「……と、まぁこんな感じかなぁ」
一人の男が呟き、クリームソーダの残りを音を立てて吸った。
少し騒がしい雰囲気のファミレスのテーブル席に二人の男が座っていた。
「ふーん。それはそれは、実に羨ましい話ですなぁ」
俺は茶化すようにして言うと、男は謙遜することなくへへっと笑った。
「あーあ。次は別れ話でも聞きたいもんだな、春さんよ」
「ははは。まぁ、いつかはそういうときも来るだろうね」
少し寂しげな顔で言うが、それは決してネガティブなものではない。
「その時は、慰めてもらいますかね」
「生憎、そんな暇はございません」
冷たく返した俺は、ぶーぶー文句を言われていると、
「すみません、春さん!待たせちゃって……って、あれ?」
俺と春さんと呼ばれた男が座っているそのテーブルに、一人の男が近づいてきた。
たしかに、見とれてしまうほどの爽やか好青年だ。
「慶一君、おつかれさま」
あ、お疲れ様ですと言いながら、ちょっと怪訝な表情でこっちを見る彼に、
「この前言ったあの……、」なんて耳打ちしている。
「あー!趣味がAV鑑賞っていう噂の……」
「シーッ!」
二人でいちゃついてるようにしか見えないやり取りに
「全部聞こえてんだよ」
ちょっとイラつきながら返した。
「何話してたんです?」
「え?まぁ、うちらの馴れ初め話をちょっとね」
岡田春が、はにかみながら言う。
俺はちょっと嫌味ったらしく、
「ほのぼのしすぎて、ネタ的にはどうにもこうにも……。
とりあえずまぁ、お幸せに」
そう言いながら、万札を一枚テーブルに置いて俺は席を立った。
後ろからちょっと文句を言う声が聞こえたが、それもすぐ、二人だけの幸せそうな会話へと変わっていく。
「今度はもうちょっと、さくっと過激なエロ話ができそうな人探そうっと」
店を出た俺は、一言そう呟いた。
おしまい。
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「定食屋のイケメン店員」
「不安もあるけど、目先の幸せ」
と、長々とたらたらと書き続けてしまい、すみませんでした。
Hな話掲示板らしく、さくっとまとめたかったのですが、
ここまで飽きずに読んでくださった方、コメント下さった方、ありがとうございました。