CoolBoys ゲイ向け恋愛話掲示板

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性欲で出会い愛情が生まれる頃 1 たくみ 18/9/3(月) 11:25

性欲で出会い愛情が生まれる頃 2 たくみ 18/9/3(月) 11:35

性欲で出会い愛情が生まれる頃 3 たくみ 18/9/3(月) 11:45

性欲で出会い愛情が生まれる頃 4 たくみ 18/9/3(月) 11:54

性欲で出会い愛情が生まれる頃 5 たくみ 18/9/3(月) 12:04

性欲で出会い愛情が生まれる頃 6 たくみ 18/9/3(月) 12:14

性欲で出会い愛情が生まれる頃 7 たくみ 18/9/3(月) 12:20

性欲で出会い愛情が生まれる頃 8 たくみ 18/9/3(月) 12:36

性欲で出会い愛情が生まれる頃 9 たくみ 18/9/3(月) 12:43

性欲で出会い愛情が生まれる頃 10 たくみ 18/9/3(月) 12:51

性欲で出会い愛情が生まれる頃 11 たくみ 18/9/3(月) 13:04

性欲で出会い愛情が生まれる頃 12 たくみ 18/9/3(月) 13:11

性欲で出会い愛情が生まれる頃 13 たくみ 18/9/3(月) 13:19

性欲で出会い愛情が生まれる頃 1

たくみ - 18/9/3(月) 11:25 -

36歳、痩せの長身、体格の割に控え目なペニス。癖っ毛の無精髭で酒が飲めないヘビースモーカーの僕の半生です。

北海道の地方都市に生まれた僕にとって初めて閲覧したゲイの出会い掲示板は大きな衝撃でした。アンテナの付いた二つ折りの携帯電話を握りしめて朝まで血眼になったものです。

東京の100分の1の人口の地方都市でその相手に出会うのは大変な確率でした。プロフイケメン（19.185.63）の僕は可愛くも男らしくもないどっちつかずの農耕民族顔で、パンツの中身は小さめの皮あまり。体毛は薄く、髪と眉毛は濃い。

僕がタイプなら相手が僕の写メ見て「ごめん」たまに至極近所の方からメール来たら自分の父より年上。だから本当に生身の男性に触れられる確率は20分の1位でしょうか。

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性欲で出会い愛情が生まれる頃 2

たくみ - 18/9/3(月) 11:35 -

僕は自分にないものを持っている男性に惹かれる気持ちを中学生の頃自覚しました。憧れと性欲の判別がつかないまま煮えたぎる性欲を抱えたまま、童貞のまま高校を卒業し、予備校へも行かず、就職もしない。気が向いた時だけバイトに応募して3ヶ月で勝手に傷ついて辞めて引きこもって泣きながらタバコをふかすだけの寂しい暮らしです。

ジャニーズみたいな綺麗な顔の男の子の白い肌を舐めても、スポーツマンの逞しい筋肉と汗の匂いに抱き締められても射精してしまえば全てにしらけてしまう。2人の粘液が混ざり合ってザラつく身体をヒステリックに洗いながら虚無感の海へ沈んでいくのです。

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性欲で出会い愛情が生まれる頃 3

たくみ - 18/9/3(月) 11:45 -

コツは簡単。隣の大都市に行って地下鉄の交差する駅で投稿してメールを待つこと。先に年齢と体型を緩めに絞って応募すること。

そんな調子で結構な数の出会いに恵まれました。えっ？て位のイケメンや、んっ？て位の大きなペニス、わっ！て位素敵なレストランに連れてってくれた紳士。

せめてもの礼儀と思い成人式に誂えたスーツで外出する度に嬉しそうな母親。

「デート？就職？」
「どっちでもないよ。」

なんでこの人に似なかったかなといつも思う美しい母親の笑顔を直視できない僕。あなたの息子がこれから会うのは男性で、その人の前でこのスーツ脱ぐのです。それが誰かもまだ決まってないし、前回とは違う人なんですよ。

「これ使いなよ。オーデコロン。汗とタバコの匂いがするよ。」
「ありがとう。」

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性欲で出会い愛情が生まれる頃 4

たくみ - 18/9/3(月) 11:54 -

ゴムタイヤの地下鉄で有名な街のターミナル駅で僕は飲み慣れないクリームが浮いたお洒落なコーヒーを飲みながらメールチェック。手持ちのタバコと帰りの電車代を気にしながら。

「今から会えませんか？34歳172センチ50キロ若く見えます。」

正直、乗り気では無かった。コンプレックスの多い僕は何も年下の方が都合よく感じられるようになっていました。

「こんにちは、たくみです。メールありがとう。いま〇〇駅の上の〇〇コーヒーの喫煙席にいます。スーツ姿の長髪で背が高いんですぐ分かると思います。」

「すぐ行くんで、そこにいてください！」

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性欲で出会い愛情が生まれる頃 5

たくみ - 18/9/3(月) 12:04 -

現れたのは痩せ型で目がクリクリしたかわいいお兄さんでした。

「ひろゆきさん？」
「たくみくんだね。待たせてごめんね。」
「いえ、ありがとうございます。」
「小腹空いたからレストラン行こうよ。」
「僕は、あの、お金が、、」
「いいよ、そんなの。」

イタリアンレストランは生まれて初めてでした。慣れた手つきでピザをカットしてスマートにグラスビールを飲むひろゆきさんの目を僕は直視できないのです。

「かっこいい。」

僕にもグラスビールを勧めるひろゆきさん。冷たさが心地良くてグイと飲んだら冷や汗と動悸でフラフラになった。そういえば、僕はお酒飲めないんだったな。

「たくちゃん、お酒弱いんだ。かわいい。」
「はい。僕ダメなんです。」
「エッチも弱いの？」
「わかりません。」

チェックですと立ち上がった彼が財布から取り出した金色のクレジットカード。ビルとビルの間に僕を引き込んで口に捻じ込まれた舌のぬくもりとオーデコロンの香り。

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性欲で出会い愛情が生まれる頃 6

たくみ - 18/9/3(月) 12:14 -

まだ心臓がバクバクする。

「あの、僕、シャワー浴びてきますね。」
「たくちゃん、どうせこれからいっぱい汗かくんだよ。」

上目遣いのひろゆきさんの長いまつ毛。僕の勃起したペニスを撫ぜる長い指。

「たくちゃん、食べてあげる。」

1回目の射精まで1分持ちませんでした。

「たくちゃんの精液、濃いね。」

妙に悔しくて僕は彼に足払いをかけてベットに押し倒して一息に彼を全裸にした。

「意外と男の子らしいじゃん。」

彼の口を僕の方で塞ぎ返して。先端から溢れる液体をペニス全体にのばすように擦り込む。

「たくちゃん、うまい。」

バカにされているようで悔しくて。でも気持ち良くて、、、

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性欲で出会い愛情が生まれる頃 7

たくみ - 18/9/3(月) 12:20 -

「童貞を捨てたのは1年前ですが、今日が本当の初体験です。」

昔のドラマの様に彼を横抱きにしてベッドで寝タバコする僕の懺悔。

「たくちゃん、ねぇ、たくみさん。」
「もっと好きにエッチしたり、勝手に生きたりしてもいいんだよ。まだ20歳でしょ。」
「僕がたくちゃん頃なんて。へへ。」

2人でホテルの部屋のジャグジーに浸かって体を洗いっこしながら鏡に映った自分の小さなペニスを見て、自分が男だって確認してから服を着て電車で帰った。濃い一日でした。

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性欲で出会い愛情が生まれる頃 8

たくみ - 18/9/3(月) 12:36 -

「神奈川県に6ヶ月間働きに行ってきます。」

ひろゆきさんにメールを打ったのは新千歳空港からでした。

「工場なんてたくみくん勤まるの？」
「でも待ってるから。作業着姿の写メ送ってね～。」

痩せすぎ虚弱で粗チンの僕は流れ作業の早い流れについて行けずただユラユラと鉄臭くてプレスの音が響く構内を歩いては安全靴でつまづいて四六時中傷だらけ。

初めて20万円なんていう大金を貰い、舞い上がってひろゆきさんにメールを打つ。作業着ピースのぎこちない笑顔の写メと一緒に。

「来月、三連休。一回札幌行くよ。アウディで千歳まで迎えに来てよ！」
「たくちゃん、僕、実は入院してるんだ。食道炎みたいだけど。2週間位だから10月の連休にしよう。」
「食道炎？飲み過ぎ？ひろゆきさん、お大事にね。」

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性欲で出会い愛情が生まれる頃 9

たくみ - 18/9/3(月) 12:43 -

僕は少しだけ逞しくなったようでした。

ツルツルで蒼白かった顔にうっすらヒゲが生え始め、体重も65キロまで増えた。とにかくお腹が空いては丼飯を呑み込んで眠りこけた。

ビールも頑張れば3杯飲めるようになった。あとごめん、ちょっとだけ東京で他の男の子と遊んじゃった。

「10月の連休、スカイマーク取るよ！」

おしゃべりなひろゆきさんのメールが来ない。

「他に好きな人できたー？いいもん僕も浮気しまくるもんねー笑」

数日して帰ってきたメールはひろゆきさんのお母さんからでした。僕はもうこの世にいない人を励みに働き、ちょっと浮気しては彼の温もりを反芻し、北海道へ帰るお土産選びを楽しみに暮らしていたようです。

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性欲で出会い愛情が生まれる頃 10

たくみ - 18/9/3(月) 12:51 -

「喪失感なんて時間が解決するさ。」

雇用期間が満了したらまず寄ろうと思っていた自宅の近所の喫茶店のマスターも亡くなったと聞いて僕は2度泣きました。

コーヒーが無いならと飲んだビールを盛大に戻しながら僕はまた引きこもり生活に逆転しました。

「ひろゆきさんのアウディ。僕一回も乗ってないよ。」

発達障害の診断をひっくり返す為に僕はその日、市立病院の精神科医を口説き倒してその足で自動車教習所に申し込み手続をして、わずかな貯金で普通免許と大型特殊免許の費用を払い込みました。

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性欲で出会い愛情が生まれる頃 11

たくみ - 18/9/3(月) 13:04 -

初めて運転する楽しさはセックスに勝るとも劣らないもので、運動神経ゼロの僕は半クラッチの上手さを褒められて有頂天でした。

貰いたての免許証を持って面接に行って牛乳の配送員になりました。時給800円の平坦な幸福を得て僕は満足しました。

25歳東京でタクシードライバーになりました。

30歳売上トップの翌月に大病。それでも生きてます。

35歳初めての白髪。タクシーの仕事は程々にマイペースという言葉の意味を知りました。

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性欲で出会い愛情が生まれる頃 12

たくみ - 18/9/3(月) 13:11 -

36歳タクシードライバーの掟破り

営業所を出て300メートル位のコンビニで朝7時半に必ず手を挙げる優しい眼差しの小柄なお姉さん。行き先は最寄駅970円。

「ご乗車ありがとうございます。今週3度目ですね。」
「私はHさんのタクシーじゃ無い乗りたくないの。」
「勿体ないお言葉です。」
「お話ししたいから会社まで行ってもらうわ。高速で芝公園まで。」
「はい。かしこまりました。」
「ねー、Hさん。マイカーは何乗ってるんですか？」
「古いカローラです。札幌ナンバーの。」
「そっちにも乗ってみたいなー。」
「週末に銚子漁港に初物のサンマを食べに生きませんか。」
「えっ！じゃ土曜の朝あそこで待ってますね！」

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性欲で出会い愛情が生まれる頃 13

たくみ - 18/9/3(月) 13:19 -

僕のワンルームに不釣り合いなセミダブルに寝そべる君の少し目立ってきたお腹。

「男の子かな女の子かな？」
「女の子だって先生が。」
「おチンチンがエコーに映ってないってことは僕に似た男の子かもしれないよ。」
「お父さん！」
「、、、、はい、、」
「この子が産まれる前に禁煙してね。」
「、、は、、、い、、」

名前は決めてあるんだよ。ひろみ。

男の子でも女の子でもいいように古風でユニセックスな響きがいいじゃない。

僕は君の旦那さんになるみたいだから、君以外とはセックスしないことに挑戦してみるよ。

でもね、僕はバイセクシャルのど変態のクズだから。心の中に彼氏がいるんだ。あくまでも心の中にだよ。

彼は僕にとってもだけど、君にとっても大切な人なんだ。ひろみにだって。だって「ヒロ」の字はひろゆきさんから貰ったんですよ。

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