自分は色々と遠回りして大学に入学しました。
だから大学に入学したのは20代半ばだったけど、前期が終わる頃までは、周りからはずっと同い年だと思われていた。
年齢を隠したかった訳ではないが、聞かれてもいないのに自分からベラベラと喋るのも、なんか『年上なんだぞ!』って言っている様で嫌だった。
1年の後期が始まってから間もない頃、トイレで知らない子に声を掛けられた。
『君、何年生?』
いきなり声を掛けられた事に対してびっくりした為か、律儀に自分も答える。
「1年生です。」
…しかも敬語。
我に返った自分。
とっ年下に舐められては困る。
引き続き自分の発言。
「年は20代半ば何だけどね〜(^O^)笑」
『そっそうなんですか。すみません。』っと土下座をしそうな勢いで平謝りする彼。
そこまで年上を敬うか
すごいぞ、伝家の宝刀[年上]
「まぁそんなに気せんでもいいよ」みたいな事を言ってその場を別れた。
初めて逢った時の彼の印象は、背が高くてなかなか整った顔立ちの礼儀正しい子。
それから校内でも、たまに顔を見る事があったり
ちょこちょこ話す事もあった。
いま思うと、その頃から彼に惹かれ始めていたのだと思う。
2年になって、彼が同じ講義を幾つも受けいる事に気付いた。
話しを聞くと、どうやら留年したらしい。
とある講義の最中。
『今日、晩御飯行きませんか?』と初めての誘い。
正直とっても行きたかったが、そんな時に限って予定が入っていたりする(^_^;)
「ごめん。今日はちょっと難しいから、また今度行こう。」っと断った。
また、数日も経たないうちに『この間は急だったので日時を決めましょう。どの日なら空いてますか?』っと彼の方から言ってきた。
そんなこんなで、彼との初めての食事が行われた。
特別なにがある訳でもなかったが、色々と話しをした気がする。
その食事を境に彼とよく会話を交わす様になった。
『ときさんは彼女いるんですか?』とか
グループ分けをする講義の時に『同じグループにして欲しいって先生に頼んできました。』とか
『今度はいつご飯行きますか?』とか
そんななんでもない会話に、たぶん自分は浮かれていたのだ。