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『しゃぼん玉』
 とかげ3号  - 13/6/13(木) 18:43 -
紫陽花が揺れる

雨は次第に勢いを増し
ビニール傘をさした
人の群れが交差する
交差点の真ん中で
ひとり佇んでいる俺

左手に持つiPhoneの上には
雨の粒が大きくたまり
葉をすべる滴のように
下へと落ちていく


『大事だよ』


ウソこけ


「大事な都合のイイ男だろ」


一度や二度じゃない
もうこれで何度目だ

星の数ほど男はいると
オトナのだれかが
言っていたけど
どいつもこいつも
クズばっかじゃ
しょうがねえだろ


『おまえの笑顔に癒されるよ』


本当は寂しくて
不安だった
俺の下手クソな
芝居なんてきっと
見抜いていたはずなのに

傘をささない俺を
避けるように
ビニール傘の群れは
表情ひとつ変えず
くるくると回りながら
俺の横を通りすぎる


「気持ち悪い」


こうして
遊ばれ上手の烙印を
おされたみじめな俺は
どんな恋を選べばいいのか

きっとまた捨てられて
悲劇のヒロインを気取って
生きていくしかないのに

助けにくる王子が
不在な物語じゃ
話が進まないだろ

俺は心に蓋をする
そっとこの物語を
シャボン玉に閉じこめて
空の上へと飛ばそう

大気圏に突入するまえに
ひとつの物語が
パチンと割れて
気づくと俺は
バス停のベンチに
座っているんだ


「…俺なにしてたんだっけ?」


なんて言って
どうやら紫陽花の放つ
あの透き通った匂いに
やられたらしいなんて
最もらしいこと
口にして

折りたたんでいた
ビニール傘を開き
俺も傘の群れへと
消えていくんだ


「なんてね」


ジジジと音をたてながら
iPhoneの電源が
ゆっくりと切れる

すべての情報から
遮断された
この世界では
何もかもが自由だ

俺の名前も
歳も知らない
周りの人たちと
交わることなく
俺は今日からひとりで
生きていくんだ

まるで俺の分身でも
扱うかのように
壊れたiPhoneを
ポケットにしまって

傘もささずに
ビニール傘の群れの中を
逆らうように歩く俺は
静かに人混みの中へと
消えていった

低空飛行を保ったまま
空中を漂っていた
シャボン玉は
バス停のベンチの上を
ふわふわと通り抜け
到着してきたバスへと
接触する

気づくと
俺はビニール傘をさした
人の群れが交差する
交差点の真ん中で
ひとり佇んでいるんだ

雨の中
失恋という甘い蜜に
酔いしれる
悲劇のヒロインを
孤独に演じながら

パチンッ


「なんてね」

引用なし

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Re(1):『雨』
 いっせい  - 13/6/8(土) 6:54 -
なんか、切ないですね。
読んでいて、胸がきゅーっとなりました。
でもなんだか暖かい感じです。

いつも楽しみに読んでます。


▼とかげ3号さん:
>「ちょっとトイレ行ってくる」
>
>
>右手をヒラヒラとさせ
>トイレへと向かう131番の友達
>
>ため息をつきながら
>ジンバックを口に含む
>
>僕の番号は132番
>
>
>「デートに誘わんの?」
>
>
>左にいる友達に不意をつかれる
>胸元には130番の番号
>
>
>「…なにが」
>
>「アホ、バレバレや」
>
>
>顔を真っ赤にしてる友達が
>僕の肩をたたく
>
>僕の顔も真っ赤になる
>
>
>「やっぱ…わかる?」
>
>「クラブに来てからずっとあいつのこと見とおし」
>
>「うん」
>
>「まぁあいつ顔良いしなぁ、モテるよな」
>
>「うん。それだけじゃないんだけどね」
>
>「ん?」
>
>「優しくて、僕の考えてることもすぐわかるし」
>
>「…」
>
>「きっと僕が好きなことも知ってるんだとおもう」
>
>「なら、誘えよ?」
>
>「僕じゃダメなんだ」
>
>「はぁ?」
>
>「君みたいにイケメンじゃないし」
>
>「…」
>
>「あいつも、君みたいにカッコイイ人から好かれたいはずだよ」
>
>
>笑う友達
>
>
>「ちょっと紙貸せ」
>
>「え?」
>
>
>ネルトンの紙に番号を書く
>番号は131番
>
>
>「ちょっと!」
>
>
>スタッフに渡しに行く
>
>
>「大丈夫、自信持て!」
>
>「え…」
>
>「あいつ、まえにお前のこと可愛い言うとったよ」
>
>
>ぽかんとする僕
>
>
>「でも…」
>
>
>友達が戻ってくる
>
>
>「お待たせ〜!」
>
>
>酔っぱらってる友達は
>電光掲示板を指差す
>
>
>「あれ?おれの番号?」
>
>
>首をかしげる友達
>
>
>「んじゃ、俺はちょっと外の空気吸ってくるから」
>
>「ちょっと…!」
>
>
>二カッと笑いながら
>ピースをする俺
>
>カウンターに
>ウォッカソーダを置く
>
>
>「ゴチソーサマ!」
>
>
>出口に向かう最中
>あいつらは互いに向き合って
>顔を赤めてた
>
>嬉しいわ本当
>我ながらアッパレな
>恋のキューピッド役に
>なってもーたやんけ
>
>本当
>しょーもな
>
>ドアが閉まる
>
>
>「…雨降っとおし」
>
>
>ゴロゴロと空が鳴る
>
>髪が濡れ
>額から雫が滴る
>
>右手のなかには
>くしゃくしゃに丸まった
>132番の紙
>
>
>「鈍感すぎやろ…」
>
>
>俺は雨の中走り出した
>
>水溜まりを踏むスニーカーが
>もっと走れと言わんばかりに
>
>俺の心は
>ずぶ濡れになった
>真っ白なスニーカーと
>同じ色をしていた

引用なし

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『バケモノ』
 とかげ3号  - 13/6/6(木) 2:31 -
「あ…もっと…」

「すっげえいいよ」

「彼氏に…おこられる…」

「知ってて誘ったんだろ?」

「いじわる…んっ」


キテルね

彼氏持ちを
抱くってのは
人さまのものを
いただくってのは

最高に気持ちがイイね

もっぱら最近は
彼氏持ちとしか寝ない

刺激が足りねえんだよ
いまさら愛とか恋とか
ぬるくてたまらねえっつの


「俺そろそろイクわ」

「あんっ…かおにかけて」


征服感で満たされる瞬間だ

肩で息をする俺

たんたんと後片付けをし
シャワーを浴びに行く相手

ふと視線を感じ目をやると
そこには相手の彼氏らしき写真
マヌケな顔して笑っている


「わりぃ…あんたの彼氏抱いたわ」


俺はきっと化け物だ
反省もしている
でも後悔もしていない

相方有りとか
エロ目かんべんなんて
書いてるやつが
これだぜ?

俺だけが責められる
筋合いはねえだろ

下着を履き
服を着る

浴室のドアが開く


「あれ、もう帰るんすかぁ?」

「ん、長居はしない主義なもんで」

「じゃあまたメールください」

「ん」


もう二度と
会わないだろうけど


「鍵はそのままでいいですよ」


浴室のドアが閉まる

もう一生見ることのない部屋
出しっぱなしの洗濯物
転がる空の柔軟剤
慣れない匂い

玄関の横には
クマの人形

オスとメスが
ハートを抱き合って
仲良く並んでいる

じゃあなとデコピン

化け物の御帰りだ


後ろから着信音が鳴るー

再び浴室のドアが開き
体を拭きながら
電話に出る相手

彼氏かららしい


「うん…うん…」

「すっごく会いたいよぉ」


そっか

俺はどうやら
勘違いをしていたらしい

化け物は俺で
相手が正常で


「浮気なんかしてないよぅ!」


彼氏持ちなのに
抱かれるってのは

『あっ』

行きずりの男に
抱かれるってのは

『もっと』

最高に気持ちがイイみたいだね

昔抱いた
あいつもそいつも
こいつらも

みんなみんな全員

化け物だ


部屋を出た

鉄の扉が音をたてて閉まり
そこにもたれかかる背中は
得てしてひんやり冷たく
奇妙だった

俺は化け物

下卑た笑みを浮かべながら
汚い目で空を見上げ
低い曇り空を罵った


「バケモノめ」

引用なし

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『微熱』
 とかげ3号  - 13/6/6(木) 1:21 -
俺には年下の彼氏がいる


『マジかわいい!付き合おう!』


正確には
飲み屋でたまたま隣にいた
若い子を酒の勢いで口説いた

というだけなのだが


『あっ…はい!』


口説くほうも口説くほうなら
了承するほうも了承するほうだ

みなが羨む
色黒で短髪の
今どきめずらしい
爽やかな自衛官


「お待たせしました!」


夏だというのに
白のカッターシャツ


「…暑くないか?」

「何を着たらよいかわからず…つい」

「…」


そしてドがつくほどの


「すみません…」


大真面目

しゅんと肩を落とす彼氏
まぁかわいいんだけど
なんというか
自衛官とはみな
こういうものなんだろうか


「まぁせっかく外出許可得たんだし、遊びにいこう」


若い自衛官は
住む場所を選べないらしく
いまは静岡と東京の
プチ遠距離だ


「横浜ひさしぶりなんです!」

「それはよかった」


車を運転しながら
助手席の彼氏を眺める

うん
横顔もキレイだ

付き合って一ヶ月
キスしかしていないなんて
中学生の恋愛みたいだ


横浜を一日でぐるりとまわった


夜景を観ながらどことなく
俺から誘ってみた


「今日…ホテル行かないか」


相手はとまどいながらも
顔を赤らめながら
小さくうなずいた

ホテルに入るなり
俺は彼を強引に
ベッドへと押し倒した

びっくりした顔をしながらも
俺を受け入れてくれているようだ

しかし
俺が立たない


「…」


相手の真面目さが
雰囲気を出せないでいるのか


「ごめん」


「おれ、魅力ないですか?」


俺を下からぐるりと持ち上げ
上から両腕を押さえつけられる

はだけた白シャツから
細身ながら
引き締まった胸筋と腹筋
キレイな鎖骨がみえた

首筋を舐めてくる彼は
いつもの彼からは
想像もつかないくらい


「…あっ」


魅力的だった

今まで出したことのない
間抜けな声が漏れる


「好きです」

「…?」


ジッと顔をみつめ
もう一度
男の顔した彼が


「好きです!」


俺に告白をした

頼りないと思っていた
年下の彼氏に

俺は心を抱かれた


「魅力的だよ」

「…」

「熱が出てしまいそうなほどに」


俺達は
熱いキスを
何度もした

恋は未熟だけど
今夜ばかりは
そんなこと
どうでもいい

真面目な彼氏に
大人のSEXというものを
教えてやるんだ

覚悟しとけよ

引用なし

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『雨』
 とかげ3号  - 13/5/29(水) 17:42 -
「ちょっとトイレ行ってくる」


右手をヒラヒラとさせ
トイレへと向かう131番の友達

ため息をつきながら
ジンバックを口に含む

僕の番号は132番


「デートに誘わんの?」


左にいる友達に不意をつかれる
胸元には130番の番号


「…なにが」

「アホ、バレバレや」


顔を真っ赤にしてる友達が
僕の肩をたたく

僕の顔も真っ赤になる


「やっぱ…わかる?」

「クラブに来てからずっとあいつのこと見とおし」

「うん」

「まぁあいつ顔良いしなぁ、モテるよな」

「うん。それだけじゃないんだけどね」

「ん?」

「優しくて、僕の考えてることもすぐわかるし」

「…」

「きっと僕が好きなことも知ってるんだとおもう」

「なら、誘えよ?」

「僕じゃダメなんだ」

「はぁ?」

「君みたいにイケメンじゃないし」

「…」

「あいつも、君みたいにカッコイイ人から好かれたいはずだよ」


笑う友達


「ちょっと紙貸せ」

「え?」


ネルトンの紙に番号を書く
番号は131番


「ちょっと!」


スタッフに渡しに行く


「大丈夫、自信持て!」

「え…」

「あいつ、まえにお前のこと可愛い言うとったよ」


ぽかんとする僕


「でも…」


友達が戻ってくる


「お待たせ〜!」


酔っぱらってる友達は
電光掲示板を指差す


「あれ?おれの番号?」


首をかしげる友達


「んじゃ、俺はちょっと外の空気吸ってくるから」

「ちょっと…!」


二カッと笑いながら
ピースをする俺

カウンターに
ウォッカソーダを置く


「ゴチソーサマ!」


出口に向かう最中
あいつらは互いに向き合って
顔を赤めてた

嬉しいわ本当
我ながらアッパレな
恋のキューピッド役に
なってもーたやんけ

本当
しょーもな

ドアが閉まる


「…雨降っとおし」


ゴロゴロと空が鳴る

髪が濡れ
額から雫が滴る

右手のなかには
くしゃくしゃに丸まった
132番の紙


「鈍感すぎやろ…」


俺は雨の中走り出した

水溜まりを踏むスニーカーが
もっと走れと言わんばかりに

俺の心は
ずぶ濡れになった
真っ白なスニーカーと
同じ色をしていた

引用なし

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<Mozilla/5.0 (iPhone; CPU iPhone OS 6_1_4 like Mac OS X) AppleWebKit/536.26 (KHTML, like Gecko) Version/6.0 Mobile/10B3...@KD182250193058.au-net.ne.jp>
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Re(1):2号室-36
 you  - 13/5/29(水) 12:31 -
お疲れ様でした!
最後まで読みきれて良かったです♪(*^^)o
最後まで書き続けるのって本当に大変だったとおもいます。

その後の話も読みたいので、良かったら書いてくださいね(^ω^)

引用なし

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2号室-36
  E-MAIL  - 13/5/25(土) 0:26 -
次の日朝起きると俺はシンタロウを抱きしめていた。お互い裸だった。

俺は嬉しくなり、ぎゅーーーーーっともっと抱きしめる。

それにシンは目覚めて、おはよと笑いかける。その笑顔を見て俺は勃起しかける。


昨晩、あのあとは一緒にシャワーを浴びて、浴室でもう一回やった。

向こうはまさかここでやるとは思ってなかったみたいだが、まぁ若干俺が強引にやっちゃった感じだ。

最初っからこんな飛ばして嫌われないかな。俺は自分で言うのもなんだが、一途だが性欲はかなり強い方なのだ。


朝よっぽど仕事を休もうかと思ったが、

「行きなよw 俺ももう起きるよ。」

とシンに言われ俺は出社した。


結局俺の部屋で住む新恋人はシンになったが、今までの経験からしても、付き合うのにここまでかかった相手はいなかった。

期間もそうだし、会ってる回数からしてむしろこの期間の間に別れた相手だっていた。

そんな今までの恋人は全て、体が大きくて、器が大きくて、見た目が雄っぽかった。

シンはどうだろう。体は大きくないし、器は小さくもないけど大きくもない。見た目は童顔で少年っぽい。

だけど全然気にならなかった。俺が惹かれているのはもっと別の部分だ。

シンのおかげで気づけた部分がある。俺もシンを幸せにしてやりたいと思う。


---------------------------------------------------------------------

ここまで読んで下さった方、ありがとうございました。

読みにくい文章ですみません。

何か感想を書いていただけると嬉しいです。全然どきどきしなかったとか、批判でも構いません。

また返信してくれた方、ありがとうございました。

最後まで書ききることができました。

引用なし

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2号室-35
  E-MAIL  - 13/5/25(土) 0:24 -
シンをしばらくずっと後ろからハグしたり服の上から撫でていたりした。

いつからだったのだろう。俺が夢中過ぎて気づかなかっただけで、実はわかりやすかったのだろうか。

実際シュウは気づいていたし、俺が鈍感だったのだろうか。

シンは体を固くさせたまま俺の腕を掴んでいる。

俺が耳をかじってやるとびくっとする。あんま慣れていないのだろうか。もう苦しそうな呼吸だった。

服の中に手を入れて胸をまさぐる。突起した部分を触るとシンの腕を掴む力が強くなる。

完全にたった俺のちんこを背中に押し付けたりしてしばらくそんな状態が続いたが、

思いっきりシンの服を脱がす。自分だけ裸なのが嫌なのか、抵抗するが俺が軽くキスをするとふにゃっと力が抜けてしまった。

脇腹に舌を這わす。性的快感というよりもくすぐったさにシンは体をヒクっとさせる。

ほどよく筋肉が乗った胸筋を舐める。すでに勃起している乳首を舐めると体全体を痙攣させてる。

「カズさん・・・俺、恥ずかしいから脱いでよ。」

俺は自分も脱ぐと、勢いよくシンに抱きつく。すげぇ。すっぽりおさまる。

そのまま俺はシンの頭を抱き寄せキスをする。さっきより激しめにする。

シンも俺に抱きついてくる。愛おしかった。

俺はシンの頭を下に持っていきしゃぶらせる。少しずつS心に火が付いてきた俺はガンガンにつく。

シンが咳き込むのを見て体制を69にする。

俺とシンは身長差があるから俺が腰を曲げる。シンは下手でも上手くもなかったけど、俺はシンの口にしゃぶられていると思うと、興奮していきそうになる。

シンも息があがってる。シンは声を出して喘がないようだ。いつかケツ入れてみたいな。

「そろそろ、おれ、いきそっ・・・!」俺がそういうとシンも苦しそうに

「お、れもっ・・・!」

それを聞いて俺はシンを下にして兜合わせする。

お互いのチンコをしごいてほぼ同時にいった。

さすがにシンはいく時には声を出してて、それがまた可愛い。

俺らはしばらくそのまま放心していた。明日仕事じゃなかったら、今すぐにでももう3回位出来きそうだった。

引用なし

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2号室-34
  E-MAIL  - 13/5/24(金) 17:15 -
飯が終わってそれぞれの部屋に戻る。俺はなんとなくショックから立ち直れそうになかったから早めに寝ることにする。

シンが不機嫌になったのもちょっと凹んだ。

思ったより向こうは意識してなかったんだな。気持ち言わないで良かった。

明日の予定を確認し着替える。明日は金曜だからシュウでも捕まえて飲みに行くかな。

そんなことを考えて布団に入って15分後。うつらうつらしているとノックが聞こえた。

俺は夢かと思ったが一応返事をする。入るよ とシンの声。

扉が空いて締まる。暗闇の中にシンのシルエットが見える。

俺はちょっとびっくりして目が覚める。

「遅くにごめん。」とシン。床で正座してる。

「どうした?」

「いや、ちょっとさ。」

ここで言葉区切ってから

「最近カズさん変。なんか俺のこと試してない?」

と勢いよく言い切る。少し怒っているようにも見える。

俺はいきなりそう言われて相手の真意が読めないのと、暗いのとで少し黙る。

確かに試してはいる。さっきの誘いもシンの反応次第では、シンに思いを伝えようと思っていた。

ルームシェアの相手だから慎重になってしまうのは仕方がないのだ。

で、それにシンは気づいていた。気づいてさっきみたいな反応だったってことは。

「あぁ、うん。まぁ。」

俺は思い切って肯定する。

「なんでそんなことすんの?カズさん俺のことタイプじゃないならそんなことする必要ないじゃん。」

俺はもう我慢できなかった。

「いや、好きだよ。俺シンの事が好きだ。」

言葉短めに言った。

シンは身じろぎをしたが、何も言い返さない。

「最初はタイプじゃなかったよ。てか今もシンみたいな子を他に見てもタイプとは思わない。
 でもシンだったら、抱きしめたいと思うし、エッチもしたいと思う。
 もっと言えば、ずっとここで暮らしていく恋人がシンだったら良いなって思ってる。」

そういうとシンは

「だ、そんな・・・」

「信じてくれないかもしれないけど、前、朝に抱きしめた時はそんなこと思ってなかった。
 でも最近のシンの反応を試すような素振りは全部その為だ。
 脈無いのに告白しても生活に支障きたすだけだからな。」

そういって俺は深呼吸をした。暗闇だけど、俺はシンを見て言ったし、シンもこっちを見てるのがわかる。

そのままお互い黙っていた。

次に口を開いたのはシンだった。

「俺も、俺もカズさんが好きだ。最初は違ったけど。俺もこれからカズさんとこれからも一緒に暮らしたい。」

シンプルな言葉だった。

俺はまさかこんなことを言われるとは思ってなかったが、話の途中で少し期待していた部分もあった。

だからすげー喜びたかった。だけど、暗闇がなんだかそういう雰囲気にさせてくれなかった。

人間が過剰に喜んだりするのは照れ隠しもあるのかもしれない。今は暗闇が、照れを紛らわしてくれている。

俺はそのまま黙ってベッドから降りてシンを抱きかかえ、ベッドに運ぶ。

シンの全身が熱くなっているのがわかる。ようやくここまできた。

俺は後ろからシンの耳にキスをする。

「して良いか?」そう聞くとシンは黙って頷いた。俺は久しぶりにこんなにドキドキしている。

引用なし

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2号室-33
  E-MAIL  - 13/5/24(金) 17:14 -
木曜の夜。仕事から帰るとシンが飯を作ってくれていた。

就活が終わって、夜は家にいることが多くなった。てか今試験前か。ほとんど単位残ってないだろうけど。

「おかえり。」

「ただいま。飯さんきゅ。助かる。」

「うん。良いよ。俺も練習になるし。」

そう言って食卓に料理を並べる。

俺は着替えてリビングに戻る。

「いただきまーす。」

料理を始めたばかりだからか、1品ものが多かったが、結構うまかった。何事も要領良いのかな。

テレビを見ながら、シンの試験の話とか友達の話を聞いたりする。

就活終わってからゲイの友達遊ぶ機会も増えたようだ。俺もそうだったな。

話の流れでシンが

「俺もカズさんみたいにダブルベッドで寝る様な生活したいなー。」

と言い出す。俺はなんかチャンスの様な気がして、その話を拾う。

「ダブルベッド良いよ。シングルに戻れなくなるって欠点はあるけどな。」

「あはは。贅沢な欠点w 俺の布団で寝てみるか。」

寝たい。シンとだったら布団で寝たい。

そう思ったのを心の脇に置いて

「そいや、前もシンダブルベッドで寝てみたいって言ってさ。」

「うん。」

「あの時は寝転がっただけじゃん。今日は実際寝てみる?」

俺はちょっとドキドキしながら聞いた。

「寝てみるって・・・カズさんどこで寝んの?」

「ダブルベッドだし隣で寝るよ。」

「・・・・やめとく。」

あっさり断られ俺はがっくりする。そうか。

自意識過剰だったことを思い知らされる。

更にシンは

「起きたらまたカズさん抱きついてるかもしれないし。」

と小声で言う。

「抱きつかないってw ホラー見てないから。でもまぁ今度俺が外泊する時は寝てみて良いよ。快眠だぞ。」

そういうとシンは返事をしなかった。

その後少しシンは怒っている雰囲気で会話が続かなかった。

せっかく飯、作ってくれたのにこんな雰囲気になって俺は少し悲しかった。

引用なし

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2号室-32
  E-MAIL  - 13/5/24(金) 17:12 -
俺がトシに振られてから1年が経とうとしていた。

その時は、1年後も相変わらず身長のでかい雄っぽい恋人とここで暮らせていることを願っていたが

願いに反して俺は独身。更に当時の俺では見向きもしなかった男と暮らして俺はそいつに片想いをしている。

ほんと、1年後のことって予想つかない。

最近ではシンの友達も、快方とまでは行かないが悪化はしないらしい。安定した日が続いてシンもひとまず安心している。

穏やかな日が続いていた。

いや、穏やかでない部分が一つだけあった。俺のシンに対する気持ちだ。

相変わらず、生殺しの様な共同生活は続いている。

俺はもう少し態度で示した方が良いのだろうか。最近シンが俺をちょっとゲイとして意識しているのではないか?

と思える場面があった。

と言っても、俺の風呂上りの姿を見て、チンポジを直したというなんとも押しの弱いエピソードなのだが。

俺はそのシンが可愛くて

「何ちんこいじってんの?」

とちょっと意地悪な感じに聞いてみると

「なんでもないよ。」

と言って怒った感じで部屋に戻ってしまった。可愛い。

それ以外にも、以前なら感じなかった違和感とかが少しずつ出てきた。

俺は反応を見て、反応次第では思いを伝えようと思うようになった。

引用なし

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2号室-31
  E-MAIL  - 13/5/24(金) 17:10 -
それからしばらくはシンの友達の容態は良くなったり悪くなったり不安定な時期が続く。

今となっては、あの時シンが頑張って良かったと思えるが、俺もかなり心配になった。

身近な人が闘病生活をしているシンの様子を見て、俺もGWには帰省したりした。

妹にゲームを見せてもらった。お年玉でマリオカートを買ったらしい。

近所に家族で出かけたりもした。妹とは何話して良いかわかんなかったけど、

あの年代の女の子ってほんと喋り好きだし、話すのがうまい。

俺はただ相槌をしてるだけで良い時もあった。

両親とも久しぶりにゆっくり話したし、前は1年に1回も帰らない年があったりする息子が、

日をあけずに帰ってきたことを喜んでるように見えた。

シンにあんな偉そうな励ましをした俺だが、俺が周りの大事な人に伝えられてなかったんだな。

いつか俺も、あの時あぁ言えば良かったとか、あの時伝えられなかったとか、そう後悔する日が来るのだろう。

その悔やみは多分どれだけ言葉で伝え続けても、してしまうと思う。

具体的な行動とか姿勢で示していかないといけないんだな。

俺がそうしたくなったのって、やっぱりシンのおかげだと思った。どこか感じる懐かしさはこの辺りから来ているのだろうか。

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2号室-30
  E-MAIL  - 13/5/24(金) 17:09 -
手術の日、シンは朝からずっと病院にいた。

家にいてもやることなかっただろう。俺も病院に行こうか、と言ったが大丈夫と断られた。

俺が逆の立場でも多分断っていたと思う。

俺は日中は買い物に行き、夕方家に戻った。

家にある地図を開いて総合病院を探す。ここでシンの友達とシンは頑張ってたんだな。

日が暮れてきたので部屋の明かりをつけると、シンが帰ってきた。

「ただいま。」

「おかえり。どうだった?」

「うん、とりあえず、手術は成功した。脚も切らなくて良いって。」

「そっか。良かったな。」

「うん。」

だけど浮かない顔。多分今までも良くなる良くなるって言われて、でも手術になったから手放しで喜べないのだろう。

俺は晩飯を作り、それを二人で食べた。

食べている内にシンもちょっと明るくなってきた。朝から何も食ってなかったのかな。

「引越しの話だけどな。」

「あ、うん。」

「シンさえ良ければなんだけど、友達が退院するまで、居て良いからな。」

「え、あ、そんな。それはなんか悪いよ。」

「いや、良いって。」

「でも・・・、そしたらカズさん恋人探せないじゃん。」

素でそう言われて俺もちょっと悲しくなる。俺のことちょっとでもそういう目で見てくれないのか。
まぁ今までは就活。今はお見舞いだもんな。

「それは良いよ。」

俺は、なんなら という言葉を飲み込んで黙る。

それを怒ったととらえたのかシンは

「ごめん、せっかく親切心で言ってくれたのに。」

と少ししゅんとなっていた。可愛い。なんで今までこんなのと生活して何もしないで済んだのだろう。

俺は冷静に食事しながらやり場のないもやもやを抑えていた。

少ししてからシンは

「じゃあお言葉に甘えてそうする。就活も終わったし、俺がご飯作ったりする。」

「お、ほんとに?じゃあ楽しみにしてるわ。でも無理すんなよ。」

そんな感じで契約は延期となった。

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2号室-29
  E-MAIL  - 13/5/24(金) 17:07 -
そのままの体制でしばらく止まっていた。

シンが泣き止むまでこうしていたかった。

ようやく泣き止んで、くてっとシンの体の力が抜けた。俺は少し体を離す。抱きしめるにしては長すぎる時間だった。
シンを抱いていた所が若干汗ばんでいる。トシの時でもこんなことはなかった。

「ありがとう。ちょっと落ち着いた。疲れてるとこごめん。」

「良いよ。シンの方が疲れてるだろ。もう今日は休めよ。」

「うん、そうする。」

そう言ってシンは麦茶を注いで飲んでから部屋に戻っていった。

俺はソファに浅く腰掛ける。さっきまでシンを抱いていた部分の匂いをかぐ。

髪の匂いがうつってる。

頑張ってるシンの匂いだ。あぁいうひたむきな頑張りって俺したのいつだろう。

シンは健気でたまに堂々としてて、どこか懐かった。俺が惹かれたのはその懐かしさかもしれない。

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2号室-28
  E-MAIL  - 13/5/24(金) 17:04 -
その日からシンが内定貰えるまでそうかからなかった。

メールで

"内定出た!"

と来て俺は嬉しくなった。シンが頑張ってたことを知ってたから純粋に嬉しかったし、

これからゆっくり話ができることが嬉しかった。

"おめでとう!良かったな!!今度内定祝いだなー!"

俺はそう返信して仕事に戻る。今日は家いんのかな。


仕事を終えて家に帰るとシンは帰ってるようだった。

俺は着替えて夕飯の支度をしてると、部屋からシンが出てきた。

「おー!おめでとー!良かったな!」

「うん、ありがとう^^」

俺は思わず頭をくしゃくしゃした。それぐらいのことはもう我慢できない位にはなっていた。

できれば引き寄せてくしゃくしゃしたいが。ちょっと距離をとってのくしゃくしゃ。

シンはそれにちょっとびっくりしていたが、

「今日これから友達んち行ってくるね。多分泊まりだから。」

「ほーい。気をつけろよー。」

「駅近いしw カズさん父親みたいw」

そう言ってシンは出て行く。学生は良いな。


その週は俺も仕事で連日夜遅くなった。

今は金曜の夜に職場で飲み会。経理部との合同飲みだったので、普段話さない人と話す。

飲み会の中盤でメールが来た。シンからだった。

"カズさん今日帰ってくる?"

こういうメールは初めてだったから俺はちょっと嬉しくなる。

"帰るよ。11時くらい"

程なくして

"わかった。"と親指立ててる絵文字。

なんだろう。話、あんのかな。引越しの話かな。少し不安になってくる

俺は残りの飲み会中ずっとそわそわしていたが、まぁやまない雨はなく、飲み会も無事終わる。

じゃっかん急いだ足取りで俺は帰宅した。

玄関を開けるとリビングでシンがパソコンをいじってる。

就活終わったのに、ってか確か買い換えたんだよなパソコン。

「ただいま。どうした?」

「おかえりー。」

と浮かない顔。どうやら引越しの話では無さそうだった。
明らかに沈んでいる。

「・・・・。」

シンはぎゅっと口を結んでる。

俺はシンの隣に座る。

「飯食ったの?」

シンは頷く。頷いてから

「お風呂入ってきなよ。話したいことあるから待ってる。」と言う。

俺は話を聞きたかった。

「いや、良いよ。風呂は後で良いからさ。」

俺がそう言うと、シンは少し間を置いて

「入院してる友達がさ、明後日手術することになったんだって。」

そう言ってギュッと手を握る。また少し黙る。

外で救急車が通り過ぎる音がする。

「で、成功確率が100%じゃない手術なくて、失敗したら脚切断するし、最悪、し、死んじゃうかもしれないんだって。」

声が震えている。

そんなシンを見て俺は心臓がバクバクしていた。どうしたらいいんだろう。やっぱり俺器小さい。

「俺、縁起でもないから言わない様にしてたありがとうとか、ごめんとか、向こうが、全然忘れてるようなことかもしれない思い出に
一つ一つ言いたいことあるのに、もし、それ言えなかったら、俺・・・」


そこまで言って涙を流す。友達の前ではいつも通りに振舞ってた反動なのだろう。

俺は思わずシンを抱き寄せた。性的なハグじゃなくて、安心させたかった。安心するかどうかはわかんないけど。

「うん。」俺はハグしてから相槌を打った。

「俺言えなかったら後悔、すると思うけど、でも、やっぱ怖いから、い、言えないよ・・・。
 そんなん、最後の時に言う、ことじゃん。」

泣きながらそう言った。

「俺明日も病院行くけど、顔合わすけど、何したら良いのかもう、わかんねぇよ。」

そう言って黙ってしまった。シンは俺には抱きついてこない。

俺はYシャツのままシンを更にぐっと引き寄せる。飲み屋のタバコの匂いとか少し汗の匂いで臭かったと思う。

「大丈夫だよ。シンは、シンはずっとお見舞い行ってたじゃん。
 ありがとうとかごめんとか言わなくても、シンの行為で伝わってるものって絶対あるから。」

「うん。」

「俺詳しくはわかんないけど、シンがいたからその友達も闘病できたと思うし、
 シンは言葉よりももっと大事なものを伝え続けていれたと思うぞ。」

「うん、うんっ。」

多分、誰にも何も相談できずに一人で頑張ってお見舞いに行って、それで手術なんてなって、

自分の行為がどこかで報われたかったんだと思う。

俺の言うこと一つ一つに頷いて、その度に涙を流していた。相変わらず手は膝の上だった。

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2号室-27
  E-MAIL  - 13/5/24(金) 17:03 -
俺らはそのまま飯を食べ、片付けをする。今日はシンが洗ってくれている。

直接聞く前にちょっと探りを入れてみよう。

シンの真上に戸棚がある。そこに色々収納している。

俺は探し物をするフリをしてシンの後ろから戸棚を開ける。

「うわっ、びっくりした。探し物?」

「あぁ、ちょっとな。」

結構密着してて、じゃっかん不自然だった。

「言ってくれれば俺探すのに。」

と言いながら俯いて食器を洗ってる。んー表情が見えない。

てか俺がたってきた。

「なかったわ。いきなりごめんな。」俺は席に戻る。

「んーん。大丈夫。」

シンが振り返る。若干緊張してるように見えなくもない。いつも通りにも見える。

思い切って言うことにする。

「あんさ、さっきの話だけど。」

「ん?」

「別に就活終わってもしばらくはこの家いていいんだぞ。」

シンは俺を見たまま黙っていた。もうちょっと言葉が欲しいのだろう。

「いや、その、シンが住まいのことばっか気にして就活に専念できなかったら嫌じゃん。」

「そっか。いいの?」

「うん。むしろそうしてくれ。」

「わかった、じゃあとりあえず、いきなり引越しとかは考えないようにする。」
 内定もらえてから引越し考えるよ。」

「うん、それで良いよ。最初に変な条件つけてごめんな。」

「カズさんが謝ることじゃないよ。」

そう言ってシンは部屋に戻っていった。

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2号室-26
  E-MAIL  - 13/5/24(金) 17:01 -
その日以来、シンは病院にお見舞いに行く時は「病院に行く」と言う様になった。

ちょっと気は楽になったのかな。俺もそれを見て、就活で疲れてんのに大変だなぁと思ったりした。

就活やらお見舞いやらで忙しそうな所で俺がシンに手を出したら、シンがブッ倒れそうな気がするので、俺は我慢する。

ほんとはちょっと関係を進めたいし、進められそうな場面もあったりする。

シンが俺の部屋のダブルベッドが前から気になってるっていうんで、寝転がせてみたりとか、

ネクタイ貸す時に、お互いの結び方を教え合ったりとか、ぶっちゃけ襲おうと思えばいつでも襲えた。

が、俺は我慢した。そんな時はシュウに愚痴をぶつける。

シュウも最初の方こそ

「お前いつの間に好きになってたの。」

なんて言ってたりしたけど、最近は慣れたらしい。我慢した方が良いとアドバイスしたりもしてくる。

こんないちゃつき寸前の生活してるのも、ひとえにシンが「俺がシンをタイプではない」

ということをいまだに信じ続けているからであるが、とっくにそれは崩壊している。

シュウの話では、半々の確率でシンを俺が襲っても抵抗しないとのことだが、まぁせめて就活が終わるまで待とう。

そんなもやもやな生活が続く中、ある日二人で晩飯を食ってるとシンが

「俺もうすぐ内定出るかもしれない。まだわかんないけど。」

4月中旬の話だった。

「あ、そうなの?良かったじゃん!あと少し頑張れよ〜。」

「うんありがとう。だから、カズさんもそろそろ次の相手探し始めた方が良いかも。」

そう言われて俺は固まる。そうだ。そんな話だった。

俺が持った茶碗を見つめたまま箸の動きを止めてるのを見て、シンは

「どしたの?俺なんか変なこと言った?汗」

と不安そうな表情。俺は一呼吸置いて

「いや、なんでもないよ。ちょっとその条件俺が忘れてたw」

「そっかw なんか俺も馴染んじゃったもんなw」

「就職は東京でするのか?」

「うん、その予定ー。転勤も無い職場選んでる。」

なんて話をしながら、俺は考えていた。

シンが就活が終わってもルームシェアは続くもんだといつの間にか思っていた。

確かに最初の話では、シンの進路が決まり次第、シンは出て行く。なぜなら俺はいつか恋人とここで住みたいからだ。

だから今のシンの話におかしな所は一つもない。おかしいのは俺のシンに対する気持ちと、シンの認識のズレである。

俺は今シンが好きだ。

契約延長の打診をここでするということは、俺がシンに気持ちを伝えることと一緒であり、でもそれはシンの就活終了まで待つという今の方針に反する。

今、結構瀬戸際に立っているかもしれない。

早くしないと、シンは就活を進めつつ、引越しの準備もしてしまうかもしれない。

ちょっと軽くで良いからシンの気持ちを確かめておく必要がありそうだった。

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2号室-25
  E-MAIL  - 13/5/24(金) 17:00 -
2月下旬の土曜夕方。俺は夕飯の買い出しに行く準備をする。

結局シュウが泊まりに来た次の週から仕事が徐々に忙しくなり始め、あまりシンともシュウとも関わっていなかった。

それでも、家にいる時は俺は無意識の内にリビングで活動するようになっていた。

おかげでリビングの暖房を使うので先月ちょっと電気代が高くなっている。

ソファに座ってテレビを見たりしてると、風呂上りのシンが腰にバスタオルを巻いたままで隣に座る。

すげー癒される。トシとは違う感じだ。

なんだろう俺の好み変わったのかな。ムラムラしかけている自分がいる。

濡れた体のまま、全裸のシンを抱き寄せたかった。が、自制する。

シンは全然そんな俺の様子に気づかずに熱を冷ましているので、

「風邪ひくぞ。」

なんて言いながら俺は席を立つ。これ以上はちょっと離れた方が良い。

シンの方も俺に懐いてるっぽかった。俺と同じように、一緒の時間を過ごそうとしている気がする。

これは俺の勝手な解釈かもしれないけど。


そんな事を考えながら家を出る。お隣さんと出くわす。

隣は確か学生くらいの男二人が住んでる。ここもルームシェアかな。

片方は身長が大きいのだが、いわゆる草食系な感じであまりタイプじゃない。でもまぁ良さそうな人だ。

もう一人の方はシンと同じ背格好の童顔の子である。

今日会ったのは童顔の方。整ってる顔つきだけど、やっぱり俺はこういうタイプには欲情しなかった。

頭を下げると向こうも下げる。お互い騒音出さないし、これからもこんな近所付き合いだろう。

向こうにも向こうの共同生活があるんだろうな。


俺はスーパーで買い物を済ませる。ちょっと多めに買ってしまった。

駅前のバスロータリーにバスが何台か来て、乗客が降りていく。

その中にシンの姿があった。

「シン!」

俺が話し掛けるとシンが顔をこっちに向ける。

「あ。。」

なんとなく元気がない。

「もう家帰んの?」

「うん、帰るよ。」

俺らはそのまま一緒に帰る。駅から近かいからすぐ着くが、その間も沈黙だった。お腹空いてんのかな。

「飯どうすんの?」

「あー。。なんも考えてなかった。」

「じゃあ俺今日作るよ。」

「え、いいの?」

「うん、買いすぎたし。親子丼とかで良い?」

「うん、ありがとう。」

そう言って家に着くとシンタロウは部屋にすいーっと戻ってパタンと扉を閉じた。

話、聞いた方がいいのだろうか。


飯を作ってる間に風呂に入ってもらったりして、まぁ夕食の時間。

親子丼を食いながらシンに聞いてみる。


「元気なくない?就活?」

「や、就活はそんな。普通だよ。落とされたりもするけど。」

元気がないことは確かなようだ。

「そっか。まぁほかにもあるならいつでも俺聞くよ。」

というとシンは黙って頷く。

それからしばらくテレビを見ていると再びシンが

「あのさ、」と言う。

「うん?」と俺が促す。

「迷惑にならないといいんだけど」

俺は頷く。テレビの音量を少し下げる。

「俺の友達がね、ちょっと病気してて。そこの病院に入院してて。」

近所に総合病院があった。シンが降りてきたバスは確かにそこを経由している。

「で、容態が、その、最近あんまり良くないらしいんだ。」

俺は色々思い出してみる。土日出かけていること、年末こっちに残ったこと、ルームシェアの希望理由の「家庭の事情」。

「あー、そうなんだ。それで。。」

「うん。そう。」

俺はなんて言おうかと迷っているとシンが

「就活の悩みとかは先輩とか学校の人に言えるんだけど、この話はちょっと誰にも言えなくて、で、今日話したんだけど。迷惑じゃなかった?」

「全然迷惑じゃねーよ。むしろシンが落ち込んでる時に理由がわからない方が辛い。話してくれて良かった。」

ちょっと言い方きつかったかなと顔を見ると、シンは笑って

「そっか。なんか今までそう思ったことあった?」と聞く。

「うーんまぁ何度かあったけど、多分違う理由で落ち込んでた時もあっただろうしな。
これからもなんかあったら話してよ。無理にじゃなくていいけど。」

「うん、わかった。ありがとう。」

そう言って

「カズさんもなんかあったら俺に話していいからね。」

と言って笑った。

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2号室-24
  E-MAIL  - 13/5/24(金) 16:59 -
夜。俺とシュウはダブルベッドで寝ていた。

いい感じに酔って、もうあとは寝るだけだった。

風呂のあとはちょっと話をした。シュウが送別会を見たことをシンに伝えると

シンはじゃっかん照れていた。

俺もかっこよかったぞーなんて言うと、シンはウヘヘと笑ったりして、ほんとサークルの後輩にほしい感じ。

シュウは今にもシンの頭をなでたりハグしたりしそうな勢いだったので、俺はそこでお開きにした。

まぁ健全な飲みだな。

「なぁ。」

シュウに突然話し掛けられる。まだ起きてたのか。

「ん、何?」

「シンタロウ君ってさ、カズのこと好きなんじゃないの?」

俺はちょっと動揺した。

「え、なんで?」

「なんでって、なんか見た感じ。俺じゃなくてお前のこと頼ってる感じだし。」

そうだったっけ。

「それは、俺が一緒に住んでるからだろう。」

ふーんと言って背中を向けるシュウ。

今までの俺だったら、なんか拗ねてるっぽいシュウが可愛くて後ろから抱いてたかもしれない。

だけど、そうしなかった。気分になれなかった。

「お前はさ、」とまたシュウ。

「ほんとにシンタロウ君に対してなんも思ってないの?」

ちょっと、てか、かなり間を置いてから

「なんもねぇよ・・・」

とだけ返事をする。その間とその後の沈黙で、俺は初めて自分の気持ちに気づき始めていた。

なんもないとか嘘だ。今間があったのも、シュウを抱けないのも、全部ーーーーー

「なんか、俺シンタロウ君のこと好きだけどさ。」とシュウ。

「今日お前らのやり取り見てたら、なんか俺じゃないなって思った。
 まだそこまで本気になってない段階で、今日遊びに来れて良かったわ。」

俺はシュウの言ってる意味をすぐには理解できなかったが、なんとなくシュウはシンタロウを諦めたんだろうなってことはわかった。

ただそれがわかった所で、励ますのも変だし、肯定するのもさっきと矛盾してる気がする。

「もう今日は寝るぞ。酔っててよくわからん。」

結局それだけ言って俺も背中を向けた。

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次の日俺とシュウだけで朝飯を食った。

シュウは家を出る時、笑いながら「またメールする。」と言った。

どっちかというとニヤニヤした感じ。むかつく。

その1時間後にシンが起きてきた。

シュウが帰ったことを伝える。

シンもちょっと残念そうにしてたが、まぁまた会えると思ったのだろう。いつも通りの日曜に戻っていった。

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2号室-23
  E-MAIL  - 13/5/24(金) 16:57 -
シンタロウは夕方頃に帰ってきて、リビングでパソコンを打っていた。

遊ぶ前にやることやってしまうらしい。そういうとこ好きだ。時間の使い方がうまいやつは友達でも恋人でも好感持てる。

で、19時ちょっと前。シュウが家に到着。

「おじゃまします。この家も久しぶりだな。」

シンタロウを紹介した夜以来だから4ヶ月ぶりくらいか。

適当につまみを出して酒飲みながらマリカとかなんかいろいろゲームして過ごした。

シュウがシンタロウを気にかけてるのがわかる。酒も進み、ゲームも白熱してきた。

俺がシュウの嫌がらせにちょっと頭にきて腕で首を絞めたりする。

それをシンタロウは面白そうに見ながら

「二人は付き合ってないんですか?」

と聞いてきた。

俺はどうしようか迷って絞めてるシュウを見る。見たら無表情だが顔が赤い。酒じゃ赤くならないこいつが赤いってことはそゆことか。

これは体の関係があったこと言わん方が良いのかな。

「あぁ。付き合ってないよ。ノンケの幼馴染みたいな感覚だな。」

と切り返す。シュウもそれにうなずいてる。正解だったみたいだ。

シュウが話のそらしも兼ねて聞きたいことを聞く。

「シンタロウ君は、好きな人いないの?」

シンタロウはじゃっかん顔を伏せて

「いないっすねー。」と言って笑う。

「へー。ってかどういうのがタイプなん?」

こいつ酔ってるな。

「タイプかぁ。俺と身長同じくらいで、学校の友達みたいな人かなぁ。」

確かに俺らはシンに比べてデカすぎる。

「そぉかぁ。」とシュウ。

こいつまだ諦めてないし、自信もありそうだ。

「じゃさ、俺とカズだったらどっちタイプ?」

さすがに俺は慌てる。

シンタロウもちょっと困ってる。多分俺らに差はないんだろう。悪い言い方をすればどっちもどっちってとこか。

「俺、あんまりカズさんとかシュウさんみたいなタイプと今まで話したことなくて、だからよくわかんないんです。」

俺はちょっと意外なことを聞いたと思った。

俺と同じ理由でお互いタイプじゃないって思ってたのか。なんだろう、この感覚。

何かつかめそうでつかめない。

「そっか。まぁこれから知ってけば良いよ。」

と、シュウが良くわからないことを言いながら危ない手つきでコントロールを握る。それを見て俺は

「そろそろ風呂にしようよ。いい時間だし。」

ちなみにシュウが泊まることは聞いてある。もちろん俺のベッドで寝るはずだ。てか寝かす。

「そうだなー。」

そんなわけで一旦休憩。

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C-BOARD Moyuku v0.99b5