。俺の左手は思わず伸びて隼人のチンコを握った。初めて他人のチンコを握った。すごく熱くてすごく硬かった。自分のをシコる要領で強く握って上下に動かしてやると、新しい先走りが漏れて、先っぽにタマをつくってすぐに流れた。
『エ、エロすぎる・・・・・・』
俺は隼人の熱いチンコを上下に動かしてそう思った。なんだが自分の体温も上がって頬がかっかと火照っているのがわかるくらいだった。気がつくとさっきイッたばかりなのに俺のチンコも反応していて、Tシャツの中で完全に勃起していた。
隼人が感じているのか表情を確認できないまましばらくチンコを上下に動かしてしごいてやる。しごくたびに隼人のチンコはドクドクと脈打ってそれと同時に先走りがもの凄い勢いで出てくる。俺が十日くらい我慢して溜めてもこのくらいの量が出るか怪しかった。
あまりにもすべりがよくてサオを攻めるのをやめて亀頭だけをしごいてやる。亀頭の根元で力を入れて握ってやると、すべりがよくてヌルっと勢いで手が上に上がった。
「うあっ・・・・・・」
俺はどきっとした。隼人が小さな声を出したのだ。その色っぽさといったら半端じゃなかった。その声に反応してしまって、先走りが漏れたことが見なくてもわかった。
俺は意地悪にももっと聞きたくなってその亀頭だけをしごくの続けた。すると隼人の息づかいが荒々しくなってくるのがわかった。体が上下に動いて体で息をしているのがわかる。隼人も喘ぎ声はやっぱり恥ずかしいのか、口を閉じて必死に堪えている声が漏れ聞こえた。
するとまた先走りが小さなタマをつくった。俺はそれを見て隼人のチンコをしこる手を止めた。
『隼人はこんなチンコを舐めたんだよな・・・・・・』
と、おもむろに思ったからだ。いきり立って先走りでヌルヌルになって、部屋の電気に照らされて赤黒く光る俺のチンコを。舐めることに戸惑ったわけではなかった。ただ無心でそう思っただけだった。
すると刺激が収まったことに気づいた隼人は初めて声を出した。
「・・・・・・翼、そんなに、無理しなくて、いいんだよ?」
俺はその言葉に逆にカチンと来た。『なにそれ?俺は舐める勇気もないとか勘違いしてる?』と思って、本人は気を使って言ったつもりなんだろうけど、なんだが根性なしと馬鹿にされてる感じがした。
「っうるせ!それより上脱げよ!汚れたら明日困んだろが!下も自分で脱げよ!」
俺がカチンとした勢いでそういうと、隼人は素直に応じたようで、シャツがすれる音がして脱ぎ始めた。そして膝まで下ろしたズボンも器用に足を動かしてパンツと一緒に全部脱いでしまった。隼人もカッターシャツの下に着ていたTシャツ一枚となった。薄いベージュ色のTシャツだった。俺はそれを確認すると、いよいよ隼人のチンコに更に近づいて、まずは舌先で先っぽにたまった先走りをすくい取った。
なんだか汗にも似たしょっぱい味がした。でも嫌な感じはしなかった。俺は覚悟を決めると、隼人のチンコを一気に口にふくんだ。隼人のチンコは大きくて大口を開けなければ咥えることができなかった。口にふくんだはいいものの、どうしていいかわからず、ひとまず頭を上下に動かして手でしごく動作を真似た。先走りでベトベトになった手で咥えきれないサオの根元をしごいてみたり、キンタマをぎゅっと握ってみたり、とにかく隼人が感じそうな動作を探した。
口が開きすぎて、唾液だか先走りだかわからないが、液体が隙間からもれ出てくる。それがクチュクチュと音を立てていやらしい音が部屋中に響いた。
しばらく頭を上下に動かしていると、隼人が荒い息の中、言った。
「・・・・・・翼・・・・・・オレ、イキそう、かも」
俺は一度チンコを出すと、その時初めて振り返って隼人の顔を見た。隼人は感じて目を瞑っていたようだったが、視線に気づいたらしく目を開くと、切羽詰った、一見泣きそうな表情の中に、恥ずかしいそうな苦笑いを浮かべた。
「もう?」俺は咥えてから間もなかったからそう言った。
すると隼人は、さらに苦笑した表情でこっ恥ずかしいことを言ってのける。
「だって、翼にされてると思うだけでイキそうになるんだもん」
俺の顔が一気に熱くなったのを感じた。俺はすぐに隼人から視線を逸らしてまたチンコを口に咥えてラストスパートをかけた。口を力いっぱい閉じて窮屈にして頭を上下に動かしてやる。左手で余ったサオやタマを刺激してやった。すると1、2分もすると隼人の呼吸が一層激しくなって、切羽詰った声をあげる。
「翼・・・・・・オレ、イキそう・・・・・・」
俺は更に続ける。
「翼、イッていい?」
俺は咥えたまま、うんうんと頷いてフェラを続行する。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・あっ、翼、イキそうだよ・・・・・・」
隼人の絶頂が近いようだった。
「んっ、うぁ、あ、ダメ、だ・・・・・・翼、イキそう」
タマを握っていた手をサオの根元に移して上下にしごいてやる。
「イキそう・・・・・・イキそう!翼、イキそう!イクよ!?あっ・・・・・・ッイク!!」
隼人が絶頂を迎えるコンマ1秒のところで口からチンコを出した。その瞬間俺の目の前で隼人が射精した。まっすぐに勃ったチンコから、まっすぐに精液が勢いよく射精される。3回、4回、5回と射精を繰り返してようやく、チンコをつたって漏れる射精に落ち着いた。その飛距離も量も凄かった。そして最初に勢いよく飛んだ精液が俺の頬に落ちてきた。すごく熱くてそれだけでも驚いた。
イッた後、隼人の息は最高潮で、しばらく余韻に浸っていたが、俺の精液まみれの状況を見ると慌てた様子でティッシュを手に取った。
「ごめん、ごめんな!」
「いいよ。これであいこだろ」
隼人が頬についた精液を拭いてくれる。そして髪の毛にもかかったらしく、丁寧にティッシュで拭いてくれた。
「うわっ!どうしよう、付いた量が多すぎてカピカピになっちゃうんだけど」
俺はそれを聞いて苦笑いした。体勢を立て直して言った。
「いいよ。今から風呂入るから・・・・・・先に入る?」
「そんな、俺は翼の後でいいよ」
「そっか。じゃあ、ちょっと待ってて」
そう言って先ほど脱いだパンツを履いて部屋を出た。
家族に見つからないように渡り廊下を横切って洗面所に行った。そしてシャツとパンツを脱いで洗濯カゴに突っ込むと風呂場へ入った。
シャワーを出して頭から水をかぶった。一人になると先ほどの光景が思い出された。隼人にされたこと、そしてした事、した時の隼人の感じる声や少しだけ見た感じている時の表情。それが頭の中に過ぎるだけで俺のチンコは反応して完全に勃起してしまった。落ち着かせようと試みるけどあまりにも鮮明に焼きついていて、一度抜かないと収まりそうになかった。石鹸を握って潤滑油代わりにすると自分のチンコを握ってしごいた。脳裏には隼人だけが映ってシコるには充分だった。ものの5分もしないうちにイッてしまって、あまり長く隼人を待たせるわけにもいかないので、頭と体を洗って早々に出た。
20分ほどして自分の部屋に戻った。最初隼人と視線が合ったとき、隼人をオカズに一回抜いてしまったからちょっととまどってしまった。
「今上がったよ。じゃあ隼人も入ってこいよ」
「うん。ごめんな、風呂まで借りて」
「いいって、そんなこと」
俺は腰にバスタオルを巻いた状態のまま、Tシャツとパンツ姿の隼人を風呂場へ連れて行った。
「シャツとパンツはこん中入れておいて。洗濯して次会った時に返すから」
「え、そこまでしてくれなくてもいいよ!そんなの悪いし」
「いいって!洗濯すんの俺じゃないし」
「でも・・・・・・」
「うっせえヤツだなぁ、いいって言ったらいいんだよ!それと着る服は入ってる間にここに出しておくから。まあゆっくり入れよな」
「翼、いろいろありがとね」
「なんだよ、いきなり改まってさ。いって。じゃ、ゆっくり」
そう言って洗面所の扉を閉めた。
部屋に戻った俺はクロゼットの中から自分の着るパンツと寝巻き用の短パン、Tシャツを取り出してそれを着た。次に隼人が着る用のボクサーパンツとスウェットの下、緑のTシャツを取り出すと洗面所の洗濯機の上に置いておいた。
2、30分後、隼人はそれを着て部屋に戻ってきた。
「風呂、ありがとう」
「いや、いいよ。それよりさ、明日時間割とか大丈夫?」
「えーっと・・・・・・明日現代国語があるんだけど、翼明日ある?」
「いや、明日無いから教科書貸してやるよ」
と言った感じで明日の学校の準備を整えたりいろいろ普段と変わらない友人としての会話を楽しんだ。そうこうしているうちに時間は11時半を過ぎ寝ることになった。
「家、客用の布団がないんだ、だからベッド二人で使うことになるけど、大丈夫?」
俺がそういうと、隼人は屈託ない笑顔で「うん」と言ってくれた。
隼人が奥で俺が手前に寝る。電気を消して、しばらく他愛もない話をしていたけど、どちらが先ともなく「おやすみ」と言い合うと、二人とも寝ることに集中し始めた。そのあと数分記憶があったけど、いつのまにかそれもなくなって俺は眠りに落ちていた。
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なんとかひとつの区切りを迎えることができました。
長い間応援してくださった皆さん、ありがとうございます。
でもまだまだ謎はいっぱい残ったままです。
タイトルの意味もまだ話していませんし・・・・・・。
実はこれからが波乱万丈といいますか、泥沼になっていくといいますか・・・・・・(汗)
また時間があったら書かせていただきますね。近々。
その時は新たにスレッドを立てますので、この見にくさも少しは解消されることと思います。
とにかく、「これ、エッチなシーンまで行き着くの?」という疑問のお声もいただいたことがあったのですが、なんとか行き着きましたよ!ひとつの区切りを終えることができて本当にほっとしています。ありがとうございました。
なんか最終話みたいな書き方ですけど、まだまだ本当に続くので、これからもよろしくお願いします。
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.2.8) Gecko/20100722 Firefox/3.6.8 (.NET CLR 3.5.30729) @119-230-92-238f1.osk3.eonet.ne.jp>
待ってました!
高校時代ってきっとこんな感じだったのかな!がっついたかんじじゃなくて。お互いにわかり合えてよかった!
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すごく切なくなります。俺もこんな恋してみたい。
隼人と翼、ハッピーエンドにはならないんですか?
きになる!
<DoCoMo/2.0 SH904i(c100;TB;W24H16;ser353700014000861;icc8981100000345288452f) @proxyag022.docomo.ne.jp>
りょーーた
- 10/9/12(日) 1:11 -
とりあえずお疲れ様です!!
いやいや本当に、このまま終わったらなんか残念なんで、謎ばっかだしww
続きぜひぜひ書いてくださいね!!
マイペースで良いんで、待ってます。
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おつかれさまでした。ほんとにこれからの続きが気になります。
楽しみにしてます!
<DoCoMo/2.0 SH904i(c100;TB;W24H16;ser353700014000861;icc8981100000345288452f) @proxy1175.docomo.ne.jp>
「前を向いて」の大ファンです!
つづき気になります!翼くんと隼人くん、どうなるんですか?
<DoCoMo/2.0 SH904i(c100;TB;W24H16;ser353700014000861;icc8981100000345288452f) @proxy1172.docomo.ne.jp>
続き気になっています。
時間が有る時で良いので更新お願いします。
<Mozilla/5.0 (Macintosh; U; Intel Mac OS X 10_6_4; ja-jp) AppleWebKit/533.18.1 (KHTML, like Gecko) Version/5.0.2 Safari/533.18.5 @p091.net059084161.tokai.or.jp>
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前を向いての意味がいつも気になります。まさか、悲しい結末があるの?
隼人の秘密って?
できればそろそろ続き知りたいっす!
<DoCoMo/2.0 SH904i(c100;TB;W24H16;ser353700014000861;icc8981100000345288452f) @proxy10038.docomo.ne.jp>
じゅん
- 10/12/31(金) 14:53 -
すごくよかったです。一揆に全部読みました。続き待ってますね。
今までこれほどよかった作品ありません。
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; GTB6.6; .NET CLR 1.1.4322) @119.84.233.111.ap.yournet.ne.jp>
大好きなお話しです。文章力、描写力に優れてます。
また是非とも再開をお願いします。隼人君の秘密が気になりますね。
<KDDI-CA3F UP.Browser/6.2_7.2.7.1.K.4.310 (GUI) MMP/2.0 @05001010232841_aa.ezweb.ne.jp>
俺も更新待ってます!
こんなに充実してて読みやすくて興味わく話なかなかないです。
<Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 2.3.3; ja-jp; SBM007SH Build/S0020) AppleWebKit/533.1 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 M... @ml7ts11v11w.pcsitebrowser.ne.jp>
最近、このサイト知って読みました!
すげーよかった!
今更かも知れないけど、続き待ってます!
<KDDI-SN3I UP.Browser/6.2_7.2.7.1.K.3.352 (GUI) MMP/2.0 @07012370840481_hg.ezweb.ne.jp>
聖史
- 11/10/11(火) 23:25 -
美しい文章と、その繊細な世界観に、一気に心がすいこまれるようでした。
記憶の中の繊細な部分がひとつひとつとりだされているように、美しい情景が浮かんできました。
文学の才能がおありなのかと思いました。
素敵な時間をありがとう。
また書いてください。
<Mozilla/5.0 (Macintosh; Intel Mac OS X 10_7_1) AppleWebKit/535.1 (KHTML, like Gecko) Chrome/14.0.835.202 Safari/535.1 @p34176-ipngn1701marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp>
もー一年くらいたっちゃいましたけど、
続き楽しみにしてます!!
<Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 2.3.5; ja-jp; SH-06D Build/S7231) AppleWebKit/533.1 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Mob... @s1713011.xgsspn.imtp.tachikawa.spmode.ne.jp>
アガタ
- 12/11/17(土) 21:11 -
俺も大好きで続編を楽しみにしています。
翼さんお元気ですか?また是非書いて下さい。
<KDDI-CA3F UP.Browser/6.2_7.2.7.1.K.4.310 (GUI) MMP/2.0 @05001010232841_aa.ezweb.ne.jp>