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これは、高校から大学までの話です。
高校に入学してすぐ、隣の席の裕也と俺(けんた)は友達になっていた。裕也はバスケ、俺は野球部。
裕也はモテる方ではないが、爽やかでいつもニコニコしてる。だから皆にもいじられる。
そんな裕也を好きになるのに時間はかからなかった。何をするのも一緒でお互いの家にも何度も泊まりに行くほど仲が良かった。そんな親友を失うことが怖かった。この想いを一生伝えることは無いだろうと、高校三年間俺は裕也の親友であり続けることを選んだ。
裕也と仲が良くなり裕也の家に行くと必ず弟の信也とも遊んだ。信也は裕也のことが大好きで、女兄弟しかいない俺はとてもうらやましいくらい仲がいい。
信也は俺にもなついてくれた。裕也がいないとき(遠征とか)は一人で俺の家に遊びにも来るほどだった。俺も裕也も背は高い方だが、当時中学生の信也も背が高く、今時の中学生と言うよりは、まじめな、兄譲りと言うか、とてもかわいいやつだった。裕也の影響でバスケをしている。
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二年生になって間もなく、裕也に彼女ができた。ショックだった。
現実を見たくなかった。裕也とは親友で何をするのも一緒でずっとこのままみたいな幻想をもっていたんだと思う。
表面上は応援するしかなかったが、かなり自暴自棄になった。
当時、高校生の俺は、ゲイのサイトがあることは知っていたが利用したことは無かった。
適当に選んで返信をして、一人の男と会うことになった。
部活が休みの日を選んで駅で待ち合わせた。内心どうにでもなれという気持ちだった。
間もなくして男はやってきた。
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その男は三十過ぎの腹の出たおっさんだった。見た瞬間これが俺の現実なんだと思った。
男は取り合えずご飯に行こうと言い、ファミレスに行った。男は終始ニタニタして気持ちが悪かった。色んな質問をされたが適当に相槌をうってほとんど何を話したか覚えていない。
喋ることも尽きたか、男はホテルを用意しているからと言ったので黙って従った。ホテルは近くの安いビジネスホテルだった。
ホテルに着いてからシャワーを浴びてベッドで男はいきなりキスをしてきた。やっぱり気持ち悪かった。
そのとき俺は裕也のことがずっと頭にあった。男は俺の下半身に巻いてあるバスタオルを解いて下半身を舐めまわしてきた。目を閉じてそこにいるのは裕也だと思い込もうとした。
「気持ちいい?」
男がそう言った瞬間我に返った。
俺「やっぱり無理。ごめんなさい…」
男はきょとんとしていたが俺は急いで服を着て部屋を出た。
家に帰る途中涙が止まらなかった。自分のやってること、やってる最中裕也を想像したこと、全てが悲しかった。
駅でぼんやり電車を待っていると、声をかけられ、振り向くと信也だった。俺の顔を見て信也はかなり心配そうに
信也「大丈夫?」
と言っていた。俺は何でもないよ。大丈夫と言ったが、
信也「なんか心配だから家寄っていきなよ」と言ってくれた。
それは無理だった。裕也に合わせる顔が無いし、今は会いたくなかった。
次の日も学校で裕也とは一言も話すことができなかった。
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裕也と一言も会話をしなかったのは初めてだった。
部活が終わって家に着くと裕也からメールが来た。
「今日元気なかったけど、どうした?
一言も喋らなかったからさ〜
悩みあるなら聞くぜ。」
俺は、何でも無いよ、ちょっと疲れてただけだよと返信をした。
次の日裕也は朝からめちゃ話をかけてきた。それだけでうれしかった。
その三日後、裕也は彼女と別れた。三ヶ月ほどだった。
裕也「やっぱ今の俺は部活が全てだな〜。またフリーに戻ったからけんたのことかまってやるよ笑」
俺「お前からフルとかマジもったいないだろ。結構可愛かったじゃん? 俺と遊べなくて辛かったのか?笑」
裕也「まぁね〜」
そう言って辛そうな顔をした裕也が気になった。
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三年になって部活も引退した。
俺は野球の推薦で大学に行くことになっていた。
一方の裕也はまだ進路は決まっていない。
しかも、裕也はあまり進路のことを話したがらなかった。
俺も無理に聞くのは、裕也の人生だし、詮索はしなかった。
授業が無くなって、卒業を迎えるだけになった時期、俺と裕也は高校最後の思い出作りにちょっとした旅行を計画した。
温泉のあるところがいいとと裕也が言うので、俺が色々と計画を立てた。その時期になっても裕也は進路のことを話さないので、実際どうなっているのか俺にもわからなかった。
ある日、裕也の家で旅行のことについて話していると、信也も行きたいと言い出した。信也は学校があるからと、両親と裕也に止められた。
信也はかわいいが、内心ほっとした。裕也は進路のことを話したがらないし、俺の中ではこれが裕也との最後の思い出になるだろうと思っていたからだ。
それでも信也はかなり粘っていた。
信也「けんた君からも説得してよ〜!」と懇願されたが
俺「親の許可がないと俺には無理だよ〜」
信也はようやくあきらめてくれた。
そしてその旅行に行く日がきた。
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ミーイくん
- 10/6/25(金) 8:28 -
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裕也と約束していた(卒業)旅行の日が来た。
高校生にしては、新幹線に乗ってかなりの遠出だった。裕也は終始はしゃいでいた。俺も好きな裕也と一緒にいられることが嬉しかった。
色んなところを見て旅館に戻り、夜裕也と風呂に行くことになった。
裕也と風呂に入るのは修学旅行以来だった。すでに部活を引退していたが、裕也の体は無駄な脂肪が一つも無く、綺麗な筋肉のつきかた、毛は薄かった。
裕也「けんた〜 毎日筋トレしてんの?前より筋肉ついたんじゃね?」
俺「してるよ〜何もしてなかったら大学入ったらついてけねーし。」
裕也はやたらとボディタッチしてきたり、全く隠す気がないので俺は平常心を保つのが大変だった。裕也のちんぽはちょっと被り気味で大きさは普通くらい、俺のほうがでかい。
裕也「けんたちんぽでかくね?」
俺「見てんじゃねーよ〜 まぁ俺のがでかいな笑」
裕也「たったら負けねーよ笑」
そんな感じで二人でくだらない話ばっかしてた。
露天風呂に二人で浸かっていると二人して沈黙した。俺は何となく進路のことが気になった。
俺「裕也〜 お前進路どうなってんだよ? 全然話してくれないじゃん?」
裕也「今は言えないな… てか、絶対けんたびっくりするよ。」
俺「びっくりするって何だよ。東大でもうけるのか?笑」
裕也「そういう意味でのびっくりでは無いけど、とにかく驚くよ笑」
俺「そっか…」
それ以上進路の話はしなかった。
部屋にもどって二人でまったりしてた。
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ミーイくん
- 10/6/27(日) 1:16 -
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部屋で裕也と二人くだらない話をしていて、恋愛話になった。二年のとき裕也には彼女ができて三ヶ月ほどで破局したが、その時のことが気になって聞いてみた。
裕也はそれ以来彼女はいない。なぜ、その彼女とはうまくいかなかったのか俺としてはとても気になるところだった。裕也曰く、その彼女のことを好きになれなかったそうだ。
裕也「だからさ〜 いまだに俺童貞なんだよね〜笑。」
俺「やらなかったんだ〜 とりあえずやっときゃ良かったのに笑」
裕也「最低〜笑 てかさぁけんたの恋愛話とか聞いたことなくね?お前こそどうなんだよ?」
俺のことについてはあまり触れてほしくなかった。裕也のことが好きなこと、裕也に彼女ができて、そのショックから知らないおっさんと会ったこと。
高校三年間裕也と知り合えて、凄く楽しかった。その反面、気持ちを殺し続けてきた。
俺「まぁ 結局誰とも付き合わなかったけどさ、、、 ずっと好きな人はいるよ」
裕也「え?!初耳なんだけど。誰だよ?教えろよ〜?」
俺「う〜ん… いや、今は言えない。裕也も進路のこと黙ってんだろ? だから俺も言わね笑」
裕也「何だよそれ〜 それとは別の話だろ〜」
俺にとっては別々の問題ではなかった。裕也がこれからどうするか俺には大きな問題だった。
俺「そろそろ寝るぞ」
裕也「はぐらかされた笑 おやすみ〜」
俺は色々頭の中を駆け巡ってて寝付けなかった。裕也がなぜ前の彼女のことを好きになれなかったのか、進路のことを話してくれないのか。
色々考えてる間に裕也は寝息を立ててる。俺は裕也の顔をじっと眺めてた。しょっちゅう泊まりに行っていたから、裕也の寝顔は見慣れてる。でもその時は裕也と友達でいるために抑え続けていたものを我慢できなかった。
俺は、裕也にそっと近づき、裕也の髪に触れた。子どもみたいな顔をしてる。そして、唇をそっと触って、キスをしてしまった。
心臓がバクバクしてやめなきゃいけないと思いながらも止められず、はだけた浴衣の中に手を入れた。
裕也が大きく息をした瞬間俺は我に返って、裕也から離れた。
そして、トイレに行って裕也のことを想像してオナニーをした。終わって布団に戻ると、虚しさを感じた。
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その旅行から帰って、数日たったころ裕也からメールが来た。
裕也「住むとことか決まった?」
俺「野球部の寮に入ることにしたよ〜」
裕也「住所教えて〜」
どうしたんだろうと思ったが、住所を教えた。その頃裕也は忙しそうで中々会うことはできていなかった。
他の生徒の進路が決まりだした頃、裕也からも大学に合格したとメールがきた。
去年までは進路が決まった生徒の進路を学校内で掲示していたが、どっかの変な親が個人情報だとクレームをつけたことで、俺の学年からは一切、本人から聞く以外他の生徒の進路については、学校内で知ることは無い。
俺「マジか!! おめでとう。どこ受かった?」
裕也「直接会って言うよ〜 今日は会える?」
俺「大丈夫だよ〜」
そして、裕也の家に向かった。
裕也は他県の大学に進学すると言った。
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ゆう
- 10/6/28(月) 0:40 -
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