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短編〜まことの場合〜1 you 20/5/6(水) 17:53
Re(1):短編〜まことの場合〜1 ひろ 20/5/9(土) 1:56
Re(2):短編〜まことの場合〜1 you 20/5/17(日) 16:50
短編〜まことの場合〜2 you 20/5/17(日) 16:48
Re(1):短編〜まことの場合〜2 しん 20/5/30(土) 19:31

短編〜まことの場合〜1
 you  - 20/5/6(水) 17:53 -
部屋が少し蒸し暑い。


雨が降っているため窓を開けることができず、かといってクーラーをかけるまでもなく、そんな居心地の悪い部屋で、なかなか眠りにつけずブランケットの中でもがいていた。

ふと、ベッドの隣に置いてある時計をみると1:30を過ぎようとしていた。

「マジかよ、、、最悪」

連日リモート飲みや夜更かしで不摂生が続いたため、今夜こそは早く寝ようと12時にベッドに入ったものの、結局眠れず1時間半もたっていた。


本当に最悪だ。

いや、最悪なのはこの眠れないストレスだけではない。
新型コロナウイルスの影響で、GWの予定は全てキャンセル。本当であれば今頃友人たちと石垣島にいっているはずだった。
仕方ないと言い聞かせているものの、緊急事態宣言が発出されてからすでに1か月近くたち、些細なことでもストレスを感じることが多くなった。

SNSもそのひとつであろう。今までは何も考えずに投稿していた写真や動画も、今では非難されかねない。皆が互いに監視している、、、そんな感じがする。


こんなことまで考えるようになったらいよいよだと思い、クーラーをつけるためリモコンに手を伸ばしたところでスマホの着信音が盛大に鳴り響いた。


時刻は1:34。

「は〜?誰だよ、こんな時間に。」
スマホの画面を見ると、知らない携帯電話の番号から。
普段であれば絶対に出ないが、寝苦しさと大音量の着信音で完全に目が覚めてしまい、なんとなく出ることにしてみた。

「はい、もしもし」

「あ、、、出た。、、、まことくんですか?」
聞き覚えのない声の男性が、弱弱しく俺の下の名前を呼んだ。。


「え、、あ、はい。どちら様ですか」

少し間が空いた。
その間に、俺は俺を「君付け」で呼ぶ友達を頭の中でリサーチしたが、どいつも声が異なる。一体相手はだれなのか、変な汗が額を流れた。

「あの、、、僕、はるやです。従兄のはるやだよ。」

「え!!晴也!?」
横になって電話を受け答えしていた俺は、驚きのあまり飛び起きた。

晴也は、俺と8つ離れた年下の従弟。
同じ市に住んでいたこともあり、小さい頃はよく家に遊びにきて面倒みてやっていたが、それも俺が中学を卒業するまで。
最後に会ったのは、5・6年前に祖父が亡くなった葬式の時で、それでも顔をあわせたくらい。あの時はまだ中学生で、幼い顔の晴也には似合わない学生服を着ていて思いっきり笑った記憶がある。

親から聞いた話では、高校卒業後大学に進学したが、いろいろ合わず中退。
今は実家の大工を継ぐため、大学には進学せずにおじさんの手伝いをしていると。

「うん、晴也だよ。良かった、思い出してくれて、、、。」
「思い出すも何も、忘れてないよ。知らない電話番号からだったからビックリしただけ。てか、晴也に俺の携帯電話の番号教えたっけ。」
「うん、中学生の時に聞いた。けど、連絡するのは初めてだと思う。」


そりゃビックリするわと納得し、そんなことはどうでもいいと話をすぐに切り替えた。
「で、どうした。何か用?」
こんな時間に、しかも弱弱しい声で話しているところを考えるに、きっと何かしらの悩みがあるのだろうと、単刀直入に聞いた。


「あのね、実は今、、、東京にいて」
「え、山梨からきたの?いつ!?」
「うん、最終の高速バスでさっき新宿についた。」
「こんな時間に、何しに!?泊まるところは大丈夫なの!?」

ふと、あまりの衝撃に鼻息荒く聞いてしまっている自分に気づき
「ごめん、感情的に聞いちゃったな」と謝った。


「ううん、こっちこそ変な時間に電話しちゃってごめんなさい、、、。」
ただでさえ弱弱しい声がどんどんか細くなっていくのが伝わってきた。

何か言いたいのだろうが、なかなか言い出さないので、一呼吸してこちらから切り出した。
「泊るところ見つからないなら、家においで」
「え、なんでわかったの」
と心底驚いたような声で返ってきた。

「いやいや、今の状況と晴也の声聞けばなんとなく分かるよ。で、今どこにいるの?」
「バスタのベンチ」
「オーケー、じゃあバスタでタクシー拾って『西新宿五丁目駅』まで向かって。うちの最寄駅だから。そこからだったら10分くらいで着くと思う。」
「うん、わかった。目の前にタクシー停まっているからすぐ乗れそう」
会話をしているうちに安心したのか、だんだんと晴也の声が大きくなっていくのが分かった。

「それなら良かった。でも、大丈夫?タクシー運転手に伝えられそう?」
「僕、子供じゃないよ、大丈夫」と笑う晴也。
それもそうか、小さい頃のイメージしかないが、俺の8つ下だからもう22歳、立派な大人だ。

「ごめんごめん。じゃあ、駅前のローソンで落ちあおう。後ほど」
「分かった」

電話を切ろうとすると間髪入れず晴也が
「まことくん!!」
「ん、どうした。」
「あの、、、、ありがとう」
久しぶりに人に褒められたせいか、なぜか赤面してしまった。

「あとで缶ビール奢ってもらう。じゃ。」
とだけ返し、今度こそ終話を押した。


俺は鏡で最低限の身だしなみを整えて、傘を取り玄関を出た。
外に出ると雨脚は弱くなっているものの雲が厚く、都庁のライトアップが雲まで届き幻想的な世界を醸し出していた。

引用なし

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Re(1):短編〜まことの場合〜1
 ひろ E-MAIL  - 20/5/9(土) 1:56 -
続ききになります
フィクションですか?

▼youさん:
>部屋が少し蒸し暑い。
>
>
>雨が降っているため窓を開けることができず、かといってクーラーをかけるまでもなく、そんな居心地の悪い部屋で、なかなか眠りにつけずブランケットの中でもがいていた。
>
>ふと、ベッドの隣に置いてある時計をみると1:30を過ぎようとしていた。
>
>「マジかよ、、、最悪」
>
>連日リモート飲みや夜更かしで不摂生が続いたため、今夜こそは早く寝ようと12時にベッドに入ったものの、結局眠れず1時間半もたっていた。
>
>
>本当に最悪だ。
>
>いや、最悪なのはこの眠れないストレスだけではない。
>新型コロナウイルスの影響で、GWの予定は全てキャンセル。本当であれば今頃友人たちと石垣島にいっているはずだった。
>仕方ないと言い聞かせているものの、緊急事態宣言が発出されてからすでに1か月近くたち、些細なことでもストレスを感じることが多くなった。
>
>SNSもそのひとつであろう。今までは何も考えずに投稿していた写真や動画も、今では非難されかねない。皆が互いに監視している、、、そんな感じがする。
>
>
>こんなことまで考えるようになったらいよいよだと思い、クーラーをつけるためリモコンに手を伸ばしたところでスマホの着信音が盛大に鳴り響いた。
>
>
>時刻は1:34。
>
>「は〜?誰だよ、こんな時間に。」
>スマホの画面を見ると、知らない携帯電話の番号から。
>普段であれば絶対に出ないが、寝苦しさと大音量の着信音で完全に目が覚めてしまい、なんとなく出ることにしてみた。
>
>「はい、もしもし」
>
>「あ、、、出た。、、、まことくんですか?」
>聞き覚えのない声の男性が、弱弱しく俺の下の名前を呼んだ。。
>
>
>「え、、あ、はい。どちら様ですか」
>
>少し間が空いた。
>その間に、俺は俺を「君付け」で呼ぶ友達を頭の中でリサーチしたが、どいつも声が異なる。一体相手はだれなのか、変な汗が額を流れた。
>
>「あの、、、僕、はるやです。従兄のはるやだよ。」
>
>「え!!晴也!?」
>横になって電話を受け答えしていた俺は、驚きのあまり飛び起きた。
>
>晴也は、俺と8つ離れた年下の従弟。
>同じ市に住んでいたこともあり、小さい頃はよく家に遊びにきて面倒みてやっていたが、それも俺が中学を卒業するまで。
>最後に会ったのは、5・6年前に祖父が亡くなった葬式の時で、それでも顔をあわせたくらい。あの時はまだ中学生で、幼い顔の晴也には似合わない学生服を着ていて思いっきり笑った記憶がある。
>
>親から聞いた話では、高校卒業後大学に進学したが、いろいろ合わず中退。
>今は実家の大工を継ぐため、大学には進学せずにおじさんの手伝いをしていると。
>
>「うん、晴也だよ。良かった、思い出してくれて、、、。」
>「思い出すも何も、忘れてないよ。知らない電話番号からだったからビックリしただけ。てか、晴也に俺の携帯電話の番号教えたっけ。」
>「うん、中学生の時に聞いた。けど、連絡するのは初めてだと思う。」
>
>
>そりゃビックリするわと納得し、そんなことはどうでもいいと話をすぐに切り替えた。
>「で、どうした。何か用?」
>こんな時間に、しかも弱弱しい声で話しているところを考えるに、きっと何かしらの悩みがあるのだろうと、単刀直入に聞いた。
>
>
>「あのね、実は今、、、東京にいて」
>「え、山梨からきたの?いつ!?」
>「うん、最終の高速バスでさっき新宿についた。」
>「こんな時間に、何しに!?泊まるところは大丈夫なの!?」
>
>ふと、あまりの衝撃に鼻息荒く聞いてしまっている自分に気づき
>「ごめん、感情的に聞いちゃったな」と謝った。
>
>
>「ううん、こっちこそ変な時間に電話しちゃってごめんなさい、、、。」
>ただでさえ弱弱しい声がどんどんか細くなっていくのが伝わってきた。
>
>何か言いたいのだろうが、なかなか言い出さないので、一呼吸してこちらから切り出した。
>「泊るところ見つからないなら、家においで」
>「え、なんでわかったの」
>と心底驚いたような声で返ってきた。
>
>「いやいや、今の状況と晴也の声聞けばなんとなく分かるよ。で、今どこにいるの?」
>「バスタのベンチ」
>「オーケー、じゃあバスタでタクシー拾って『西新宿五丁目駅』まで向かって。うちの最寄駅だから。そこからだったら10分くらいで着くと思う。」
>「うん、わかった。目の前にタクシー停まっているからすぐ乗れそう」
>会話をしているうちに安心したのか、だんだんと晴也の声が大きくなっていくのが分かった。
>
>「それなら良かった。でも、大丈夫?タクシー運転手に伝えられそう?」
>「僕、子供じゃないよ、大丈夫」と笑う晴也。
>それもそうか、小さい頃のイメージしかないが、俺の8つ下だからもう22歳、立派な大人だ。
>
>「ごめんごめん。じゃあ、駅前のローソンで落ちあおう。後ほど」
>「分かった」
>
>電話を切ろうとすると間髪入れず晴也が
>「まことくん!!」
>「ん、どうした。」
>「あの、、、、ありがとう」
>久しぶりに人に褒められたせいか、なぜか赤面してしまった。
>
>「あとで缶ビール奢ってもらう。じゃ。」
>とだけ返し、今度こそ終話を押した。
>
>
>俺は鏡で最低限の身だしなみを整えて、傘を取り玄関を出た。
>外に出ると雨脚は弱くなっているものの雲が厚く、都庁のライトアップが雲まで届き幻想的な世界を醸し出していた。

引用なし

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短編〜まことの場合〜2
 you  - 20/5/17(日) 16:48 -
集合場所のローソンに近づくにつれ、なんというかリアルの前のような高揚した気分になっていた。


直前の角を曲がり、青と白の看板が見えると、ローソンの前にポツンと身長の高い青年が空を見上げていた。

俺は近くまでいくと、慎重に声をかけた。
「は、、、晴也?」
「あ、まことくん!」

身長は俺よりも5センチほど高く、タイトめのスウェットパンツを履いている青年はこちらをみて、
想像していたよりも2オクターブ低い声でそう答えた。

俺は間髪入れず、
「久しぶりだな〜。6年見ないうちに随分大きくなったな、、、というか、俺より大きくなってるし。昔は俺の腰くらいしか身長なかったのに」
と大げさに自分の腰に手を当ててみせた。

「そんなことないでしょ。まことくん、かわらないね!」
笑顔は当時と変わらず、面影がしっかり残っていて安心した。

「さ、こんなところで突っ立てても仕方ないから、家に行こう!」
「うん。ありがとう!あと、、、これしかないけど、買っておいた。」
と、心配そうにコンビニ袋の中身をこちらにみせた。

中を覗くとそこには缶ビールと酎ハイが6缶と、酒のつまみが入っていた。
「冗談だったのに、本当に買ってくれたんだ。なんか悪いことしたな〜」
「そんなことないよ!今夜急に連絡しちゃった俺が悪いんだから」
と、今にも泣きそうな顔をするので、
「おっと、俺の好きな銘柄じゃん!ありがとな。丁度喉が渇いてたし。あとで一緒に飲もうな。さ、いくぞ。」
ニカっと笑うと、俺は歩き出した。


東京の夜は明るい。
それが、深夜の住宅街であろうと関係ない。
上京したてのときに、特にこの「新宿」という街は暗い場所がないのではないかと疑問に思ったくらいだ。

山梨の田舎街で育った晴也も例外ではなく、ずっと周りをキョロキョロしながら、俺にぴったりくっついて歩いていた
俺はそれが面白く唐突もなく笑ってしまった。

「え!?なに、なんか面白いことあった?」
とまた心配そうに尋ねる晴也。
「いや、晴也が面白くて。」
「え!俺?」
「東京に来るの、初めて?」
「そんなことないけど、、、夜は初めてかも。山梨と違って明るいんだね。」
「俺も上京した時、同じこと思ったよ」
「ほんとに?!」
「うん。」
「良かった〜、田舎丸出しじゃないかと焦ったよ。」
「いや、田舎丸出しなのには変わりないよ。晴也、相変わらず可愛いな〜」
と、昔よくやったように、晴也の頭を撫でた。今回は、腕を上げなければいけなかったが。

「ちょっと、やめてよ。恥ずかしい」
街灯の明かりでもわかるくらい、顔を赤くし俺の手を払った。
「なんだよ。昔は撫でたら喜んでたのに」
「昔って、小さい頃の話でしょ。俺、もう大人だよ!!」


そうこうしているうちにマンションについた。

エレベーターで7階まで上がると、玄関を開け、明かりをつけた
「山梨と比べるとかなり狭いけど、どうぞ」とスリッパをだした。

「ううん、思っていたより広い。てっきり、、、」
そこで続けるのをあからさまに止めたので
「『てっきり』なんだよ」
と睨むと、
「てっきり、6畳一間の部屋に住んでいるのかと」
「どこの貧乏学生だよ。俺、もう30だぞ。いい年したオッサンだぞ」
と晴也のお腹を擽った。

「わー、ごめんなさいごめんなさい」
笑いながら俺の手を必死に振り払おうとしている晴也がとても愛おしく思えた。
ふと、晴也のシャツが濡れていることに気づいた。

「晴也、服濡れてるじゃんか」
「え。あぁ、多分さっき雨に濡れちゃって。」
「風邪ひくから、シャワー浴びてきな」
「でも、そんなに濡れてないし、大丈夫だよ?」
「いや、だいじょうばわないよ。そんな濡れた服で俺のソファーに座ってほしくないわ」
とシャツを引っ張った。

分かりましたと渋々な晴也を脱衣所まで案内した。
浴槽のドアをあけ
「手前のボトルからシャンプー・コンディショナー・ボディソープ。洗顔はそこ。って、聞いてる?」
と後ろ振り向くと、既にシャツを脱ぎ、スウェットまで脱ごうとしていた。

「あ、ごめんごめん。適当に使わせてもらうね」
そう言ってる最中も服を脱ぐ作業は止めず、もはやパンツ一枚になっていた。

顔と同じ白さの上半身が視界に入ってしまい、目のやり場に困り、晴也に背を向けると
「服はそこの洗濯機に入れておいて、明日には渇くから。バスタオルはそこな。着替えはあとで持ってくるから」とだけ伝え
「ありがとうね、まことくん」という声を背にそそくさと脱衣所から出た。


キッチンにいくと、シンクにうっすら映る自分の顔をみた。

無駄なぜい肉もなく、腹筋が見える綺麗な上半身がフラッシュバックする。


心臓がバクバクする。


(あいつ、なんで急に脱ぐんだよ。いや、、、男同士だから当たり前か。
てか、なんで俺のところに連絡したんだろ。本当に他に頼る人いなかったのかな。
もしかして俺に会いに来た?いやいや、何期待してんだよ。馬鹿か。相手は従弟だぞ。第一、ノンケだ。)
と誰に言うでもなく、心の中でシンクに映った自分に問いかけていた。


「とりあえず、ビール飲んで落ち着こう」


着替えを持っていくことをすっかり忘れた俺は、
冷蔵庫からさっき晴也が買った缶ビールを取り出し、ソファーに座りTVの電源をつけ、飲み始めた。


ほとんど一気に飲んでしまったため、ソファーでむせこんでいるときだった。

「あ〜〜、まことくん。先に飲んでる〜〜!」
声の方をむくと脱衣所から腰にバスタオルを巻いて全裸で出てきた晴也が目に入り、
さらにむせこんでしまった。


「グホッグホッ。なんで全裸なんだよ」

「なんでって、着替えなかったから」

そこで用意するのを忘れていたことに気づいた。
「あ、ごめん。忘れてた、ちょっと待っててな。」
寝室に急いでいき、適当にシャツと短パンを渡した。
「下着ないけど、大丈夫だよな」

「ノーパンで問題ないよ〜」
と服を受け取るとその場でタオルを取り、着替え始めた。

「お前、俺とは言え、人前なんだから少しは恥ずかしがれよ。」

「なんか気がゆるんじゃった。」
と、微笑み俺にタオルを渡し
「タオルありがと。さ!お酒のも!!」と続け、ニコニコしながら冷蔵庫に向かっていった。


俺はそんな晴也を止めた。
「ちょっと晴也、髪の毛乾かしてないじゃん。ドライヤーしたら?」
「え、ドライヤー?俺、普段使わない」
と俺への返しは二の次、冷蔵庫からビールを取り出すと、ソファーにドカッと座り、缶をプシュッと開けた。

「さ、まことくんも一緒に飲もう!」
「まったく、急に図々しくなったな」

きっと昔遊んでいたときの関係を思い出してきたのだろう。

俺は、独立洗面台からドライヤーを持ち出すと、冷蔵庫によって2缶目を取り、晴也の隣に腰掛けた。

プシュ!

「ほら、乾杯」

「うん、乾杯!」

一口だけ飲むと、缶をテーブルに置き、ドライヤーのコードをコンセントにつないだ。
「さ、俺に背中向けて。」
「え、何?」
「ドライヤーしてやるから」
「え〜いらないよ」

俺は無理やり晴也の肩を押さえ、体を横にさせた。
「ダメダメ、ちゃんと髪乾かさないと、叔父さんみたいに剥げちゃうぞ!」
「え、それは嫌だ。父さんみたいなんかなりたくない」
と仕方なく受け入れたようだった。


髪の毛をかきながらドライヤーで乾かしていると、ふと晴也が視線を前に向けたまま話しかけてきた。
「なんか、小さいころ思い出すね。まことくんの家に泊まりにいったときも、
まことくん、こうやって俺の髪の毛乾かしてくれたよね。」

「そうだな。俺は、晴也が毎回帰りたくないって、泣きながら俺の腰にしがみついていたの思い出したよ」

「わ〜、変な場面思い出さないでよ〜」
と急に後ろを向いてきたので
「ほら、前を向く!」
と頭を掴んで、前に向けた。


俺は晴也の髪を見つめながら
「でも、またこうして晴也と仲良くできてうれしいよ」
とポロっと伝えると

「、、、俺も」

ドライヤーの音で良く聞き取れなかったが、確かにそう言ったように聞こえた。

するとだんだんと晴也の体が後ろに倒れ、後ろに寄り掛かる形で、俺にぴったりとくっ付いた。


心臓が早くなる。


鼓動が晴也に伝わってしまうのではないか、、、


「ほら!!乾いたぞ!」
と、さりげなく晴也の体を起こした。
晴也は何も言わず従い、体をテーブルに向き変えた。


無言が続く。


なんだ、この感覚、、、、。


無音の環境に耐えられず、俺は缶ビールをもって
「さ!飲みなおすぞ」
と言い、改めて互いに乾杯した。


真っ暗のテレビ画面には、太ももが触れ合っている二つの影が映っていた。

引用なし

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Re(2):短編〜まことの場合〜1
 you  - 20/5/17(日) 16:50 -
ひろさん
コメントありがとうございます。
こちらはフィクションになりますが、想像しやすいように、なるべく現在の時事にあわせ、場所も実在する所で描いてます。

よろしくお願いします。

引用なし

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Re(1):短編〜まことの場合〜2
 しん  - 20/5/30(土) 19:31 -
続き読みたいです。待ってます。

引用なし

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