丁度一年ほど前、僕は「斉藤さん」(ランダムトークアプリ)で遊んでいた。そこで出会った一人の男との思い出が今も忘れることが出来ないでいる。
条件を「十代、男性」にセットし、居るか居ないかも分からない気の会う人を探していた。一人目、二人目と、居ることには居るのだが大抵は「ちんこ見して」だの「オナって」だの自分の目的にそぐわない人達ばかりだった。無論僕は「ゲイ」だ。このネットにいる以上、様々な人がいる。性欲を満たす為だけにそこにいる人、真剣に出会いを求める人、一夜の関係を持ちたい人…際限無く広がるネットの世界で「恋人が欲しい」という余りにも小さく、無様な願いを僕と同じように持っている人なんてそうそういない。そう思っていた。そんな中でも自分の思いを捨てきれずに「誰でも良いや」、と思ってしまったのが始まり。
「しょー(仮称)」との出会い。
「カカオ(SNSアプリ)ID載せておくので来て下さい!」と、コメント欄には書かれていた。早速アプリをインストールし、IDを入力するとそれらしき人が。
「始めまして。斉藤さんからきましたー!」
数時間後、
「こんにちはー♪流意くん。名前はなんて読むの?」
こんな他愛もない会話を二、三日続けていると彼が言った。
「顔写メって?」
「目だけで妥協してください。」
渋々(?)彼は条件を呑み、写真交換。そのまま好きな人のタイプや営みにおける立ち位置など色々話した。彼に心を許しすぎていた僕が心の中で「君と一つになりたい」なんて思っていた事は伝えるわけがない。恥ずかしいし。…でも今から思えば伝えるべきだったのだろう。
その後も「芸能人なら誰が好き?」だったり「身近にゲイいる?」だったり中身の無い事を長い時間話していた。僕はそんな時間中に、他に類を見ないほどの暖かい感情を覚えていた。
しばらくして彼からのメッセージが途絶えた。「なぜ?」その言葉でいっぱいだった。いつもなら最低一日一回、彼専用のサウンドがなるはずなのに…。おかしく思いこちゃを覗くとそこには書き覚えの無いメッセージが。
「 。」
このメッセージを誰が書いたかは分からない。何の為に書かれたのかも分からない。
そこには「Read」の文字一つが置かれているばかりだった。
暗いのを長々とありがとうございましたー。リクがあったら今度は続編として惚気えっちでも書こうかな???
悲しいけど彼とはきっとまた会えるんで大丈夫!泣き顔より笑顔を見せたいし、いつでも僕は笑って待ってます!